訪問介護の現場では正社員として働ける?正社員になるメリットも解説
訪問介護では、利用者さんの自宅などに赴き、主に「身体介護」「生活援助」「外出支援」を提供します。事業所で介護を行う必要がないため、訪問介護員にはさまざまな雇用形態が存在します。正社員とアルバイト・パート、派遣ヘルパーなどの違いが気になる方もいるでしょう。
この記事では、訪問介護の4つの働き方を踏まえ、中でも正社員にはどのようなメリットがあるかを詳しく紹介します。正社員の訪問看護員になる方法にも触れるため、目指したいという方も、ぜひご一読ください。
目次
1. 訪問介護の働き方
訪問介護員(ホームヘルパー)は、介護保険法にもとづく訪問介護を提供する仕事です。訪問介護の仕事内容は、大きく分けて「身体介護」「生活援助」「外出支援」の3つとなります。
(出典:全国社会福祉協議会「訪問介護員(ホームヘルパー)」
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https://www.shakyo.or.jp/guide/shikaku/setsumei/05.html)
訪問介護はさまざまな働き方を選べる仕事です。訪問介護の4つの働き方について解説するので、ご一読ください。
1-1. 正社員
訪問介護の事業所に直接雇用され、利用者さんの自宅に赴く働き方です。正社員として働く場合、勤務日数や勤務時間は各事業所の就業規則によって固定されます。
訪問介護の正社員は一般的にはフルタイム勤務で、一週間の就労時間は40時間程度です。そのため、ほかの働き方に比べれば働く曜日や時間を選ぶ自由度は低いと言えます。一方で、正社員は月給制のため、勤務時間によって大きく収入が下がる可能性が低い点が魅力です。
1-2. アルバイト・パート
日本は高齢者の増加に伴って介護職の需要が伸びていることから、アルバイトやパートとして人材を雇いたいと考えている事業所も多くあります。そのため、アルバイト・パートとして活躍する訪問介護員も少なくありません。
アルバイト・パートの訪問介護員として働く場合、無資格でもOKなケースが多くなっています。訪問介護に関する知識・スキルは基本的に働く中で身に着けていけば問題ありません。事業所によっては研修制度が整っており、介護に関する基本知識を身に着けてから実際の仕事に従事できる場合もあります。
1-3. 派遣ヘルパー
最近では、派遣会社に登録し、訪問介護員として派遣される形で働く方も増えています。派遣ヘルパーは自分の家庭やプライベートの予定に合わせてシフトを組めるため、ワークライフバランスを保ちやすい点が大きなメリットです。フルタイムやパートタイムも選べるため、自分に合った働き方を実現しやすいとも言えます。
また、派遣ヘルパーはほかの仕事と掛け持ちできる点が大きな特徴です。掛け持ちをすれば収入源を複数確保できるため、経済的にも安心感があります。
1-4. 登録ヘルパー
登録ヘルパーとは、事業所に訪問介護員として登録し、希望する曜日や時間帯を指定して仕事をもらう介護業界独自の雇用形態です。正社員と同じように働くケースもあれば、1日何件かの仕事を担当して日給を得ている方もおり、比較的自由度が高い働き方と言えます。
登録ヘルパーは、事業所に出勤せずに直接訪問先に行って帰る「直行直帰」を許可されているケースが多い傾向です。スキマ時間を活かして働けるため、子育て中の方や副業で介護の仕事がしたい方などに向いている働き方 と言えます。
2. 正社員で訪問介護員として働くメリット
正社員で訪問介護員として働くと、収入が安定しやすい点が大きなメリットです。令和4年度の調査によると、アルバイト・パートで訪問介護員として働く方の平均時給は1,279円でした。正社員と同じように1日8時間×20日働いた場合、月収は204,640円となります。一方、訪問介護員の正社員の平均月給は188,435円ですが、月給とは別に64.0%の方に賞与が支払われています。
(出典:公益財団法人 介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書 」
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https://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2023r01_chousa_cw_kekka.pdf)
また、正社員は実績を積み重ねることでキャリアアップを目指せる点もメリットの1つです。介護に関する知識・スキルを身に付けつつ周囲の人から信頼されるようになれば、介護経験ゼロから役職に就ける可能性があります。さらに、介護系の資格取得などを行って自己研鑽を続けることで給料アップも期待できるでしょう。
