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高齢者レクリエーション 高齢者レクリエーションのノウハウ 2023/12/04

高齢者向けのレクリエーションとは?楽しく盛り上がるレク21選

文/中村 楓(介護支援専門員・介護福祉士・介護コラムニスト) 20220127_3.jpg

デイサービスや老人ホームをはじめとした介護施設では、利用者さんみんなで楽しめるレクリエーションが定期的に行われます。

レクリエーションを通じて認知機能の低下を防ぐだけでなく、利用者さんが施設での生活をさらに楽しめるようになるため、高齢者向け施設では欠かせないイベントです。

当記事では、高齢者向けのレクリエーションの概要と具体例を紹介します。道具なしで簡単に実施できるものから、集団で盛り上がるものまで幅広く挙げているので、これから介護施設で働こうと考えている人や、すでに働いている介護職員・スタッフは、高齢者向け施設で行われるレクリエーションについて幅広い知識を得ておきましょう。

目次
1.高齢者向けのレクリエーションとは?
高齢者向けレクリエーションのメリット
高齢者向けレクリエーションの種類
2.道具なし!高齢者向けレクリエーション3選
パタカラ体操
口じゃんけん
後出しじゃんけん
3.集団で盛り上がる!高齢者向けレクリエーション3選
伝言ゲーム
色玉入れ
風船バレー
4.座ってできる高齢者向けレクリエーション3選
棒サッカー
タオル送り
ゲームテーブルビンゴ
5.ホワイトボードを使った高齢者向けレクリエーション3選
しりとり
都道府県クイズ
漢字読みクイズ
6.頭を使う高齢者向けレクリエーション3選
箱の中身はなんだろな?
みんなで川柳を作ろう
間違い探し
7.歌や音を使う高齢者向けレクリエーション3選
イントロクイズ
歌いながら手拍子
カラオケ・合唱
8.手先や指先を動かす高齢者向け創作レクリエーション3選
壁画づくり
手芸
リースづくり
9.レクリエーションの進行手順
始まりのあいさつ、レクの説明
レクリエーションの実施
結果発表、今日のまとめ
10.レクリエーションを成功させる3つのポイント
利用者さんが楽しめる工夫をする
安全に配慮する
事前準備はしっかりと行う
11.レクリエーションを行う際に職員が心がける3つのこと
参加の可否は利用者さんの意志を尊重しよう
参加者がみんな楽しめるようにしよう
大きな声ではっきり話そう
まとめ:レクリエーションは事前準備が肝心

1.高齢者向けのレクリエーションとは?

高齢者向けのレクリエーションとは、主に高齢者向け住宅・介護老人保健施設・デイサービス・老人ホームなどの高齢者向け施設で行われるイベントです。昼食から夕食までの間など、施設利用者さん全員が起きて活発に動く時間帯に開催されることが一般的で、自由参加型が基本となっています。

そもそもレクリエーションとは、日々の仕事や生活における疲れをリフレッシュさせるために行う活動や娯楽行事のことです。高齢者向け施設では、「元気を取り戻す」「施設での生活を楽しいものにする」「楽しみながら機能訓練(リハビリ)を行う」ことを目的に行われます。

高齢者向けレクリエーションのメリット

高齢者向けレクリエーションには、あらゆるメリットがあります。

〇脳の機能を活性化する
高齢者向け施設の利用者さんが、高齢者向けレクリエーションを行うことで、日々の生活では使用しない脳部分を刺激することが可能です。これにより脳が活性化し、認知機能の維持・向上につながるとされています。

〇身体機能を維持する
高齢者向けレクリエーションにより、身体機能の維持も期待できます。国立長寿医療研究センターの「認知症予防マニュアル」でも、運動による認知症が有効とされています。座りながらできる軽い運動から、バランスを使って体全体を動かす運動まであらゆる運動があります。

(出典:国立長寿医療研究センター「認知症予防マニュアル」

〇心の健康を維持する
高齢者向けレクリエーションにより、日々の生活では得られない新たな刺激を得ることが可能です。気分転換にもなり、結果として心の健康を維持できます。心身ともにリフレッシュすることができ、人生の新たな楽しさを見つける機会にもなるでしょう。

