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「有料老人ホーム」と「特養」働くならどっち?仕事内容の違いを解説

公開日:2023.02.19 更新日:2023.02.27
「有料老人ホーム」と「特養」働くならどっち?仕事内容の違いを解説

現在介護業界での転職や就職を考えている方の中には、有料老人ホームと特別養護老人ホーム(特養)という選択肢に「どちらがいいのだろう?」と悩んでいる方もいるでしょう。転職・就職活動をする上で、仕事内容や給料相場を把握するだけでなく、自身の適性や将来像と合致する勤務先を選ぶことは大切です。

当記事では、有料老人ホームと特別養護老人ホームの仕事内容・給料相場、それぞれのメリット・デメリットを解説します。どちらで働くべきなのか、施設の特徴や向いている人の傾向をもとに解説しているので、自分に合った施設で働きたい方は必見です。

1. 有料老人ホームとは

有料老人ホームとは、入居者の方に食事や洗濯・掃除といった家事、介護、健康管理などを提供する高齢者施設を指します。老人福祉法に基づき、健康保持と生活の安定を目的とした制度です。

有料老人ホーム運営の届け出は増加傾向にあり、介護施設として適切な状態を保つための指導・監督が欠かせません。2021年4月1日の「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」の改正では指導のさらなる徹底が図られ、高齢者が安心して暮らせる環境を整えています。

(出典:厚生労働省「有料老人ホームの概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000038009_1.pdf

(出典:厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000083170.html

(出典:公益社団法人 全国有料老人ホーム協会「R3.4.1 厚生労働省「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」改正」
/ https://www.yurokyo.or.jp/news_detail.php?c=&sc=&id=3234

1-1. 仕事内容

有料老人ホームの基本的な仕事内容は、食事や入浴の介助などの身体介護と生活支援です。加えて、24時間交代制での見守りや夜勤、緊急時の対応を行うことがあります。レクリエーションや買い物代行といった生活援助を提供するケースもあり、介護業務がどのくらい含まれるかは施設の種類によって異なります。

施設形態ごとのサービス内容は以下の通りです。

介護付き有料老人ホーム
特定施設入居者生活介護の指定を受け、介護サービスを行う施設です。 介護が必要となった方でも入居でき、24時間体制で食事介助や入浴介助、生活支援などを提供します。要介護の方を受け入れる「介護専門型」、自立している方も含む「混合型」、自立している方のみの「自立型」があります。

住宅型有料老人ホーム
軽度の要介護の方までが対象で、主に見守りや生活支援サービスを行います。介護サービスはありませんが、訪問介護やデイサービスなどの介護事業所が併設されている施設では兼務する場合があります。

健康型有料老人ホーム
入居対象者は自立している方で、食事提供や家事など生活支援を行います。 日常的に介護が必要な方は入居できないので、仕事内容は健康維持のための生活サポートが中心です。ジム・温浴施設といった設備やレクリエーションが充実していることが多く、利用のサポートを行うこともあります。

(出典:厚生労働省「有料老人ホームの類型」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/000934513.pdf

1-2. 給料相場

厚生労働省による「令和3年度介護従事者処遇状況調査結果」では、有料老人ホーム(特定施設入居者生活事業所)で働く常勤介護職員の平均月給は319,760円となっています。

ただし介護資格や夜間勤務などの手当が上乗せされ、給与アップの可能性もあります。 有料老人ホームで働くなら、保有資格と勤務可能な時間帯を考慮しながら求人情報をチェックするとよいでしょう。

(出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」
/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03kekka.pdf

1-3. メリット・デメリット

有料老人ホームの職員として働くメリットとデメリットは下記の通りです。

メリット デメリット
・仕事内容は比較的負担が軽い
・接遇スキルが身に付く
・介護サービスの機会が少ない
・実務経験を積めない

有料老人ホームは要介護度の低い方が多いため、身体的・精神的負担が比較的少ないというメリットがあります。また、利用者さんとの触れ合いによって接遇マナーが身に付いたり、感謝の言葉をもらえたりする機会が多いでしょう。

その一方、住宅型や健康型有料老人ホームは生活支援がメインなので、介護技術を学べる機会が限られています。介護福祉士の受験資格で必要な実務経験が積めないケースもあるため、介護技術の習得に物足りなさを感じる方もいるでしょう。

2. 特別養護老人ホーム(特養)とは

特別養護老人ホーム(特養)とは、要介護の方が生活するための施設です。介護老人福祉施設とも呼ばれ、在宅で日常生活を送ることが困難な方に介護サービスを提供します。平均要介護度は3.95で、公的な介護サービス施設として介護士または看護師の人員配置や設備基準が定められています。終身介護が可能なので、看取り対応をすることもあるでしょう。

(出典:厚生労働省「介護老人福祉施設」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000663498.pdf

