デイサービスに転職するメリット・デメリット|仕事内容も解説

デイサービスとは、介護保険で利用できる通所型介護サービスです。主に、利用者さんの入浴・食事・排泄の介助、レクリエーションの企画・進行など、利用者さんが自宅で自立した生活を送るための支援業務を行います。デイサービスへの転職を考える際は、メリット・デメリットを踏まえた上で自分に合った仕事か判断するとよいでしょう。
当記事では、デイサービスへの転職を考えている方に向けて、デイサービスの基本的な仕事内容やメリット・デメリットを紹介します。デイサービスの仕事に興味がある方は、ぜひご覧ください。
目次
- 2. デイサービスに転職する5つのメリット
- 2-1. 夜勤がない
- 2-2. やりがいを感じられる
- 2-3. スタッフ間のチームワークを深められる
- 2-4. 体力的な負担が少ない
- 2-5. 無資格・未経験で働ける
1. デイサービスとは?基本的な仕事内容も
デイサービスとは、介護保険法に基づき介護保険で利用できる通所型介護サービスです。利用者さんが自宅で自立した生活を送るための支援業務や、介護するご家族の負担軽減を目的としたサービスを提供しています。
デイサービスは、要介護1~5に該当する方が利用できます。要支援1・2に該当する方は利用できませんが、状態を悪化させないための介護予防サービスは利用可能です。
デイサービスの施設利用者の構成割合は、下記の通りです。
◆デイサービスにおける要介護度別利用者数の構成割合
要介護度 | 構成割合(%) |
---|---|
要介護1 | 35.7 |
要介護2 | 30.6 |
要介護3 | 17.6 |
要介護4 | 10.3 |
要介護5 | 5.6 |
その他 | 0.3 |
(引用:厚生労働省「2 居宅サービス事業所の状況」
/
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service16/dl/kekka-gaiyou_02.pdf引用日2023/05/11)
(出典:厚生労働省「どんなサービスがあるの?-通所介護(デイサービス)」
/
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group7.html)
(出典:厚生労働省「参考資料3 参考資料(通所介護・療養通所介護)」
/
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168705.pdf)
要介護度別利用者数の構成割合から、デイサービスの利用者さんは要介護1~3の方が多いことが分かります。利用者さんの介護度は比較的低い傾向にあるものの、日常生活動作のサポートや認知症ケアが必要な方もいます。
デイサービスで実施する基本的な支援業務の内容は、下記の通りです。
・日常生活上の支援
・生活機能向上のための機能訓練
・生活機能向上グループ活動などの高齢者同士の交流
・利用者さんの自宅から施設までの送迎業務など
デイサービスにおける介護スタッフの仕事は、利用者さんの入浴・食事・排泄の介助、レクリエーションの企画・進行などが中心です。また、送迎車の運転や送迎のサポートをすることもあります。
2. デイサービスに転職する5つのメリット
デイサービスへの転職には、さまざまなメリットがあります。デイサービスの仕事の特徴や働き方に魅力を感じる方が多く、介護職の転職先としても人気です。デイサービスへの転職を考えている方は、どのようなメリットがあるのか具体的にイメージしておきましょう。
デイサービスに転職するメリットを5つ解説します。
2-1. 夜勤がない
デイサービスは、利用者さんへのサービス提供時間が決まっています。介護スタッフの勤務時間は、基本的に午前8時~午後5時の日勤帯のみで夜勤はありません。また、残業や早出・遅出なども少なく、規則正しく働けます。
デイサービスで働く介護スタッフの中には、子育て中の方やご家族の介護をしている方も多く見られます。プライベートの時間を確保したい方にとって、変則的な勤務が少なく日勤帯のみで働けるデイサービスはメリットが大きいと言えるでしょう。
2-2. やりがいを感じられる
デイサービスの仕事は、やりがいを感じられることもメリットの1つです。利用者さんやご家族との距離が近いこともあり、喜びの表情や感謝の声などをダイレクトに感じることができます。
デイサービスで働く介護スタッフには、利用者さんが快適にすごすための工夫や意欲向上につながるレクリエーションの企画など、目的意識を持って働くことが求められます。デイサービスはレクリエーションの頻度が多いため、企画が好きな方や一緒に楽しむことができる方は特にやりがいを実感しやすいでしょう。
2-3. スタッフ間のチームワークを深められる
デイサービスに転職すると、チーム内のスタッフと連携して仕事を進められます。デイサービスでは、介護スタッフ1人で仕事に向き合うのではなく、看護師や生活相談員などと一緒に利用者さんやご家族のサポートをするのが基本です。
レクリエーションの内容によっては、他業種のスタッフと一緒に身体を動かしたり作業したりすることもあります。スタッフ間のチームワークが深まることで、利用者さんやご家族へ適切なサポートを提供しやすくなります。
2-4. 体力的な負担が少ない
デイサービスは、他の介護職に比べて体力的な負担が少ないことが特徴です。利用者さんの介護度が比較的低いため、身体を使った日常生活上の支援業務は少ない傾向にあります。
介護職の転職理由として、体力的な負担や職業病の悪化を挙げる方も少なくありません。入浴介助や排泄介助などで利用者さんの身体を支えるには、どうしても足腰に負担がかかります。