〇コミュニケーションの機会が生まれる
介護が必要になると、これまで通り外に出て他者とコミュニケーションをとることが少なくなってしまいます。しかし、高齢者向けレクリエーションでは、他の利用者さんと深く交流することが可能です。孤立することもなく、他の利用者さんと笑って過ごせることから、ストレスの緩和にもつながるでしょう。

〇生活の質(QOL)が向上する
高齢者向けレクリエーションにより楽しみが生まれると、それが生きがいになるケースも多々あります。「次のレクリエーションも楽しみ」と思えるようになれば、生活の質(QOL)は大いに向上するでしょう。

高齢者向けレクリエーションの種類

高齢者レクリエーションとひとくちに言っても、あらゆる種類があります。基本的には、頭・体・音を使ったレクリエーションや、創作によるレクリエーションが多く開催されます。

〇頭を使うレクリエーション
認知機能の維持・向上、さらに利用者さん同士のコミュニケーション活性化を目的に行われるレクリエーションです。具体的には、クイズ・脳トレやパズル、さらに将棋や麻雀などが挙げられます。

〇体を使うレクリエーション
運動不足の解消や利用者さん同士のコミュニケーション活性化を目的に行われるレクリエーションです。具体的には、ラジオ体操や風船バレー、玉入れなどが挙げられます。チームで行うレクリエーションの場合は、他者と協力・連携するという力も鍛えられます。

〇音を使うレクリエーション
肺機能の向上や脳の活性化、ストレス緩和を目的に行われるレクリエーションです。懐かしい音楽を聴く・歌うなどで昔の記憶を思い出したり、日々の生活の不安や緊張感を和らげたりします。場合によっては、楽器を演奏することもあります。

〇創作するレクリエーション
認知機能の維持・向上や生活の質(QOL)を高めることを目的に行われるレクリエーションです。具体的には、編み物や折り紙、さらに書道や調理などが挙げられます。調理レクリエーションでは他利用者さんとの連携力も培うことができ、施設内のコミュニケーションがさらに活性化します。

2.道具なし! 高齢者向けレクリエーション3選

高齢者向けレクリエーションでは、何らかの道具が必要となるものが一般的です。しかし、中には道具は一切必要なく開催できるものもあります。

道具なしで開催できる高齢者向けレクリエーション
・パタカラ体操
・口じゃんけん
・後出しじゃんけん

道具なしのレクリエーションは、準備や片付けの手間がかからない点が魅力です。施設内にさほど道具が揃っていない場合は、上記のレクリエーションを実践してみましょう。

ここからは、それぞれのレクリエーション内容について紹介します。

パタカラ体操

パタカラ体操とは、「パ」「タ」「カ」「ラ」の4文字を発声しながら口をしっかり動かす口の体操です。高齢者は、口や舌の筋肉が低下し、嚥下機能が低下します。食べ物の誤嚥を防ぐためには、口や舌の運動にぴったりのパタカラ体操が適切です。「パ」は口唇を閉じ、「タ」は舌先を口蓋に、「カ」は舌の付け根付近を口蓋の奥につけ、「ラ」は巻き舌にして舌の裏側の口蓋に当てることがポイントとなります。

<やり方>

(1) 「パ」「タ」「カ」「ラ」をそれぞれ1音ずつ順に発声する
例:「パ」→「タ」→「カ」→「ラ」
(2) 「パ」「タ」「カ」「ラ」をそれぞれ1音ずつ連続して順に発生する
例:「パパパ...」→「タタタ...」→「カカカ...」→「ラララ...」
(3) 「パ」「タ」「カ」「ラ」を含む文章を発声する
例:「パンダのたからもの」

口じゃんけん

口じゃんけんとは、その名の通り口を使ってじゃんけんをするというゲームです。一般的なじゃんけんは手を使って行いますが、口じゃんけんは口を使って「グー」「チョキ」「パー」を表現します。グーは口をすぼめ、チョキは口をとがらせる・舌を出す・横に広げるなどし、パーは口を大きく開けることがポイントです。

