福祉用具専門相談員とは?仕事内容や講習の内容・スキルアップ方法も解説

公開日:2023.02.16 更新日:2026.02.24
福祉用具専門相談員とは?仕事内容や講習の内容・スキルアップ方法も解説

福祉・介護業界に携わる中で、「福祉用具専門相談員」の仕事について興味を持った方もいるでしょう。福祉用具専門相談員は、これから福祉の仕事を目指す方や、福祉・介護業界で現在働く方のステップアップにもつながるおすすめの資格です。

当記事では、福祉用具専門相談員の業務内容について詳しく解説します。福祉用具専門相談員を目指す方に向けて、資格取得に必要な講習会の受講条件やカリキュラムなども掲載しているので、ぜひご参考にしてください。

1. 福祉用具専門相談員とは?

福祉用具専門相談員とは、高齢者や障がいを持った方が日常生活を安心して送れるように、適切な福祉用具選びを支援する専門職です。車椅子や特殊ベッド、スロープなど、さまざまな福祉用具から一人ひとりに合ったものを選び、使い方のアドバイスを行います。

介護保険で指定されている福祉用具の貸与・販売事業所には、2名以上の福祉用具専門相談員を配置することが義務付けられています。初めて福祉用具を使う方や介護するご家族の方に、安心して福祉用具を使用してもらうための重要な役割を担うのが、福祉用具専門相談員です。

介護保険制度の基本的な考え方として、「自立支援」と「利用者本位」があります。利用者さんが自分の選択によって受けるサービスを選び、自立できるように支援するためにも、福祉用具関連の専門家として的確にサポートすることが大切です。

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「福祉用具専門相談員」
/ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/137

1-1. 福祉用具とは?

福祉用具とは、高齢者や障がいを持った方の日常生活をサポートしたり、機能訓練で使用したりする用具のことです。車椅子や電動ベッド、歩行器など、身体全体を支えられる大きな福祉用具もあれば、障がい者用の食器や介助ベルトなど、身体の一部の機能を補助する小さなものもあります。

福祉用具は、貸与できるものと販売しているものがあり、貸与と販売いずれの事業所にも福祉用具専門相談員が配置されます。福祉用具専門相談員は、高齢者や障がい者の心身の状況や希望、生活環境を踏まえ、使用目標を定めた上で、適切な福祉用具を選ぶことが仕事です。

また、福祉用具は日々、新しい技術を用いたものが開発・導入されています。福祉用具専門相談員を目指す方は、専門知識の習得が必要な上、知識を常にアップデートさせ続ける必要があります。

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「福祉用具専門相談員」
/ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/137

2. 福祉用具専門相談員の仕事内容は?

福祉用具専門相談員は、利用者さんやご家族、ケアマネジャーなど、他人と関わる機会の多い仕事です。そのため、聞く力・話す力の両方を使いこなすコミュニケーションスキルが求められます。また、どのような福祉用具があるのか、どのようなニーズがあるのかを察知して適切な判断をする対応力も必要です。

ここでは、福祉用具専門相談員の具体的な仕事内容について紹介します。貸与・販売時の相談対応だけでなく、生活の中に導入した先のことまで考えるのが福祉用具専門相談員の仕事です。

(出典:一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会「Q&A」
/ http://www.zfssk.com/qa/index.html#question01

2-1. 選定相談

福祉用具を貸与・販売する事業所を訪れた方へ、用具の選定相談を行うことから福祉用具専門相談員の仕事は始まります。相談業務では、利用者さんの心身の状態や使用環境をしっかりヒアリングし、状況把握に努めることが大切です。

利用者さんの障がいや要介護の程度、住環境、利用の希望など、状況を一通りヒアリングした後、実際に一人ひとりに合った福祉用具を選定します。齟齬がないようヒアリングを進めるには、利用者さんやご家族の方との円滑なコミュニケーションが欠かせません。

2-2. 計画作成

利用者さんやご家族からヒアリングした相談内容およびケアマネジャーが作成したケアプランをもとに、「福祉用具サービス計画」を作成します。どのような目的で福祉用具を使用するのか、福祉用具を使用して今後の生活をどう変えたいのかを考えながら、使用する福祉用具を決定します。

福祉用具サービス計画に沿った用具の使用には、利用者さんの同意が必要です。利用計画作成までに状況をしっかりヒアリングしたり、利用者さんとの信頼関係を構築したりすることが福祉用具専門相談員にとって重要なスキルになるでしょう。

2-3. 適合・取扱説明

利用者さんの身体の状態に合わせて、使用する福祉用具の調整を行います。高さや角度、長さなど、調整できるところは1つずつ丁寧に調整し、納品まで立ち会う場合は、利用者さんの身体にフィットしているかも直接確認します。

また、日々の生活で使用する中で事故が起こらないよう、安全に福祉用具を使うための説明も必要です。正しく使い方を説明できるよう、福祉用具専門相談員は日々導入される新しい福祉用具をチェックし、特徴を整理しておくとよいでしょう。

2-4. 訪問確認(モニタリング)

