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介護士の平均給料とは|年数・資格による差や年収アップの方法も解説

公開日:2022.08.04 更新日:2024.04.02
介護士の平均給料とは|年数・資格による差や年収アップの方法も解説

今後、少子高齢化がより深刻化すると言われる中で、介護士は社会に欠かせない職業となっています。ニーズが高く社会貢献できる仕事として、介護士に魅力を感じる方も少なくないでしょう。一方、介護士は仕事の負担の割に給料が低いという印象を持たれることもあり、介護士の将来に不安を覚える方もいるかもしれません。

この記事では、介護士の給料相場の現状から、今後の給料の展望、年収をアップさせるためのポイントまでを詳しく解説します。

1. 介護士の平均給料

厚生労働省の令和4年の調査結果によると、介護士の平均給料額は下記の表の通りです。医療福祉施設などに勤める介護士、ホームヘルパー、ケアマネジャーの3つの職種を男女別でまとめると、以下のような給料差が見られます。

医療福祉施設
などの介護士
ホームヘルパー ケアマネジャー
全体 約363万円 約353万円 約406万円
男性 約390万円 約386万円 約437万円
女性 約348万円 約344万円 約395万円

(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

一般的な平均年収と比較しても、介護士の給料は低いほうではありません。職種別に見ると、介護支援専門員として働くケアマネジャーの給料が最も高い傾向にあります。ケアマネジャーのように専門知識と資格が必要な職種は、より高い年収を期待できるでしょう。

次いで、医療福祉施設に勤める介護士、訪問介護員として在宅の利用者さんの介護を行うホームヘルパーの順に給料が高く、男女別でも同様の順番です。

2. 都道府県別で比較した介護士の平均給料

介護士の給料は、地域によって相場が異なります。医療福祉施設などの介護士、ホームヘルパー、ケアマネジャーに分けて、令和4年の都道府県別の平均給料を比較してみましょう。厚生労働省の調査によると、平均給料が高いのは以下の都道府県です。

医療福祉施設などの介護士 ホームヘルパー ケアマネジャー
神奈川県 約405万円 島根県 約467万円 山形県 約484万円
大阪府 約402万円 福島県 約459万円 奈良県 約480万円
岐阜県 約400万円 静岡県 約426万円 千葉県 約477万円

(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

介護士の給料は、都市部であれば高いとは限らず、島根県や山形県のように首都圏から離れた地域であっても高い水準を保っています。高齢者の多い地域では介護士のニーズが高く、給料設定が高くなりやすいでしょう。給料の高い都道府県であれば、性別の平均を上回る年収を目指すことも可能です。

一方で、平均給料が低い傾向にある都道府県は以下の通りです。

医療福祉施設などの介護士 ホームヘルパー ケアマネジャー
沖縄県 約288万円 宮城県 約241万円 大分県 約309万円
宮崎県 約296万円 熊本県 約253万円 広島県 約348万円
山形県 約301万円 高知県 約279万円 和歌山県 約359万円

(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

平均給料が低い都道府県は職種ごとに異なり、特定の地域だけが給料水準が低いわけではありません。山形県はケアマネジャーだと高い給料水準を保っているのに対し、医療福祉施設などの介護士の場合は平均給料が低いほうに分類されています。

なお年収は統計上の数値であり、該当する都道府県であってもすべての介護士の給料水準が低いとは限りません。雇用形態やキャリア、役職によって大きく異なり、年度でも変動します。

3. 勤続年数次第で介護士は給料アップを狙える

介護士の給料は勤続年数によっても設定額に差が出るため、キャリアを重ねるほど給料アップの見込みがあるでしょう。下記の表は、勤続年数ごとに平均給料がどのくらい上がっていくのかを表した一覧です。

