介護事務の転職動向|平均給与・求人の特徴・有利な資格・やりがい

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介護事務の女性

介護事務の仕事は、高齢化が進む日本において、今後ますます需要が高まることが予想されている職種です。介護サービスを提供する施設や事業所における介護事務業務を通して、縁の下の力持ちのような役割を担っています。

本記事では、介護事務の仕事内容や介護業界全体から見た介護事務の転職動向について解説しています。介護事務の仕事に就くうえで重要な平均給料や求人状況、転職・就職の際に有利となる資格やスキル、やりがいなどについても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

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1. 介護事務とは?

介護事務とは、介護現場を支える介護事務業務の専門家です。具体的には、下記のような介護サービスを提供する施設・事業所で、受付業務や介護に関する手続き全般を担当します。

・訪問介護事業所
・訪問リハビリテーション事業所
・デイケア
・デイサービス
・特別養護老人ホーム
・介護付有料老人ホーム
・介護老人保健施設
・グループホーム
・サービス付高齢者住宅
・福祉用具貸与事業所

介護事業の運営に伴う「介護報酬請求業務」は、介護事務のメイン業務の1つです。厚生労働省が定める介護保険制度に基づき、レセプト作成を行う必要があるため、専門的が知識が求められます。

1-1. 介護事務の仕事内容

介護事務の業務範囲は施設や事業所によりますが、仕事内容に大きな違いはありません。介護事務の具体的な仕事内容としては、下記のような業務が挙げられます。

・介護報酬請求業務全般(レセプト業務)
・利用者への請求書の作成
・電話応対や来客対応などの受付業務
・備品管理や発注、施設設備の修繕依頼など
・介護職員やケアマネジャーの補佐
・勤怠管理(シフト管理)
・経理業務

規模が大きい施設や事業所は、介護報酬請求業務などのデスクワークに従事するケースが多いですが、小さい施設や事業所では幅広い活躍が求められる傾向があります。

また、介護事務も事務系職種です。基本的に、介護報酬請求はパソコン業務や介護ソフトを使用した業務が多く、一般の事務職と同じでWord・ExcelなどのPCスキルは必要不可欠といえるでしょう。介護保険制度の仕組みに関する知識が必要となる点も、一般の事務職との大きな違いです。

1-2. 介護事務は未経験でも転職可能?

介護職は、未経験でも転職が可能です。実際、求人情報でも実務経験不問としている施設や事業所が多く、他業界や業種からの転職もしやすい傾向が見られます。

ただし、募集1人に対して複数人の応募があった場合、何の知識や経験のない人材よりも、介護事務や一般事務などの経験者のほうが採用で有利となりやすいです。特に、職戦力となる人材を探している施設や事務所は、経験者歓迎・経験者優遇とされていることが多く、知識や経験の有無を問われることがあります。

勤務経験がなくても、事前に介護事務に関連するスキルや資格を身に付けておくことは、転職や就職で有効的といえます。就職・転職活動を少しでも有利に行いたい人は、業務理解を深めたり、最低限のPCスキルなどを習得したりしておきましょう。

2. 介護事務の転職動向

介護業界は人材不足が課題となっており、介護職の求人は多い状況です。しかし、介護事務専任の求人は少なく、介護士やケアマネジャーなど業務と兼任での募集が多い傾向が見られます。

下記は、「マイナビ介護職」に記載された介護事務の求人数を地域別にまとめた表です。なお、下記の求人数は「事務」をフリーワード検索して絞り込んだ件数です。

【地域別】介護事務の求人数
北海道・東北 約1件
関東 約80件
中部 約30件
関西 約75件
中国・四国 約10件
九州・沖縄 約1件

(出典:マイナビ介護職「介護職求人・転職・募集おすすめ一覧」/https://kaigoshoku.mynavi.jp/r/fw_%E4%BA%8B%E5%8B%99)

