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社会人でも精神保健福祉士になれる?働きながら資格を取るポイントも

公開日:2023.02.13 更新日:2023.02.23
社会人でも精神保健福祉士になれる?働きながら資格を取るポイントも

精神保健福祉士は、精神障害者や心に病を抱えている方へ生活のさまざまな面でサポートをする役割を担っています。現在活躍している精神保健福祉士の中には、仕事を続けながら資格取得をした方も少なくありません。しかし、実際は仕事と勉強の両立が難しく、中には途中で挫折してしまう方もいます。

当記事では、社会人として働きながら精神保健福祉士になる方法や手順をご紹介します。資格を取る際に気を付けたいポイントや、効率のよい勉強方法も解説するため、仕事をしながら精神保健福祉士の資格取得を考えている方は、ぜひご一読ください。

1. 社会人が精神保健福祉士を目指す際の流れ

精神保健福祉士は、働きながらでも資格取得が可能です。厚生労働省の発表では、合格者の約60%が30代以上とされています。精神保健福祉士は社会人経験者の資格取得が多く、年齢制限もない仕事です。一方、合格率は約60%で簡単な試験とは言えないため、試験の傾向を確認しきちんと対策を取ることが必要です。

(出典:厚生労働省「第24回精神保健福祉士国家試験の合格発表を実施します」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24393.html

精神保健福祉士になるときの年齢制限は?資格取得方法も解説

また、精神保健福祉士の国家試験には受験資格があり、条件を満たすことで初めて試験を受けられます。

ここでは、社会人が精神保健福祉士を目指す際の流れについて解説します。

1-1. 受験資格を満たす

社会人が精神保健福祉士になる場合、 現在に至るまでの経歴や保持している資格によって、受験資格を得られる手順が異なります。精神保健福祉士を目指す方は、自らの経歴をもとに受験資格を得るためのルートを確認しましょう。

保健福祉系大学での指定科目を履修し、
卒業している人
受験資格あり
福祉系大学で基礎科目を履修し、
卒業している人
短期養成施設などへの通学が必要
一般4年制大学を卒業している人 一般養成施設等への通学が必要
一般短大を卒業している人 2年制の短大なら2年、3年制の短大なら1年の相談援助実務と、一般養成施設等への通学が必要
高校を卒業している人 福祉系の大学に通い指定科目を履修するか、4年の相談援助実務と一般養成施設等への通学が必要
社会福祉士の資格を持っている人 短期養成施設等への通学が必要

4年制の保健福祉系大学で指定科目を学び、卒業している場合は既に受験資格を満たしています。

福祉系大学を卒業している場合、基礎科目を履修しているのであれば、短期養成施設等で6か月以上専門知識を学ぶことで受験資格を得られます。一般の大学を卒業している方は、一般養成施設等で1年以上学ぶことが必要です。

いずれの場合でも、2年制の短大を卒業しているのであれば2年、3年制の短大卒であれば1年の相談援助実務の経験が必要です。

(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉士国家試験」
/ https://www.sssc.or.jp/seishin/shikaku/route.html

1-2. 国家試験に合格する

精神保健福祉士の国家試験に合格するには、 試験実施時期や会場、合格基準などの情報を押さえておく必要があります。以下は、過去の試験を参考に、国家資格の概要をまとめたものです。

試験時期 毎年2月
試験会場 7都道府県の会場
試験科目 「精神疾患とその治癒」「精神保健の課題と支援」など17科目
総試験時間数 275分
配点 1問1点の163点満点
出題形式 五肢択一を基本とする多肢選択形式
合格発表 試験開始日からおよそ1か月後にホームページにて合格者の受験番号を記載(追って結果通知書を合格者住所に発送)
合格率 60%
合格基準 総得点の6割に難易度補正を入れたもの

(出典:厚生労働省「第24回精神保健福祉士国家試験の合格発表を実施します」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24393.html

(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉士国家試験」
/ https://www.sssc.or.jp/seishin/gaiyou.html

厚生労働省の「精神保健福祉士施行規則」第6条において、社会福祉士の資格を持っている場合は、試験科目の17項目中共通科目である11項目の試験が免除されます。共通科目が除かれるため、社会福祉の資格者については163点満点ではなく、1問1答の80点満点で試験が実施されます。

(出典:厚生労働省「精神保健福祉士法施行規則」
/ https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=80998116&dataType=0&pageNo=1