一度のルール説明では覚えきれない利用者さんも多くいるため、まずはリーダーや指導者同士で例を見せてあげるとよいでしょう。

<やり方>

(1) 2人以上の組を作る
(2) 最初に手を使った一般的なじゃんけんをさせて慣れさせる
(3) 口じゃんけんのやり方を説明し、リーダーが声かけをしながら実践する

(出典:えどがわ区民ニュース「健口体操」

後出しじゃんけん

後出しじゃんけんとは、リーダーの「じゃんけんぽん」という合図と手に応じ、利用者さんが1テンポ後に手を出すゲームです。リーダーに勝つ手を出すか、負ける手を出すか、あいことなる手を出すかは、リーダーの指示によって異なります。言葉だけのルール説明では理解できないケースも多々あるため、口じゃんけんと同様、実践前に一度リーダーや指導者同士での例を見せてあげましょう。

やや頭を使うゲームなため、最初はゆっくり行い、慣れてきたタイミングを見計らってスピードを上げることもおすすめです。

<やり方>

(1) 最初に手を使った一般的なじゃんけんをさせて慣れさせる
(2) 後出しじゃんけんのやり方を説明し、リーダーが声かけをしながら実践する
(3) 利用者さんが勝つ・負ける、もしくはあいこになる手の指示を交互に混ぜながら何度も後出しじゃんけんを行う
(4) 慣れてきたら、スピードを上げて難易度を高める

3.集団で盛り上がる!高齢者向けレクリエーション3選

高齢者向けレクリエーションでは、大人数になればなるほど盛り上がるものも多くあります。数人や1人で行うレクリエーションとは違って、大人数で行うレクリエーションは交流の機会も多くなり、盛り上がりや達成感を共有することが可能です。

集団で盛り上がれる高齢者向けレクリエーション
・伝言ゲーム
・色玉入れ
・風船バレー

ここからは、それぞれのレクリエーション内容について紹介します。

伝言ゲーム

伝言ゲームとは、決められたお題を最初の人から最後の人まできちんと伝えられるか協力するゲームです。お題の例は単語や短文ではなく、「朝8時から行った堤防釣りで、大きなアジが連れました。」など、覚えるポイントがいくつかある長文を用いることが基本となります。

伝言ゲームとひとくちに言っても、糸電話やイラスト・文字、ジェスチャーを用いたものや、お題から連想されるイメージ・単語を用いて伝言するなど、バリエーションが豊富にあります。高齢者向け施設では、耳が聞こえにくい人・目が見えにくい人などあらゆる利用者さんがいるため、適切なバリエーションを選ぶことがポイントです。下記は、「糸電話を用いた伝言ゲーム」のやり方です。

<やり方>

(1) 大人数の利用者さんを円形、もしくは一直線に、糸が貼る程度の間隔まで広げて座らせる
(2) 伝言ゲームの順番を決めて、最初の人に糸電話でお題を伝えてから、覚えたお題を最初の人が次の人に伝える
(3) 次の人に糸電話でお題を伝える工程を順番に繰り返し、最後の人まで回ったら答え合わせをする

色玉入れ

色玉入れとは、色のついた玉と箱を用意し、利用者さんに色のついた玉を一致する色の箱に投げさせるというゲームです。玉を掴んで狙った場所に投げるというシンプルなゲームですが、運動機能・認知機能の維持・向上につながる重要なレクリエーションと言えます。

基本的には椅子に座った状態で行うため、椅子に座りながらでもできる位置に玉と箱を置いておきましょう。けがをしないよう、柔らかい玉を使うことが必須です。施設内利用者さんの関係づくりを支援するために、チーム対抗戦で行うこともおすすめと言えます。チーム対抗戦で行う場合は、色のついた玉と箱のセットを2つずつ作りましょう。

<やり方>

(1) 赤・白・青・黄色など異なる色の玉と箱を、数種類用意する
(2) 玉を入れる箱と投げる位置、さらに秒数を決める
(3) 投げる位置に利用者さんを座って円形、もしくは一直線に並ばせる
(4) 色玉入れのルールを説明し、リーダーの合図とともに実践する
(5) 定めた秒数が経過したらストップし、玉の数をカウントして結果発表する