福祉用具を導入した後は、定期的に利用者さんのもとを訪問し、安全に利用できているか点検や確認を行います。

また、福祉用具を使っているうちに不具合が出てきたり、利用状況が変化したりすることも大いに考えられます。利用者さんやご家族からの要望があれば、ケアマネジャーと連携して今後の福祉用具の運用方法を検討してもよいでしょう。

3. 福祉用具専門相談員の働き方・平均年収

福祉用具専門相談員の主な職場は「福祉用具貸与・販売事業所」です。福祉用具貸与・販売事業所では、介護保険の指定を受けるために2名以上の福祉用具専門相談員の配置が義務付けられているため、全国の事業所で多数の相談員が活躍しており、需要の高い職種と言えます。

勤務形態は日中の時間帯が中心で、利用者宅への訪問や用具の納品・点検を行うことが多く、外出業務も含まれます。ほかにも、介護ショップやホームセンター、ドラッグストア、福祉用具メーカーなど、福祉用具に関わるさまざまな職場で働くことが可能です。

厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」によると、福祉用具専門相談員の平均年収は約396万円です。高齢化の進展により、今後も安定した需要が見込まれる分野と言えるでしょう。

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「福祉用具専門相談員」
/ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/137

4. 福祉用具専門相談員に向いている人

福祉用具専門相談員は、利用者さん一人ひとりの生活を支える重要な役割を担う仕事です。単に用具を選ぶのではなく、利用者さんや家族の思いをくみ取り、最適なサポートを提供するので、人と接することが好きで、観察力や探究心を持つ人に適した職種と言えるでしょう。

ここでは、福祉用具専門相談員に向いている人の特徴を具体的に紹介します。

4-1. 介護業界に興味がある人

福祉用具専門相談員は、介護業界に興味がある人に向いています。主に関わるのは、高齢者や障がいのある人など、日常生活に支援が必要な方々です。利用者さんの自立を支えるために、福祉用具を通じて生活の質を高める支援を行います。

介護職のように直接介助を行う機会は少ないものの、利用者さんの生活を陰で支える存在として、やりがいを感じられる仕事です。「人の役に立ちたい」「誰かの生活を支えたい」という思いがある人にぴったりの職種です。福祉や介護に関心があり、寄り添う気持ちを持てる人が活躍できるでしょう。

4-2. 人とコミュニケーションを取るのが好きな人

福祉用具専門相談員の仕事は、利用者さんやそのご家族との対話から始まります。利用者さんの身体状況や生活環境、希望を丁寧にヒアリングし、最適な用具を提案する必要があるので、相手の話を引き出し、共感しながら信頼関係を築く力が求められます。

ときには、介護職員やケアマネジャーなど他職種と連携して、よりよい支援体制を整えることも必要です。そのため、単に話すだけでなく、相手の立場を理解して言葉を選べる人が向いています。人と関わることに喜びを感じ、円滑なコミュニケーションを大切にできる人に最適な職種です。

4-3. 観察力がある人

福祉用具専門相談員には、利用者さんの状況を正確に把握する観察力が欠かせません。身体の状態や生活動作、表情や会話からも、困りごとや不便さを読み取る力が求められます。たとえば、「椅子の高さが合っていない」「手すりの位置が使いづらい」といった小さな違和感に気づくことが、事故防止や生活改善につながります。

また、導入後の訪問確認(モニタリング)では、用具の使用状況を見ながら適切な改善を提案します。利用者さんの立場に立ち、細かな変化を見逃さない姿勢が信頼を生みだします。慎重に観察し、気づきを行動に移せる人に向いている仕事です。

4-4. 好奇心旺盛な人

福祉用具の分野は、技術革新が著しく進んでいます。最新の電動ベッドや車いす、介護ロボットなど、新しい製品が次々に登場しており、常に知識を更新する必要があります。新しい情報を自ら学び、実際に使い方を試してみようとする好奇心が、提案力の向上につながります。

メーカーの展示会や研修に積極的に参加し、最新技術を吸収できる人は、利用者さんにより良い選択肢を提示できます。学び続ける姿勢を持ち、変化を楽しめるタイプの人ほど、この仕事で成長できるでしょう。

5. 福祉用具専門相談員になるには?

福祉用具専門相談員として働くためには、福祉用具専門相談員指定講習を受講し、修了評価試験を受ける必要があります。ただし、福祉用具についての専門知識があるとみなされる下記の国家資格を持っている場合は、講習を受けなくても福祉用具専門相談員として働くことが可能です。

【福祉用具についての専門知識があるとみなされる国家資格】

・看護師
・准看護師
・保健師
・社会福祉士
・理学療法士
・作業療法士
・介護福祉士
・義肢装具士

(出典:一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会「Q&A」
/ http://www.zfssk.com/qa/index.html#question02

福祉用具専門相談員を目指す方に向けて、ここでは福祉用具専門相談員指定講習について解説します。

5-1. 福祉用具専門相談員指定講習を受けるには?

