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特養のユニット型とは?介護職の働き方や従来型との違いを解説

公開日:2023.02.20 更新日:2023.03.10
特養のユニット型とは?介護職の働き方や従来型との違いを解説

特養とは、原則要介護3以上の高齢者が入所できる「特別養護老人ホーム」の略称です。特養には構造の造りによって「ユニット型」と「従来型」に分けられており、タイプによって介護職員の働き方・介護ケアの提供方法が異なります。

また、現在新設される特養のほとんどがユニット型となっています。特養で働きたいと考えている方は、ユニット型を中心に概要・特徴を把握しておくとよいでしょう。

そこで今回は、特養のユニット型について、従来型との違いや働き方、メリット・デメリットを挙げながら詳しく解説します。「特養の介護職求人を探しているけど、よく見る“ユニット型”とはどういう施設となるか分からない」という方は、ぜひ今回の内容をお役立てください。

1. 特養のユニット型とは?従来型との居室の違い

要介護3以上の利用者さんがいる特養には、施設の造りや構造、居室タイプによって「ユニット型」と「従来型」の2つに分けられることが基本です。

ユニット型とは
ユニット型とは、少人数単位(10名程度)の利用者さんを「ユニット」とグループ分けし、ユニットごとに個室・共用スペースを設けたタイプの特養です。利用者さんが入居する部屋はすべて個室で、かつ共用のリビングスペースを囲むような造りとなっています。

主流となっていた従来型から新たに生まれたタイプであることから、「新型特養」とも呼ばれることが特徴です。完全個室でプライバシーを確保しつつ、個室に囲まれた共用スペースで利用者同士でのコミュニケーションがとりやすくなっています。

従来型とは
従来型とは、4人程度の利用者さんが1つの部屋に入居する、いわゆる相部屋・多床室タイプの特養です。1フロアあたり40~50名以上の利用者さんがいるケースもあり、介護ケアの効率性が重視された造りとなっています。従来型といわれているように、一昔前における特養では主流の造りでした。

ユニット型・従来型によって、利用者さんの入居条件や介護スタッフの勤務条件が変わることはありません。しかし、生活の仕方や介護サービスの提供方法はやや異なるため、利用者さん・介護スタッフともに向き・不向きがあることも覚えておきましょう。

2. ユニット型の特養における働き方

ユニット型と従来型では、介護職員の働き方が大きく異なります。「同じ特養であっても、従来型よりユニット型の働き方のほうが自分には向いていた」というケースが多々あるため、働き始めてからミスマッチを感じないためにも、あらかじめユニット型・従来型の働き方を把握しておく必要があるでしょう。

ユニット型と従来型は、いずれも利用者さんの生活介助・日常生活上のお世話といった基本的な介護サービスがメイン業務となります。しかし、従来型は大人数の利用者さんを大人数の介護職員でサポートする一方で、ユニット型は少人数の利用者さんを少人数の介護職員がサポートするという点に大きな違いがあります。

従来型は大人数の介護職員とともに働くため、先輩の実務を間近で見て勉強できますが、自らの判断が任される機会が少ないことが特徴です。対して、ユニット型は自らの判断が任される機会が多く、介護スキルはもちろん、リーダーとしての素質・能力を身につけやすいという点が最大の魅力といえるでしょう。

2-1. ユニット型の人員配置基準

ユニット型は、少人数の利用者さんを少人数の介護職員がサポートすることが基本です。この人数体制は、法律によって定められた人員配置基準に則っています。

特養の人員配置基準

医師 入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数
介護職員
又は看護職員
入所者の数が3又はその端数を増すごとに1以上
生活相談員 入所者の数が100又はその端数を増すごとに1以上
栄養士 1以上
機能訓練指導員
介護支援専門員 1以上(入所者の数が100又はその端数を増すごとに1を標準とする)

ユニット型介護老人福祉施設の場合、上記基準に加え、以下が必要
・共同生活室の設置
・居室を共同生活室に近接して一体的に設置
・1のユニットの定員はおおむね10人以下
・昼間は1ユニットごとに常時1人以上の介護職員又は看護職員、夜間は2ユニットごとに1人以上の介護職員又は看護職員を配置
・ユニットごとに常勤のユニットリーダーを配置 等

(引用:厚生労働省「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000663498.pdf引用日2022/11/12)

