【介護労働実態調査から読み解く介護スタッフのリアル】就業形態から給料、仕事の満足度まで

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介護業界には、「自分の職場以外の介護現場は、ほとんど知らない」という方は多いのではないでしょうか。そこで今回、介護労働安定センター「平成29年度 介護労働実態調査」から、介護業界で活躍する人たちの就業形態や収入、仕事の満足度などをご紹介。介護スタッフのリアルに迫ってみました。

    介護業界は非正規職員として働く人が全体の半数以上

    まずは、介護スタッフの就業形態から見ていきましょう。正規職員と非正規職員の数を比較すると、非正規職員が半数以上を占める結果に。業界全体として、非正規職員に依存しているという実態がよくわかります。

    ちなみに、施設などで働く介護スタッフの61.0%が正規職員として勤務。ところが、訪問介護に携わる介護職員は69.7%が非正規職員でした。さらに、訪問介護の非正規職員の半数以上が短時間労働者です。訪問介護は、短時間勤務がしやすいのが特徴。自分のペースで無理なく働きたいという主婦や高齢者が多く、それが非正規職員の割合を高める要因になっているといえるでしょう。

    そのことは、年齢構成からもよくわかります。30~49歳の割合が高い施設などの介護スタッフと比べて、訪問介護は40歳以上の介護スタッフが多め。そして、全体の4割近くが60歳以上なのです。

    表1:

    kaigo-real01.jpg

    年収500万円も狙える。「介護スタッフ=低収入」は大きな間違い?

    次に、多くの人が気になる収入をチェック。正規・非正規をあわせて介護職に就いている労働者(月給制の方)の所定内賃金は平均22万7,275円で、賞与は平均57万2,079円でした。年収に直すと約330万円で、前年と比較すると収入は増加傾向です。また、厚生労働省が調査した「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、常勤の賞与込み平均月給は30万970円となっており、調査開始から初めて30万円を超えました。2019年秋にもキャリアの長い介護職の賃上げが見込まれており、処遇改善が進むと同時に、まだまだニーズの拡大が確実な業界だけに、今後さらなる伸びが期待できそうです。

    また、キャリアアップによって高収入を目指すこともじゅうぶん可能です。管理者(月給制の方)の所定内賃金は平均35万6,679円、賞与は平均70万9,230円という結果が出ています。つまり、年収500万円近くになるということ。国税庁「平成29年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者数の平均年収は432万円なので、それを大きく上回ることになります。「収入が高くない」というイメージをもたれがちな介護スタッフですが、実際は職場や働き方によって大きく収入が変わります。

    半数以上の介護職が、「仕事の内容・やりがい」に満足

    介護労働安定センター「平成29年度 介護労働実態調査」では、現在の仕事に対する満足度調査も実施しています。満足、やや満足と答えた人がもっとも多かったのが、「仕事の内容・やりがい」。53.3%と半数以上の人が、介護の世界で大きなやりがいを得ていることがわかります。ついで、「職場の人間関係、コミュニケーション」(47.4%)、「職場の環境」(40.3%)に対する満足が高いという結果に。これらのデータから、多くの人が仕事にも職場にも満足しているといえそうです。

    図1:

    kaigo_real02.jpg

    一方、働く上での悩み、不安、不満などの調査によると、「人手が足りない」(53.0%)、「仕事の内容のわりに賃金が低い」(39.6%)、有給休暇が取りにくい(34.2%)という声が多数ありました。ただ、人手不足や収入、休みに不満があるものの、やりがいの大きさや人間関係、職場環境のよさがそれらを上回っていることもわかります。

    図2:

    kaigo_real03.jpg

    他職種と比べて、介護士の離職率はやや高い

    介護職の1年間の離職率は16.2%。前年よりも減少したとはいえ、5~6人に一人の割合で辞めているという現状があります。ただ、厚生労働省「平成29年 雇用動向調査」によると、主要産業の全体の離職率は14.9%。この結果から、介護職だけが突出して離職率が高いわけではないことがわかります。

    介護の仕事を辞めた理由としてもっとも多かったのは、「職場の人間関係に問題があったため」(20.0%)という声。ついで「結婚・出産・妊娠・育児のため」(18.3%)、「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」(17.8%)と続きます。職場環境や経営理念や運営のあり方が退職の引き金になるケースが多いようです。

    図3:

    kaigo_real04.jpg

    転職してから「こんなはずじゃなかったのに......」と後悔しないためには、職場見学などを通して人間関係をしっかりチェックし、理念や運営方針について理解を深めることが大事だといえるのかもしれません。

    文:佐野勝大 編集者・ライター

    ■参考
    ・介護労働安定センター「平成29年度 介護労働実態調査」
    http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_jigyousho_toukeihyou_t1.pdf
    ・介護労働安定センター「平成29年度 介護労働実態調査」の結果
    http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_kekka.pdf

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