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ケアハウスとは?種類・サ高住との違い・人員配置を解説

公開日:2023.07.05 更新日:2023.07.05
ケアハウスとは?種類・サ高住との違い・人員配置を解説

ケアハウスとは、自立生活の難しい60歳以上の方が無料・低額の利用料で入居できる施設です。一般型と介護型の2種類があり、入居者の介護・支援の必要性が異なります。

この記事では、ケアハウスの概要や種類などの基本情報に加え、サ高住・グループホームとの違いや人員基準などを詳しく解説します。介護職の仕事内容や、働くメリット・デメリットにも触れるため、ケアハウスへの就職・転職を考えている方も、ぜひ参考にしてください。

1. ケアハウスとは?

ケアハウスとは、身体機能の低下などにより、自宅・地域での自立生活を送ることが難しい60歳以上の方が、無料または低額な料金で入居できる施設のことです。ケアハウスは軽費老人ホームの一種であり、これらの施設を管轄する厚生労働省では、下記のように定義されています。

軽費老人ホーム・ケアハウスは、無料又は低額な料金で、老人を入所させ、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設です。

(引用:厚生労働省「第1回 住まい支援の連携強化のための連絡協議会 資料10」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000656699.pdf 引用日2023/5/26)

軽費老人ホームには、ケアハウス以外にもA型やB型といったタイプの施設があります。ただし、A型とB型は経過的措置として設けられていた制度であるため、現在は新設が認められていません。軽費老人ホームの大半はケアハウスであることを押さえておきましょう。

1-1. ケアハウスの種類

ケアハウスは、大きく分けて「一般型」と「介護型」の2つのタイプがあります。ここでは、一般型ケアハウスと介護型ケアハウスの特徴を確認しましょう。

一般型ケアハウス(軽費老人ホーム)

概要
食事の提供、入浴等の準備、相談及び援助、社会生活上の便宜の供与その他の日常生活上必要な便宜を提供することにより、入所者が安心して生き生きと明るく生活できるようにすることを目指す

入居対象者
身体機能の低下等により自立した日常生活を営むことについて不安があると認められる者であって、家族による援助を受けることが困難なもの(要支援・要介護高齢者も入居可能)

費用相場
概ね9万円~前年の収入額に応じて15万円程度まで

(引用:厚生労働省「第1回 住まい支援の連携強化のための連絡協議会 資料10」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000656699.pdf 引用日2023/5/26)

一般型ケアハウスでは、食事提供や掃除・洗濯などの生活支援、生活相談や緊急時の対応、安否の確認など、利用者さんが安心して生活できるようなサポートを提供しています。

一般型ケアハウスは、身の回りのことはある程度自分でできるものの、身体面や経済面で自立した生活に不安を感じている方の利用を想定した施設です。そのため、一般型ケアハウスの入居には、要支援・要介護認定を受けている、独居である、金銭的に余裕がない、障害があるなどの条件を満たす必要があります。一般型では基本的には介護サービスは提供していませんが、介護が必要になった場合には、訪問介護や通所介護などの外部の介護サービスを利用することもできます。

介護型ケアハウス(特定施設入居者生活介護)

概要
特定施設入居者生活介護の指定を受けた軽費老人ホームが、入居者に対して、ケアプランに基づき、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話等を行うサービス

入居対象者
要支援・要介護高齢者

費用相場
各施設・要介護度によって異なります

(引用:厚生労働省「第1回 住まい支援の連携強化のための連絡協議会 資料10」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000656699.pdf 引用日2023/5/26)

介護型ケアハウスは、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けたケアハウスであり、 要支援・要介護の高齢者に介護サービスを提供する施設です。入居者に対してケアプランを作成し、介護スタッフが計画に基づいて入浴や排泄、食事などの介護サービス、日常生活における支援を行います。

1-2. サ高住やグループホームとの違い

日常生活のサポートを必要とする高齢者が利用できる施設には、「サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)」や「グループホーム」などもあります。ここでは、サ高住やグループホームといった高齢者向け施設とケアハウスとの違いを紹介します。

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)

「サービス付き高齢者向け住宅」とは、高齢者単身・夫婦世帯が居住できる賃貸等の住まいです。

(引用:厚生労働省「サービス付き高齢者向け住宅について
/ https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish_sumai/ 引用日2023/5/26)

サ高住とは、高齢者が暮らしやすい居住面積・設備・構造などの条件を満たした住宅で、ケアの専門家による安否確認や生活相談などの見守りサービスを受けられる施設です。 ケアハウスは食事などの生活支援サービスを受けたい方の利用を、サ高住は調理や掃除・洗濯などの日常生活が行える方の利用を想定していることを押さえておきましょう。

ケアハウスは比較的所得の低い高齢者が主な入居対象となりますが、サ高住は費用の相場がやや高めで、所得の高い方も自由に施設を選んで入居できます。介護が必要となった場合は、外部事業者の介護サービスを自由に選択して利用することも可能です。

グループホーム

知的障害者や精神障害者、認知症高齢者などが専門スタッフの支援のもと集団で暮らす家のこと。

(引用:厚生労働省 e-ヘルスネット「グループホーム」
/ https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-089.html 引用日2023/5/26)

