生活相談員の転職でカギとなる志望動機のまとめ方と面接での伝え方

施設の顔として、利用者とその家族に接し、ケアマネージャーや介護士、医療関係者、行政の福祉担当者との連絡・調整も担う生活相談員は、介護施設にとって欠かせない存在です。様々な人々と関わる分、やりがいも大きく、介護福祉士からのキャリアアップとして目指す方も少なくありません。
では、生活相談員として希望の職場で働くためには、何が重要なのでしょうか。転職の際にポイントとなる、志望動機のまとめ方と面接での伝え方を紹介します。
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生活相談員はどんな人材が求められているのか
生活相談員は、利用者や家族の相談にのり、ケアマネージャーや介護スタッフ、時には施設や医療機関、行政とも連携しながら、必要な支援を実現していくことが仕事となります。その性質上、次のような人材が求められる傾向があります。
コミュニケーション能力が高い
生活相談員の仕事は、施設の利用者や家族の相談を聞くことから始まります。話を聞き、その方がどうしても伝えたいことは何か、他の施設利用者との兼ね合いで全ての希望を叶えることはできないとしても、「これだけは譲れない」と考えていることは何かを掴むという聞く力は、生活相談員にはなくてはならないものです。
また、連絡調整役として第三者に依頼したり説得したりする場面も多いことから、話す力も含めた総合的なコミュニケーション能力がとても大切になります。
相手の立場になって考え、親身になれる
利用者からの相談を聞き、できる限り本人が希望する介護を受けられるようにサポートをすることが求められます。そのため、相手の立場に立って考え、親身になれる人物が歓迎されます。
チームで働く力、調整力がある
利用者が望む介護サービスの提供は、一人でできるものではなく、実現するにはケアマネージャーをはじめ介護に関わる様々なスタッフの協力が必要になります。生活相談員は、その連携の要となるポジションなので、チームワークや調整力は必須です。
責任感が強い
利用者やその家族に直接接することの多い生活相談員は、その対応次第で、利用者の介護サービスへの満足度が変わることも少なくありません。責任感を持って仕事に向き合える方が向いているでしょう。
なお、これらの資質があるかに加えて、その企業で長く働けるかどうかという点も、転職の際の大きなポイントになります。
志望動機のまとめ方
生活相談員に求められる資質が備わっていること、そして長く働く意欲があることを、企業側にきちんと理解してもらうには、履歴書や面接で自分の思いをしっかりと伝えられるような志望動機にまとめておくのが良いでしょう。
志望動機のまとめ方でポイントとなるのは、次のようなことが挙げられます。
1 なぜ生活相談員を希望するのかを考える
志望動機を考える上で出発点となるのは、生活相談員になりたいと思った理由です。「困っている人の力になりたい」「人の役に立つ仕事がしたい」など、自分の気持ちに沿った回答を考えることが大切です。
2 生活相談員を選ぶ理由を掘り下げる
なぜ生活相談員を希望するのかという質問に対する答えには、「支援を必要としている人の力になりたい」など、一般の介護職やケアマネージャーといった介護職全般に通じるものであることが少なくありません。そこで、もう一歩掘り下げて、他の介護職種ではなく、生活相談員を選ぶ理由まで考えてみましょう。
生活相談員は、利用者と施設の介護スタッフ、地域の介護サービスのあいだの橋渡し役、連絡・調整役であるという特徴を踏まえて、積極的に役割を果たしていくための思いをまとめていきます。
3 自身の強みやキャリアを整理する
これまでのキャリアを振り返り、生活相談員に求められる人物像に、該当するような経験があるかを考えてみましょう。たとえば、「5年間介護福祉士として、一人ひとりの利用者さんに寄り添った介護を行ってきた」のであれば、責任感やコミュニケーション能力といった強みを、アピールすることができます。
4 なぜこの施設を選んだのかを考える
生活相談員になりたいという熱意を伝えるだけでは、採用担当者に「うちでなくてもいいのでは?」と思われてしまいがちです。そこで、志望動機では、なぜ応募先の企業を選んだのかにも触れておきましょう。採用後はどんな風にキャリアアップしたいのかという、自身の未来像まで具体的に話すことができれば、長く企業で働きたいという思いを伝えることにつながります。
5 具体的なエピソードを交えて、わかりやすく伝える
志望動機をまとめる際には、抽象的な表現ではなく、できる限り具体的なエピソードを入れることがコツです。たとえば「コミュニケーション力には自信があります」というだけでは自称にすぎず、なかなか採用側には響きません。しかし、「デイサービス施設で介護士として働き、レクリエーションなどの運営にも積極的に参加していました。利用者がそれぞれ楽しい時間を過ごせるよう、スタッフや仲間とともに努めてきました」というのであれば、コミュニケーション能力の高さをアピールすることができます。
また、現場リーダーを務めるなど、コーディネーターとしての経験があれば、さらに大きな強みになります。
面接では何をアピールするべきか?
「志望動機」「将来のビジョン」、そして「前職の退職理由」の3つは、面接で聞かれることの多い質問なので、事前に準備をしておきましょう。大切なのは、これらが矛盾なく、一貫性があることです。それぞれのポイントについてご紹介しましょう。
1 志望動機
転職の場合は、たとえば下記のように、以前の職場の経歴を基にビジョンを話すことで、自身の強みをアピールすることもできます。
<志望動機例>
一介護士ではサポートしきれない部分に歯がゆさを感じていたため、最初に利用者の相談を聞くところから関われる生活相談員への転職を決めました。介護士時代には現場リーダーを務め、特別養護老人ホームではチーム支援の大切さを学ぶこともできました。これらの経験を活かし、利用者に丁寧に向き合う介護を行っていきたいと考えています。
2 将来のビジョン
採用後のキャリアプランについて述べることで、やる気や長く勤める意思をアピールすることができます。生活相談員の仕事内容に沿って、どのように成長していきたいかを具体的に話しましょう。
3 前職の退職理由
転職の場合、基本的に素直に退職理由を答えればいいのですが、前職場への恨み言や不満を話したり、「人間関係に疲れたから」など、後ろ向きなものを答えたりするのはおすすめできません。いい印象を与えませんし、企業側にも「採用後にも同じように不平を言う人間なのでは?」と思われてしまうからです。
一般の介護職から生活相談員への転職であれば、「キャリアアップのため」「長年一介護士として利用者を見てきたが、一般職の職分ではサポートしきれないところがあり、歯がゆい思いがあった」など、志望動機とリンクするものにしぼることがおすすめです。
なお、面接の最後に「何か聞いておきたいことはありますか?」と逆質問の機会をもらえる場合があります。ここで、給与や休みなどの条件面について率直に質問することや、「特にありません」とせっかくの機会をふいにしてしまうこともおすすめできません。職場の様子や教育体制などについて質問し、意欲をアピールしておきましょう。
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志望動機の掘り下げや面接での受け答えの練習を、一人で行うのは容易ではありません。
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