●脱健着患
だっけんちゃっかん
脱健着患とは、着替えなど、身体介護を提供する際の原則。特に身体の片側に麻痺がある(片麻痺の)人の、衣類の脱ぎ着を安全に行う方法です。麻痺など障害があり配慮を必要とする身体の側面や手足などの部位を「患側(かんそく)」と呼び、一般的な機能・能力のある身体の側面や部位を「健側(けんそく)」と呼びます。健側から衣類を脱ぎ、麻痺や痛みのある患側から着るように介助・援助します。
●個浴
個浴とは、1人用の浴槽を使用して、入浴介助を受けながら「一人ずつ」入浴する、介護施設などでの入浴方法のひとつ。個浴に対して、複数人が同時に大浴場などで入浴する方法を「一般浴」と呼びます。一般浴に比べて個浴は、家庭の風呂のように入浴でき、利用者のプライバシーが保たれるという利点があります。
●一般浴(一般浴槽)
一般浴とは、介護施設などで、入所者などの複数人が同時に入浴する方法です。入浴の介助を受けずに、または必要な介助を受けながら、利用者本人が自分で身体を洗い、湯舟につかります。特に、自立している人や歩行できる人の施設での入浴を指す場合が多いです。介護の場面では、個浴に比べて入浴回数や入浴時間に自由度が高いことが多いといえます。機械浴で使用される「特殊浴槽」に対し、一般的な入浴に使われるものを「一般浴槽」と呼びます。
●シャワー浴
シャワー浴とは、浴槽に入らないでシャワーを浴びて、身体の清潔を保ち、爽快感など精神心理的な効能を得る入浴方法を指します。浴槽に入る入浴に比べ、入浴する人のエネルギーの代謝率が少なくて済むため、病状や身体機能の低下により浴槽入浴が困難な人が対象となります。シャワーによる水圧で、マッサージの効果や褥瘡の予防が期待されます。
監修者:永嶋 昌樹(ながしま まさき)
現職:日本社会事業大学社会福祉学部 准教授(「高齢者福祉論」「介護過程の展開と実践」)
略歴:社会福祉事業団に就職後、特別養護老人ホーム介護職員、在宅介護支援センター相談員・介護支援専門員(ケアマネジャー)など約12年間の現場実務を経て、大学の専任教員として福祉専門職養成に携わる。
学位資格:博士(社会福祉学)、介護福祉士、社会福祉士
社会活動:公益社団法人東京都介護福祉士会会長、介護福祉士国家試験委員、東京都介護保険審査会委員など
著書:『保育・福祉のための社会福祉援助技術事例研究』(共著, 建帛社)、『これからの訪問介護と施設介護の視点』(共著, ぎょうせい)、『アクティブラーニングで学ぶ介護過程ワークブック』(共著, みらい)、『介護教育方法の理論と実践』(共著, 弘文堂)など
制作/エディポック