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精神保健福祉士になるときの年齢制限は?資格取得方法も解説

公開日:2023.02.13 更新日:2023.02.23
精神保健福祉士になるときの年齢制限は?資格取得方法も解説

精神障がい者の相談に応じ、社会復帰を支援するのが精神保健福祉士です。精神に病を抱える人が増えている現代社会にとって、精神保健福祉士は欠かせない存在となっています。

精神保健福祉士に興味があるものの、年齢制限があるのではないかと不安になっている方もいるのではないでしょうか。

当記事では、精神保健福祉士と年齢の関係、精神保健福祉士が働く場所、資格の取得方法について紹介します。年齢面に不安を感じ、一歩踏み出せない方の背中を押すことができれば幸いです。

1. 精神保健福祉士には年齢制限がある?

精神保健福祉士になる条件に、年齢制限は設けられていません。社会人から精神保健福祉士を目指す方も多数いるため、何歳からでも目指せる仕事だと言えるでしょう。ただし、国家試験の受験資格を得るには、養成施設で学んだり、実務経験を積んだりする必要があります。

以下では、受験資格の要件、国家試験合格者の年齢区分などについて解説します。

1-1. 受験資格は得られる?

精神保健福祉士になるための国家試験を受験するには、受験資格を満たす必要があります。 受験資格のルートは全部で11個あり、いずれも年齢に関する指定はありません。社会人から精神保健福祉士を目指すルートで多いのは、一般大学を卒業後、養成施設での勉強を経て試験を受けるパターンです。

以下では、受験資格の取得ルートについて解説します。

保健福祉系大学ルート
・保健福祉系大学等に4年在籍し、指定科目を履修
・保健福祉系短大等に3年在籍し、指定科目を履修後、相談援助実務を1年経験
・保健福祉系短大等に2年在籍し、指定科目を履修後、相談援助実務を2年経験

福祉系大学ルート
・福祉系大学等に4年在籍し、基礎科目を履修後、短期養成施設等で6か月以上学ぶ
・福祉系短大等に3年在籍し、基礎科目を履修後、相談援助実務を1年経験して、短期養成施設等で6か月以上学ぶ
・福祉系短大等に2年在籍し、基礎科目を履修後、相談援助実務を2年経験して、短期養成施設等で6か月以上学ぶ

社会福祉士登録者ルート
・社会福祉士の資格を取得後、短期養成施設等で6か月以上学ぶ

一般大学・短大卒業ルート
・一般大学等に4年在籍し、一般養成施設等で1年以上学ぶ
・一般短大等に3年在籍し、相談援助実務を1年経験して、一般養成施設等で1年以上学ぶ
・一般短大等に2年在籍し、相談援助実務を2年経験して、一般養成施設等で1年以上学ぶ

相談援助実務経験者ルート
・相談援助実務を4年経験して、一般養成施設等で1年以上学ぶ

(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉士国家試験」
/ https://www.sssc.or.jp/seishin/shikaku/route.html

1-2. 年齢が高くても国家試験に合格できる?

以下の表は、令和3年度に実施された国家試験合格者を年齢別にまとめたものです。 20代までの合格者が約40%でもっとも多いですが、40代の合格者も約25%を占めています。年齢層が幅広く、60歳以上の合格者もいるため、年齢が高くなっても試験に合格できることが分かります。

なお、括弧内の数字は令和2年度に行われた試験結果をまとめた数字です。

年齢区分(歳) 人数(人) 割合(%)
~30 1,660(1,663) 38.9(42.1)
31~40 780(742) 18.3(18.8)
41~50 1,027(871) 24.1(22.0)
51~60 644(539) 15.1(13.6)
61~ 156(140) 3.7(3.5)
4,267(3,955) 100.0(100.0)

(引用:厚生労働省「第24回精神保健福祉士国家試験の合格発表を実施します」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24393.html引用日2022/8/19)

就職先についても、未経験可としている求人が一定数あり、年齢不問の職場もあります。 合格率や求人から考えても、精神保健福祉士は何歳からでも目指せる仕事だと言えるでしょう。

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1-3. 精神保健福祉士は何歳まで働ける?

精神保健福祉士は、精神に障がいがある方への相談業務などのデスクワークを主に行います。 勤務形態は日勤であることが多く勤務時間も不規則になりにくいため、身体への負担が少なく、年を重ねても働けます。

患者さんの悩みや不安に対応する相談支援業務は、 人生経験が豊富なほうが相手のことを理解できたり、適切なアドバイスができたりする可能性が高まります。そのため、社会生活で培った経験が大いに役に立つでしょう。また、女性の場合は結婚や出産・育児などの経験があると、同じ境遇の人に対して、実体験をもとにアドバイスできます。

2. 精神保健福祉士が働く場所は?