風船バレー

風船バレーとは、風船のボールを用いて、通常のバレーボールのルールでプレイするというゲームです。椅子に座りながら行えるため体の負担が少なく、転倒やけがの心配はありません。上半身の運動にも効果的です。風船は非常に軽くゆっくりと動くため、運動が苦手な高齢者でも簡単に参加できます。

しかし、少なからず体の筋肉を使うため、突然体を動かすことによる痛みが生じてしまわないよう、風船バレーを行う前には十分な準備運動が必要となることも覚えておきましょう。

<やり方>

(1) 風船バレーを行うフィールドを決め、ネットや紐、テープなどを用いて細かなラインを定める
(2) 2~3人ごとのチームを2つ作る
(3) 1セットの制限時間を決め、基本的なルールを参加者に説明した上で実践する
(4) リーダーは試合を見ながら得点をカウントする
(5) 制限時間が終了したらストップし、得点をカウントして結果発表する

4.座ってできる高齢者向けレクリエーション3選



高齢者向けレクリエーションを行うときには、安全面を考慮しつつ、参加者全員が楽しめるように工夫することが大切です。座ってできるレクリエーションであれば、車いすを利用する人でも参加しやすく、転倒リスクも軽減されます。

座ってできる高齢者向けレクリエーション

  • 棒サッカー
  • タオル送りゲーム
  • テーブルビンゴ

ここからは、それぞれのレクリエーション内容について紹介します。

棒サッカー

棒サッカーとは、新聞紙やスポンジなど比較的柔らかい素材のものを丸めた棒とゴムボールを用いてサッカーをするゲームです。

通常のサッカーは足でボールを蹴りますが、棒サッカーは棒でボールを動かして、ダンボールで作ったゴールを目指して打ち込むゲームです。そのため、高齢者でも座りながら簡単に実施できます。チーム戦で進行することを基本とし、ボールを動かす棒を色分けしておくとよりチームとしての一体感が生まれます。

ただし、体の不自由な高齢者にとってはやや激しい動きとなるため、転倒の不安がないように安定感のある椅子を用意してください。また、疲労を感じないよう試合時間を短くしたり、休憩(ハーフタイム)を長めにとったりしましょう。

<やり方>

(1) ダンボールでゴールと、ボールが転がりすぎないように低い壁(フィールド)を作る
(2) 人数分の柔らかい棒と、ゴムボールを1つ用意する
(3) 同じ人数のチームを2つ作り、フィールドを介して一直線に座らせる
(4) 試合時間を決めたのち、棒サッカーのルールを説明し、実践する
(5) 制限時間が終了したらストップし、リーダーがカウントした得点を発表する

タオル送りゲーム

タオル送りゲームは、2人1組で1枚のタオルを持ち、タオルの上に乗せたボールを次の人に送ったり、遠くに飛ばしたりして点数を競い合うゲームです。大人数のチーム戦だけでなく、少人数で行うこともでき、運ぶ速さを競う、玉入れのようなルールで競うなど、幅広いアレンジが可能です。

基本的に2人1組となるため、力のバランスが大きく変わらないよう、組み合わせに配慮しましょう。遠くにボールを飛ばす場合には、それぞれの能力によってスタートラインを調整すると、力の差が出にくくなります。

<やり方>
遠くに飛ばして点を競う場合

(1) フェイスタオルとボールを用意する
(2) 距離によって点数を決めて、点数がわかりやすいよう表記する
(3) 2人1組を作り、両端をそれぞれが持てる距離に椅子を置く
(4) ボールを複数回投げてもらい、すべての点数を数えホワイトボードに書く
(5) すべての組み合わせがゲームを終えたら、一番点数が高かった組み合わせを発表

チーム戦でボール運びを行う場合

(1) フェイスタオルとボール、ストップウォッチを用意する
(2) チームを2つに分けて、2列に座ってもらう
(3) 先頭のタオルにボールを乗せて、タイムを計る
(4) タイムが早いチームの勝ち

