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【新人向け】介護職に必要な言葉遣い・接遇マナーのチェックリスト

公開日:2019.08.30 更新日:2023.10.13
【新人向け】介護職に必要な言葉遣い・接遇マナーのチェックリスト

介護における接遇とは、利用者さんに「おもてなしの心」を伝え、お互いの心を通わせられるようにコミュニケーションを図ることです。介護サービスの利用者さんの多くは、介護スタッフよりも社会経験が豊富な人生の先輩です。日々のケアを通して密に接するだけに、ただサービスを提供するだけでなく、利用者さんが気持ちよく過ごせるような「接遇マナー」が重要になります。

当記事では、介護現場におけるおもてなしの基本や言葉遣い、接遇マナーのチェックリストを紹介します。マナーの基本を押さえて、利用者さんと良好な関係を築きましょう。

1. 介護職が意識するべき接遇マナー5原則

介護職の方が利用者さんに適切な介護サービスを提供するためには、利用者さんとの間に信頼関係を築くことが大切です。 信頼関係がうまく構築できないと、利用者さんが必要とする介護ケアと介護職の方が提供する介護サービスに食い違いが生まれ、互いが互いに不満を抱えかねません。日頃から接遇スキルを磨き、利用者さんから信頼感を得られるように努めることが、介護の仕事では重要になります。

介護職が意識するべき接遇マナー5原則について紹介するため、特に新人介護職の方はぜひ参考にしてください。

(1)挨拶
挨拶はコミュニケーションの基本です。利用者さんに対してだけではなく、スタッフ同士でも挨拶を習慣にしましょう。挨拶の声は大きすぎず小さすぎず、相手が聞こえやすい適切な声量で行うようにしてください。

(2)言葉遣い
利用者さんに対する言葉遣いは敬語が基本です。相手が高齢者の方であっても、自分のおじいちゃん・おばあちゃんに言葉がけをするような感覚を持つのはNGになります。利用者さんが人生の先輩であることを意識し、相手を尊重する姿勢を崩さないようにしましょう。

(3)表情
利用者さんはスタッフの表情をよく見ています。スタッフが怒った表情や疲れた表情をしている場合、利用者さんもよい気分にはなりません。余裕がない状況に置かれることや疲れる瞬間があったとしても、なるべく笑顔でいることを心掛けましょう。

(4)傾聴
利用者さんの話を聞くときには、自分自身の上半身の正面を相手に向けることが大切です。聞く姿勢を態度で表すことで、利用者さんは介護職の方に話をしやすくなるでしょう。

(5)身だしなみ
介護業務では利用者さんの身体に触れる機会が多いため、介護職の方には清潔感が求められます。相手が不快に思わないような身だしなみを心掛け、服装だけではなくメイクや髪型にも気を配りましょう。

2. 言葉遣いの基本:介護の現場では敬語を使うべき?

利用者さんに対する言葉遣いで迷っている介護士の方は多くいます。結論から言うと、介護の現場では敬語を使うのが基本です。

タメ口に対する感じ方は人それぞれで、中にはタメ口で話しかけられるようなアットホームな雰囲気を好む利用者さんもいるでしょう。一方で、年下の介護職の方からタメ口で話しかけられることによい印象を持たない利用者さんもいます。少なくとも、介護職の方と利用者さんとの間に十分な信頼関係を築けていない間は、敬語で話すことをおすすめします。

敬語を使う際は、以下の3つの基本を押さえましょう。

尊敬語 相手に敬意を表すための言葉遣いです。「いらっしゃる」「おっしゃる」などが尊敬語にあたります。
謙譲語 自分をへりくだることで、間接的に相手を高める言葉遣いです。「差し上げる」「申し上げる」「お持ちする」などが謙譲語にあたります。
丁寧語 「です」「ます」「お○○(お料理など)」のように、言葉遣いを丁寧にする表現のことです。

