介護福祉士はブランクがあっても復帰は可能?準備のポイントを解説
以前、介護福祉士など介護職に就いていたものの、さまざまな理由で離職しブランクができたという方もいるでしょう。ブランク期間が長かった場合、「介護福祉士に復帰できるのか」「仕事が始まったら業務にすぐ対応できるか」など不安も多くなります。
当記事では、介護福祉士はブランクがあっても復帰できるか、また復帰までに準備すべきことや、介護職として復帰する際の志望動機の書き方を、例文とともに紹介します。介護職に復帰したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.介護福祉士・介護職はブランクがあっても復帰できる!
介護福祉士などの介護職は、ブランクがあっても復帰しやすいと言われています。また、経験のある方を採用したいという施設も多いでしょう。
平成30年度の介護労働実態調査では、「介護人材の不足感を感じる」と回答する事業所が67.2%と、平成25年度以降増加傾向です。その理由として、89.1%の事業所が「採用が困難である」と回答しています。同業他社との人材獲得競争も激しいため、即戦力となる経験のある人材はとても貴重と言えます
(出典:介護労働安定センター「平成30年度「介護労働実態調査」の結果」)
また、平成30年度の介護労働実態調査の結果でも、事業を運営する上での問題点は「良質な人材の確保が難しい」と56.3%が回答しました。「教育・研修の時間が十分に取れない」といった回答も25.1%と全体の4分の1を占め、施設はすでに介護スキルのある方を求めていることが分かります。「介護従事者の介護業務に関する知識技術が不足している」ことが問題であると認識している施設もあります。
未経験者より経験者を求める施設は多いため、介護職に就いていた方はブランクがあっても歓迎されるでしょう。
2.ブランクから介護福祉士・介護職が復帰するために行いたい準備
介護職は、ブランクがあっても復帰しやすい職種です。しかし復職後に、介護の仕事内容を忘れていたり、体力が追いつかなかったりなど、戸惑うこともあるでしょう。長い期間介護職から離れていて、復帰に不安を抱えている場合は、事前に準備することで不安を解消できます。
ここでは、介護職へ復帰する際の準備について5つ解説します。
過去にとっていたメモを見返す
介護職に就いていた時のメモやノートがあれば、見返しましょう。過去のメモには仕事内容や介護記録など、業務中で重要だと感じた内容が残っています。
介護業務の内容を振り返るだけでも、働いていた時の感覚を取り戻せます。復帰後のギャップを減らすためにも、事前に準備しておきましょう。
介護に関する法令の改正を確認する
介護に関する法令や制度が働いていた時と変わっていないか、事前に確認しましょう。介助の方法が大きく変わることは少ないものの、介護に関する法令や制度は、改定されることが多い傾向にあります。過去に働いていた時の知り合いがいる場合は、変更点がないか聞いてみるのも良いでしょう。
保育園を確保する
家族に小学生以下の子どもがいる方は、預けられる保育園を確保しましょう。住んでいる地域によっては待機児童となり、すぐに入園できる保育園が見つからない可能性もあります。介護職への復帰を考え始めたら、保育園の確保に向けて早めに動きましょう。
保育園に預けることが難しい場合は、託児所や育児支援制度(保育費用補助など)を併設する事業所を選ぶことも1つの手です。
体力をつける
介護職では利用者さんの身体を支えたり、掃除や洗濯をしたり、体力が必要になる場面が多く存在します。特に夜勤がある事業所に復帰すると、生活リズムが崩れ体調を崩す可能性もあります。
働いていた時には体力に自信があったとしても、ブランク中に体力が落ちていることも少なくありません。そのため、復帰前からストレッチやウォーキングなど、体力づくりをしておくとよいでしょう。
公的な制度の利用を考える
介護職に復帰する場合は、公的な支援制度を利用できるケースがあります。「再就職準備金貸付事業」は、条件を満たす方に、介護の仕事に復帰するための費用を貸し付けしてもらえる制度です。条件は以下の通りです。
1 次のいずれかに該当し、介護保険サービス事業所等で1年以上の勤務経験のある方
