デイサービスの仕事はきつい？4つの理由から3つの対処法まで

利用者さんに日帰りの介護サービスを提供する「デイサービス」の仕事について、きついという噂を耳にしたり、実際に働いてつらさを感じたりしている人もいるかもしれません。デイサービスの仕事の中には負担の大きいものもある一方で、きつさを軽減できる対処法も存在します。

当記事では、デイサービスの仕事について、きついと言われる理由と対処法について解説します。デイサービスの仕事に興味のある方、これからもデイサービスで働きたいと思っている方はぜひご覧ください。

1.　デイサービスとは？

デイサービスとは、普段自宅で生活する利用者さんに食事や機能訓練、レクリエーションといった介護サービスを提供する施設です。通所介護とも呼ばれるように日帰りを前提とする施設が大半ですが、短期間の宿泊サービスを提供するお泊りデイサービスなどもあります。

対象となるのは要介護1～5の認定を受けた高齢者で、完全入居型の施設よりも介護度が低い方が多いことが特徴です。デイサービスでは介護ケアに加えて機能訓練やレクリエーションを実施することにより、利用者さんの心身の機能を維持・向上する役割を果たします。また、孤立しがちな利用者さんやその家族の社会参加を促し、介護による負担を軽減する目的もある施設です。

（出典：厚生労働省「通所介護及び療養通所介護（参考資料）」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168705.pdf）

（出典：厚生労働省「通所介護（デイサービス）」
/ https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group7.html）

1-1.　デイサービスの主な仕事内容

それでは、デイサービスの主な仕事内容を見てみましょう。施設によって多少サービスに特色を出している場合もありますが、基本的な仕事の内容は大きく変わりません。

一般的なデイサービスにおいて介護職が担当するケースが多い仕事は、下記の通りです。

施設や事業所によってどの仕事を誰がどこまで担当するかは異なるため、就職・転職の際は入念に確認しておきましょう。

2.　デイサービスの仕事が「きつい」と言われる理由4つ

デイサービスの仕事は「きつい」と言われることがある仕事です。就職・転職してから負担を感じてしまわずに済むよう、今後デイサービスで働くことを考えている場合は、きついと言われる理由を知っておいたほうがよいでしょう。

ここでは、デイサービスの仕事が「きつい」と言われる4つの理由を解説します。

2-1.　効率的に仕事をこなす必要があるため

デイサービスは通所型の施設です。利用者さんが施設に滞在する限られた時間の中で、食事・入浴・レクリエーションを過不足なく提供する必要があります。外出を伴うなど、下調べや事前準備が必要になるレクリエーションが多い施設では、必然的に仕事量も増えるでしょう。

同時にデイサービスでは利用者さんに関する情報の管理や、その他にもさまざまな事務作業が発生します。さらに利用者さんの送迎業務や洗濯、施設の清掃作業も必要であり、勤務時間内にすべての仕事を終わらせるためには効率的な思考と行動が必須です。

2-2.　1人の負担が大きいため

デイサービスの仕事がきつくなりやすい原因の1つとして、職員1人あたりが負担する仕事量の多さが挙げられます。施設の規模や資金状態によっても比率は異なりますが、利用者さんの人数に対して職員が足りていない施設は珍しくありません。

人手不足が深刻な施設では、「忙しすぎて勤務時間中に休憩が取れない」「仕事量が多すぎて残業が恒常化している」といった職場も存在するのが現状です。職員1人の負担が大きすぎると利用者さんとのコミュニケーションも深まりにくく、仕事のきつさを負担に感じる可能性が高まります。

2-3.　新しいレクリエーションを考え続ける必要があるため

デイサービスでは、毎日レクリエーションを実施するところがほとんどです。レクリエーションは多くの利用者さんが楽しみにしており、また職員も利用者さんが喜ぶ姿を見たいと考えている方が多いでしょう。

しかしすべての利用者さんが参加でき、かつ飽きないレクリエーションの企画を毎日立て続けるのはなかなか大変です。介護サービスや事務作業などを行いながら新しいレクリエーションを考え続け、準備を行い実施することをきついと感じる方は多くいます。

2-4.　人間関係で悩みを抱えることがあるため

デイサービスで働くのは、介護職の方だけではありません。デイサービスでは介護職員以外にも、看護師・機能訓練指導員・生活相談員などが連携してサービスを提供しています。しかしそれぞれが専門とする方向から提案を行った結果、意見の相違が起こり、スタッフ同士の人間関係にまで悪影響が出るケースがあります。

また、デイサービスの利用者さんがおかれている状況もさまざまであり、難しい事情を抱えている方も珍しくありません。仕方のないこととは分かりつつも、利用者さんから強い物言いをされて傷つく場合や、ストレスを抱えてしまう場合もあるでしょう。

3.　デイサービスの仕事が「きつい」と感じる場合の対処法

デイサービスの仕事が「きつい」と感じる場合の有効な対処法として、下記の3つが挙げられます。

どのような理由できついと感じるかにもよりますが、多少なりとも余裕があるのであれば上から順に試してみるとよいでしょう。

ここでは、デイサービスの仕事がきつい場合の対処法を紹介します。

3-1.　上司や同僚に話を聞いてもらう

仕事量の多さや人間関係が原因で仕事がきついと感じるのであれば、まずは上司や同僚に話を聞いてもらいましょう。相手が現状を把握していなかった場合、相談することで仕事量を調整したり配置を変更したりといった対応をしてくれるかもしれません。

また、相手が過去に同じ悩みに直面したことがあれば、有効な打開策を教えてもらえる可能性もあります。

3-2.　資格を取得する

仕事をこなすだけの実力が不足していることや、仕事量に対して給料が見合っていないことをきついと感じるのであれば、介護関連の資格取得もおすすめです。資格の取得には相応の知識や費用が必要となりますが、学んで身についた実力は現場で大いに役立ちます。

また介護職の場合、資格の有無が給料に反映されるケースが珍しくありません。目指している役職によっては、必須となる資格もあります。スキルアップにつながるだけでなく、待遇の改善交渉などもしやすくなるため、挑戦してみてはいかがでしょうか。

3-3.　転職を検討する

上司や同僚に相談しても悩みが解決しない・取り合ってもらえない場合や、資格を取得しても将来性が見通せない場合は、転職を検討することも大切です。

職場の労働環境自体に問題がある場合はもちろんですが、デイサービスという施設の形が自分自身に合った働き方ができる職場ではないこともあります。「今の職場はきついけれど、介護の仕事は続けたい」という場合は、デイサービスに限らず他の介護施設形態も候補に入れて転職先の求人情報を探してみましょう。

4.　デイサービスはやりがいも多い仕事

デイサービスはきついと感じる場面も多い仕事ですが、やりがいを感じられる場面も多い仕事です。下記は、デイサービスの仕事で介護スタッフが実感することの多いやりがいの例となります。

デイサービスで働くやりがいに魅力を感じられるのであれば、デイサービスの仕事に向いている方だと言えるでしょう。

まとめ

デイサービスは限られた時間の中で利用者さんの入浴・食事・機能訓練・レクリエーションを行う必要があり、勤務中は慌ただしくなることも少なくありません。また、利用者さんや関係者とうまく人間関係を構築したり、利用者さんに施設で楽しく過ごしてもらえるよう工夫したりと、考えることもたくさんあります。仕事のきつさを感じる機会もあるかもしれませんが、その分利用者さんと信頼関係を築ける上、感謝されることも多いため、大きなやりがいも得られる仕事です。

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※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています

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