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訪問介護の仕事内容は?訪問介護員ができること・できないことを解説

公開日:2024.08.04 更新日:2024.08.04
訪問介護の仕事内容は?訪問介護員ができること・できないことを解説

介護業界で働いている方や転職を考えている方の中には、訪問介護がどのような仕事なのか知りたい方もいるのではないでしょうか。

訪問介護員の主な仕事内容は、大きく分けて「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3つです。当記事では、3つの仕事内容について具体的に解説するとともに、訪問介護で介護士ができないことを解説します。

併せて、訪問介護員の給与水準についても触れるため、これから訪問介護員を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。

1. 訪問介護とは?

訪問介護とは、要介護認定を受けている高齢者のほか、障害支援区分の認定を受けている障害のある方の自宅を訪問し、介護サービスを提供する職業です。提供する具体的なサービス内容としては、入浴や排泄・食事などの介護、調理・洗濯・掃除といった家事の支援などがあります。最近では、自宅で生活する高齢者のための介護保険サービスが増加しており、訪問介護の需要も伸びています。

(出典:job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)「訪問介護員/ホームヘルパー - 職業詳細)」
/ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/133

訪問介護員として勤務するにあたって、必要な資格は「介護福祉士」です。3年以上の実務経験を積み、実務者研修を受講した上で国家試験を受験し、資格取得することで介護福祉士になれます。また、「介護職員初任者研修」を修了した方も訪問介護員として働けます。ホームヘルパー2級を有している方は、介護職員初任者研修課程を修了したとみなされるため、訪問介護員として働くことが可能です。

(出典:福岡県庁「居宅訪問系サービス従業者の資格要件」
/ https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/43352.pdf

1-1. 訪問介護員の給与水準

訪問介護員の給料の支払形態はさまざまで、月給や日給、時間給などがあります。令和4年度の調査によると、訪問介護員のうち56.2%が月給、19.5%が時間給で働いています。平均月給は188,435円、平均時間給は1,279円でした。

(出典:公益財団法人 介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書 」
/ https://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2023r01_chousa_cw_kekka.pdf

訪問介護員は正社員だけではなく、非正規で活躍している方が多いのも特徴です。今の日本では高齢化によって介護職の需要が高まっている一方、介護職になりたいと考える方は少なく、介護業界は慢性的に人手不足の状況となっています。そこで、非正規でも可という条件で求人を出し、主婦や学生なども働きやすいよう工夫している訪問介護事業所が多い傾向にあります。

訪問介護員は需要が高く、今後も長く働き続けられる点がメリットです。介護資格を取得してキャリアアップを目指したい方や空き時間を活用したい方など、向いている人も多い職種と言えるでしょう。

2. 訪問介護員の仕事内容

訪問介護員の仕事は大きく、「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」に分けられます。それぞれの仕事内容について詳しく解説するため、訪問介護員への就職・転職を検討中の方は参考にしてください。

(出典:厚生労働省 老健局「訪問介護」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001123917.pdf

2-1. 身体介護

身体介護とは、利用者さんの体に直接触れて実施する介護業務のことです。具体的には、利用者さんの食事や入浴(全身もしくは部分浴)、排泄、着替えなどの介護が身体介護に含まれます。利用者さんの状態によっては、床ずれ防止のための体位変換や姿勢交換、排泄のケア、歩行の介助などを行うのも訪問介護員の大切な仕事です。

身体介護は、利用者さんの体を動かしたり支えたりする機会が多く、体力が必要な仕事となっています。また、身体介護は訪問介護員側だけではなく利用者さん側からしても負担が大きい仕事です。

特に排泄介助や清拭・入浴介助などに対して、精神的に強い抵抗を感じる利用者さんも多くいます。訪問介護員は、利用者さんの尊厳を傷つけないよう、常に相手を思いやりながらサービスを提供することが大切です。

2-2. 生活援助

生活援助は、身体介護以外の介護であり、利用者さんが自宅で自立した生活を送るために必要な家事などの支援を指します。具体的には、以下のような内容が生活援助にあたります。

・利用者さんが生活するスペースの掃除
・衣類の洗濯・収納
・食事の準備
・食材・日用品の買い物
・ベッドメイク
・薬の受け取り
・ゴミ出し
・爪切り
・耳かき
・血圧測定