※2チーム同時にタイムを競う方法でも、1チームずつ計る方法でも可能。

テーブルビンゴ

テーブルビンゴとは、テーブルにテープなどで3×3のマスを作り、お手玉を投げてビンゴを作るゲームです。狙い通りにお手玉を投げるという楽しみだけでなく、ビンゴになるように計算する必要があるため、脳トレにもなります。マスに入ったときと、ビンゴになったときの得点を決めて、ホワイトボードに書いておきましょう。

<やり方>

(1) 大きめのテーブルにテープ等で3×3のマスを作る
(2) お手玉を10玉ほど用意する
(3) 点数を決めてルール説明を行う
(4) テーブルに向かってお手玉を投げてもらい、合計点を計算する
(5) 全員が終わったら、最高得点を発表する

●関連記事:高齢者が座ってできるレクリエーション15選

5.ホワイトボードを使った高齢者向けレクリエーション3選

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ホワイトボードを使ったレクリエーションは、準備物が少なくスタッフの負担が軽減されやすいものです。高齢者も動くことが少ないため、安全に行えます。ただし、内容が単調になりやすいので、飽きない工夫を凝らしましょう。

ホワイトボードのみでできるレクリエーション

  • しりとり
  • 都道府県クイズ
  • 漢字読みクイズ

ここからは、それぞれのレクリエーション内容について紹介します。

しりとり

しりとりは、誰もがルールを知っていることから、実施しやすいレクリエーションの1つです。文字数やお題に変化をつけることで、飽きることなく続けられるでしょう。お題は参加者に決めてもらうと、より楽しめます。

都道府県クイズ

都道府県クイズとは、都道府県に関するヒントを出し、どの都道府県か当ててもらうゲームです。高齢者の中には、仕事で全国にゆかりがある人や、県外から移住した人も少なくありません。そのため話が広がりやすく、回想法としても有効といえます。ただし、出題の際には下調べが必要です。事前準備はしっかり行いましょう。

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漢字読みクイズ

漢字読みクイズは、読みが難しい漢字をホワイトボードに書いて、読みを当ててもらうクイズです。地名や魚、動物などのテーマを決めて出題したり、回答を3択にしたりすることで、正解しやすい状況となり、多くの人が楽しめます。地名の場合は、都道府県クイズと同様に話が広がりやすいでしょう。

●関連記事:高齢者の脳トレにホワイトボードが適している理由は?
高齢者の脳トレに「漢字」は効果的?レクにおすすめの9種の脳トレ

6.頭を使う高齢者向けレクリエーション3選



頭を使う高齢者向けレクリエーションは、脳トレとして人気があり、認知機能の維持に効果があるといわれています。

頭を使うレクリエーション

  • 箱の中身はなんだろな?
  • みんなで川柳
  • 間違い探し

ここからは、それぞれのレクリエーション内容について紹介します。

箱の中身はなんだろな?

箱の中身はなんだろな? は、箱の中に手を入れてもらい、中身を当ててもらうクイズです。ルールは簡単でわかりやすく、個人戦でもチーム戦でも楽しめます。すぐに当てられる可能性もあるので、当ててもらう物は想定より多く用意しておくと安心です。

みんなで川柳を作ろう

みんなで川柳を作ろうは、お題を出して「上の句」「中の句」「下の句」を別々の人が考えて1句を作るゲームです。チーム戦にすれば、認知症や言葉が出にくい人も参加しやすくなります。

間違い探し

間違い探しは、観察力や注意力を要するため、脳トレとして人気があります。個人、集団、いずれのレクリエーションとしても実施できます。職員が持っているものや着ているものを変えて登場する形の間違い探しなら、紙に描かれたものを見るのが難しい方でも気軽に参加できるでしょう。

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7.歌や音を使う高齢者向けレクリエーション3選

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歌や音を使うレクリエーションには、心が落ち着いてリラックスする効果や、大きな声を出すことによる心肺機能の維持向上を図る効果があるといわれています。音楽が好きな利用者さんも多く、昔なじみの音楽を使うことで、認知機能の維持向上にもつながります。