一方、体力的な負担が少なく夜勤がないデイサービスであれば、体力の限界で転職を考えている方でも介護職を続けられる可能性があります。
2-5. 無資格・未経験で働ける
デイサービスは、無資格・経験不問で働ける職場が豊富です。利用者さんの介護度は幅が広く、必ずしも介護資格や経験がなければ働けないというわけではありません。
デイサービスでは他のスタッフと一緒に仕事をするため、無資格でも食事介助などの日常生活上の支援をすることができます。現時点で介護に関するスキルや経験がない方でも、介護職の第一歩を踏み出すことができます。
資格取得の支援に力を入れている施設もあるため、サポート体制や取り組みにも注目してみましょう。
3. デイサービスに転職する4つのデメリット
デイサービスにはさまざまなメリットがある一方で、いくつかデメリットもあります。ただし、デメリットと感じるかどうかには個人差があります。デイサービスへの転職が自分に合っているのか考えるためにも、どのようなことがデメリットになり得るのかチェックしておきましょう。
デイサービスに転職するデメリットを4つ解説します。
3-1. 利用者さんの顔ぶれが毎日変わる
デイサービスの利用者さんは、顔ぶれが毎日変わることが特徴です。入所型の施設と比べると同じ利用者さんと顔を合わせる頻度が少なく、信頼関係を築くには時間がかかると感じている介護スタッフも多く見られます。
利用者さんがデイサービスですごす時間は、送迎を合わせて長くても6~7時間程度です。短時間ですごしやすい雰囲気をつくるには、積極的にコミュニケーションを取る必要があります。コミュニケーションが苦手な方にとっては、人間関係が負担になるかもしれません。一方で、コミュニケーションが得意な方であれば、支障なく働けるでしょう。
3-2. レクリエーションが負担になる
デイサービスのレクリエーションは、企画から実施までを介護スタッフが担当します。 利用者さんが楽しく前向きな気持ちで参加できる内容にしたり、飽きないように工夫したりすることも大切です。
レクリエーションを企画するには、情報収集やアイデア出しなどが必要です。進行役をする場合は、段取りの確認や時間管理などの業務も増えます。情報収集やレクリエーション自体に苦手意識がある方は、レクリエーションに関する業務が負担に感じる可能性があります。
3-3. 介護技術を向上しにくい
デイサービスで働く場合、介護技術の向上を目指しにくいこともデメリットです。デイサービスは介護予防や自立支援が中心で、難易度が高い身体介護をするケースはほとんどありません。 そのため、介護士としてのスキルや技術を高めたい方にとっては、業務内容が物足りなく感じる場合もあるでしょう。
ただし、ハードな介護職からの転職や無資格・未経験からの就職であれば、それほど大きなデメリットとは言えません。デイサービスへの転職を考えている場合は、実際にどのような業務にあたるのか求人内容をしっかりチェックしましょう。
3-4. 給料が比較的低い
デイサービスで働く介護スタッフの給料は、介護業界の中でも低い傾向にあります。難易度が高い介護業務がほとんどないことや、夜勤がないことも給料が比較的低い理由の1つです。
介護老人保健施設や介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)で働いていた方は、転職により給料が減少する可能性が高いでしょう。
ただし、実際の給料額は勤務先の施設形態や雇用形態によって異なります。中には、比較的給料が高めに設定されている施設もあります。デイサービスに転職する場合は、サポートが充実した転職支援サービスを活用して、より有利な条件で働ける施設を探すことがおすすめです。
まとめ
デイサービスでは、利用者さんが自宅で自立した生活を送れるように、主に入浴・食事・排泄の介助などを行います。デイサービスはレクリエーションを行う頻度が多いため、企画が好きな方や利用者さんと一緒に楽しむことができる方はやりがいを感じやすいでしょう。
「マイナビ介護職」では、介護職に特化した専門のキャリアアドバイザーが希望・適性・強みなどを把握した上で、ご希望に沿った転職先を紹介しています。非公開の求人紹介はもちろん、書類の添削や面接練習も行っていますので、デイサービスへの転職を考えている方はぜひ「マイナビ介護職」をご利用ください。
※当記事は2023年6月時点の情報をもとに作成しています
介護・福祉業界の転職事情|仕事の種類・平均給与・おすすめの資格
関連記事

働き方
| 公開日:2024.12.17 更新日:2024.12.17 |
訪問介護のメリットとデメリットとは?仕事内容や転職のポイント
訪問介護は、高齢者や障害者の方が自宅で安心して自立した生活を続けられる...(続きを読む)

働き方
| 公開日:2024.08.04 更新日:2024.08.04 |
訪問介護の現場では正社員として働ける?正社員になるメリットも解説
訪問介護では、利用者さんの自宅などに赴き、主に「身体介護」「生活援助」...(続きを読む)

働き方
| 公開日:2024.08.04 更新日:2025.04.02 |
訪問介護の仕事内容は?訪問介護員ができること・できないことを解説
介護業界で働いている方や転職を考えている方の中には、訪問介護がどのよう...(続きを読む)

働き方
| 公開日:2024.07.08 更新日:2024.07.08 |
介護事務は未経験では難しい仕事?仕事内容や向いている人の特徴も
介護分野では、介護士や介護助手の他に、介護事務として働く方も活躍してい...(続きを読む)