未経験でも介護職へ転職できる?おすすめの職場や注意ポイントとは

介護職は、経験のある・なしにかかわらず、広く転職者に門戸を開いている業種です。実際に無資格・未経験から介護職に挑戦し、現場で活躍している方はたくさんいらっしゃいます。
しかし、いざ自分の事として考えると「何か知識が必要なのではないだろうか」「自分に向いている仕事なのだろうか」「失敗したらどうしよう」など、未経験からの転職を不安に思う方もいらっしゃるかと思います。
ここでは、介護職にはどのようなメリット・デメリットがあり、転職する場合はどのようなことに気を付ければいいのかについてご紹介いたします。

目次
未経験でも本当に介護職に就ける?
実情として、介護職への転職を希望する方のうち、7~8割は介護の経験者で、残りの方が未経験ということが多いです。未経験者の中には、高校卒業後に介護福祉士の養成校で学んだ後、他業界に就職して、その後に介護業界に来られる方もいますが、完全な介護未経験の方もいらっしゃいます。
そのような介護未経験の方は、どのようにして介護職に興味を持ったのでしょうか。未経験の方が介護職への転職を考えるきっかけとして多いのは、およそ次のようなことが挙げられます。
ハローワークですすめられて
転職を考える多くの方が利用するハローワークでは、職業訓練として介護職の入門となる資格である「介護職員初任者研修」の受講をすすめられる場合があります。
特にハローワークの支援制度を利用すれば、受講料が無料になるため、この資格取得をきっかけに、介護職に興味を持つ方は珍しくありません。
ただし、ハローワークの場合対応する方は介護職専任のアドバイザーではないため、常に現場に即した情報が得られるとは限りません。
安定性が高く、ステップアップできる職業との評価を知って
高齢化率が上昇し続けている日本において、介護ニーズがなくなることは考えられないため、将来的な安定性はあるといえるでしょう。
また、経験を重ねることで取得できる資格もいくつかあるため、ステップアップの道筋が見えやすいという評価もあります。これらの魅力を感じて転職を決意する方もいらっしゃいます。
学生時代や生活の中で介護との接点があった
40代、無資格・未経験から介護職に転職された方の実例として、ドラッグストアの店員をされていたときに、買い物に来るホームヘルパーさんを見て興味を持った方もいらっしゃいます。
また、介護施設でのバザーなどに参加したり、ボランティアで施設に行ったりしたことから興味を持った方も。
このように、生活していく中で介護職の方と接点があったことで、介護職への転職を決めたという方も多くいらっしゃいます。
親の介護を通して
30~40代の方は、親の介護をきっかけに介護職への道を考えた方も多いです。また、いずれ自分が介護されることを考えて、先に知識を身につけておきたいと思う方もいらっしゃいます。
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介護職の職場とその特徴
介護の仕事の中心は、いわゆる「三大介助」と呼ばれる食事、排泄、入浴の介助となりますが、もちろんこれだけではありません。これは、どんな施設に勤務しても基本的には変わりませんが、施設の形態や性格によっては、やり方、頻度、業務の比重にかなり違いがあります。
以下に、介護職のおもな職場とその特徴をご紹介します。
・特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム(特養)は、原則要介護3(移動や着脱、排泄行為が一人でできないなどの状態や認知機能の低下が見られる状態)以上の高齢者が入所できる施設です。
利用者は、寝たきりの方や重度の認知症の方もいて、「終のすみか」としての役割も担い、基本は看取りまで行います。

・介護老人保健施設
介護老人保健施設(老健)は、病院での急性期治療や回復期リハビリテーションと自宅療養のあいだに利用される中間施設となります。リハビリを行い、いずれ自宅に戻ることを目的としています。
さまざまな介護度の方が混在しているため、一人ひとりの状態を理解し、それぞれに合った対応が必要となります。

・有料老人ホーム
有料老人ホームは、「一時的利用が中心のリハビリホーム」や「手厚い介護がついた終のすみか」「特養の順番待ちのあいだだけ利用するホーム」など、さまざまなタイプがあります。
特養、老健に比べてサービスの質にこだわっている施設が多く、介護職にも接遇やコミュニケーション能力が求められるでしょう。

・病院
医師、看護師を中心に動いている病院は、治療のための施設ですから、介護の専門職というより看護助手というポジションで働くことが多くなります。
そのため、入院のための搬送業務やシーツ交換、医療物品の補充などの雑用も行います。
・デイサービス/通所リハビリテーションセンター
デイサービスや通所リハビリテーションセンターは、利用者が日中に通う形式の施設となります。
経営者や施設のコンセプトにより、リハビリに特化した施設やカフェのように安らげる空間を提供する施設、利用者のニーズに応えてマージャンやカジノで遊べる施設まで、さまざまなところがあります。
レクリエーション色の強い施設の場合は、介護職も利用者の前で話したり、アクティビティを行ったりする機会が多くなります。
このほか、介護職の職場としては、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や訪問介護、グループホーム、障害者支援施設、ケアハウスなどがあります。

