介護職も副業は可能?おすすめの副業と注意点を解説

介護職として働きながら、もう少し収入を得たいという理由から副業をしている方は一定数います。政府が副業を推進していることもあり、副業を検討している方も多いでしょう。
当記事では、介護職の副業状況とともに、介護の経験がある方におすすめの副業を紹介します。本業に迷惑をかけないように副業するには、いくつかの注意点もあります。副業を検討している方は当記事を参考にし、副業による収入アップやスキルアップを目指しましょう。
目次
1. 介護職でも副業はできる?
副業とは本業とは別に仕事をして収入を得ること指し、短時間パートや個人事業など、副業の形態や方法はさまざま です。近年は政府も厚生労働省が公表した「モデル就業規則」を通じて副業を推進しており、企業の中にも副業が許可する動きが増えています。
(出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
/
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000962665.pdf)
副業と似た言葉に「兼業」や「ダブルワーク」がありますが、それぞれニュアンスに違いがある言葉です。副業は本業との違いが明確な場合を指し、兼業はどちらが本業とは決まっていない状態、ダブルワークはどちらも同じくらいの時間や収入を得る場合とされる傾向にあります。
介護職の方も、副業は可能です。副業により収入の増加や、専門知識を生かした異業種での活動など、多彩なチャンスが広がる でしょう。副業解禁の流れが加速している今、介護業界で働く方も副業という選択肢を考えてもよいかもしれません。
1-1. 介護職で副業をしている人はいる?
実際に介護職で副業をしている方はいます。厚生労働省が2020年に行った副業・兼業に関する労働者調査の結果によれば、副業をしている方の割合は調査対象者の9.7% です。医療・福祉のカテゴリでは9.9%と、約10人に1人の割合でした。
理由としては、「収入を増やしたいから」という回答が特に多く、「1つの仕事だけでは収入が少なすぎて生活自体ができないから」との声も多く寄せられました。 この結果から、介護職でも副業を行っている方は少なくないことが伺えます。
(出典:厚生労働省「副業・兼業に係る実態把握の内容等について」
/
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000660780.pdf)
2. 介護職におすすめの副業は?
一口に副業と言っても、その選択肢は多岐にわたります。介護職に就く方であれば介護系の資格や知識を生かして働ける職種を選ぶとよいでしょう。
ここでは、介護職におすすめの副業を4つ紹介します。
2-1. 介護施設での夜勤専従バイト
介護施設の夜勤専従バイトは、夜間のみの働き方です。老人ホームやグループホームなど24時間稼働している施設で需要があります。高額な手当がつくため、1回の勤務で15,000円~20,000円程度の給与が期待できます。週1回や月2回といった、少ない日数でシフトに入れるところも少なくありません。
夜勤専従バイトは、介護職の経験やスキルをそのまま副業に生かせる点で人気 です。夜勤未経験の方であっても、ある程度の介護経験があれば働くことができます。 仕事内容は施設や利用者の見回り、就寝・起床準備の介助などが主であり、レクリエーション業務はないため、定例業務に集中しやすい環境です。
【注意点】
●夜間帯は介護スタッフ数が少なく、一人ひとりの負担が重くなりやすい
●拘束時間が長く、生活リズムが崩れやすい
●1人夜勤も多く、緊急時の対応が求められる
2-2. 介護施設の日勤バイト
介護施設の日勤介護職員や訪問介護の登録ヘルパーなどのアルバイトは、本業の業務日数が少ない方や夜勤専従者におすすめの副業 です。自分の都合に合わせて勤務時間を調整しやすく、柔軟な働き方ができます。手当がつかない分、夜勤専従に比べると給与は下がりますが、介護士としてのスキルアップも目指せるため、介護の仕事を深めたい方にも適した副業です。
【注意点】
●競合他社でのダブルワークや労働時間数には制限があることが多く、確認が必須となる
●登録ヘルパー(訪問介護)の場合は初任者研修以上の資格が必須となる
●年末調整は本業の事業所でしか行えないため、事前に伝えておく必要がある
2-3. 地域活動支援センター
地域活動支援センターは、障がいを抱える方々の日常生活や社会生活の支援を行う施設 です。仕事内容は地域での生活支援や日中活動の支援、創作活動やプログラムの指導、イベントの企画など多岐にわたります。
職員の類型は1型・2型・3型があり、1型は介護福祉士などの資格が求められるものの、時給単価も高めです。資格がない方や実務経験が浅い方は2型・3型で探すとよいでしょう。短時間勤務の相談もしやすい傾向にあり、介護職の方の副業として取り組みやすい職場 です。
【注意点】
●事業所によって業務内容が異なり、介護以外の仕事を振られることもある
●時給単価の高い1型は介護関連の資格が必須となる
●好条件の求人情報は数が少なく倍率も高い
2-4. スキルシェア
スキルシェアサービスは、会社や組織に勤務するのではなく、自身で特技や経験をWebサイトなどで出品し、収入を得る働き方です。介護職の方なら、レクリエーションや病院のつき添い、Webライティングなど、さまざまな案件で介護業務経験者としてのスキルを生かせる でしょう。面接などの選考がなく、自分の都合に合わせて働けることで、近年人気が高まっている副業の形です。
現在は都心部が中心となっていますが、今後は地方でもサービスの拡大が続くと考えられています。自分で価格設定ができるのも魅力で、労力や時間に応じた料金設定が可能です。
【注意点】
●高すぎると購入されにくいため、価格設定は市場の相場をチェックしなければならない
●参入している企業数が多く質にバラつきがあるため、自分に合ったサービスの選定が大切になる
3. 介護職が副業するときの注意点は?
