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短期入所(ショートステイ)とは?生活介護と療養介護の違いも解説

公開日:2023.07.02 更新日:2023.07.02
短期入所(ショートステイ)とは?生活介護と療養介護の違いも解説

短期入所(ショートステイ)とは、自宅で介護を受けている高齢者が、短期的に施設に入って介護を受けるサービスです。最短入所期間は1日で、「特養の入居待ち」や「退院直後の一時利用」などの目的で活用されています。

この記事では、ショートステイの意味や、短期入所生活介護と短期入所療養介護の違いについて解説します。また、ショートステイで働きたい方に向けて、仕事内容やショートステイで働くメリット・デメリットについても取り上げるので、ぜひご覧ください。

1. ショートステイ(短期入所)とは?

ショートステイとは、自宅で介護を受けている高齢者が一定期間、施設に宿泊しながら、生活支援や身体介護、リハビリなどのサービスを受けることです。 ショートステイと短期入所は基本的に同じことで特に違いはありません。ショートステイは、最短で1日から1日単位で利用できる点が特徴です。在宅で介護にあたる家族や介護者が急用やリフレッシュで一時的に介護から離れる場合や、介護施設の入居待ちの場合などに使用されることが多いです。

ショートステイの費用は、介護保険の適用対象となります。介護保険が適用されると、利用者の費用負担が1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)で済むようになります。

(引用:厚生労働省「どんなサービスがあるの? - 短期入所生活介護(ショートステイ)」
/ https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group12.html 引用日2023/06/23)

一時的に介護から離れることで、在宅介護にあたる家族や介護者にとって、心身ともに休息を得る機会を作ることができます。同時に、介護サービスを受ける利用者本人にとっても、身体機能の維持や改善、生活環境の活性化を図ることができます。

1-1. ショートステイとデイサービスの違い

ショートステイとデイサービスの主な違いは利用期間で、日帰りのみのデイサービスに対して、ショートステイは連続して最短1日〜最長30日の宿泊が可能です。デイサービスは、日帰りでの利用が基本となっている点が特徴と言えるでしょう。サービス内容に関しては、食事や入浴、レクリエーションなど、ショートステイとデイサービスに大きな違いはありません。

介護にあたる方の用事が夕方までに済む場合は、デイサービスが便利です。旅行・出張など遠方への外出や、介護者の休息など、用事が1日以上かかる場合はショートステイを利用しましょう。ショートステイとデイサービスのどちらを選ぶかは、介護にあたる方の事情に合わせるのがポイントです。

2. 短期入所生活介護と短期入所療養介護の違い

ショートステイには、短期入所生活介護と短期入所療養介護の2種類があります。

一時的な宿泊を目的とした短期入所生活介護は、日常生活上の支援や機能訓練、レクリエーションなどが主なサービスです。特別養護老人ホームなどの介護施設で提供されています。

一方、一時的な医療型宿泊である短期入所療養介護は、医療的見地からの治療・療養・看護・機能訓練などのサービスを受けることが可能です。介護老人保健施設や病院、介護医療院などで提供されています。

2-1. 短期入所生活介護とは?

短期入所生活介護は、利用者ができる限り自宅で自立した日常生活を送れることを目的とした施設です。自宅に引きこもりがちな高齢者の孤独感を解消し、身体機能の維持や回復を目指しています。介護にあたる家族や介護者の負担を軽減し、息抜きをしてもらう機会を作ることも大きな役割です。

短期入所生活介護は、医師や生活相談員、介護職員、看護師、栄養士、機能訓練指導員などが常勤し、厚生労働省が定める設備基準を満たした施設となります。人員基準と設備基準の詳細は下記の通りです。

【人員基準】

医師 1人以上
生活相談員 利用者100人につき1人以上(常勤換算)
※うち1人は常勤(利用定員が20人未満の併設事業所を除く)
介護職員又は看護師若しくは准看護師 利用者3人につき1人以上(常勤換算)
※うち1人は常勤(利用定員が20人未満の併設事業所を除く)
栄養士 1人以上
※利用定員が40人以下の事業所は、一定の場合は栄養士を置かないことができる
機能訓練指導員 1人以上
調理員その他の従業者 実情に応じた適当数

【設備基準】

利用定員等 20人以上として、専用の居室を設ける
※ただし、併設事業所の場合は、20人未満とすることができる
居室 定員4人以下、床面積(1人当たり)10.65㎡以上
食堂及び機能訓練室 合計面積3㎡×利用定員以上
浴室、便所、洗面施設 要介護者が使用するのに適したもの

その他、医務室、静養室、面談室、介護職員室、看護職員室、調理室、洗濯室又は洗濯場、汚物処理室、介護材料室が必要

(引用:厚生労働省「04_短期入所生活介護」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000650020.pdf引用日2023/05/17)

短期入所生活介護は、特別養護老人ホームなどの施設が、日常的に介護を必要とする方の短期間の入所を受け入れています。提供するサービスは、食事や入浴などの日常生活上のサポートや、機能訓練などです。

(出典:厚生労働省「どんなサービスがあるの? - 短期入所生活介護(ショートステイ)」
/ https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group12.html

2-2. 短期入所療養介護とは?