精神保健福祉士が 働く場所は、大きく分けて医療施設・福祉施設・行政施設の3つがあります。勤務先によって仕事内容や求められる役割、勤務形態が変わるため、それぞれの特徴を押さえておきましょう。

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以下では、各施設の特徴や注意点について、詳しく紹介します。

2-1. 医療施設

精神保健福祉士が働く場所の1つは、 精神病院や総合病院の精神科などの医療施設です。医療施設では、患者さんやその家族と面談を設けて相談に乗ったり、ほかの医療スタッフに患者さんの情報を提供したりします。規模が大きい病院では、デイケア担当や病棟担当など、役割分担がされていることもあります。また、地域社会で障がい者支援の環境づくりをすることも、精神保健福祉士の仕事です。

入院している患者さんがいる病院はシフト制を採用している場合があるため、夜勤が発生することがあります。一方、残業はあまり多くないため、ほぼ時間通りに帰宅できるのが特徴です。

2-2. 福祉施設

福祉施設には、 生活支援を目的とする事業所や、就労支援を目的とする事業所など、さまざま種類があります。施設数が多いことから、募集されている求人数も豊富です。

生活支援を目的とする事業所では、利用者さんに入院費などの公的支援制度を案内したり、退所後の住居を紹介したりします。会話訓練や家事の練習など、日常生活をサポートするのが主な役割です。

就労支援を目的とする事業所では、就労先の斡旋などを行います。斡旋するだけでなく、就労先を定期訪問して、不便はないかなどの状況を確認することも仕事です。

他には、自立訓練施設のように宿泊支援を行う事業所もあります。宿泊支援を行う場合は夜もスタッフが対応するので、夜勤が発生する可能性があります。

2-3. 行政施設

行政機関には、 市役所や保健所、精神福祉保健センターなどがあります。障がい者の方や家族からの相談に対応する窓口業務や、生活保護などの公的支援手続きをサポートするのが主な役割です。

また、精神障がい者のコミュニティを結成したり、再発防止プログラムを実施したりする自治体もあります。障がいを抱えた方にとって暮らしやすい地域づくりを行うことも大切な仕事です。

行政施設での仕事は安定しているものの、公務員試験を受けるときに年齢制限が設けられることがあります。年齢の上限は自治体によって異なりますが、30歳前後が上限となっていることが多いため注意しましょう。

3. 精神保健福祉士の資格を取るには?

精神保健福祉士の資格を取るには、 受験資格を手に入れた後、国家試験に合格する必要があります。以下の表は、精神保健福祉士試験の概要についてまとめたものです。

なお、7~17までの11科目については、社会福祉士国家試験と共通の内容となっています。

項目 概要
試験日 【第25回】令和4年度試験
2023年2月4日(土)・2月5日(日)
試験科目 1.精神疾患とその治療
2.精神保健の課題と支援
3.精神保健福祉相談援助の基盤
4.精神保健福祉の理論と相談援助の展開
5.精神保健福祉に関する制度とサービス、精神障害者の生活支援システム
6.人体の構造と機能及び疾病
7.心理学理論と心理的支援
8.社会理論と社会システム
9.現代社会と福祉
10.地域福祉の理論と方法
11.福祉行財政と福祉計画
12.社会保障
13.障害者に対する支援と障害者自立支援制度
14.低所得者に対する支援と生活保護制度
15.保健医療サービス
16.権利擁護と成年後見制度
試験地 7都道府県(北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県)
受験手数料 精神保健福祉士のみ受験する場合:24,140円
精神保健福祉士と社会福祉士を同時に受験する場合:36,360円
精神保健福祉士の共通科目免除により受験する場合:18,820円

(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉士国家試験」
/ https://www.sssc.or.jp/seishin/gaiyou.html

また、以下の表は、過去5回分の国家試験合格率についてまとめたものです。

区分 第20回 第21回 第22回 第23回 第24回
受験者数(人) 6,992 6,779 6,633 6,165 6,502
合格者数(人) 4,399 4,251 4,119 3,955 4,267
合格率(%) 62.9 62.7 62.1 64.2 65.6

(引用:厚生労働省「第24回精神保健福祉士国家試験の合格発表を実施します」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24393.html引用日2022/8/19)

いずれの試験も合格率は60%を超えており、難易度はそこまで高くないことが分かります。しかし、対策をせずに合格できる試験ではないため、合格するには試験対策をしっかりと行う必要があります。

以下では、精神保健福祉士の資格を取るために気を付けたいポイントを2つ紹介します。

・すべての科目で点を取れるようにする
精神保健福祉士の試験は、総得点の60%程度が合格基準となっている上、合格するにはすべての科目で点数を取る必要があります。試験の難易度は低めですが、苦手な科目を作らないよう、バランスよく勉強することが大切です。試験は多肢選択式のため、問題を繰り返し解いて出題形式に慣れておきましょう。

・最新のテキストを使う
精神保健福祉士の分野はよく法改正が行われるため、古いテキストを使うと誤った知識を覚えてしまう恐れがあります。過去問で試験内容の傾向を掴むことは有効な手段ですが、必ず最新のテキストを使って新しい知識を入手するようにしましょう。

まとめ

精神保健福祉士には年齢制限がないため、何歳からでも目指すことができます。資格試験は年齢が高くても合格している人が大勢いるため、しっかり対策をして挑みましょう。ただし、試験を受験するためには受験資格を得る必要があるため、まずは養成施設で勉強するなど、必要な条件を満たすようにしましょう。

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※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています

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