医療福祉施設などの介護士 ホームヘルパー ケアマネジャー
0年 約260万円 0年 約274万円 0年 約368万円
1~4年 約307万円 1~4年 約310万円 1~4年 約368万円
5~9年 約337万円 5~9年 約329万円 5~9年 約367万円
10~14年 約361万円 10~14年 約341万円 10~14年 約396万円
15年以上 約393万円 15年以上 約361万円 15年以上 約415万円

(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html

※時間外勤務手当や深夜勤務手当が含まれない「所定内給与額」を使っているため、実際の年収はさらに高くなります。

ホームヘルパーの場合、約274万円から始まり、15年以上の勤続だと約361万円まで年収が上がります。医療福祉施設などの介護士は、勤続年数がない年は約260万円と3つの職種の中で最も低い年収です。しかし、1~4年目で約307万円まで上がり、5年以上働けばホームヘルパーの平均給料を越えるでしょう。

一方ケアマネジャーは、勤続5~9年までは平均給料の上がる幅が少ないものの、10年以上の勤続から給料が上がりやすくなります。15年以上だと約415万円まで達するため、長く続けるほど年収アップを期待できます。

4. 保有資格で比較した介護士の給料差

介護士は、保有資格によって働ける分野が広がります。資格を取得しキャリアアップしていくなら、活躍できる場が増え、月収も上げていけるでしょう。資格別の平均月給の違いは、以下の通りです。

保有資格 常勤職員の平均月給
介護福祉士 33万1,690円
社会福祉士 35万2,560円
介護支援専門員(ケアマネジャー) 37万6,240円
実務者研修 30万2,500円
介護職員初任者研修 30万2,910円
保有資格なし 27万0,530円

(出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」
/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/index.html

最も平均月給が高いのはケアマネジャーで、無資格で働くより約10万円高くなります。介護職員初任者研修や実務者研修の修了では約3万円アップします。

また、実務者研修は介護福祉士国家試験の受験資格の1つです。実務者研修修了後、介護福祉士へのステップアップを目指すなら、さらに約3万円の月給アップが期待できるでしょう。

月3万円の給料差は、単純計算すると年収で36万円の違いが生じます。介護福祉士なら年収が72万円増、社会福祉士なら約98万円増となり、保有資格によって収入に大きな差が生じると言えます。

5. 今後介護士の給料は上がっていく可能性が高い

介護士の給料は全体的に増加傾向にあり、給料水準は上がっています。高齢化社会で介護士の需要は高まる一方で、人材不足という介護業界の現状を考えると今後も上がっていく可能性が高いでしょう。

介護士の平均月給の推移は、以下の表に表れています。

2021年12月 2022年9月
平均月給額(常勤の介護士) 30万0,990円 31万7,540円
基本給 18万3,960円 18万6,190円
手当 7万2,070円 8万0,670円
賞与など一時金 4万4,950円 5万0,680円

(出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」
/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/index.html

2021年12月から2022年9月の期間では16,550円アップしています。増加した金額のうち、基本給及び毎月支給の手当を足したベースアップ部分の増加は10,830円です。ボーナスや一時金を除いても、平均月給は着実に増えていることが分かります。

5-1. 介護職員の給料改善につながる処遇改善加算制度

給料の増加傾向を後押しするもう1つの要素が、処遇改善加算制度です。国による施策で、介護士の賃金改善を図り、より働きやすい環境にすることを目的としています。要件を満たした介護施設や事業所に処遇改善のためのお金が支給され、事業所は受け取った加算金を用いて給料アップを図らなければなりません。確実に処遇改善に充てられるように、事業所には処遇改善計画書と実績報告書の提出が求められています。

(出典:厚生労働省「福祉・介護職員の処遇改善」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/minaoshi/index_00007.html

支給金額は、事業所がどのくらい要件を満たしているかによって異なります。3区分の処遇改善加算と月額0.9万円相当の新加算(福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算)、2区分の特定処遇改善加算から成り立ち、加算額が算出されます。

(出典:厚生労働省「処遇改善に係る加算全体のイメージ(令和4年度改定後)」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/000915800.pdf

