特養の面接のポイントは?よく聞かれる質問と回答例も

特養(特別養護老人ホーム・介護老人福祉施設)は、主に自宅で生活することが難しい高齢の方に対して、食事や入浴といった介護や機能訓練をする施設です。特養への転職を希望している場合は、面接官によく聞かれる質問と回答例を参考にし、自分だけのアピールポイントを盛り込んだ回答を用意しましょう。
当記事では、特養の概要をはじめ面接官がチェックするポイントを解説します。実際の面接に活用できる「質問への回答例」も具体的に説明するので、特養への転職を考えている方や、面接を控えている方は必見です。
目次
- 3. 特養の面接でよく聞かれる質問と回答例
- 3-1. 退職理由
- 3-2. 応募先を選んだ理由
- 3-3. 介護職として大切にしていること
- 3-4. 長所と短所
- 3-5. 夜勤の可否
- 3-6. 入職後のキャリアプラン
1. 特養とは?
特養(特別養護老人ホーム・介護老人福祉施設)とは、自宅で過ごすことが難しい高齢者が、さまざまな介護を受けながら生活する入居施設のことです。特養では、入浴や排泄、食事などの生活介護や、機能訓練などを提供します。
○ 要介護高齢者のための生活施設。
○ 入浴、排泄、食事等の介護その他日常生活の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行う。
○ 定員が29名以下のものは、地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特別養護老人ホーム)と呼ばれる。
(引用:厚生労働省「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」
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https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000663498.pdf/引用日2022/09/16)
特養は、国からの助成金などを活用して運営されている公的施設なので、高齢者の入居施設の中では費用が安い点が特徴です。以前は費用が安いことから入居希望者が多く、待機者が多いことが問題でしたが、近年では入居要件が厳しくなり、待機者は減少傾向にあります。しかし、地域によっては入居申込から数年かかることも珍しくありません。
特養は誰でも入居できるのではなく、要介護3以上の高齢者であることが原則です。
2. 特養の面接官がチェックするポイント
特養の面接で高評価を得るためには、面接官がチェックするポイントを事前に把握しておくことが大切です。特に、以下の3つについてはしっかり確認しておきましょう。
これまでの経験 |
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介護業界では、介護職の経験がある人が歓迎されます。介護職・介護経験がある方は、具体的なエピソードを踏まえながら、これまでの経験をアピールしましょう。 介護職の経験がなくても接客の経験がある方などは、人と接することに慣れていることをアピールすることで、好印象が与えられます。 |
応募理由 |
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応募理由は、面接官から必ず質問される項目の1つです。面接では、「なぜこの施設を選んだのか」を明確にしておく必要があります。面接前に、施設理念や施設の魅力などを事前に考えておきましょう。 |
施設とマッチしているかどうか |
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施設が求める人材とマッチしているかどうかも、施設側にとって重要なポイントです。自分が施設の特色に合った人材であることを伝えましょう。「明るく業務がこなせる」「協調性がある」など、施設側が求める人材であることをアピールすることが大切です。
また、夜勤を積極的に採用している施設であれば、夜勤が可能など、シフト面でも施設に貢献できることをアピールしましょう。 |
3. 特養の面接でよく聞かれる質問と回答例
特養の面接では、退職理由や応募先の施設を選んだ理由の他に、長所・短所について質問される場合が多くあります。その他、入職後のキャリアプランを具体的に質問されることもあるので、面接時に焦らないように事前に回答をしっかりと考えておくことが大切です。
ここでは、特養の面接でよく聞かれる質問と回答例を解説します。ただし、回答例はあくまでも一例なので、面接では自分の言葉で受け答えが大切であることを理解しておきましょう。
3-1. 退職理由
前職を退職した理由には、さまざまな事情があるでしょう。しかし、面接では前向きな理由で退職をした印象を与えることが大切です。以下のように、スキルアップなどの前向きな退職理由を回答すると好印象につながります。
