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介護プロフェッショナルのキャリア段位制度とは?評価基準や影響も

公開日:2023.12.11 更新日:2023.12.11
介護プロフェッショナルのキャリア段位制度とは?評価基準や影響も

介護職のキャリアアップ・人材拡充を目的に、2012年から「介護プロフェッショナルのキャリア段位制度(介護キャリア段位制度)」が始まりました。介護キャリア段位制度では、初任者研修レベルからスタートして、レベル7のトップクラスのプロフェッショナルの段階まで用意されています。

この記事では、介護キャリア段位制度とはどのような制度であるのか、以下の出典から詳しく解説します。介護キャリア段位制度の「導入による職員や施設・事業所への影響」や「2つの評価基準」についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

(出典:内閣府「平成24年度から介護プロフェッショナルのキャリア段位制度~国家戦略・プロフェッショナル検定~が始まります」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002jiq2-att/2r9852000002jiz0.pdf

(出典:内閣府「介護キャリア段位制度の概要」
/ https://www5.cao.go.jp/keizai1/jissen-cu/kaigo/shiryou/2015/0326/shiryou2.pdf

1. 介護プロフェッショナルのキャリア段位制度とは

介護キャリア段位制度とは、介護人材の増加とキャリアアップを目的に、内閣府が2012年に創設した評価制度です。「介護プロフェッショナルのキャリア段位制度」とも呼ばれます。日本では、少子高齢化によって労働力人口が減少する一方で、必要とされる介護職員の人口は倍増が見込まれています。しかし、介護分野では、適切な評価がなされないなどの不満から、離職率が高い傾向がありました。

介護キャリア段位制度では、従来の資格や役職だけでは測れない、介護現場での実践的なスキルを客観的に評価します。「具体的に何ができるか」を証明できることで、介護業界での転職や処遇改善、やりがい・労働意欲の向上に役立つことが期待されています。

1-1. 7段階の評価レベル

介護キャリア段位制度は、分野を問わず7段階の評価レベルから構成されています。各職業能力におけるエントリーレベルをレベル1とし、プロの中でも最上位のクラスをレベル7とします。

レベル1は、職業準備教育を受けた段階です。一定の指示のもとに、ある程度の仕事ができる段階になると、レベル2と評価されます。指示がなくても一人前の仕事ができる段階は、レベル3です。

レベル4以上になると、その分野におけるプロレベルの段階とみなされます。レベル4では、一人前に仕事ができるだけでなく、チームの中でリーダーシップを発揮することが必要です。レベル5レベル6では、高度な専門知識に加え、独自の方法が顧客等から認知・評価されていることが求められます。その分野を代表するほどトップクラスのプロフェッショナルは、レベル7です。

なお、介護プロフェッショナルのキャリア段位制度では、現時点においてレベル1から4までの認定が行われています。

2. 介護プロフェッショナルのキャリア段位制度による影響

介護プロフェッショナルのキャリア段位制度が導入されると、職員、施設・事業所ともに、さまざまな変化があるでしょう。ここでは、介護プロフェッショナルのキャリア段位制度による影響や、制度導入のメリットについて解説します。

2-1. 職員への影響

介護キャリア段位制度を利用すると、資格取得や研修を修了する以外にも、自らのスキルを証明することが可能です。介護キャリア段位制度では、入浴・排泄介助等の介護技術、利用者さん・家族の方とのコミュニケーション、感染症・事故への対応などのスキルを、共通のものさしで評価します。「現場で実際何ができるか」が明確になるので、転職活動においても、自分のスキルを伝えやすくなるでしょう。

また、キャリア段位の取得を目標にすることで、現状の課題や改善点が明瞭化します。自分の目指す姿がはっきりすることで、仕事へのモチベーションも高まるかもしれません。介護プロフェッショナルのキャリア段位制度は、介護施設や事業所側においても能力評価の重要な指標となるので、処遇改善にもつながります。

2-2. 施設・事業所への影響

施設や事業所では、介護キャリア段位制度に基づいて職員の方の評価を行う「アセッサー」を置かなければなりません。介護事業所は、従業員の中からアセッサーを選定し、所定の講習を受講させることが必要です。

介護キャリア段位制度の導入メリットは、事業所が職員の方の客観的評価をしやすくなることです。制度に基づいて適切な評価を行うことで、介護職員の方の定着につながる可能性があります。また、OJTによる介護職員の方の人材育成においても、介護キャリア段位制度は便利なツールとなるでしょう。

さらに、施設・事業所内でキャリア段位を取得する職員の方が増えると、質の高いサービスを提供している証明になります。キャリア段位取得を促進することで、施設のアピールポイントになるかもしれません。