さらに、正社員はほかの働き方と比べて福利厚生の面で待遇がよい点が魅力です。正社員であれば健康保険に加入できるほか、会社負担で健康診断を受診でき、怪我や病気への不安を軽減できます。業務外で怪我や病気をした場合でも、傷病手当金などの生活保障を受けることが可能です。労災や雇用保険にも加入するため、怪我・病気や失業した際にサポートを受けられます。
また、通勤費用や住宅手当、資格取得支援や育児・介護休暇制度の整備などを行っている事業所も多いです。
3. 正社員の訪問介護員になるには
訪問介護員の中には非正規や派遣・登録ヘルパーとして働いているものの、正社員として働きたいという方もいるでしょう。正社員は、給料や福利厚生をはじめ、さまざまな面でメリットのある働き方です。
ここでは、どうすれば正社員の訪問介護員になれるのかについて解説するので、ぜひお役立てください。
3-1. 介護関連の資格を取得する
正社員の訪問介護員になりたい場合、介護関連の資格を取得しておくと有利です。介護関係の資格を持っていると、介護についてのスキルや知識があることを客観的に証明できるため、正社員として採用されやすくなります。
訪問介護の仕事で活かせる介護の資格は、主に以下の3つです。
初任者研修 |
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介護職員初任者研修は、介護職としての基礎的な知識・スキルを身に着けるための資格です。介護職としてキャリアを積むために最初に必要となる資格であり、事業所によっては初任者研修を修了してからでないと実務に従事できないケースもあります。 初任者研修はカリキュラムの内容を理解していれば誰でも合格できる資格であり、不合格だった場合でも追試制度があるため、取得難易度は低いと言えます。 |
実務者研修 |
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介護福祉士実務者研修は、利用者さんに合った質の高い介護サービスを提供するための実践的な知識・スキルの習得を目的とした資格です。介護福祉士国家試験を受験するために取得が必要な資格でもあります。無資格でも受講できますが、初任者研修修了者の場合、費用や時間を抑えることが可能です。 |
介護福祉士 |
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介護業界で唯一の国家資格であり、介護の現場におけるリーダー的役割を求められる資格となっています。難易度は国家資格の中では低い傾向があるものの、受験するためには一定の条件を満たす必要があるため注意が必要です。 |
(出典:全国社会福祉協議会「福祉のガイド 福祉の資格」
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https://www.shakyo.or.jp/guide/shikaku/setsumei/02.html)
3-2. 社員登用制度を利用する
勤務先の職場に社員登用制度があれば、アルバイト・パートなどから正社員になれる可能性があります。制度が設けられているか、またどのような基準で正社員になれるかは職場によって異なるので、上司や事務員に相談してみましょう。一般的には、一定期間働き続けるか、社員登用試験に合格することで正社員になれる可能性があります。
社員登用制度は、ある程度職場や介護業務に慣れた人を正社員にできるため、職場側からもメリットのある制度です。ただし、提示された雇用条件に納得できない場合は辞退することも視野に入れるとよいでしょう。
3-3. 正社員の求人に応募する
職場に社員登用制度がない場合、正社員を募集している訪問介護施設に転職することも手段の1つです。また、別の業種から訪問介護の正社員を目指す場合は、無資格可や未経験可で募集している正社員求人を探すとよいでしょう。
正社員の訪問介護員に就職・転職を成功させるためには、希望の条件に優先順位を付けるなど、採用された後のミスマッチを防ぐ工夫をするのがおすすめです。また、可能であれば職場見学に行くことで、応募前に職場や訪問介護スタッフ同士の雰囲気などを確認できます。
まとめ
訪問看護員は、ライフスタイルに合わせてさまざまな働き方が可能です。中でも正社員は、収入が安定しており、キャリアアップを目指しやすく、福利厚生面での待遇がよいなどの理由から人気があります。正社員になるためには、資格の取得や、社員登用制度の利用、正社員求人への応募などの方法が挙げられます。
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※当記事は2024年2月時点の情報をもとに作成しています
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