ただし、かしこまった言葉遣いをしすぎるとかえって介護職の方と利用者さんとの心に距離感ができてしまいます。介護の現場で使うべき敬語は丁寧語を基本とし、尊敬語や謙譲語は使いすぎないように心掛けるとよいでしょう。

3. 介護職が現場で使ってはNGな言葉遣い・チェックリスト

介護の現場に必要な言葉遣いを考えるとき、使ってはいけない言葉遣いにも注目する必要があります。介護の現場で使ってはいけない代表的な言葉遣いは、大きく分けると以下の2種類です。

(1)子どもに向けたような話し方
介護職の方は、利用者さんが尊厳を持つ1人の大人であることを忘れてはなりません。「たっちして」や「○○でちゅよ」のように子どもに向けたような話し方は、利用者さん本人のみならず、ご家族やほかのスタッフにも不快感を与える恐れがあります。利用者さんと信頼関係を築けていたとしても、幼稚な言葉遣いで話しかけるのは避けましょう。

(2)命令口調での話し方
「早くして」や「○○しないで」のような命令口調は威圧的であり、利用者さんを怖がらせてしまう恐れがあります。命令口調は口論に発展しやすく、トラブルの元にもなるため避けるべきです。

ここからは、利用者さん・ご家族・同僚に対するNGな言葉遣いについて解説します。

3-1. 利用者

利用者さんは認知機能が低下しているケースが多く、身の回りのことを介護職の方がサポートする必要があります。利用者さんをサポートする際には、強い口調や利用者さんを否定するような言い方をしないようにしましょう。

【NGな言葉遣いのチェックリスト】

・「早くして」:強い口調で急かさない
・「おかしいですよ」「間違っていますよ」:利用者さんを否定する言葉を使わない
・「そんなこともできないんですね」:利用者さんを馬鹿にしたり、非難したりしない
・「ご家族に報告しますよ」:脅しのような言葉や強制させるような言葉は使わない
・「そんなことしないで」:命令口調や叱るような言い方をしない

介護の現場では、意思の疎通がうまくいかないなどの理由から利用者さんのサポートがスムーズに進まず、余裕がなくなったり焦ったりするケースがあります。しかし強制や命令はせず、利用者さん一人ひとりに思いやりのある言葉遣いを心掛けましょう。

3-2. 家族

忙しい業務の中でご家族への対応をしなければならない場合、介護職の方の返答や言葉遣いがつい雑になってしまうことも考えられます。しかし、ご家族への言葉遣いが乱れていると、介護職員や介護施設への不信感につながり、クレームの元になるため注意が必要です。

【NGな言葉遣いのチェックリスト】

・「はいはい」「ちょっと待ってね」:適当な返事や失礼な言い方をしない
・「こんなのは大したことありません」:ご家族に利用者さんの体調などについて相談された際、相手の気持ちを無視した冷たい言い方をしない
・「ちょっと分かりません」:ご家族からの問い合わせに対して雑な返事で終わらせない

言葉遣いへの配慮は、相手が利用者さんでもご家族であっても変わりません。ご家族に対しても温かみのある丁寧な言葉遣いを心掛けましょう。

3-3. 同僚

スタッフ同士の場合、つい遠慮のない言葉遣いになりやすい傾向があります。しかし、スタッフ同士で礼を欠く言葉遣いをしていると、信頼関係が築けず、仕事の質に影響が出る可能性があるため注意しなければなりません。

【NGな言葉遣いのチェックリスト】

・「こんなこともできないの?」:同僚や新人を見下すような言い方をしない
・「さっさとやってよ」:同僚に命令したり、威圧感のある言い方をしたりしない
・「どうせ分からないよ」:同僚に利用者さんの悪口や馬鹿にする発言をしない