3. 介護プロフェッショナルのキャリア段位制度の評価基準

介護プロフェッショナルのキャリア段位制度では、実践的スキルと知識の両面から介護スキルの評価を行うのが特徴です。介護キャリア段位制度では、従来の資格制度に不足していた「実際に現場で何ができるか」について、共通のものさしで測れるようにしました。特に介護プロフェッショナルのキャリア段位制度では、実践的スキルを重要視しています。

3-1. 実践的スキルの評価基準

実践的スキルは、一定の要件を満たした介護職員の方が評価者(アセッサー)となって評価を行います。アセッサーは、公正な評価を行えるよう、事前に講習の受講が必要です。

また、アセッサーが適正な評価をしているかは、外部評価機関が審査します。アセッサーによる内部評価が不適正と判断された場合、レベル認定を取り消すなどの措置がとられます。外部評価機関は、レベル認定の実施機関とは別組織です。

実践的スキルの評価基準は、大項目、中項目、小項目、チェック項目で構成されています。チェック項目は、できる(A)、できる場合とできない場合があり指導を要する(B)、できない(C)、実施していない(-)の4段階です。評価項目は、大きく分けて「基本介護技術」「利用者視点」「地域包括ケアシステム&リーダーシップ」の3つです。

たとえば、基本介護技術の評価は、以下の構成になっています。

大項目 ①基本介護技術の評価
中項目 ・入浴介助
・食事介助
・排泄介助
・移乗・移動・体位変換
・状況の変化に応じた対応
小項目 食事介助ができる
チェック項目 ①食事の献立や中身を利用者に説明する等食欲がわくように声かけを行ったか。
②利用者の食べたいものを聞きながら介助したか。
③利用者と同じ目線の高さで介助し、しっかり咀嚼して飲み込んだことを確認してから次の食事を口に運んだか。
④自力での摂食を促し、必要時に介助を行ったか。
⑤食事の量や水分量の記録をしたか。

(引用:内閣府「介護キャリア段位制度の概要」
/ https://www5.cao.go.jp/keizai1/jissen-cu/kaigo/shiryou/2015/0326/shiryou2.pdf 引用日2023/11/07)

※②・③の大項目は引用元より省略

3-2. 知識の評価基準

知識については、国家資格の取得や研修の修了をもとに評価します。知識に対するレベル区分は、以下の通りです。

レベル4 介護福祉士であること(国家試験合格)
※ 介護福祉士養成施設卒業者について、国家試験の義務付け前においては、介護福祉士養成課程修了によりレベル4とする。
レベル3 介護福祉士養成課程又は実務者研修修了
※ 介護職員基礎研修修了でも可。
レベル2 介護職員初任者研修修了
※ ホームヘルパー2級研修又は1級研修修了も含む。
レベル1

(引用:内閣府「介護キャリア段位制度の概要」
/ https://www5.cao.go.jp/keizai1/jissen-cu/kaigo/shiryou/2015/0326/shiryou2.pdf 引用日2023/11/07)

段位認定は、上記の知識評価と、実践的スキル評価の両面から行います。なお、介護プロフェッショナルのキャリア段位制度では、現時点においてレベル5以上の認定が実施されていません。当面の間、レベル5〜7の認定は行わないことになっています。レベル4以上の方は、アセッサーになるための講習を受けられます。

4. 介護プロフェッショナルのキャリア段位制度の評価を行うアセッサー

アセッサーとは、介護プロフェッショナルのキャリア段位制度における、実践的スキルの評価を行う人材です。また、アセッサーはOJTなどを通して、職員の方のスキルアップを支援する役割もあります。

アセッサーになるためには、講習を受けなければなりません。アセッサー講習の受講要件は、以下のいずれかを満たしていることです。

(1)介護キャリア段位制度レベル4以上であること

(2)介護福祉士として3年以上の実務経験があり、介護福祉士実習指導者講習会を修了していること

(3)実技試験における介護福祉士試験委員の要件(以下のいずれか)に該当していること
1.介護福祉士・保健師・助産師・看護師の資格を得た後、10年以上の実務経験があること
2.介護福祉士養成施設等において介護の領域の科目を5年以上教授または指導した経験があること

(4)介護福祉士・保健師・助産師・看護師で5年以上実務経験があり、介護技術講習指導者養成講習を修了していること

(5)サービス提供責任者、主任等または介護部門のリーダーであること

(出典:一般社団法人シルバーサービス振興会「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」
/ https://careprofessional.org/careproweb/summary

まとめ

介護プロフェッショナルのキャリア段位制度では、7段階の評価レベルから構成されています。介護キャリア段位制度の導入により、介護の現場で働く職員の方にとっては、仕事へのモチベーションを高めることにつながっています。

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※当記事は2023年11月時点の情報をもとに作成しています

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