・退職理由の回答例
前職はデイサービスで介護職員として勤務していました。前職の職場で、要介護の利用者さまの介護をしていくうちに、身体介護の専門的な知識を身に付けてスキルアップをしたいと考え、デイサービスを退職しました。
「人間関係に疲れたから」というような、ネガティブな印象を与える回答はNGです。嘘をつく必要はありませんが、ネガティブな退職理由であっても印象が悪くならないように、伝え方には注意が必要です。
3-2. 応募先を選んだ理由
応募先を選んだ理由については、施設のホームページなどを確認し、その施設ならではの特徴を把握しておくことが重要です。 面接では、施設の特色を交えながら志望動機を回答することで、より熱意が伝わります。具体的には以下の通りです。
・応募先を選んだ理由の回答例
貴施設のホームページを拝見し、施設内の研修が充実している点にとても魅力を感じました。研修で専門的な知識・技術を学ぶことで、利用者さまにケアを提供できるのではないかと考えて応募いたしました。
「福利厚生がよかったから」などは、介護への情熱が伝わらないので控えるようにしましょう。また、具体的に志望動機を伝えることで、面接をするまでに事前に施設について調べてきたことがアピールできます。
3-3. 介護職として大切にしていること
介護職として大切にしていることでは、施設の理念や運営方針にマッチした回答をするのがポイントです。特養ではレクリエーションよりも介護が中心になる場合が多いので、身体介護の際に大切にしていることを伝えるとよいでしょう。 具体的には以下の通りです。
・介護職として大切にしていることの回答例
私は、利用者さまがいきいきと生活できる介護を大切にしています。身体介護を第一に考えながら、利用者さまの希望をできるだけ実現できるような介護をしたいと思っております。
また、これまでの介護職の経験で学んだことを交えながら回答すると、より熱意が伝わりやすくなります。
3-4. 長所と短所
長所では、自分を最大限にアピールできるチャンスです。しっかりと自分の良いところをアピールし、自慢するのではなく謙虚に伝えるよう意識しましょう。 具体的には以下の通りです。
・長所と短所の回答例
私の長所は、周りの人とコミュニケーションを取りながら物事を進められるところです。これまでも、自分の意見を主張するだけでなく、職員の皆さんの意見を取り入れながら仕事を進めてきました。短所は、これまではデイサービスで勤務していたため、介護度の高い利用者さまの介護経験が少ない点です。しかし、これから貴施設で経験を積んでスキルアップを目指したいと思っております。
短所では、今後改善・解決していく意思を見せることで良い印象を持ってもらえます。
3-5. 夜勤の可否
どのような時間帯でも出勤できるスタッフは、採用されやすい傾向にあります。以下のように夜勤ができることをアピールすることで、施設で働きたいという強い意思を伝えることが可能です。
・夜勤の可否の回答例
どのような時間帯であっても勤務可能です。シフトに合わせて柔軟に対応したいと思っております。
特養では、日勤・夜勤の2交代制と、早番・遅番・夜勤の3交代制のシフトが一般的です。面接前に、応募した施設の求人情報の詳細を確認しておきましょう。どうしても夜勤ができない場合は、なぜ夜勤ができないのかその理由を丁寧に伝える必要があります。
3-6. 入職後のキャリアプラン
応募した施設に対しては、どのような目標やキャリアプランを持って働くのかを具体的に伝えることが重要です。 資格取得や施設のキャリアアップ補助を活用しながら、どのような介護士になりたいのかアピールしましょう。具体的には以下の通りです。
・入職後のキャリアプランの回答例
貴施設で働きながら、介護福祉士の資格取得を目指しております。介護福祉士の資格を取得し、より専門的な知識を身に付けて、利用者さまが安心してケアを受けられる介護士になりたいです。
「与えられた仕事をします」だけでは、受け身の印象を持たれてしまう可能性があります。面接で入職後のキャリアプランを聞かれたら、前向きに介護に取り組む姿勢があることを伝えましょう。
まとめ
特別養護老人ホーム(特養)とは、自宅での生活が難しい高齢者に対して入浴や排泄、食事といった生活介護や機能訓練などを提供する施設のことです。特養への転職を考えている方は、その施設ならではの特徴を志望動機に盛り込み、施設の理念・運営方針から外れない回答をすることがポイントです。また、具体的な目標やキャリアプランを示すことによって、「入職後は能動的に働いてくれるだろう」という期待を抱いてもらえるでしょう。
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※当記事は2022年11月時点の情報をもとに作成しています
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