グループホームとは、認知症高齢者や知的障害・精神障害がある方が、専門的な知識を持つスタッフの支援を受けながら少人数の集団で共同生活する福祉施設を指します。

グループホームでは、利用者さんができることは本人に取り組んでもらい、難しいことは施設職員がサポートします。一般型ケアハウスと同様に、身の回りのことがある程度できる状態の方が対象となりますが、認知症に特化しているため、より適切な認知症ケアを受けられることが期待できます。

2. ケアハウスの人員基準

ケアハウスを運営するためには、施設長をはじめとしてさまざまな職種のスタッフを適切に配置する必要があります。ケアハウスの人員配置基準(設置基準)は、「社会福祉法」に基づき下記のように定められています。

人員の種類 一般型ケアハウス
(軽費老人ホーム)
介護型ケアハウス
(特定施設入居者生活介護)
生活相談員 120:1 100:1
介護・看護 30:1 3:1
看護 30:1
栄養士 1以上
機能訓練指導員 1以上
介護支援専門員 (計画作成担当者1以上)

(引用:厚生労働省「第1回 住まい支援の連携強化のための連絡協議会 資料10」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000656699.pdf引用日2023/5/26)

ケアハウスの人員配置基準に定められる職種で働くためには、ケアマネジャーなど職種に応じた特定の資格や実務経験が必要となります。たとえば、生活相談員は社会福祉士や精神保健福祉士などの資格が求められます。介護職は無資格でも勤務可能ですが、身体介護を行う施設も多いため、介護職員初任者研修以上の介護関連資格を取得しておくとよいでしょう。

3. ケアハウスにおける介護職の仕事内容

ケアハウスにおける介護職の主な業務は、食事のサポートや掃除・洗濯などの生活援助、入浴の準備など、利用者さんの身の回りの支援を行うことです。ほかにも、施設内のイベント・行事や利用者さんが参加するレクリエーション、アクティビティの企画・実行や、施設内の清掃・事務作業といった業務もあります。

介護型ケアハウスでは、上記のような業務に加えて、食事介助や入浴介助、排泄介助など、利用者さんの状況に応じた介護業務も行います。機能訓練(リハビリ)のサポートを行うことも少なくありません。また、訪問介護事業所を併設している一般型ケアハウスでは、介護型ケアハウスのような介護ケアを行う場合があることを押さえておきましょう。

4. ケアハウスで働くメリットとデメリット

介護職としてケアハウスで働くことのメリットは、下記の通りです。

【ケアハウス全体】
・施設の組織的な基盤が安定している
・人員不足への懸念が少ない

【一般型】
・生活サポートが主な業務であるため身体的な負担が比較的少ない
・身体介護の機会が少ないため、未経験でも始めやすい

【介護型】
・介護に関するスキルを磨きやすい
・社会福祉に関する理解を深めやすい

ケアハウスは民間企業や社会福祉法人など、運営主体の基盤が安定している場合が多く、福利厚生や休暇制度が整備されているなど、働きやすい環境の施設も珍しくありません。職員配置が明確に定められているため、人員不足に悩まされにくいことも魅力の1つです。

一般型では身体介護を行う機会が少ない傾向があるため、初任者研修などの資格を持たない方にもおすすめです。また、介護型にはさまざまな介護レベルの利用者さんがいるため、介護に関する知識やスキルを幅広く身につけられるというメリットがあります。社会福祉への理解を深めやすい職場でもあるため、福祉関連資格の取得を目指す方にもおすすめです。

一方で、介護職としてケアハウスで働くことのデメリット・注意点として下記のようなことが挙げられます。

【ケアハウス全体】
・夜勤や宿直が求められる施設が多い

【一般型】
・サポートの範囲が限定されるため、物足りなさや歯がゆさを感じる場合がある

【介護型】
・生活援助と介護業務の両方を行うため、負担に感じる方もいる

ケアハウスは24時間365日体制で運営する必要があるため、夜勤や宿直が求められるケースがほとんどです。

一般型の場合、介護職の主な業務は日常生活の支援となるため、介護に関する知識やスキルを磨きたい方にとっては物足りなさを感じる可能性もあります。介護に関する経験を積みたい方は、訪問介護事業所を併設しているケアハウスでの勤務を検討してみましょう。

介護型の場合、利用者さんの生活援助と介護業務の両方を介護職が担うため、心身の負担を感じやすい方もいます。勤務体系や勤務時間帯、出勤日数、人員数などを考慮した上で、無理なく働ける施設選びを行いましょう。

まとめ

ケアハウスでは施設長のほか、生活相談員や介護・看護スタッフなどの配置が義務付けられています。一般型と介護型では配置基準が一部異なるため、応募を検討している施設の種類や状況を確認するのが大切です。

ケアハウスの多くは、安定的に働ける環境が整っており、人員不足の心配が少ない傾向です。一方で、夜勤や宿直が必要な施設が多いことも考慮しておきましょう。

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※当記事は2023年5月時点の情報をもとに作成しています

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