スタッフ同士の会話は利用者さんやご家族の耳にも入る可能性が高いことを念頭に置き、同僚にも礼儀をもった話し方をしましょう。

4. 介護職が身だしなみで気をつけるべきこと・チェックリスト

介護職の身だしなみを語る上で大切なのは、「清潔感」「安全性」「機能性」の3つです。「清潔感」というのは、分かりやすく言えば見た目の好感度のことです。シャワーは毎日入って体をきれいにし、きつい柔軟剤の匂いも避け、高齢の方にも受け入れられやすい清潔感のあるメイクや衣服を心がけるとよいでしょう。

以下では、清潔な印象を与える身だしなみのチェックリストを紹介します。

【髪】

・毎日お手入れをしている
・フケや匂いがない
・長い髪は束ねている
・派手なヘアカラーは避けている

【顔】

・控えめでナチュラルなメイクを心がけている
・ヒゲをきちんと剃っている
・鼻毛や口臭に気を配っている

【手】

・爪は短く切っている
・派手なネイルをしていない
・手が汚れていない

【服装】

・汚れやシミ・シワがなく、生乾きや柔軟剤の匂いがしない
・自分の体にフィットしたサイズである
・名札を決められた位置につけている

「安全性」で特に注意すべき点は、爪の長さです。ケアする際に直接体に触れる機会が多いので、爪が長すぎると利用者さんの肌を傷つけてしまう危険性があります。爪と同様の理由から、指輪などのアクセサリーにも気を配らなくてはいけません。安全面に配慮して、仕事中は基本的にイヤリング、服の外に出るネックレス、結婚指輪以外の指輪などアクセサリーはつけないほうがよいでしょう。

また、介護職は体をフルに動かす仕事です。迅速かつ適切な対応をするためには、「機能性」を重視した動きやすい服装が欠かせません。制服がある職場なら機能性を考慮した服が用意されているので心配はいりませんが、そうでない場合はストレッチ素材など動きやすいものを選ぶようにしましょう。喪服を連想させるような黒い服は基本的にNGです。

5. 「おもてなし」の心が伝わる、介護の接遇とは

介護のクオリティーを上げるには、高齢の利用者さん一人ひとりにしっかり寄り添うことが大切です。しかし、「寄り添う」とはどのようなことなのか、分かりにくいという方も少なくないでしょう。そこで、過去に筆者が取材した介護スタッフの実例を紹介したいと思います。

ある介護施設に、「おなかが痛い」と何度もスタッフを呼び出す利用者さんがいました。ところが部屋を訪れてみると、特におなかが痛い様子は見られません。「なぜだろう?」とあるスタッフが疑問に思い、時間をかけてその方からじっくり話を聞いてみたところ、スタッフを呼び出した理由は、「寂しいから」だったということが判明。「利用者さんにしっかり向き合うことで、真のニーズが理解できた」と、その介護スタッフは話してくれました。その後は特に用がなくともお声掛けするなど、その利用者さんに合った行動をとることができました。

また別の介護施設には、お茶の時間に「何を飲みますか?」と聞くと、いつも「何でもよい」と答える利用者さんがいたそうです。そこで、ある介護スタッフがドリンクのメニュー表を作成。すると、飲みたいものを選んでくれるようになったと言います。こうした一人ひとり違うニーズを汲み取るのも接遇です。

このように、介護マニュアルにただ従うのではなくさまざまな利用者さん個人に向き合い、自分にできることを精いっぱいやることで、「おもてなし」の心を伝えることができ、より高付加価値の介護サービスを提供することができるのではないでしょうか。それこそが、尊敬される介護士だと思います。

文:佐野勝大 編集者・ライター
雑誌編集者を経て独立。多数のウェブサイト・雑誌でインタビュー記事などを執筆。介護雑誌『介護のことがよくわかる本』の編集ライター、介護施設情報サイト、マイナビ介護職ライターなど、介護現場の取材を多く行っている。

まとめ

介護職の方が意識すべき基本的な接遇マナーでは、挨拶や言葉遣い、表情、傾聴、身だしなみなどを意識することが大切です。特に、言葉遣いは敬語が基本で、利用者さんとの間に信頼関係が築けていない間はタメ口を避けたほうがよいでしょう。

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※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています

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