2-1. 介護業界全体の動向・有効求人倍率

介護業界は、65歳以上の高齢者の人口増加に伴い需要が増えていますが、介護事務を含む介護職については常に一定の人材不足が見られ、引く手あまたの状態です。

日本における65歳以上の高齢者数は2025年に3,677万人に達します。2042年には3,935万人となり、ピークを迎える見込みです。特に、都心部では75歳以上の人口が急速に増加し、もともと高齢者の割合が多い地域でも緩やかに増加することが予想されています。

また、要介護(要支援)の認定者数も増加ペースも拡大傾向にあり、平成30年4月に644万人に達しています。特に軽度の認定者数が18年間で約3.0倍に増えており、介護業界の需要増加を牽引している状況です。

介護保険給付の対象となる介護サービス施設や事業所数で働く介護職員数は、平成28年度に183.3万人に達しています。

介護職員の就業形態は、非正規社員への依存率が高い状況です。下記は、平成30年時点の介護分野と全職業の有効求人倍率をまとめた表です。

介護分野の有効求人倍率 約3.90倍
全職業の有効求人倍率 約1.61倍

(出典:厚生労働省「介護分野の現状等について」/https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000489026.pdf)

景気の悪化で失業率が増えた平成21年も、全職業の有効求人倍率が0.47倍にまで低下したことに対し、介護分野の有効求人倍率は1倍以上をキープしています。

その後も介護分野の有効求人倍率は伸びており、恒常的に全職業より高い水準で推移している状況です。介護業界全体の需要は景気に左右されにくく、介護職員の需要もまだまた拡大傾向にあるといえるでしょう。

関連記事:「介護業界の転職に後悔しないためのポイント3選|失敗の共通点も解説」

3. 介護事務の平均給料

介護事務は、資格の有無・経験・能力などによって給料にばらつきがあります。しかし、介護業界全体として人材不足が課題であることから、待遇面を強化する介護施設や事業所も多く見られます。

下記は、処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所などで介護に従事する介護職員と、事務職員の平均月給を比較した表です。

介護従事者等の平均月給(手当込み)
常勤 非常勤
介護職員 315,850円 196,630円
事務職員 311,120円 201,730円

(出典:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02kekka.pdf)

厚生労働省が行った調査によると、常勤の介護職員の平均月給は約31.6万円、介護事務職員の平均月給は約31.1万円で、その差は約4,700円となっています。

一方、非常勤は介護職員が約19.7万円、介護事務職員が約20.2万円となり、平均月収が介護職員よりも事務職員のほうが上回っています。そのため、介護事務は介護業界全体で見ても平均的な収入が期待できる仕事といえます。

介護事務の平均月給は、勤務先の介護サービスの種類によって異なります。介護老人福祉施設と介護老人保健施設は介護職員の平均月収額が高めのため、介護事務も高い給料が期待できるでしょう。

4. 介護事務の求人の特徴

介護事務の求人募集内容は、施設や事業所によって異なりますが、下記のような特徴が見られます。

・介護職員は、男性よりも女性のほうが多いため、出産・育児休暇制度や企業内保育所を設けている施設・事業所が多い
・介護事務や一般事務に関連する資格を所有していると資格手当や職務手当がつくことがある
・介護事務専任よりも介護事務以外の業務を兼任するほうが給料が高い傾向にある
・常勤の正社員(正職員)の募集が多い
・応募要件に年齢制限を設けている施設や事業所が少ない

介護事務に関連する資格を取得している場合、支給される資格手当の金額は異なりますが、中には2万円以上の手当が支給されることもあります。

また、介護事務以外の業務も兼任する場合、介護事務専任の人よりも兼任のほうが給料が高くなる傾向も見られます。そのため、勤務先で介護事務以外の業務もできるようにすると給料アップも期待できるでしょう。

5. 介護事務に転職する際に有利となる資格・スキル

介護事務は、免許不問や資格不問の求人募集が比較的多く、無資格でも基本的なPCスキルがあれば応募可能という求人は少なくありません。業務上で必須となる資格もないため、介護事務として働きながら、仕事に必要となる資格を取得する人もいます。