生活援助は一見すると家事代行サービスに近い仕事内容ですが、訪問介護で行うのはあくまで利用者さん本人の手助けに限られるのが大きな特徴です。

また、訪問介護員はすべての家事をただ引き受けるのではなく、利用者さんが自分でできる内容は声掛けをして促しながらサポートすることが求められます。

2-3. 通院等乗降介助

通院等乗降介助は、利用者さんが医療機関へ行く際に必要な移動の介助を行うこと です。一人で外出するのが難しい利用者さんに対して、外出の準備や車の乗り降りの介助をし、運転して目的地への送迎を行います。併せて、目的地での移動の介助や受診手続きのサポートなどを行うのも訪問介護員の仕事の1つです。

(出典:総務省「訪問介護における通院等乗降介助」
/ https://www.soumu.go.jp/main_content/000468034.pdf

通院等乗降介助には病院だけではなく、食料品・日用品の買い物や金融機関、役所、選挙などに行くことも含まれます。

ただし、基本的には日常生活に必要なもの以外の買い物や趣味のための外出、行事への参加といった外出については通院等乗降介助に含まれません。訪問介護員がサポートできるのは、あくまで利用者さんの生活に必要な外出に限られます。

3. 訪問介護で介護士ができないことは?

訪問介護員は、介護以外のことは行えません。具体的には、以下の行為は訪問介護員の仕事の範囲に含まれないものとなっています。

・医療行為
・日常生活に含まれない家事代行
・利用者さん以外への支援

それぞれ、どのような内容が仕事の範囲外にあたるのかを詳しく解説します。

3-1. 医療行為

医療行為は、緊急時を除けば医師や看護師などの医療職の方しかできない行為です。訪問介護員はあくまで介護のスペシャリストであり、医療に関する国家資格を有する仕事ではないため、医療行為は行えません。具体的には以下のような内容が医療行為にあたり、訪問介護員が行うことは禁止されています。

・痰の吸引
・インスリンの注射
・経管栄養の交換
・服薬管理
・床ずれの処置
・点滴の交換
・摘便

上記はあくまで一例であり、ほかにもさまざまな行為が医療行為に該当するため注意が必要です。例えば、利用者さんの耳かきは生活援助に含まれますが、耳が耳垢で完全にふさがれている場合、耳垢の除去は医療行為にあたり訪問介護員の仕事の対象外となります。自宅で医療行為を受けたい利用者さんは、訪問介護とは別に訪問看護の事業所への申請が必要です。

ただし、医師の診断や医療に関する専門知識を必要としない範囲の医療行為であれば、訪問介護員にも「医療的ケア」として認められています。例えば、「血圧の測定や目薬をさす、座薬を入れる、軽い傷や火傷に薬・軟膏を塗る、湿布を貼る」などは訪問介護員でも行えます。

3-2. 日常生活に含まれない家事代行

訪問介護員は、利用者さんが日常生活を送る上で支障がない範囲の家事は行えません。例えば、以下のような内容は訪問介護員の仕事の対象外となります。

・庭の草むしり
・エアコンクリーニング
・換気扇の掃除
・床のワックスがけ
・家具・家電の移動・修理
・おせちや誕生日など、行事のための料理
・窓拭き
・ベランダ掃除
・ペットの散歩
・酒・タバコなどの趣向品の購入
・車の給油・洗車

利用者さんによっては上記のような内容を相談される可能性もありますが、訪問介護員として「できること・できないこと」の線引きはしっかりとしましょう。

3-3. 利用者さん以外への支援

訪問介護員の仕事は、あくまで利用者さん本人への支援に限られます。訪問先の利用者さんに同居家族がいる場合でも、利用者さん以外への訪問介護サービスの提供は行えません。

例えば、利用者さん本人が使っていない部屋の掃除や、利用者さんの家族が食べる分の料理、家族の衣類も一緒に洗濯することなどは、訪問介護のサービスの範囲外です。利用者さんと家族との共有スペースの掃除も行えません。利用者さんだけではなく家全体の家事への支援が必要な場合は、訪問介護とは別に家事代行サービスなどを利用してもらう必要があります。

まとめ

訪問介護の仕事内容は、大きく分けて「身体介助」「生活援助」「通院等乗降介助」の3つです。具体的には、食事や入浴、排泄、着替えなどの介護、利用者さんが生活するスペースの掃除、衣類の洗濯・収納、食事の準備、医療機関への送迎などが挙げられます。

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