2. 精神保健福祉士養成施設の種類

保健福祉系大学で精神保健福祉科や、精神保健福祉士専門科目を履修していない場合、養成施設に通うことで受験資格の取得が可能です。 養成施設には自宅で個人学習を行う通信制と、実際に学校に通って学ぶ通学制の2種類があります。通信制も通学制も、学ぶ知識量は同じではあるものの、学習場所や学習方法が異なります。

以下に通信制・通学制の特徴を解説します。それぞれのメリットや注意点を理解し、自らのライフスタイルに合った養成施設を選びましょう。

2-1. 通信制の養成施設

通信制の精神保健福祉士養成施設の特徴は以下です。

学習場所 在宅中心であるものの、期間中何日かは登校し授業を受ける
学習方法 授業の動画視聴やテキストを用いて学習し、レポートを提出する
学習期間 約2年(一般養成施設の場合)
入学金・学費 通学制に比べて安い

通信教育の養成施設の場合、 学習時間・場所にかかわらず、好きな時間に勉強ができます。 自宅で授業の動画を視聴しながらレポートを提出するため、自分のペースで学習が可能です。しかし、カリキュラムの中に施設での実習が含まれていたり、スクーリング(登校)の日数が決められたりしているため、すべてが在宅で完結するわけではありません。

また、通学制と比べて学費は抑えられるものの、資格取得までにかかる期間は通学制の2倍程度になるため注意が必要です。

(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉士国家試験」
/ https://www.sssc.or.jp/seishin/shikaku/route.html

2-2. 通学制の養成施設

通学制の精神保健福祉士養成施設の特徴について紹介します。

学習場所 養成施設に登校する
学習方法 講義を受けて定期試験に合格する
学習期間 1年(一般養成施設の場合)
入学金・学費 通信制に比べて高い

通学制の養成施設は昼間制と夜間制に分かれていることも多く、 夜間制は日中仕事がある社会人の方も働きながら学習できます。 また、講師から直接講義を受けられるため、ロールプレイングやディベートなど、実践的な知識が学べるのが特徴です。分からないことや質問がある場合もすぐに講師陣に確認できるため、結果として国家資格合格率も通信制に比べ高い傾向にあります。

(出典:厚生労働省「参考資料 第24回精神保健福祉士国家試験学校別合格率」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12205000/000911228.pdf

しかし、費用の面では通信制よりも高く、金銭面での負担が大きいです。通信制か通学制か選ぶ際は、学習期間や学費など、優先させるべきことを明確にして判断しましょう。

3. 働きながら精神保健福祉士の資格を取るためのポイント3つ

精神保健福祉士になるためには、受験資格を満たした上で国家資格に合格する必要があります。社会人として働きながら、資格取得を目指すのは容易ではなく、いくつか注意点があります。資格取得に向けて、限られた時間を有効的に活用しましょう。

以下に社会人として働きながら資格を取る際に気を付ける3つのポイントについて解説します。

3-1. 強い意志を持つ

働きながら精神保健福祉士になるには、強い意志を持つことが大切です。ただでさえ仕事終わりで疲れている中、プライベートを資格取得のための勉強時間に充てる必要があります。 忙しくても机に向かい、国家試験合格という目標に向かって勉学に励む強い精神力が求められます。また、一般養成施設の場合、最低でも1年間勉強する必要があるため、目的意識を持ちモチベーションを保つようにしましょう。

3-2 工夫して勉強時間を確保する

精神保健福祉士試験は全17科目あり、膨大な量の知識を身につける必要があります。休日に纏めて勉強をするのは知識を定着させるには向いていないため、 計画的なスケジュールを組むことをおすすめします。朝や寝る前に勉強するなど、毎日のルーティンに組み込むと無理なく続けられるでしょう。

また、通勤時間や、お昼休憩のちょっとした隙間時間をうまく活用し、少しずつ勉強を進めるのも効果的です。

3-3 実習参加のために周囲の理解を得ておく

精神保健福祉士の国家試験を受けるには、実務経験がある方を除いた 対象者全員が210時間の実習に参加することになります。

(出典:厚生労働省「精神保健福祉士養成課程のカリキュラム」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/000604982.pdf

実際の施設で業務を行うため、夜間に実習を受けることは難しく、実習期間は仕事を休む必要があります。実習期間に入る前に、事前に職場や周囲の方々に協力してもらえるように相談をしておきましょう。

まとめ

精神保健福祉士は、社会人として働きながらでも資格を取得することが可能です。精神保健福祉士になるには、受験資格を満たし、国家資格に合格する必要があります。受験資格を満たしているかを確認し、満たしていない場合は精神保健福祉士養成施設に通いましょう。

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※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています。

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