介護の仕事内容とは?種類や待遇、やりがい・魅力について紹介

近年、介護職は、テレビや新聞、ネットニュース、口コミなどを通じて、仕事内容が取り上げられることが増えたこともあり、興味を持つ方が増えてきました。
しかし、「仕事がきつそう」「給与や待遇が悪そう」といったイメージが根強いことから、興味はありつつも、転職をためらっている方も少なくありません。確かに、介護職は決して簡単な仕事ではありませんが、ほかの職種にはないやりがいや将来性のある仕事といえます。
ここでは、介護の仕事内容や待遇、やりがい、キャリアアップについて、「実際のところどうなのか」ご紹介します。
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目次
介護職は利用者の安心・安全な生活をサポートする仕事
介護とは、いわゆる「三大介助」と呼ばれる食事・入浴・排泄の介助を中心に、介護サービスを利用する方が安心・安全に暮らしていけるようにサポートする仕事です。
この原則はどの職場でも変わりませんが、具体的な仕事内容や待遇などは、勤務先施設の形態やコンセプトによってかなりの違いがあります。
施設介護と在宅介護の特徴
介護職は大きく、「施設介護」と「在宅(居宅)介護」に分けられます。
勤務時間については、施設介護の場合、通常24時間365日の稼働となりますので、早番、日勤、遅番、夜勤にシフト制で入ることになります。
一方、在宅介護の場合は9~18時などの日勤が基本で、利用者によっては「朝の身支度の介護のみ」「買い物代行と昼食づくりのみ」など、短時間で限定的なサービスを提供することもあります。
給料については運営法人ごとに違うため一概にはいえませんが、施設介護であれば夜勤手当もあるため、日勤の在宅サービスに比べて多いといえるでしょう。
そのほか、施設介護は複数人の介護職員で業務にあたりますので、わからないことがあれば誰かに聞くこともできますが、在宅介護は基本的に1対1での介護となるので、何か自分で判断できないことがあった際は、電話などでサービス提供責任者や事業所職員の指示を仰ぐ形となります。
経験の浅い介護職員の場合は、不安を感じることもあるでしょう。また、在宅介護の場合、約束した日に行ったのに利用者が不在であったり、訪問したら利用者が亡くなっていたりすることもあります。
介護施設の種類
介護職の仕事内容や働き方は、介護施設の種類によって変わってきます。ここでは、代表的な施設とその特徴についてご紹介します。
・特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム(特養)は、原則要介護度が3(移動や着脱、排泄行為が一人でできないなどの状態や認知機能の低下が見られる状態)以上の高齢者が入所できる施設です。
利用者には、寝たきりの方や重度の認知症の方もいて、基本的には「終のすみか」となっており、看取りまで行うところがほとんどです。
・介護老人保健施設
介護老人保健施設(老健)は、病院での急性期治療や回復期リハビリテーションと自宅療養のあいだに利用される中間施設となります。リハビリを行い、いずれ自宅に戻ることを目的としています。
さまざまな介護度の方が混在しているため、一人ひとりの状態を理解し、それぞれに合った対応が必要となります。
・有料老人ホーム
有料老人ホームは、「一時的利用が中心のリハビリホーム」や「手厚い介護がついた終の住みか」「特養の順番待ちのあいだだけ利用するホーム」など、さまざまなタイプがあります。
特養、老健に比べてサービスの質にこだわっている施設が多く、介護職員にもコミュニケーション能力が求められるでしょう。
・病院
医師、看護師を中心に動いている病院は、治療のための施設ですから、介護の専門職というより看護助手というポジションで働くことが多くなります。
そのため、入院の際の搬送業務やシーツ交換、医療物品の補充などの雑用も行います。
・デイサービス/通所リハビリテーションセンター
デイサービスや通所リハビリテーションセンターは、利用者が日中に通う形式の施設となります。
経営者や施設のコンセプトにより、リハビリに特化した施設やカフェのように安らげる空間を提供する施設、利用者のニーズに応えてカジノができる施設まで、さまざまなところがあります。
レクリエーション色の強い施設の場合は、介護職員も利用者の前で話したり、アクティビティを行ったりする機会が多くなります。
このほか、介護職の職場としては、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や訪問介護、グループホーム、障害者支援施設、ケアハウスなどがあります。
介護職系施設についてより具体的な内容を知りたい方は、
こちらをご確認ください
介護職の待遇
介護職といえば、「人手不足で休みが少ない」「給料が安い」といったイメージを持たれやすいですが、必ずしもそうではありません。
介護福祉士の処遇の改善や職場環境の改善が進められたことで、働きやすい職場は増えています。
ここでは、介護職の給与、勤務体制、将来性について、詳しくご紹介します。
・給与
厚生労働省の「平成29年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職員処遇改善加算(介護職員の賃金を上げるための国の制度)を取得している事業所における常勤の介護職員の平均給与額は、月給29万7,450円。1年前に比べて、13,660円上昇しています。
この数字は、経験の浅い介護職員からベテランまでを合わせた平均値であり、介護職員の全員がこの給与をもらっているわけではありませんし、初任給ではこれよりも低くなります。
しかし、仕事に慣れて夜勤に入れるようになったり、資格を取得したりすることで給与は確実にアップしていきますし、将来的に施設管理者になることで、年収アップにつながります。
・将来性
日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は、2017年時点で27.7%に達しており、今後も上昇が予想されています。
そのような状況で介護ニーズがなくなることは考えにくく、職に困るような業界ではないといえるでしょう。
待遇への不満はミスマッチから起きることが多い
介護職は、施設によってさまざまな働き方が可能です。それでも、待遇への不満が出てしまう原因として考えられるのは、応募者の希望と施設側の希望のミスマッチです。
例えば、施設側が「多くの夜勤をこなせる方が欲しい」と思って人材募集をかけたときに、「夜勤を多くこなしてたくさん稼ぎたい」と思っている応募者が入職すれば、お互いにとって良い転職となるでしょう。
しかし、施設側が、人手不足から希望とずれている応募者を採用してしまったり、応募者側がよく調べないまま勤務先を決めてしまったりすると、入職してからお互いに不満が生じてしまうことがあります。
このようなミスマッチを避けるため、マイナビ介護職では、「なぜ介護の仕事をやろうと思ったのか」「夜勤ができるか否か」をお伺いした上で、ご自身に合う働き方ができる施設をご紹介させていただきます。
介護職のやりがいと介護職に向いている方
ここからは、介護職に入職してから後悔しないように、介護職の魅力や向いている方についてご紹介します。
介護職の魅力とは?