福祉用具専門相談員指定講習の受講資格に、学歴や実務経験などの定めは特にありません。4大卒や専門学校卒、高卒など、さまざまな学歴の人が指定講習会を受講し、福祉サービスの現場で活躍しています。また、ホームヘルパーや福祉施設の介護職員など、介護現場で働く方がキャリアの幅を広げるために受講するケースもあります。

福祉用具専門相談員指定講習を開催しているのは、都道府県が指定する研修機関です。もし受講したい地域の指定講習会に関する情報が見つからないときは、各都道府県庁もしくは研修機関に問い合わせるとよいでしょう。

(出典:一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会「Q&A」
/ http://www.zfssk.com/qa/index.html#question101

また、オンラインで福祉用具専門相談員指定講習を開催している研修機関もあります。仕事や学校があり実施会場で受講できない場合には、オンラインでの受講もおすすめです。

(出典:一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会「研修会・イベント」
/ https://www.zfssk.com/event/

5-2. 福祉用具専門相談員指定講習の内容は?

福祉用具専門相談員指定講習の講義は、全50時間のカリキュラムが設定されています。各カリキュラムの主な内容は下記の通りです。

・福祉用具および福祉用具専門相談員の役割
・介護保険制度等の仕組み・考え方
・高齢者や医療・介護に関する理解
・各福祉用具の特徴・使い方
・福祉用具サービス計画の作成方法

福祉用具や福祉用具専門相談員に関する基礎知識、実際に対応する利用者さんを理解するための高齢者福祉や医療・介護に関する知識など、幅広い知識を学びます。

全カリキュラム終了後には習熟度の確認を目的とした修了評価があるため、研修できちんと知識を身につけましょう。

6. 福祉用具専門相談員のスキルアップ方法

福祉用具専門相談員としてスキルアップを目指したい場合は、より高度な選定・適合や多職種連携が求められます。実務に加え、制度化された研修や関連資格を取得することで、知識の更新と専門性の可視化が可能です。

ここでは、キャリア形成に役立つ代表的な制度・資格の概要と取得方法、メリットを紹介します。

6-1. 研修ポイント制度

研修ポイント制度は、受講した研修の実績をポイントとして記録し、スキルアップの度合いを「見える化」する仕組みです。対象となるのは、福祉用具専門相談員の資格を持ち、実際に業務に携わっている方です。認証された研修を受け、修了証を添えてウェブ上で申請すれば、審査のうえポイントが加算されます。

この制度を活用すれば、研修履歴を客観的に示せるため、利用者さんや介護支援専門員からの信頼が高まります。さらに、自分の成長度合いを把握しやすく、学びを続けるモチベーションにもつながるでしょう。

(出典:全国福祉用具専門相談員協会「研修ポイント制度とは?」
/ http://kensyu-point.zfssk.com/point/about.php

6-2. 福祉用具プランナー

福祉用具プランナーは、利用者さんの状態に合わせて用具を選び、使用計画から導入後のフォローまで一貫して支援する専門家です。公益財団法人テクノエイド協会が実施する認定講習を受け、一定の実務経験を積むことで資格を取得できます。看護師や理学療法士など、福祉や医療の有資格者も対象です。

資格を取得することで、利用者さんの生活状況に合わせた提案力や再評価のスキルが高まり、ケアマネジメントの現場でより質の高い支援が可能になります。専門知識を活かして利用者さんの生活改善に貢献したい人にぴったりの資格です。

(出典:公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具プランナー情報」
/ https://www6.techno-aids.or.jp/html/planner.html

6-3. 福祉用具選定士

福祉用具選定士は、一般社団法人日本福祉用具供給協会が設けた資格で、より専門的な知識をもつ相談員を育成するための制度です。研修を受講し、筆記試験に合格すると認定されます。対象は、原則として2年以上の福祉用具専門相談員としての実務経験を持つ方や、関連職種(介護福祉士・看護師・理学療法士など)の方です。

この資格を取得すると、より正確な機器選定や適合評価ができるようになり、ケアマネジャーや医療職への説明にも自信を持てます。専門家としての信頼が高まり、事業所や利用者さんからの評価にもつながるでしょう。

(出典:一般社団法人日本福祉用具供給協会「福祉用具選定士」
/ https://www.fukushiyogu.or.jp/ginoushi/index.html

6-4. 福祉住環境コーディネーター検定試験

福祉住環境コーディネーター検定試験は、東京商工会議所が主催する民間資格で、医療・福祉・建築の知識を総合的に学べる試験です。受験に特別な資格条件はなく、独学でも挑戦しやすい点が特徴です。

この資格を取ることで、住宅改修やバリアフリー化に関する提案力が身につきます。利用者さんの生活動線を考えた住環境の整備や、介護サービスとの連携提案ができるようになり、相談員としての幅が大きく広がります。住まいと福祉用具の両面から利用者さんを支えたい方におすすめです。

(出典:東京商工会議所「福祉住環境コーディネーター検定試験®とは」
/ https://kentei.tokyo-cci.or.jp/fukushi/about/

まとめ

「福祉用具専門相談員」は、福祉用具のアドバイザーです。福祉用具の相談・選定から計画作成、取扱説明まで一貫して行い、実際に利用者さんのもとを訪れてサポートすることもあります。福祉用具専門相談員の指定講習は受験資格が定められていないため、介護業界でレベルアップしたい方におすすめの資格です。

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