有料老人ホームに受かる志望動機とは?書くときのポイントや例文も
有料老人ホームは、食事の提供や身体介護、生活支援、健康管理といったサービスを提供する、老人福祉法にもとづく高齢者向け施設です。有料老人ホームのなかにもいくつかの種類があり、種類によっては身体介護業務をほとんど行わない場合もあるため、「自立した高齢者のいきいきとした生活をサポートしたい」という方に人気の職場となっています。
全国には数多くの有料老人ホームが点在していますが、多くの方が応募するような好条件・好待遇の求人で採用をもらうためには、志望動機をしっかり考えておくことがポイントです。そこで今回は、有料老人ホームにおける志望動機のコツや例文を詳しく紹介します。
目次
1. そもそも有料老人ホームとは?施設の特徴を解説
採用担当者からよい評価を受けられる志望動機を書きたいなら、まず求人応募を出す施設において十分に知識を得ておくことが大切です。
そもそも有料老人ホームとは、老人福祉法にもとづいて「食事の提供や身体介護、生活支援、健康管理といったサービスを提供する施設」と定義づけられた高齢者向け施設です。
有料老人ホームは、大きく「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3つに大別されます。
介護付き有料老人ホーム | 身体介護サービス・生活支援サービス全般を提供する有料老人ホーム |
---|---|
健康型有料老人ホーム | 食事提供や生活サポートを提供する有料老人ホーム |
住宅型有料老人ホーム | 生活支援サービス全般を提供する有料老人ホーム |
サービスの度合いが最も高いのは介護付き有料老人ホームで、サービス度合いが高ければ高いほど入居条件も厳しくなる傾向です。
(出典:厚生労働省「有料老人ホームの概要」
/
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000038009_1.pdf)
(出典:厚生労働省「有料老人ホームの類型」
/
https://www.mhlw.go.jp/content/000934513.pdf)
有料老人ホームの志望動機を作成するにあたっては、各施設・種類への理解を深めることに加えて、施設が求める人物像と自身の希望・価値観がマッチするかどうかの確認も重要です。
2. 有料老人ホームに受かりやすい志望動機にするコツ
有料老人ホームをはじめとした介護求人への応募に限らず、すべての業界での求人応募において「受かりやすい志望動機」は、具体的で伝えたいことが理解しやすい・ポジティブな表現が多く含まれているという点が特徴です。
では、具体的でかつポジティブな志望動機を書くためには、どのようなポイントをおさえるべきなのでしょうか。ここからは、有料老人ホームに受かりやすい志望動機を書くコツをいくつか紹介します。
2-1. 施設を志望する理由を明確に示す
有料老人ホームにおける志望動機を書く際は、必ずその施設の志望理由を明確に示しましょう。
書類選考や面接では、「数ある求人のなかで、なぜうちの求人を選んだのか」といったポイントがよく見られます。志望理由を明確に示すことは、採用担当者へ熱意・熱量やその施設でなければならない理由をしっかり伝えるための要素となります。
志望動機欄においては特に重要視される内容でもあるため、はじめに結論として出すことがおすすめです。また、ほかの施設でも言い回しのきくようなありきたりな志望理由は避けましょう。なぜその施設で働きたいかがしっかりと伝わるよう、その施設の経営理念や運営方針についての内容を盛り込むことがポイントです。
2-2. ビジョン・キャリアプランを明確に示す
施設への志望理由を明確に示したあとは、入職後のビジョンやキャリアプランも明確に示しましょう。
入職後のビジョンやキャリアプランを示すことは、熱意はもちろん、仕事への姿勢や向上心もアピールできます。今後働きながらチャレンジしたい業務や取得を目指している資格などを具体的に書き出し、目標を具体的に伝えることが大切です。
また、将来像はその施設に適した内容にしましょう。例えば、身体介護を行うことがほとんどない健康型有料老人ホームの志望動機に、「さまざまな身体介護スキルを身につけたい」と書くとミスマッチが起こり、採用率は低下します。その施設の特徴や方針を熟知したうえで、最適な目標を立てることから始めるとよいでしょう。
2-3. 経験・スキルなど貢献できることを具体的に示す
志望動機欄には、入職後のビジョンやキャリアプランのほかにも、「これまでの人生経験や介護現場での業務経験において培ったスキルをどのように貢献できるか」といった内容も具体的に示しましょう。
自身の経験や保有スキルを伝えることは、求人応募において必須です。そのうえで、経験やスキルといった自身の強みをどのように活かせるかをアピールすることは、入職後の活躍イメージをより強めることにもつながります。
