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児童発達支援管理責任者は兼務できる?サービス別の配置基準も解説

公開日:2023.03.24 更新日:2023.04.28
児童発達支援管理責任者は兼務できる?サービス別の配置基準も解説

児童発達支援管理責任者は、障害を抱える子どもが福祉サービス利用時に支援計画を作成し、責任を持ってサービスの提供を行う専門職です。障害児の支援を行う施設で、現場のリーダー的な役割を担うスタッフとして活躍しています。

この記事では、児童発達支援管理責任者の配置基準について解説した上で、他の業務・役職と兼務できるのかについて説明します。障害を抱える子どもたちを支援したいと考えている方は、障害児支援の制度を理解するために、ぜひご一読ください。

1. 【サービス別】児童発達支援管理責任者の配置基準

児童発達支援管理責任者(児発管)は、障害を抱える子どもが福祉サービスを利用する際に個別支援計画の作成を行い、一連のサービス提供プロセスに関する責任を担う専門職です。 詳細については、下記のリンク記事でも解説しているのでご参考にしてください。

児童発達支援管理責任者とは?仕事内容や働ける職場を紹介

児童福祉法において、サービスの品質向上を図る観点から、児童発達支援管理責任者を障害児支援サービスの事業所ごとに配置することが義務付けられています。

かつては、専任の児童発達支援管理責任者を配置している場合「児童発達支援管理責任者専任加算」を算定することができました。しかし、平成30年度の障害福祉サービス等報酬改定によって「児童発達支援管理責任者専任加算」が廃止され、現在は加算することができません。現在の制度では、児童発達支援管理責任者の人員配置基準を満たしてない場合、不足分については人員欠如減算の対象となり、基本報酬が減額される仕組みとなっています。

(出典:厚生労働省「障害児支援(通所・入所共通)に係る報酬・基準について≪論点等≫」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000178211.pdf

ここでは、サービス別に概要や対象者・サービス内容、人員配置基準について紹介します。

1-1. 児童発達支援

児童発達支援は、集団療育及び個別療育を行う必要があると認められた主に未就学の障害児を対象とした、児童福祉法に基づく障害児通所支援事業です。 児童発達支援センターや児童発達支援事業所等の場所において、日常生活動作の習得や知識技能の付与、集団生活への適応訓練、保護者へのサポートなどの支援を行っています。

主な人員配置

児童発達支援センター 児童発達支援センター以外
・児童指導員及び保育士 4:1以上
・児童指導員 1人以上
・保育士 1人以上
・児童発達支援管理責任者 1人以上
・児童指導員及び保育士 10:2以上
・児童発達支援管理責任者 1人以上

(出典:厚生労働省「障害児支援施策の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000811127.pdf

(出典:厚生労働省「障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000360879.pdf

1-2. 医療型児童発達支援

医療型児童発達支援は、理学療法などの機能訓練または医学的管理下での支援が必要と認められた肢体不自由がある障害児を対象とした通所支援です。 医療型児童発達支援センターや指定発達支援医療機関において、日常生活動作の習得や集団生活への適応のための訓練に関して、支援及び治療を行っています。

主な人員配置

・児童指導員 1人以上
・保育士 1人以上
・看護職員 1人以上
・理学療法士または作業療法士 1人以上
・児童発達支援管理責任者 1人以上

(出典:厚生労働省「障害児支援施策の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000811127.pdf

(出典:厚生労働省「障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000360879.pdf

1-3. 放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、学校教育法第1条に規定している学校に就学しており、放課後や夏休みなどの長期休みに支援が必要と認められた障害児を対象とした通所支援です。 なお、学校教育法第1条に規定している学校の中でも、幼稚園と大学は除きます。

児童発達支援センターなどの施設において、生活能力向上に必要な訓練や余暇の提供、社会との交流促進などの支援を行っています。

主な人員配置

・児童指導員及び保育士 10:2以上
・児童発達支援管理責任者 1人以上
・管理者

(出典:厚生労働省「障害児支援施策の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000811127.pdf

(出典:厚生労働省「障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000360879.pdf

1-4. 居宅訪問型児童発達支援

居宅訪問型児童発達支援は、重度の障害などにより、障害児通所支援を利用するための外出が著しく困難な障害児を対象とした訪問支援です。 在宅障害児の発達支援の機会確保を目的として平成30年に新たに創設されたサービスです。日常生活動作の習得や知識技能の付与、集団生活への適応訓練などの支援を、訪問先である居宅において提供しています。

主な人員配置

・訪問支援員
・児童発達支援管理責任者 1人以上
・管理者

(出典:厚生労働省「障害児支援施策の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000811127.pdf

(出典:厚生労働省「障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000360879.pdf

1-5. 保育所等訪問支援

保育所等訪問支援は、保育所や幼稚園、認定こども園、小学校、特別支援学校を現在利用中の障害児を対象としたアウトリーチ型の発達支援事業です。 また、集団生活への適応度から専門的な支援が必要と認められた障害児も対象としています。平成30年度から乳児院及び児童養護施設に入所している障害児も対象に追加されました。専門職員が保育所などの集団生活を営む施設を訪問し、障害児に対して集団生活に適用できるよう専門的な支援を行っています。