介護職の方でも副業をすることは可能です。選ぶ職種によっては、収入が増えるだけでなく、本業のパフォーマンスが上がることも多いでしょう。ただし、副業にはメリットだけでなく、デメリットが生じるケースがある点も知っておかなければなりません。
ここでは、介護職が副業するときの注意点を3つ解説します。
3-1. 職場の就業規則を確認する
副業は法律で禁止されていないため、基本的には問題ありません。しかし、職場の就業規則によっては、副業禁止と明記されている場合も多くあります。 法的な拘束力はないものの、就業規則を守らなければ処罰を受ける可能性も否定できません。
副業をする際には必ず自分の職場の就業規則を細かく確認し、副業の種類や許可されるための条件などについて理解しておきましょう。就業規則に記載がない場合でも、人事部や総務部に確認したり上司に相談したりしてから実行に移したほうが無難 です。
3-2. 労働基準法を守る
労働基準法第38条では、働く者の労働時間や休憩、休日について以下のように明確に定めています。
●使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
●使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。
●使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。
(引用:厚生労働省「労働時間・休日」
/
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/index.html/引用日2023/08/16)
上記で規定されている範囲を超えた労働時間は所定外労働時間となり、割増賃金が発生します。この規定は本業だけでなく、副業にも適用される点に注意が必要です。例えば、本業で平日昼間に9時~18時で働いた場合、土日や夜に行う副業は法定外労働時間に換算されます。 割増賃金の有無は、労働者だけでなく職場においても重要な問題です。勤怠管理の手間も変わるため、必ず双方の職場へ勤務状況を伝えておきましょう。
ただし、自営業やフリーランスとして働く場合は、労働基準法の適用外になります。 割増賃金の支払いも対象となりませんので、契約時に確認が必要です。
3-3. 体調・スケジュール管理をきちんと行う
副業をする際の体調管理とスケジュール管理は、非常に重要 です。特に介護職は体力を使うだけでなく、感情労働もともなうハードな仕事であり、体調を崩しやすい傾向にあります。
副業をしているときに体調を崩して本業の職場に迷惑をかけると、「副業にばかりかまけているからだ」と言われかねません。本業に悪影響を及ぼさないよう、副業は無理のない範囲に収めましょう。
また、介護職ではシフト制を取っている職場が大半です。本業と副業のシフト調整をスムーズにするためにも、職場からの理解を得ておく 必要があります。家族や仕事仲間などのサポート体制を確立しておくと、体調やスケジュールが調整できない場合でも安心です。
まとめ
介護職として働く方も、副業を行うことは可能です。介護職としての経験を活かすのであれば、介護施設での夜勤専従バイトやスキルシェアなどが副業の選択肢として挙げられます。副業は収入アップや本業ではできない経験を積むことにつながりますが、本業に悪影響を及ぼさないように注意しましょう。
収入アップを目指すのなら、副業以外にも、収入の良い職場に転職するのも1つの方法です。マイナビ介護職では、さまざまな施設の非公開求人を紹介できる他、介護職専門のキャリアアドバイザーが転職相談を行っています。収入アップを目指したい方は、ぜひ一度マイナビ介護職にご相談ください。
※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています
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