6. 介護士が年収アップを実現するポイント4つ

介護士が年収をアップさせるには、処遇改善加算などの公的な制度を利用する以外にも、介護士本人の意思で選択できるさまざまな方法があります。公的な施策の力は大きいものの、介護士本人が選択肢を持っておくとより効果的に年収アップを目指すことが可能です。

介護士としての給料に不満を感じた場合には、ここで紹介する方法を実践してみることをおすすめします。

6-1. 夜勤を増やす

夜勤に入る場合、通常の給料に加えて夜勤手当が発生します。そのため、日勤と同じ勤務時間でも、夜勤ならより高い収入を得ることができます。

ただし、夜勤を行うことで増収が見込まれるものの、通常人間が休息を取る夜間に働くため、体力的な負担が大きくなる点には注意が必要です。体力に自信のない方は、無理のない範囲で夜勤を増やしましょう。なお、夜勤のない施設で働いている場合は、24時間体制で介護を行う入居型施設に就職・転職する必要があります。

6-2. 資格を取得する

介護士の場合、資格の有無が給料に大きく影響します。有資格者には資格手当が出ることが多く、無資格の介護士よりも給料が高くなる傾向にあります。保有資格によって昇給額は異なり、たとえば、介護福祉士の場合は国家資格ということもあり、平均で84万円ほどと大幅に上がります。また、表中の平均年収には賞与などが含まれていません。賞与も含めると、実際の給料は表中の相場よりさらに高くなる可能性もあります。

資格取得は、年収アップを目指す方法の中では比較的取り組みやすく、反映されやすい方法です。さらに、業務に関する知識が深まるといった点でもメリットが大きいと言えるでしょう。

6-3. 給料が高い施設で働く

転職時に平均月給が高い施設に絞って仕事選びをするのも、年収をアップさせる1つの方法です。勤務形態や資格だけでなく、施設の種類も給料を左右します。

令和4年度の施設形態ごとの平均月給は、下記の通りです。

施設の種別 常勤職員の平均月給
介護老人福祉施設 34万8,040円
介護老人保健施設 33万9,040円
訪問介護事業所 31万5,170円
通所介護事業所 27万5,620円
通所リハビリテーション事業所 30万4,790円

(出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」
/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/index.html

月給が最も高い傾向にあるのは、介護老人福祉施設、次いで介護老人保健施設です。デイサービスを提供する通所介護事業所と比較すると、約6~7万円の差があります。

介護老人福祉施設や介護老人保健施設のような入居型施設は、給料設定が高い傾向にあります。その分、提供する介護サービスのレベルが高く、専門的な知識やスキルが求められるでしょう。給料の高い施設は、仕事内容の専門性が高い点を理解した上で選ぶことをおすすめします。

6-4. 管理職を目指す

管理職に就くと、今働いている職場に在籍したままで給料アップを目指せます。介護施設の管理職の場合、施設全体の管理に対して責任を負う必要がありますが、責任の大きさが給料に反映され、昇給が見込まれるでしょう。

介護施設の管理職に就くためには一定の要件を満たす必要があり、要件は施設の種別などによって異なります。リーダーとしての責任ある仕事に興味がある方は、挑戦してみる価値があるでしょう。

まとめ

介護士は仕事の内容と比べて、給料などの待遇面では恵まれていないと言われることがあります。一方で来たる高齢化社会に向けて介護士のニーズは高く、国も介護士の待遇改善を目指した施策を展開していることから、介護士の給料は今後上がると考えられます。

また、介護士は資格の取得や昇進などで給料を上げていくことも可能です。在職中であれば、経験を生かしてより給料水準の高い職場への転職を考えてもよいでしょう。介護士の方で給料アップを目指す転職をご希望であれば、ぜひ「マイナビ介護職」をご利用ください。介護業界に強いキャリアアドバイザーが、転職をしっかりサポートいたします。

※当記事は2024年1月時点の情報をもとに作成しています

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