排泄や入浴のサポートなどを行う介護職は、いわば「究極のサービス業」といえます。
利用者が自分の力では行えなくなってしまったことを、手となり足となって達成してもらうことで、利用者やその家族に喜んでもらえる。それは、ほかの職種では味わえない、一番のやりがいといえるでしょう。
介護職に向いている方
介護職は、ホスピタリティの要素が強い仕事なので、やはり優しい方、我慢強い方が向いています。
また、何かに悩んだり問題が起こったりした場合には、周りに相談できるタイプであることが重要です。一人で抱え込みすぎるとうまくいかないことが多いので、協調性も大切になります。
また、30代、40代での転職の場合は、上司が年下であることも少なくないので、柔軟性も大切になります。
ほかの仕事でキャリアを積んでいても、それにこだわらず、また一から積み上げようとする方のほうが成功しやすいでしょう。
初めて介護の仕事をする方が入職後につらいと感じてしまうこと
介護職未経験の方が入職した後に、つらいと感じてしまうポイントには、次のようなことが挙げられます。
・体力面
介護は、入浴時やベッドからの移乗の際に利用者を抱きかかえることもあり、体力が必要な仕事といえます。また、力任せに抱きかかえたりすることで、腰を痛めてしまう方もいます。
・排泄介助
実際に排泄介助を行ってみたら、きびしかったという方もいます。排泄介助は徐々に慣れてくるものではありますが、やはりくさくて汚い物を扱います。
しかし、生物とはそういうものであり、介護される側もつらいことだということを理解し、その思いをくむことは必要です。
・看取り
特別養護老人ホームや有料老人ホーム、病院などでは、利用者がお亡くなりになることもあります。芯が強くないと、それがショックで辞めてしまう方もいます。
介護職のキャリアプラン
介護職は、ステップアップの道筋が比較的見えやすい仕事です。資格がすべてではありませんが、まずは、介護業界で評価される人材を目指すなら、国家資格である「介護福祉士」の取得を目標とするといいでしょう。
介護職のステップアップ 介護福祉士の取得まで
無資格・未経験からスタートした場合、介護福祉士を取得するまでには、次の3つのステップがあります。
【ステップ1】介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護職として働く上で基本となる知識・技術を習得する研修です。実務経験がなくても受けられるので、就業前に行えば、最低限の知識を身に付けた上で業務に入ることができます。
取得には5~10万円ほどかかりますが、一定期間の雇用を条件として、法人・企業の負担で取得させてくれるところもあります。
【ステップ2】介護職員実務者研修
介護職員実務者研修では、初任者研修からさらに一歩踏み込んだ知識や技術を習得することができます。
内容は実践的になりますから、未経験者には難度が高いといえるでしょう。また、それだけの内容ですから、研修の受講は介護福祉士の受験要件にもなっています。
取得には15万~20万円ほどかかりますが、法人や企業によっては、一定期間の雇用を条件として、法人・企業の負担で取得させてくれるところもあります。
【ステップ3】介護福祉士
介護職で唯一の国家資格が介護福祉士です。受験には3年以上の実務経験と介護職員実務者研修を修了していることが条件となります。
試験は毎年1月(筆記)と3月(実技)に行われ、2018年の合格率は70.8%となっています。
介護職系資格についてより具体的な内容を知りたい方は、
こちらをご確認ください
介護職のステップアップ 介護福祉士を取得してから
介護職の働き方は、直接介助に携わるだけではありません。介護福祉士として現場での経験を積んだ後、ケアプラン作成などを行うケアマネージャーや、利用者・家族の生活相談を担当する生活相談員のほか、エリアマネージャーや施設長といった管理職に進むことも可能です。
また、独立して訪問介護ステーションや有料老人ホームを始める方もおり、ご自身の希望と努力次第で、さまざまな可能性があるといえるでしょう。
マイナビ介護職が希望に沿った職場をお探しします
介護職にはさまざまな働き方があり、「どんな働き方をしたいのか」「5年後、10年後に自分はどんな風になっていたいのか」によって、相性の良い勤務先は変わってきます。
例えば、将来、管理職を目指したいなら、中長期的に新施設のオープン予定があり、管理者ポストを募集する予定のある企業に的をしぼって、転職先を探したほうが効率的でしょう。
マイナビ介護職では、このように相談者様の希望をしっかりと伺い、将来のビジョンを見据えた上でご提案を行うことで、転職のミスマッチを防いでいます。希望に沿った職場を見つけるために、ぜひ、マイナビ介護職をご利用ください。
解説:マイナビ介護職キャリアアドバイザー
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