歌や音を使ったレクリエーション

  • イントロクイズ
  • 歌いながら手拍子
  • カラオケ・合唱

ここからは、それぞれのレクリエーション内容について紹介します。

イントロクイズ

イントロクイズは、音楽のイントロ部分を数秒だけ流し、曲名を当ててもらうゲームです。施設向け通信カラオケに機能として入っていることが多く、カラオケがある施設であれば職員が少ないときでも簡単に実施できます。
出題は、おおよその参加者が知っているであろうと思われる年代の曲や童謡を選択しましょう。また、3択にすれば、多くの人が参加しやすくなります。正解後は、みんなで歌うのもよいでしょう。

歌いながら手拍子

歌いながら手拍子は、歌のリズムに合わせて手拍子を打つレクリエーションです。体を動かすことで、身体機能の維持向上を図ることができます。手拍子だけでなく、手遊びや足踏みなどを取り入れ、体操として行うケースもあります。施設向け通信カラオケには、歌いながら手拍子や体操をするプログラムが搭載されています。また、手拍子リズムの書籍も多数出版されているので、参考にしてみてください。

カラオケ・合唱

カラオケや合唱は、大きな声を出すので心肺機能や言語機能の維持に効果があるレクリエーションです。また、ストレス解消にもなるとされ、心身の健康維持にも良い影響を与えます。
カラオケの場合には、一人の人が何回も歌うことがないよう、配慮する必要があります。みんなで歌える合唱なら、一人で歌うのが苦手な人でも参加しやすいでしょう。

●関連記事:歌・音楽レクリエ―ションを高齢者に実施する際の手順とポイント

8.手先や指先を動かす高齢者向け創作レクリエーション3選



手先や指先を動かす創作レクリエーションは、指先の動きが滑らかになり、脳の血流量が上がり脳トレになるとして、人気があります。創作レクリエーションには、一人ひとりがそれぞれの物を作る個別レクリエーションと、みんなで大きな作品を作る集団レクリエーションがあります。

手先や指先を使う創作レクリエーション

  • 壁画づくり
  • 手芸
  • リースづくり

それぞれのポイントを紹介します。

壁画作り

壁画作りは、大きな作品を作る創作レクリエーションです。月ごとや季節ごとに作ることが多く、花紙を丸めたものや折り紙をちぎったり切ったりしたもの、参加者の手形を取ったものなどを張り付けて1つの作品を作ります。作業は、参加者の能力に応じて割り振りましょう。

手芸

編み物や手縫い、刺繍など、さまざまな種類があり、それぞれの能力や好みに応じて提供できます。個別レクリエーションとして実施できるため、集団レクリエーションが苦手な人でも参加しやすいでしょう。参加しやすいものとして、ボンボンづくりやタッセル、フェルト貼りなどがおすすめです。

リースづくり

リースづくりは、リースから作る場合と、出来上がっているリースに飾りをつける場合があります。リースから作る場合は、折り紙で作るケースが多いでしょう。
リースにつける飾りは、ビーズやボタンのような手芸用品から、折り紙や花紙で作った花、イラストを切ったものやシールなど、さまざまなものが利用可能です。リースの中央に利用者さんの写真を貼り付けて、家族に渡すと大変喜ばれます。

そのほか、高齢者向けレクリエーションを探したい方はこちらもご覧ください。

●関連記事:今日から使える高齢者レクリエーション

9.レクリエーションの進行手順



レクリエーションを円滑に進めていくためには、事前に進行手順を確認しておくことが大切です。ここでは、レクリエーションの一般的な進行手順を紹介します。

①始まりのあいさつ、レクリエーションの説明

レクリエーション開始前に、まず始まりのあいさつをして、場を和ませましょう。そして、本日のレクリエーションの内容とルールを説明します。注意事項がある場合は、ここで伝えておきます。何かあれば職員がサポートすることも、忘れずに伝えましょう。

②レクリエーションの実施

説明が終わったら、レクリエーションを実施します。体を動かしたり、刃物を使用したりするレクリエーションでは、安全を考慮した環境や職員配置にしましょう。勝敗がつくレクリエーションの場合は、大きな差が出ないような組み合わせやチームを作り、みんなが楽しめるようにします。レクリエーション中は利用者さんの様子を見ながら、サポートしたり、ひとりぼっちにならないように声掛けをしたりします。途中でトイレに行きたくなる利用者さんも少なくないので、適度にトイレ誘導や声掛けをしていきましょう。