短期入所療養介護は、看護や医学的な面からの介護、機能訓練その他医療など日常生活を送るために必要な世話を行います。利用者が要介護状態となった場合も、自宅でできる限り自立した日常生活を送れることが目的です。療養生活のクオリティを向上させ、介護にあたる家族や介護者の負担を軽減すべく実施します。

短期入所療養介護を実施できる施設は下記の通りです。

○ 介護老人保健施設
○ 療養病床を有する病院若しくは診療所
○ 診療所(療養病床を有するものを除く。)
○ 介護医療院

(引用:厚生労働省「05_短期入所療養介護」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000650021.pdf引用日2023/05/17)

医師・薬剤師などの人員や、療養室・機能訓練室・食堂など設備は、それぞれの施設により異なります。参考例として、介護老人保健施設の人員や施設・設備の基準を紹介します。

【人員】

医師 常勤1以上、100対1以上
薬剤師 実情に応じた適当数(300対1を標準とする)
看護・介護職員 3対1以上、うち看護は2/7程度
支援相談員 1以上、100対1以上
理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士 100対1以上
栄養士 入所定員100以上の場合、1以上
介護支援相談員 1以上(100対1を標準とする)
調理員、事務員その他の従業者 実情に応じた適当数

【施設及び設備】

療養室 1室当たり定員4名以下、入所者1人当たり8㎡以上
機能訓練室 1㎡×入所定員数以上
食堂 2㎡×入所定員数以上
廊下幅 1.8m以上(中廊下は2.7m以上)
浴室 身体の不自由なものが入浴するのに適したもの 等

(引用:厚生労働省「08 参考資料2 参考資料(介護老人保健施設)」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000174012.pdf引用日2023/05/17)

短期入所療養介護では、医療機関や介護老人保健施設、介護医療院が、日常生活上の世話をはじめ、医療や看護、機能訓練などを提供します。連続して利用できる日数は30日までです。

(出典:厚生労働省「どんなサービスがあるの? - 短期入所療養介護」
/ https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group13.html

3. ショートステイで働く場合の仕事内容

ショートステイで働く場合、利用者さんの身体介助やレクリエーション、送迎が主な仕事内容となります。

利用者さんの身のまわりの世話を行うのが身体介助です。食事や着替えなどの手伝いをはじめ、入浴介助や移動介助など、日常生活の中で必要な介助を実施します。夜勤では、利用者さんの排せつ介助や、決められた時間ごとの見回り、事務作業などが加わります。

利用者さんに楽しんでもらえるレクリエーションのプランを考えるのも介護職として働く方の仕事です。イベントを行う際は、司会進行を担当することもあります。

利用者さんの自宅と施設間の送迎サービスを実施している施設では、送迎も大切な業務の1つです。介護職の方が送迎車の運転を行う場合もありますが、専門のドライバーがいる場合は付き添いのみとなります。

3-1. 1日の仕事の流れ・スケジュール

ショートステイで働く方の1日のスケジュールは、施設によってさまざまです。以下では、一般的な1日の仕事の流れを紹介します。

【ショートステイで働く方の仕事の流れ】

時刻 仕事内容
8:00 夜勤スタッフからの申し送りを受け、当日の業務の流れを確認する。
8:30 朝食を終えた利用者さんの口腔ケアや入浴される方の介助を行う。
12:00 食事介助が必要な方のサポートをする。
14:00 折り紙や工作、音楽鑑賞、ゲームなどさまざまなレクリエーション活動を行う。
15:00 利用者さんとともにお茶やスイーツを楽しみ、食事介助が必要な方にはサポートする。
16:00 帰宅される利用者さんを自宅まで送り届ける。
17:00 事業所へ戻り1日の業務内容をまとめ、夜勤担当者へ引き継ぎをする。

利用者さんを自宅まで送り届ける際に、ご家族とお話しできる時間がある場合は、当日の利用者さんの様子をご家族にお伝えしましょう。

4. ショートステイで働くメリット・デメリット

短期入所の施設であるショートステイは、利用者さんの入れ替わりが多いため、数多くの利用者さんと関わることができます。利用者さんの要介護度や健康状態はさまざまで、必要なサポートは異なります。ショートステイで働くことで、臨機応変に対応する介護スキルを身につけることができるでしょう。また、利用者さんの割合は介護度の重い方よりも軽い方が多い点が、ショートステイの特徴です。比較的、体力面の負担は軽めであることもショートステイで働くメリットの1つです。

一方で、1人の方に対して長い時間をかけて深く関係性を築いていきたい方にとっては、戸惑いを感じることがあるかもしれません。しかし、介護の仕事に欠かせない「どのような方にも寄り添えるコミュニケーション能力」を養うことができるため、スキルアップできる職場環境であると言えるでしょう。

まとめ

ショートステイとは、自宅で介護を受けている高齢者が一時的に施設を利用するサービスです。短期入所と呼ばれるものと同一のものです。ショートステイには、短期入所生活介護と短期入所療養介護の2種類のサービスがあります。ショートステイで介護職として働くことで、臨機応変に対応できる柔軟な介護スキルを身につけることが可能です。

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※当記事は2023年5月時点の情報をもとに作成しています

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