社会福祉法人の給料事情!給料を上げる4つの方法とは?

社会福祉法人とは、社会福祉事業を行うことを目的に、社会福祉法にもとづき設立された法人です。非営利団体のため、働く職員の給料事情について気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、社会福祉法人で働く介護職員の給料事情・給料相場から、給料を上げるための方法を詳しく解説します。「社会福祉法人で働きたいけど、給料が気になる」という介護職員の方は、ぜひご一読ください。
目次
1. 社会福祉法人の給料事情とは?介護職全体の給料相場も
社会福祉法人は、社会福祉事業を行うことを目的に設立された法人(非営利団体)です。営利目的で運営されているわけではないため、一般的な民間企業のように収益事業を行うことはほとんどありません。
しかし、社会福祉法人には施設を開設しなければならず、そこで日々働く各職員の存在も必要です。そのため、社会福祉法人で働く介護職員の給料はどこから出るのかが気になる方も多いでしょう。
実は、社会福祉法人は主となる社会福祉事業に支障をきたさない範囲で、必要に応じて収益事業を行うことが認められています。認められている収益事業の主な例は、下記の通りです。
・社会福祉法人が所有する土地を活用した駐車場経営
・社会福祉法人が所有する建物を活用した貸テナント・賃貸経営
・公共的施設内の売店経営 など
収益事業から発生した利益は、原則社会福祉法人の運営のみに使用できるようになっており、維持費や設備費、さらに人件費などがここから充てられます。そのため、社会福祉法人で働く介護職員は毎月しっかりと給料を受け取ることが可能です。
(出典:厚生労働省「社会福祉法人における収入・収益の取扱いの現状」/ https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000027781.pdf)
そして、気になるのがその相場でしょう。ここからは、介護職全体の給料相場と、社会福祉法人の勤務先ごとにおける介護職の給料相場を紹介します。
1-1. 介護職全体の給料相場
厚生労働省が公表している調査データによると、2021年9月時点における介護職員全体の平均給料は323,190円であることが分かりました。年収に換算すると、3,878,280円となります。また、ちょうど1年前となる2020年9月時点の平均給与と比べると、やや上昇していることも見てとれます。
2020年9月時点 | 2021年9月時点 |
---|---|
315,410円 | 323,190円 (7,780円↑) |
(出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03gaiyou.pdf)
高齢化が急速に進み、医療・介護ニーズにも高まりを見せている近年、介護職全体の給料相場は今後も緩やかに上昇すると言えるでしょう。
1-2. 施設ごとにおける給料相場
厚生労働省の調査データには、社会福祉法人となる各専門施設での給料相場も掲載されています。ここでは、社会福祉法人の施設ごとにおける介護職の給料相場を前年度データとともに紹介します。
2020年9月時点 | 2021年9月時点 | |
---|---|---|
介護老人福祉施設 | 335,630円 | 344,810円(↑) |
介護老人保健施設 | 330,470円 | 337,790円(↑) |
訪問介護 | 308,280 | 315,380円(↑) |
通所介護 | 286,070円 | 290,660円(↑) |
認知症対応型共同生活介護 | 298,400円 | 304,880円(↑) |
(出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03kekka.pdf)
2021年9月時点における各施設の給料相場は、すべて前年度よりも上昇していることが分かりました。また、施設によっては介護職全体の給料相場よりも高い給料を得られるケースもあります。そのため、社会福祉法人は収益事業に制限があるとは言え、十分な収入を叶えられると言えるでしょう。
2. 給料を重視したい場合は社会福祉法人がおすすめ?
社会福祉法人は、あらゆる介護施設の中でも給料が高い傾向にあるため、「給料を重視して勤務先を選びたい」と考える介護職の方は社会福祉法人で働くことがおすすめです。
また、社会福祉法人は十分な給料を得られるだけでなく福利厚生や待遇など、給料面以外にもさまざまなメリットがあります。社会福祉法人として国からの認可が下りている団体は、そのほとんどが安定した基盤を備えており、長い歴史によって地域との強固な結びつきもできています。そのため、福利厚生や待遇が充実している施設は多く、施設によっては資格取得に対するサポートも徹底している点が魅力です。
このように、社会福祉法人は勤務環境が非常に安定しているからこそ、勤続年数の長いベテランスタッフが揃っており、若手・新人介護職員を育てる研修制度がしっかり整っていることも特徴と言えるでしょう。
3. 社会福祉法人で働いて給料を上げる方法4つ!