上記の通り、ユニット型特養の場合は、特養全体の人員配置基準に加えてユニットごとの人員に関するいくつかの条件が追加されます。したがって、従来型では「施設単位」のシフト制となる一方で、ユニット型では「ユニット単位」でシフトが決まる点も特徴です。

なお、特養で働くために必要な介護資格はなく、無資格であっても介護職員として活躍できます。しかし、資格がない場合は介護補助業務がメインとなるため、業務の幅を広げたいなら介護関連の資格取得がおすすめです。

3. ユニット型特養のメリット

ユニット型特養で働くことには、下記のようなメリットがあります。

●一人ひとりに手厚いケアを実践できる
●幅広い介護スキルを身につけられる
●施設や設備が比較的新しい

メリットを詳しく把握しておけば、ユニット型特養の求人を探すことに対してより積極的になれるのではないでしょうか。

ここからは、それぞれのメリットをより具体的に解説します。

3-1. 一人ひとりに手厚いケアを実践できる

ユニット型特養は、少人数の利用者さんと関わるため、一人ひとりの利用者さんとの信頼関係が構築しやすく、利用者さんの生活スタイルに適した手厚いケアを実践しやすい点が最大のメリットです。利用者さんやその家族との距離もさらに縮まりやすくなるため、多くのやりがいも感じられます。

介護ニーズが多様化する近年、個別ケアは介護職員として重要なスキルでもあります。利用者さんと信頼関係を築き上げながら、喜ばれるような個別ケアを実践したいという方にとってはおすすめの職場といえるでしょう。

3-2. 幅広い介護スキルを身につけられる

ユニット型特養には、要介護度の高い利用者さんが多く入居しています。少人数体制のなか、多くの利用者さんに向けて高度な介護ケアを提供する機会も多くあり、基本的な介護技術だけでなく認知症の利用者さんに対するコミュニケーション技術といった幅広い介護スキルが自然と身につくでしょう。

また、ユニット型特養では、自らの判断が任される機会や大きな責任を負う機会もあるため、専門的な介護スキルだけでなく対応力や柔軟性といったスキルも身につきやすくなります。これらのスキルは、介護職員としてのスキルアップ・キャリアアップに欠かせない能力となります。

3-3. 施設や設備が比較的新しい

ユニット型特養は、2001年に厚生労働省が特養におけるユニットケアの整備・推奨を発表して以降、徐々に増加しました。施設設計・間取り・造りにおいて厳しい条件があるため、全国にあるユニット型特養のほとんどは新たに建てられた建物となっています。したがって、施設や設備が比較的新しく、きれいな環境で快適に働けます。

また、施設によっては最新設備を取り入れていたり、IT化を導入したりしているケースもあるでしょう。このような施設では業務の効率化が進んでおり、より働きやすい職場といえます。

4. ユニット型特養のデメリット

ユニット型特養で働くことには、メリットだけでなくデメリットも存在します。

【ユニット型特養で働くデメリット】

●マルチタスクをうまくこなす必要がある
●利用者さんの情報収集や情報共有、記録記入に手間がかかる
●人材不足気味の職場ではワンオペになりやすい
●大きな責任が問われるケースがある

ユニット型特養では、少人数の介護職員が各ユニットの利用者さんに対応するため、ときには同時にあらゆるタスクが舞い込んでくる場面もあります。特に、介護職員が足りていない職場ではさらに多くのタスクをこなさなければならず、ワンオペでの時間も長くなりやすい傾向です。

加えて、ユニット型特養で働く介護職員は、責任感をもって判断をしなければならないケースもあります。責任感のある仕事は精神的な負担を感じるものの、その分大きなやりがいも感じられるでしょう。

まとめ

特養(特別養護老人ホーム)は、原則として要介護3以上の高齢者が利用できる介護施設です。近年、新設される特養はほとんど「ユニット型」であり、求人情報でも多くのユニット型特養求人で溢れています。

ユニット型特養は10名程度といった少人数の利用者さんを「ユニット」とグループ分けし、ユニットごとに個室・共用スペースを設けたタイプの特養です。少人数体制で要介護度の高い利用者さんに介護ケアを提供することから、幅広い介護スキルを身につけられるだけでなく、大きなやりがいも感じられます。

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