3. 【ケース別】有料老人ホームの志望動機の例文3選
有料老人ホームの志望動機を書くにあたり、「具体的に何を書けばいいか分からない」と悩む方は多くいるでしょう。
ここからは、有料老人ホームの志望動機に悩んでいる方に向けて、「介護職員が同業界である有料老人ホームに転職する場合」「ブランクのある介護経験者が転職する場合」「介護未経験者が異業種から転職する場合」の3つのケース別に、志望動機の例文を紹介します。
3-1. 介護経験者で同業種に転職する場合
介護経験者が同業界である有料老人ホームに転職する場合は、下記の例文を参考に志望動機を作成しましょう。
【例文】
私が貴施設に応募した理由は、「利用者さまがいきいきと活動できる毎日を提供する」という理念に強い共感を覚えたためです。
私はこれまで、要介護度の低い方から要介護度の高い方までさまざまな利用者さまがいるデイサービスの介護職員として、5年間従事していました。豊富な業務内容のなかでも、特に利用者さまが楽しみながら取り組めるイベントやレクリエーション活動が大好きで、日々どのような工夫を凝らせば利用者さまがより楽しめるかどうかを考えることが得意でした。
これまで培ったスキルを活かして、「利用者さまがいきいきと活動できる毎日」を提供できる職員になりたいと考えています。
同業種に転職する場合は、例文のように前職での経験や培ったスキルをより具体的に伝えることがポイントです。具体的に示した経験やスキルは、応募する施設の経営理念や将来のビジョン、キャリアプランなどに上手に絡めるとよいでしょう。
3-2. 介護経験者だがブランクがある場合
ブランクのある介護経験者が有料老人ホームに転職する場合は、下記の例文を参考に志望動機を作成しましょう。
【例文】
地域の利用者さまが楽しめるさまざまなイベントを提供しながら、心を込めた看取りにも対応するという貴施設の特徴に大きな魅力を感じ、志望いたしました。
私は、4年前まで特別養護老人ホームに勤務していましたが、両親の介護を機に一度退職いたしました。父親は私が勤務していた特別養護老人ホームで最期を迎えましたが、「まだ少しでも元気があるうちに、介護施設ならではのイベントを楽しませてあげたかった」という心残りがあります。
利用者さまが楽しめるイベントを月に2回実施しながら、看取りにも対応している貴施設にもし採用いただけた場合は、利用者さまが「ここでの生活は本当に楽しかった」と思えるよう、質の高いケアや心を込めた支援を行いたいと思っています。
ブランクのある介護経験者の場合、なぜブランクがあるのか・なぜブランクから復帰したいと感じたのかといったエピソードが重要となる傾向です。ブランク時期に感じた思いを、今後の仕事にどう活かすかといった部分にうまく絡めるとよいでしょう。
3-3. 介護未経験者で異業種から転職する場合
介護未経験者が異業種から有料老人ホームに転職する場合は、下記の例文を参考に志望動機を作成しましょう。
【例文】
私が貴施設を志望した理由は、利用者さまが心から楽しめる行事を豊富に実施している点や、娯楽施設が非常に整っている点に大きな魅力を感じたためです。
私の祖母は、健康型有料老人ホームに入居していました。入居前はあまり笑顔が見られなかったのですが、入居して以降は笑顔が増えて、「毎日が本当に楽しい」とよくいっていました。
私はこれまで飲食店というまったく異なる業種で働いていましたが、祖母の笑顔を見て、「私も高齢者の笑顔を引き出せる介護職員になりたい」と思い、介護職員初任者研修を受講いたしました。入職後は、さらなる介護関連の資格取得を目指しながら、多くの方々の心の支えとなれるような職員を目指していきたいと思っています。
介護未経験者の場合、これまで他業種で活躍していたにもかかわらず、なぜ介護業界の道を選んだのかといった部分も重視される傾向です。介護業界にチャレンジしようと考えたきっかけや経緯をしっかり伝えることで、熱意をしっかりアピールできるでしょう。
まとめ
有料老人ホームとひとくちにいっても、サービス度合いや入居条件によって3つの種類に分けられています。採用担当者からよい評価を受けられる志望動機を書きたいなら、まず求人応募を出す施設において詳細な知識を習得しておくとよいでしょう。
ここまで紹介した「受かりやすい志望動機を書くコツ」と「有料老人ホームにおける志望動機の例文集」を参考に、よい評価を得られるような志望動機を作成してみてはいかがでしょうか。
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※当記事は2022年11月時点の情報をもとに作成しています
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