社会福祉法人で働く介護職員の給料相場は、決して悪くありません。しかし、相場を上回るよりよい収入額を実現させたいなら、給料を上げるためのいくつかの方法を実践するとよいでしょう。社会福祉法人で働く介護職員が給料を上げるためには、下記4つの方法がおすすめです。
・1つの施設で長く働き続ける
・役職につく
・資格を取得する
・条件のいい社会福祉法人の施設に転職する
ここからは、それぞれの方法についてより詳しく紹介します。
3-1. 1つの施設で長く働き続ける
介護業界では、経験年数が長ければ長いほど給料がアップする傾向にあります。そのため、なるべく転職を繰り返さず、1つの施設で長く働き続けることがおすすめです。長期的に在籍し、活躍した功績を残すことで、昇給・昇格のチャンスが多く訪れるでしょう。
しかし、施設によっては長く働いていても期待どおりの昇給が実現できない場合があるだけでなく、その他福利厚生や待遇面が悪ければ長く働き続けることに苦痛を感じてしまう可能性もあります。長期的に働いて昇給を目指すのであれば、自分の条件に適した職場で働くことが大前提と言えるでしょう。
3-2. 役職につく
あらゆる資格を取得し、キャリア・経験を着実に積み上げて役職につくことも、社会福祉法人で働く介護職員が給料を上げるための1つの方法です。役職につけば基本給アップはもちろん、役職手当が支給されるようになります。基本的に、上位の役職であるほど手当支給額は大きくなります。
しかし、上位の役職につくためには功績や経験が必要であり、収入アップに伴い責任も重くなります。管理職レベルになればさらなる高給が期待できますが、その分負担も少なからず増加することを覚えておきましょう。
3-3. 資格を取得する
社会福祉法人で働く介護職員が給料アップを目指すなら、資格を取得することもおすすめです。資格を取得することで、資格手当が支給されるようになるだけでなく、専門知識を活かして活躍の幅も大きく広げられるでしょう。
社会福祉法人で働く介護職員におすすめの資格が、「精神保健福祉士」と「認定社会福祉士」などの福祉系資格です。これらの資格は、社会福祉士資格を保有していれば比較的低い難易度で取得できる資格であり、介護保健ニーズが高まっている近年ではその需要も拡大しています。資格取得により仕事内容が広がれば昇格のチャンスも増えるため、給料アップを目指すならまず実施しておきたい方法と言えるでしょう。それぞれに受験資格が定められているため、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
3-4. 条件のいい社会福祉法人の施設に転職する
1つの施設で長く働き続けたり、上位の役職を目指したりすることは、社会福祉法人で働く介護職員の重要な給与アップ方法です。しかし、施設によってはどれだけ努力を続けても、思ったような昇給が見込めないケースや業務の幅が広がらないケースもあるでしょう。
現在働いている施設の条件や勤務環境がよくないと感じているのであれば、条件のいい社会福祉法人の施設に転職することも1つの手段です。まずは、自分の理想とする給料額や待遇面を明確にしたうえで、条件に合った求人を探しましょう。求人探しに迷った場合は、転職サイトの転職支援サービスを利用することもおすすめです。
まとめ
社会福祉法人は、社会福祉事業を行うことを目的に設立された非営利団体です。メインとなる社会福祉事業に支障をきたさない範囲であれば一部の収益事業が認められており、社会福祉法人の施設で働く介護職員は十分な給料を受け取れます。
社会福祉法人となる施設で働く介護職員の給料相場は約29万~34万円であり、介護職全体の給料相場と比較しても引けを取らない収入を得られると言えるでしょう。
社会福祉法人で働く介護職員が給料アップを目指すなら、長期的に働いたり、上位の役職や資格取得を目指したりすることがおすすめです。しかし、現在働いている施設に何らかの不満があるなら、思い切って転職をすることも1つの手段と言えるでしょう。転職を考えている方は、ぜひ「マイナビ介護職」の転職サポートサービスをご利用ください。キャリアアドバイザーが、マッチ度の高い求人情報をご紹介いたします。
※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています。
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