・介護福祉士の資格を持っている
・実務者研修を修了している
・介護職員初任者研修を修了している(すでに廃止されている介護職員基礎研修、1級課程、2級課程のいずれかを修了している場合も可)
2 介護保険サービス事業所等において介護職員等として再就職した方
3 都道府県福祉人材センターに氏名及び住所などの届出を行い、再就職準備金利用計画書を提出した方
(引用:厚生労働省「介護職として再就職をお考えの方、初めて働くことをお考えの方へ(再就職準備金、就職支援金のご案内)」_2022/06/20)
貸付金は、介護についてのセミナーの参加費や保育園探しにかかった費用などさまざまな費用にあてることができます。また、介護職に2年間勤務することで、返済が全額免除となります。長期にわたって介護職として働きたい方は、利用するとよいでしょう。
3.【ブランクのある方向け】介護福祉士・介護職の志望動機の書き方・例文
介護職の面接では、入社後「ブランクがあっても意欲的に働いてくれるか」「利用者さんに優しく接し、職員と良好な関係が作れるか」などやる気や人柄を求められます。そのため、志望動機は明確に書きましょう。また、訪問介護や老人ホームなど施設によって必要な資格やスキル、求める人物像が異なります。希望する施設に合わせた志望動機を書くとよいでしょう。
ここでは、介護福祉士や介護職に就いていた方が、復帰する際の志望動機の書き方について紹介します。離職したシチュエーション別に例文やポイントを解説するため、ぜひ参考にしてください。
●親の介護で離職した場合
母の介護が必要になり、介護職を一旦離れました。介護する中で、これまで介護職で経験した以上に介護の奥深さや大変さを実感しました。また、介護職の偉大さや重要性を、再認識する機会にもなりました。改めて介護職に就き、介護を必要とする方の役に立ちたいと思ったため志望しました。
ブランク中に介護を経験した方は、今までと介護に関する考え方が変わることもあるでしょう。ブランク中の介護を通して、なぜ介護職で復職したいのかを明確にすることで、採用担当者に熱意が伝わるでしょう。
●出産・子育てで離職した場合
妊娠を機に介護職から離れ、子育てに専念していました。子育てと勤務の両立をしたいため、時短勤務が可能な貴施設に応募しました。介護職の経験を生かして、利用者さんが活動しやすい環境作りに貢献したいと考えております。
子育てとの両立を考えている方は週に何日入れるかなど、勤務できる時間帯を伝えておくことが大切です。また、面接時に家族の協力を得られることを伝えると、施設側の不安が減り、採用の可能性も高まるでしょう。
●介護職以外の職種から復帰する場合
5年間の介護職経験を経て、不動産業界の営業職に従事しておりました。不動産業界でも高齢者の方と関わる機会があり、介護職として働く中で利用者さんに感謝された経験を思い出し、復帰したいという思いが強まりました。ぜひ貴施設で、介護の仕事に従事したいと思っています。
別業種で働いていても、介護職で生かせるスキルや知識があります。また、介護職を離れた理由より、勤務への意欲や応募先で働きたい理由が重視されます。「自分の家族が貴施設でお世話になり、職員の方々が素敵だった」など、「当施設でなければいけない理由」を志望動機に取り入れるのもよいでしょう。
まとめ
介護福祉士をはじめとする介護職は、ブランクがあっても復帰しやすい職種です。復帰前に介護に関する法令や制度について調べ直したり、介護職に従事していた時のメモをみたり、体力づくりをしたりすることで、復帰後の不安を解消できるでしょう。また、長期勤務を希望する方には、公的な制度の利用もおすすめです。
介護職として復帰する際は、志望動機が重視されます。マイナビ介護職では、キャリアアドバイザーによる履歴書・面接対策や非公開求人情報の紹介もあるため、スムーズな職場復帰が見込めます。介護職にブランクがあり、復帰を検討している方は、ぜひ「マイナビ介護職」をご利用ください。
※当記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています。
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