●長谷川式認知症スケール(改訂長谷川式簡易知能評価スケール:HDS−R)
長谷川式認知症スケールとは、認知症症状の状態を数値化する評価尺度のひとつ。認知症か否かは、МRIやCT、脳血流スペクトなどの結果から臨床診断しますが、その前段に、様々な評価方法があります。本人に対する10分程度の質問の回答から、認知機能全般を簡便にテストします。長谷川式認知症スケールでは30点満点で20点以下の場合に認知症を疑います。
●行動・心理症状(BPSD:Behavioral and psychological symptoms of dementia)
行動・心理症状とは、認知症でしばしば生じる、知覚認識、思考内容、気分、行動の障害による症状。「BPSD」とも呼びます。認知機能の低下によって生じる「中核症状」に対し、「行動・心理症状」は身体、心理、環境などの要因によって生じるため個人差が大きいとされています。主な症状に、幻覚など「知覚認識障害」、「ものを盗られた」といった妄想などの「思考内容障害」、うつなどの「気分障害」、徘徊や弄便、暴言や暴力などの「行動障害」があります。
監修者:永嶋 昌樹(ながしま まさき)
現職:日本社会事業大学社会福祉学部 准教授(「高齢者福祉論」「介護過程の展開と実践」)
略歴:社会福祉事業団に就職後、特別養護老人ホーム介護職員、在宅介護支援センター相談員・介護支援専門員(ケアマネジャー)など約12年間の現場実務を経て、大学の専任教員として福祉専門職養成に携わる。
学位資格:博士(社会福祉学)、介護福祉士、社会福祉士
社会活動:公益社団法人東京都介護福祉士会会長、介護福祉士国家試験委員、東京都介護保険審査会委員など
著書:『保育・福祉のための社会福祉援助技術事例研究』(共著, 建帛社)、『これからの訪問介護と施設介護の視点』(共著, ぎょうせい)、『アクティブラーニングで学ぶ介護過程ワークブック』(共著, みらい)、『介護教育方法の理論と実践』(共著, 弘文堂)など
制作/エディポック