主な人員配置

・訪問支援員
・児童発達支援管理責任者 1人以上
・管理者

(出典:厚生労働省「障害児支援施策の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000811127.pdf

(出典:厚生労働省「障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000360879.pdf

1-6. 福祉型障害児入所施設

福祉型障害児入所施設は、障害のある児童を対象とした入所支援です。 手帳の有無は問わず、児童相談所や医師などにより、療育の必要性があると判断された児童も対象となります。施設において障害に応じた適切な支援を提供するとともに、地域生活への移行を目指した自立支援を行っています。

主な人員配置

◆児童指導員及び保育士
・主として知的障害児または自閉症児を入所させる施設 4:1以上
・主として盲児またはろうあ児を入所させる施設 4:1以上
・主として肢体不自由児を入所させる施設 3.5:1以上
・児童指導員 1人以上
・ 保育士 1人以上

◆児童発達支援管理責任者
・1人以上

(出典:厚生労働省「障害児支援施策の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000811127.pdf

(出典:厚生労働省「障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000360879.pdf

1-7. 医療型障害児入所施設

医療型障害児入所施設は、障害児入所施設または指定医療機関に入所などをする障害児を対象とした入所支援です。 施設などにおいて、日常生活動作の習得や知識技能の付与、治療を行うとともに、地域生活への移行を目指した自立支援を行っています。

主な人員配置

◆児童指導員及び保育士
・主として自閉症児を入所させる施設 6.7:1以上
・主として肢体不自由児を入所させる施設
 乳児または幼児 10:1以上
 少年 20:1以上
・ 児童指導員 1人以上
・ 保育士 1人以上

◆児童発達支援管理責任者 ・1人以上

(出典:厚生労働省「障害児支援施策の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000811127.pdf

(出典:厚生労働省「障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000360879.pdf

2. 児童発達支援管理責任者は他の業務・役職を兼務できる?

児童発達支援管理責任者は、児童発達支援管理責任者の仕事に支障がない場合に限り、管理者・サービス管理責任者との兼務、直接支援の提供が可能とされています。

ここでは、児童発達支援管理責任者がサービス管理責任者、直接処遇職員、相談支援専門員の業務を兼務することが可能であるのか、それぞれ詳しく解説します。

(出典:厚生労働省「平成24年度障害福祉サービス等報酬改定に関するQ&A」
/ https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/dl/qa1-22.pdf

(出典:厚生労働省「1-1. 児童発達支援センターの最低基準及び指定基準(案)の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaiseihou/dl/sankou_111117_01-07.pdf

2-1. サービス管理責任者

サービス管理責任者は、障害福祉サービスを提供する事業所でサービス全体の管理及び品質向上を図ることを目的として、職員に対して技術的な指導を行う職種です。

仕事内容は、障害者を対象とした面談や個別支援計画の作成、職員への指導・人材育成、関係機関との連携など多岐にわたります。そのため、管理者などの実務経験が豊富な職員が担うことが多い職種であると言えるでしょう。

多機能型事業所の児童発達支援管理責任者の配置にあたっては、サービス管理責任者と児童発達支援管理責任者を兼務することが可能であるとされています。

(出典:厚生労働省「平成24年度障害福祉サービス等報酬改定に関するQ&A」
/ https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/dl/qa1-22.pdf

2-2. 直接処遇職員

直接処遇職員は、障害福祉サービスを提供する事業所に雇用され、利用者さんに対して直接介護などのサービス提供を行う職員のことです。具体的には、以下のような職務に従事している方のことを指します。

・生活指導員
・生活支援員
・就労支援員
・職業指導員
・地域移行支援員
・ホームヘルパー
・世話人
・児童指導員
・保育士 など

児童発達支援管理責任者の仕事に支障がない範囲において、直接支援を提供することも差し支えないと厚生労働省が示しています。 そのため、直接処遇職員と児童発達支援管理責任者は兼務できる可能性があると言えるでしょう。

(出典:厚生労働省「平成24年度障害福祉サービス等報酬改定に関するQ&A」
/ https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/dl/qa1-22.pdf

2-3. 相談支援専門員

相談支援専門員は、障害者が自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう、全般的な相談支援を行う職種です。主な業務は、障害者やその家族の相談に応じ、サービス利用計画を作成したり、障害者の地域生活移行を支援したりします。

児童発達支援管理責任者は常勤・専従の職員であるため、相談支援専門員を兼務することはできません。

ただし、常勤・専従の児童発達支援管理責任者1人に加えて配置される児童発達支援管理責任者に限り、支援に支障がない場合は相談支援員を兼務することが可能です。相談支援専門員と児童発達支援管理責任者の兼務を希望している場合は、勤務先の人員配置をよく確認するようにしましょう。

(出典:京都市「指定特定相談支援事業・指定障害児相談支援事業の指定に係るQ&A」
/ https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/cmsfiles/contents/0000154/154182/q_and_a_260903.pdf

まとめ

児童発達支援管理責任者は、放課後等デイサービスなどの障害を抱える子どもたちを支援する現場で活躍する専門職です。放課後等デイサービスの他に、児童発達支援センターや障害児入所施設などで配置が義務付けられています。また児童発達支援管理責任者は、サービス管理責任者や直接処遇職員との兼務が可能です。

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※当記事は2023年3月時点の情報をもとに作成しています

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