しかし、介護事務に関連する資格を事前に取得することで、仕事内容に対する理解を深めることができます。また、転職・就職してから実務で役立つスキルを身に付けることが可能です。

5-1. 介護職関連の国家資格・有力資格

介護事務の求人は、事務専任よりも他の業務と兼任となるケースが少なくありません。特に、事務員兼ヘルパー募集の場合には、介護職関連の資格が必須もしくはあると好ましいとされるケースがあります。また、勤務先の選択肢も増えるため、介護事務以外の資格を取得することは転職・就職で有利といえるでしょう。

特に、介護事務の転職・就職の際に有利となりやすい介護職関連資格は、下記の4つです。

介護関連の主な資格資格の特徴
介護職員初任者研修 ・旧ヘルパー2級に相当
・介護分野の人材確保と定着を図ることを目的とした、介護職を目指す初心者向けの資格
・研修により介護業界の基本や業務に必要な知識・技術などの習得が可能
・公的機関や自治体によっては、資格取得支援が受けられ、資格取得にかかる費用が無料もしくは抵コストで受講可能(東京、福岡など)
介護職員実務者研修 ・旧ヘルパー1級に相当
・国家資格である介護福祉士の受験資格で必須となっている資格
・介護職員初任者研修の上位資格で、より専門的な知識や実践スキルの習得が可能
・国家資格である介護福祉士の受験資格で必須となっている
・訪問介護事業所で配置基準が設けられている「サービス提供責任者」という重要なポジションに就くできるため、介護職においてスキルアップしたい人に向いている
介護福祉士 ・介護職唯一の国家資格
・直接介護だけでなく具体的な助言や指導なども行う介護職の最上位資格
・資格取得の難易度が高いが、取得することで高い介護技術や深い知識、スキルの照明が可能
・給料面でも優遇されやすく、資格手当も付きやすい
・管理職や介護支援専門員(ケアマネージャー)などのキャリアアップを目指すことも可能
普通自動車運転免許 ・介訪問や送迎付きの介護サービスを提供する施設や事業所では必須とされるケースもあり、転職・就職に有利となることがある

取得しておくとよい資格は勤務先にもよりますが、転職・就職後に活躍したい人やステップアップを目指している人は、上記の資格の取得を目指しましょう。

5-2. 介護事務関連の民間資格

通信講座などで取得できる介護事務関連の民間資格は、必須ではありません。しかし、資格取得やスキルの習得を通して、介護事務の仕事に就きたいという熱意を面接時にアピールすることができます。

介護事務関連の主な民間資格試験
介護報酬請求事務技能検定 主催団体 日本医療事務協会
受験料 6,600円(税込)
特徴 介護保険制度や介護報酬請求事務業務の知識や技能スキルの証明となる
ケアクラーク 主催団体 日本医療教育財団
受験料 6,900円(税込)
特徴 介護保険制度や介護報酬請求事務業務以外に、人間関係(コミュニケーション)や高齢者・障害者の心理、医学一般などの領域など、学習分野がやや広め

(出典:日本医療事務協会 医療事務検定情報サイト「介護報酬請求事務技能検定試験」/http://www.japanmc.jp/kaigohoshu.html)
(出典:一般財団法人 日本医療教育財団「ケアクラーク技能認定試験」/http://www.jme.or.jp/exam/cc/index.html)

民間資格でも履歴書でアピールでき、介護事務の応募動機や志望動機の説得力も増すため、転職・就職時に有利となります。

5-3. 簿記

介護事務は、経理管理などの一般的な事務業務を担当するケースが多い職種です。そのため、目安として簿記2級以上の資格があると、事務職として評価される傾向が見られます。

簿記は、日々のお金の出入りや、営業取引などの経営活動を帳簿へ記入し、記録・計算・整理して企業の経営成績や財務状況を明らかにする技能のことです。

簿記2級は、基本的な商業簿記の知識に加え、原価計算を含む工業簿記にも対応可能であるため、介護事務以外でも活躍できる場面が多い資格です。財務諸表を読む力があり、適切な処理や分析が行えるレベルであるため、応募資格の条件としている施設や事務所も多く見られます。