③結果発表、今日のまとめ

レクリエーションが終わったら、勝敗がつくものについては結果発表を行います。互いの健闘をたたえて、雰囲気良く終了しましょう。終了後、利用者さんに今回のレクリエーションの感想を聞き、聞いた内容をメモしておくと、次回のレクリエーションに活用できます。次回のレクリエーションの内容が決まっている場合は、予告しておきましょう。

10.レクリエーションを成功させる3つのポイント



レクリエーションを成功させるために、以下の3つのポイントを意識してみましょう。

利用者さんそれぞれが楽しめる工夫をする

レクリエーションに参加する利用者さんは、それぞれ障害の度合いやADL、認知能力に差があります。レクリエーションを行う際には、それぞれの能力に合わせて実施できるように工夫しましょう。チーム戦では、全体のバランスを考えてチームを作ります。レクリエーションの途中でメンバー交代をするのもおすすめです。

安全に配慮する

レクリエーションを行う場合は、安全に配慮しなければなりません。特に刃物を使う場合は、使う利用者さんを限定したり、職員が見守れるところで利用したりしてもらいましょう。
運動系のレクリエーションでは、転倒に注意が必要です。白熱して思わぬ行動に出る利用者さんもいるため、運動系では職員を多めに配置します。動きが大きくなりそうな利用者さんには、職員がそばにつくようにしましょう。

事前準備はしっかり行う

レクリエーションを成功させるには、事前準備が重要です。1週間や1か月単位でレクリエーションの内容を決めておくと、準備がしやすくなります。必要物品やレクリエーションの流れは、前日までにしっかりと確認し、想定できるアクシデントについても話し合って事前に対応策を考えておきましょう。

11.レクリエーションを行う際に職員が心がける3つのこと



利用者さんが楽しめるレクリエーションを行うためには、以下の3つの点を心がけましょう。

参加の可否は利用者さんの意志を尊重しよう

レクリエーションに参加するかどうかは、利用者さんに選ぶ権利があります。職員側の都合で強制参加にならないよう、注意しましょう。また、参加の可否を確認する際は、誘導尋問にならないようにしてください。

参加者がみんな楽しめるようにしよう

レクリエーションを実施する際は、個々の状態に合わせるだけでなく、参加者している利用者さんにまんべんなく話を振るなど、参加しやすい雰囲気づくりを心がけましょう。

大きな声ではっきり話そう

レクリエーションを行うときには、大きな声でゆっくりはっきり話すことが大切です。ルール説明や注意事項は、ホワイトボードに簡潔に書いておくと、利用者さんに伝わりやすくなります。

まとめ:レクリエーションは事前準備が肝心

高齢者向け住宅や介護老人保健施設などの老人ホームで行われるレクリエーションは、脳機能の活性化や身体機能・心の健康の維持につながる重要なイベントです。高齢者向けレクリエーションには、頭や体、音を使ったレクリエーションや創作系レクリエーションなどさまざまな種類があります。参加する利用者さんの状態や好みに合わせて、上手に選択しましょう。また、参加者全員が楽しめるよう、事前準備をしっかり行うことが大切です。

「介護のみらいラボ」では、介護現場で活躍する人に有益な情報を多数掲載しています。ここまでの内容を参考に、「現場で役に立つ介護知識をもっと知りたい」という介護スタッフは、他のコラムもぜひチェックしてみてください。

(参考:脳活道場(わかさ出版/パズル式 脳トレぬり絵(わかさ出版))

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中村楓(Kaede Nakamura)

介護福祉士・介護コラムニスト

現役介護支援専門員。介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級、認知症介護実践者研修の資格を持つ。病院や通所リハビリ、デイサービスで介護福祉士として働き、生活相談員や介護認定調査員の経験も持つ。「介護の未来を明るくする」をモットーに、現場感ある記事を書く介護コラムニストとしても活動中。

中村楓の執筆・監修記事

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