介護職系施設についてより具体的な内容を知りたい方は、
こちらをご確認ください
介護職未経験者におすすめの職場
職場選びについては、個々人によって通勤できる範囲や働ける時間は違いますし、仕事をするにあたって何を大事にしたいのかということも踏まえて考えなければならないため、どれがいいと明言することはできません。
ただし、まずはしっかりした技術や知識、経験を身に付けられる環境を求めるのであれば、入所施設系がおすすめです。
有料老人ホーム、介護老人保健施設などの入所施設系は、夜勤などもあるので大変な面はありますが、職員数が多いことから教育体制がしっかりしているところがたくさんあります。
同じカテゴリーの施設でも職場によってかなり差はありますが、介護職の仕事内容がよくわからず、未経験を不安に思っている方におすすめでしょう。
介護職未経験者が仕事を辞めてしまう理由は職場選びにある
介護職を未経験から始めてすぐに辞めてしまった人に理由を聞くと、「教えてくれる人がいなかった」「人手不足ですぐに夜勤に入ることになった」など、知識・技術をしっかり教えてもらえる環境になかったことを挙げるケースは非常に多いです。
ですから、勤務先としてきちんと教われる施設、自身の希望に合った働き方ができる施設を選ぶことはとても重要になります。
WEBサイトなどで施設情報を見ているだけでは、どれが自分に合った施設なのか、判断が難しいことも。
マイナビ介護職では、介護業界専門のキャリアアドバイザーがご要望やお悩みを踏まえ、最適な施設を紹介しますので、転職後のミスマッチが少ない求人に出会うことが可能です。

介護職に転職する前に知っておきたい介護職のメリットと注意点
介護職は、転職者に広く門戸を開いている職業ではありますが、決して簡単な仕事ではありません。
ここでは、介護職ならではのメリットと、あらかじめ知っておきたい注意点についてご紹介しましょう。
<介護職のメリット>
・年代や経験に関係なく挑戦できる
未経験から年代や職歴に関係なく転職でき、子育てなどで仕事をすることにブランクのある人や、50~60代の第二の人生の仕事として職業を探している人でも挑戦が可能なのが介護職です。
また、無資格であっても、企業・法人の負担で働きながら資格を取れる制度がある施設もあります。
・資格の取得や経験を積むことでステップアップができる
「介護職員初任者研修」や「介護職員実務者研修」、そして国家資格の「介護福祉士」など、一つひとつ資格を取得し、経験を積んでいくことで、仕事の内容でも収入面でもステップアップしていけます。
・自分の仕事が人のためになっていることを実感できる
人の役に立っている手応えを感じられるのは、究極のサービス業といわれる介護職ならではの魅力です。
会社のために働くのではなく、人のために働きたいと感じたことから介護職の道を選ぶ人は多いです。
<介護職の注意点>
・最初は給与が低め
介護福祉士の給与は、年収にして約350万円前後となっています。
ただし、経験の浅いうちは夜勤に入れず、さらに資格がない場合は資格手当などもつかないので、通常これより給与は低くなります。
また、運営母体や働き方によって給与が大きく異なります。
・排泄介助がある
介護は人の生活を支える仕事なので、きれい事だけでは済まない部分があります。多くの場合、高齢者の排泄介助をする場面があります。
排泄介助は徐々に慣れてくるものではありますが、やはり臭くて汚い物を扱います。そこが気になるかならないかによって、適性や経験の差が現れやすくなります。
・施設勤務は夜勤が付き物
施設の勤務体制は、基本的に早番、日勤、遅番、夜勤のシフト制なので、月に何度か夜勤を行わなければなりません。
また、365日営業しているので、固定の休みの取得が難しいことも。
ただし、さまざまな勤務形態から、自分に合った働き方が見つかりやすいというメリットもあります。
相談できる人を見つけて壁を乗り越えよう
未経験から介護職に転職した人の前に立ちはだかる壁としては、「教えてくれる人がいなくて不安」「認知症の利用者さんへの対応の仕方がわからない」「思ったより排泄介助がたいへんだった」「同僚や利用者さんとの人間関係がうまくいかない」などが挙げられます。
これらの壁をうまく乗り越えていくために大切なのは、まずはしっかり自分に合った勤務先を選ぶこと。
それから、勤務先でできるだけ早く相談できる人を見つけて、自分だけで抱え込まないようにすることです。
マイナビ介護職の転職支援サービスでは、勤務先や勤務形態の選び方から入社の際の心構えまでアドバイスさせていただきますので、介護業界の仕事に少しでもご興味がりましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
解説:マイナビ介護職キャリアアドバイザー
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