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新型老健とは?従来型老健との違いや介護職の仕事内容を紹介

公開日:2023.02.16 更新日:2023.02.27
新型老健とは?従来型老健との違いや介護職の仕事内容を紹介

介護職の転職先として新型老健があると知ったものの「新型老健とはどのような施設か」「これまでの老健や介護医療院とは違うのか」といった疑問を持つ方もいるでしょう。

この記事では、施設の概要や新型老健ができた背景、サービスの内容からスタッフの職種や仕事内容についても紹介します。新型老健への疑問を解消すれば、転職先として新型老健が向いているか判断できるでしょう。転職を考えている介護職の方はぜひ参考にしてください。

1. 新型老健とは?

新型老健とは「介護療養型老人保健施設」のことで、在宅復帰を目指す利用者さんに介護・医療サービスを提供する入居型施設です。2023年度末に完全廃止が決定している「介護療養型医療施設」の代わりとして、2008年5月に創設されました。介護老人保健施設(老健)とは提供するサービス内容が異なる点もあります。

次では、新型老健のできた背景、老健や介護医療院との違いについて解説します。

1-1. 介護療養型医療施設から移行される背景

介護療養型医療施設は、2023年度末に完全廃止される予定です。 それに伴い、厚生労働省は介護療養型医療施設を介護療養型老人保健施設(新型老健)に転換する方針を固めました。一斉には転換せず、2008年から徐々に新型老健の設立を進めています。

介護療養型医療施設が廃止となった背景として、主に2つの問題が挙げられます。

●医療と介護の境目が曖昧になっている
●医療施設でありながら、介護保険が適用されている

介護と医療の線引きを明確にすることが、転換の目的に含まれています。介護療養型医療施設の代わりとなる施設なので、新型老健では医療ケアが充実していることが特徴です。

以下は、新型老健における入所者に対する医療ケアのポイントです。

●日常的な医療処置を可能にするため、夜間も看護師が勤務する
●看取りへの対応とターミナルケアの実施
●急性増悪時の対応を想定

新型老健では、従来の介護施設に比べ、医師や看護師による医療処置が日常的に受けられる仕組みとなっています。そのため、利用者さんを介護と医療の両面からサポート可能です。 新型老健では、従来の介護サービスを残しつつ手厚い医療ケアを受けられるようになりました。

1-2. 従来型老健との違い

従来型老健では、利用者さんの自宅復帰を前提としたサービスを提供してきました。新型老健は、介護サービスに加えて医療ケアも充実しているのが特徴です。

違いは人員配置の割合にも表れています。看護職員の数を比較すると、従来型老健に比べて新型老健では100床当たり8人も多くなっています。さらに、新型老健では看護師の夜間配置が義務づけられました。そのため、24時間体制で看護師が常駐しています。夜間の急性増悪時も必ず看護師によって対応できるのが、従来型老健と異なる点です。

(出典:厚生労働省「「医療療養病床・介護保険施設について」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uuqn-att/2r9852000001uutw.pdf

また、医師1人あたりに対応できる看護師の数が、新型老健のほうが多いのも違いの1つです。そのため、従来型老健よりもきめ細かい診察のサポートが見込めます。

新型老健には24時間看護師が在中しているため、具体的に以下のような医療処置ができます。

●胃ろうのケア
●痰の吸引
●インシュリン注射
●床ずれのケア
●気管切開のケア
●ターミナルケア
●看取りケア
●尿管カテーテル

また、看取りやターミナルケアを充実できるのも新型老健の特徴です。

1-3. 介護医療院との違い

介護医療院は、介護療養型医療施設の代わりに、要介護度の高い認定を受けた利用者さんが長期療養しながら安心して生活できる施設として創設されました。

新型老健と同様に、介護医療院でも看護師を中心に日常的な医療ケアが受けられます。介護医療院は終身利用を可能としていますが、新型老健では3か月ごとに入所の審査があります。審査で在宅生活できると判断された場合、本人の意思とは関係なく退所しなければなりません。

介護医療院の目的は長期療養で、新型老健の目的は在宅復帰としている点が大きな違いです。新型老健では在宅復帰を目標とした日常生活のリハビリもおこないつつ、医療ケアの提供もおこないます。