2-1. 仕事内容

有料老人ホームとの違いは、原則として要介護認定3以上の方、もしくは自宅での生活が困難な方が入居していることです。そのため特別養護老人ホーム(特養)の仕事内容は身体介護が中心で、入浴や食事のサポート、見守り、認知症ケア、排泄介助などを行います。特に個室を利用するユニット型特養は、一人ひとりの生活リズムに合わせた個別ケアが求められる傾向にあります。

また利用者さんの健康状態に目ざとくあり、血圧や体温、体調の変化をチェックする健康管理も業務の1つです。問題がある場合は医師に報告するなど他職種の方と連携して働きます。寝たきりになり筋力が低下しないように、ラジオ体操やレクリエーションなどを行い、機能訓練も施します。

(出典:厚生労働省「介護老人福祉施設」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000663498.pdf

2-2. 給料相場

厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況調査結果」では、介護老人福祉施設の常勤職員の平均給与額は345,590円です。介護職員の中でも特別養護老人ホーム(特養)は給料設定がやや高めの傾向にあります。また、処遇改善手当の支給や運営法人の規模、福利厚生制度によっても違いが生じるでしょう。

(出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」
/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03kekka.pdf

2-3. メリット・デメリット

特別養護老人ホーム(特養)で働くメリットとデメリットは下記の通りです。

メリット デメリット
・介護士としてのキャリアを積める
・介護スキルを磨ける
・安定性があり待遇が整っている
・身体介助など肉体労働が多い
・介護技術が求められる
・精神的な負担がある

要介護度が高い利用者さんをケアする特別養護老人ホームは、介護士としての経験を積めます。周囲に経験豊富な介護スタッフが多い職場環境で働くなら、さまざまなケースへの対応の仕方も学べ、実際的な知識が身に付くでしょう。今後のキャリアアップにも生かせます。

また、特別養護老人ホームは社会福祉法人や地方自治体による公的な介護施設なので、研修制度など待遇が整っている施設が多い傾向にあります。倒産リスクが低く、民間企業に比べて安定性が高いのもメリットの1つです。

その一方デメリットとして、身体介助では自分より大きい利用者さんの身体を支えることもあるため、体力が必要です。介護技術を磨けると同時に、求められるレベルの介護知識とスキルを身に付けていかなければなりません。また、看取り介護では精神的な負担を感じる方もいるでしょう。

3. 有料老人ホームと特別養護老人ホーム(特養)で働くならどっち?

有料老人ホームと特別養護老人ホーム(特養)では、業務内容や給与などさまざまな違いがあります。どちらの施設の方が働きやすいか一概には言えず、人によって向き・不向きがあるでしょう。ここでは、有料老人ホームと特別養護老人ホームそれぞれの特徴を踏まえ、どのような方に向いているのかを紹介します。

3-1. 有料老人ホームで働くのが向いている人

下記に当てはまる方は、有料老人ホームで働く場合にメリットを強く感じるでしょう。

・身体的負担を抑えたい
・人と接するのが好き
・経験が少なくても介護の仕事がしたい

介護職に伴う身体的な負担を減らしたい方は、生活支援を中心とした有料老人ホームが向いていると言えます。腰痛など自身の健康を保ちながら介護の仕事を続けやすいでしょう。介護経験の少ない方が、介護現場に慣れる足がかりともなります。

また、レクリエーションや利用者さんとのコミュニケーションも大切な業務の1つなので、人との関わりが好き、もしくは得意な方は、有料老人ホームの仕事内容にやりがいを感じられるでしょう。

有料老人ホームの中でも住宅型・健康型は要介護度の低い利用者さんが中心で、高度な介護スキルを求められる場面が少ない傾向にあります。日々の生活支援から始められるので、要介護認定3以上の方などを対象にした特養と比べ、経験が少ない方にも向いていると言えます。

3-2. 特別養護老人ホーム(特養)で働くのが向いている人

特別養護老人ホーム(特養)は、下記のような方に向いていると言えます。

・資格取得や介護技術の向上を目指している
・じっくりと寄り添った介護ケアをしたい
・今後のキャリアアップを考えている
・体力と精神力に自信がある

高い介護スキルが求められる特別養護老人ホームで働くなら、自然と介護技術と知識が磨かれます。 特別養護老人ホームで得た経験とスキルは今後のキャリアにも生かせるので、介護士としてのキャリアアップに意欲的な方やスキルアップして介護職を極めたい方に向いているでしょう。

また、看取り対応時にも気持ちを強く保てる精神力があり、利用者さん一人ひとりと深く向き合うことにやりがいを感じられる方は、特別養護老人ホームの仕事との相性がよいと言えます。

まとめ

有料老人ホームでの主な仕事内容は身体介護や生活支援であり、特別養護老人ホーム(特養)では、身体介護を中心に、入浴や食事の介助、見守り、認知症ケア、排泄介助などを行います。身体的負担を抑えたい方は有料老人ホームで働くのが向いていると言え、介護士としてのキャリアを積みたい方は、現場でより実践的な技術を磨ける特養が向いているでしょう。

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※当記事は2022年11月時点の情報をもとに作成しています

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