関連記事:「未経験でも介護職へ転職できる?おすすめの職場や注意ポイントとは」」

6. 介護事務のやりがい・大変な点

介護事務のやりがい・大変な点としては、下記が挙げられます。

●やりがい
介護事務業務を通して社会貢献ができ、責任ある仕事から達成感を味わえる
●大変な点
仕事内容が多岐にわたり、1つのミスがさまざまなところに影響するため、気を遣う

介護事務は、介護保険制度の知識や看護師・介護職のサポート業務など、さまざまなスキルが求められる仕事です。一方で、仕事量が多い時期などは大変さを感じることもあります。

以下では、介護事務のやりがい・大変な点について詳しく解説します。

6-1. 介護事務のやりがい

介護事務は、度々改正される介護保険制度について理解し、仕事に対しても責任を持って臨む必要がある仕事です。そのため、介護事務の仕事を通して、下記のようなやりがいを感じることができます。

・専門知識をいかして活躍できる
・責任感のある仕事ができる
・利用者や同僚、現場スタッフから感謝されることがある

介護事務では、受付業務などを兼任することも多い傾向です。介護サービスを提供する施設や事業所の顔として対応することで、直接的に施設にも貢献できるでしょう。

6-2. 介護事務の大変な点

事務職はデスクワークがメインですが、介護事務と他の業務を兼任することが多く、ケアマネジャーのサポートや介護のお手伝いもお願いされることがあります。そのため、下記のような大変さを感じることもあるでしょう。

・業務の幅が広い
・お金を扱うため気を使いやすい
・給料が上がりにくい

特に、お金を扱う業務は、1つのミスが施設や事業所の信用問題に関わるため、少しも気を抜くことができません。また、介護職のような夜勤手当などもないため、忙しいわりに待遇面に恵まれないこともあるでしょう。

7. 介護事務が向いている人の特徴

介護事務の多くはデスクワークのため、長時間机に向かって書類の作成や計算などを行います。また、介護事務以外の仕事もこなしながら、期日までに膨大な請求資料を次々に処理していく能力も必要です。

そのため、下記のような人は介護事務の仕事内容が向いているといえるでしょう。

・集中力があり、最後まで責任を持って取り組める
・計算や分析することが得意
・スケジュールを管理する力がある
・臨機応変に対応できる
・コミュニケーション能力がある

上記の他、確実に物事を進めたい人や、地味な仕事にも前向きかつ計画的に取り組むことができる人も、介護事務が向いています。

また、介護事務は利用者とのやり取りや介護職のサポートなど、人と関わる場面や連携が求められる場面も多いため、コミュニケーションを取ることが好きな人にも向いている仕事です。

8. 介護事務の転職を成功させるポイント

介護職は引く手あまたの状態ですが、介護事務の求人数はそれほど多くはないため、より良い条件で働くためには、介護業界に精通した転職エージェントを利用するとよいでしょう。

転職エージェントとは、転職を検討する人と採用を行う企業との間で、幅広い転職サポートを行ってくれる転職希望者の代理人のような存在です。

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関連記事:「介護職の転職には「転職エージェント」がおすすめ!メリットや活用方法について」

まとめ

介護事務は、介護報酬請求を中心としたデスクワークがメイン業務ですが、求人や勤務先によっては、介護職のサポートや受付業務などを兼任することも多い職種です。

介護事務に必須の資格はありませんが、介護保険制度や一般事務に役立つ資格があれば、転職や就職で有利となるなど、給料アップや資格手当などが支給される可能性があります。

介護事務は仕事が多岐にわたり、責任やお金の取り扱いなど大変な点もありますが、その分やりがいを得ることができる仕事です。しかし、介護職に比べると介護事務の求人数は少ない傾向があるため、転職エージェントを上手に活用して転職・就職を有利に進めましょう。

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