新型老健は、介護医療院と従来型老健の中間のような位置づけと考えられます。

2. 新型老健で提供されるサービス

新型老健が提供するサービス内容の基本は従来型老健と変わりません。サービス内容は主に次の3つの分野から構成されています。

●日常生活の介護(食事・入浴・排泄サポートなど)
●医師・看護師による日常的な医療ケア
●理学療法士・作業療法士によるリハビリ

新型老健では、夜間の看護師配置を義務づけているため24時間医療処置が可能となりました。従来の介護サービスに加え、より充実した医療ケアを提供しています。特に、感染症が流行する季節に医療的な対処ができるのは強みです。

厚生労働省の資料によると、新型老健に入所している高齢者の半数以上が80歳以上です。男女比では女性のほうが多く、約半数が要介護5に認定されています。医療区分は7割以上の人が最も軽い1に該当しているものの、日常生活に支障があるレベルの認知症を患った利用者さんが7割程度です。

(出典:厚生労働省「介護療養型老人保健施設について」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000096875.pdf

新型老健の利用者さんは、基本的に入院は必要ないものの要介護の方がほとんどです。そのため、日常的な介護や医療ケアは欠かせません。

3. 新型老健の人員配置基準

新型老健では、医師・看護職員・介護職員の人員配置基準が以下のように定められています。

職種 100床当たりの人数
医師 1人
看護職員 18人
介護職員 18人

(出典:厚生労働省「「医療療養病床・介護保険施設について」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uuqn-att/2r9852000001uutw.pdf

新型老健では医師1人に対して看護師が18人となっています。従来型老健よりも看護師の数が増え、医療ケアを専門的に任せやすい人員配置です。夜勤が義務づけられているため、24時間体制で常駐しています。介護職員の数は従来型老健より少なくなっているものの、より介護に専念しやすい環境です。

新型老健では、医師・看護師・介護職員以外のスタッフも働いています。新型老健で働く主な職種は以下の通りです。

医師
●看護師
●理学療法士
●作業療法士
●言語聴覚士
●薬剤師
●歯科衛生士
●介護職員
●介護支援専門員
●支援相談員
●栄養士
●調理師

新型老健では介護職に限らず、さまざまな職種のスタッフが役割をもって働いています。医師や看護師が常駐し医療ケアを担っているのも特徴です。従来型老健との大きな違いは、看護師の数と勤務体系と言えるでしょう。

利用者さんのケアを各分野の専門家によってサポートできるのが、新型老健のメリットです。今後も新型老健を利用する高齢者の人数は増加すると推測され、スタッフの体制強化が続く見込みです。

4. 新型老健で働く介護職の仕事内容

新型老健で働く介護職には種類があり、職場での仕事内容が異なります。

介護職員

介護職員の主な仕事内容は以下の通りです。

●食事介助
●歩行介助
●排泄介助
●入浴介助
●着替えの介助
●レクリエーションのサポート
●精神的なケアなど

日常生活の介護と利用者さんの精神的なサポートが主な仕事となります。仕事内容が幅広いだけでなく、利用者さんの状況に応じた対応も欠かせません。なお、資格の有無によって仕事内容が異なるケースもあります。

介護支援専門員

介護支援専門職員は、ケアマネージャーのことです。介護が必要な場合、介護保険サービスが利用できるよう計画書を作成したり、サービス事業との調整をおこなったりします。介護保険のスペシャリストとして、介護サービスのコーディネートを担います。

支援相談員

新型老健の支援相談員は、利用者さん本人や家族の問い合わせ窓口です。日常的な相談に乗ったり、クレームに対応したりします。自治体の担当者やケアマネージャーと連携をとる支援相談員も少なくありません。

新型老健で働くスタッフに共通するのは、利用者さんをサポートする期間が短い点です。新型老健では3か月ごとに入所審査があるため、利用者さんによっては3か月で退所してしまう可能性もあります。

まとめ

新型老健とは、2023年に廃止される介護療養型医療施設の代わりとなる施設です。利用者さんの多くが、入院の必要がない要介護の高齢者となります。従来の老健と異なり、24時間看護師が常駐するなど医療ケアが充実していることが特徴です。在宅復帰を目的とした施設に変わりはないので、入所の審査が3か月ごとにあります。そのため、新型老健で働く介護士さんに求められるのは、短期間で適切な介護サービスを提供する能力です。

新型老健への転職に関心のある方はぜひ「マイナビ介護職」にご相談ください。マイナビ介護職では、各地の医療機関や施設に精通した福祉・介護職の専門家による転職サポートを実施しております。

※当記事は2022年11月時点の情報をもとに作成しています

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