【熊本県】介護職の求人動向は?有効求人倍率や実際の求人状況も紹介
熊本県は九州・沖縄地方において福岡県の次に人口が多い県で、県庁所在地である熊本市は政令指定都市です。
(出典:総務省統計局「日本の統計2021-第2章 人口・世帯」/https://www.stat.go.jp/data/nihon/02.html)
熊本県内の人口を見ると、15歳以上65歳未満の生産年齢人口の割合は全国より低く、65歳以上の高齢者の割合は全国より高くなっています。少子高齢化が進む熊本県では、介護の仕事に携わる人材の確保が急がれています。
(出典:熊本県「長寿・安心・くまもとプラン」 /https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/life/92011_132097_misc.pdf)
そこで今回は、熊本県における介護職の求人動向と、県内の介護職の求人状況を職種別・雇用形態別・サービス内容別に解説します。熊本県で介護職に就きたいと考えている人は、ぜひご覧ください。
目次
1. 【熊本県】介護職の求人動向
熊本県は全国より早いスピードで少子高齢化が進行しているため、介護職の需要が高まっているものの、未だ人手が足りない施設などが多い状況です。
そこで熊本県は、介護人材の確保が難しい状況でも介護サービスの利用者に質の高いサービスを提供できるよう、必要な介護業務の洗い出しや新たな技術の活用などに努めています。また、就労環境を改善し、介護職員が定着できる職場作りを促進しているため、今後働きやすい職場が増えていくでしょう。
(出典:熊本県「長寿・安心・くまもとプラン」/https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/life/92011_132097_misc.pdf)
ここからは、熊本県における介護職の有効求人倍率や採用率・離職率などを、全国の傾向と比較しながら解説します。
1-1. 全国と熊本県の有効求人倍率
介護職の有効求人倍率を知ることで、介護職への転職のしやすさが分かります。下記は、都道府県別に介護職の有効求人倍率をまとめた表です。
【都道府県別】介護職の有効求人倍率(※2019年11月時点) | |
---|---|
【全国平均】 | 4.45 |
北海道 | 3.34 |
青森県 | 3.10 |
岩手県 | 2.70 |
宮城県 | 4.13 |
秋田県 | 3.06 |
山形県 | 3.28 |
福島県 | 3.57 |
茨城県 | 5.06 |
栃木県 | 3.97 |
群馬県 | 4.46 |
埼玉県 | 5.62 |
千葉県 | 4.67 |
東京都 | 7.39 |
神奈川県 | 5.36 |
新潟県 | 3.58 |
富山県 | 4.97 |
石川県 | 4.27 |
福井県 | 4.34 |
山梨県 | 2.71 |
長野県 | 3.53 |
岐阜県 | 5.80 |
静岡県 | 4.50 |
愛知県 | 6.77 |
三重県 | 4.76 |
滋賀県 | 3.58 |
京都府 | 4.40 |
大阪府 | 5.70 |
兵庫県 | 4.56 |
奈良県 | 5.87 |
和歌山県 | 3.04 |
鳥取県 | 2.89 |
島根県 | 3.02 |
岡山県 | 4.49 |
広島県 | 4.37 |
山口県 | 3.55 |
徳島県 | 3.68 |
香川県 | 3.67 |
愛媛知県 | 4.36 |
高知県 | 2.83 |
福岡県 | 3.60 |
佐賀県 | 3.07 |
長崎県 | 2.81 |
熊本県 | 3.77 |
大分県 | 2.80 |
宮崎県 | 2.75 |
鹿児島県 | 2.98 |
沖縄県 | 2.74 |
(出典:厚生労働省「介護分野における特定技能について」/https://jicwels.or.jp/wp-content/uploads/2020/01/2.介護分野における特定技能について(厚生労働省).pdf)
熊本県の有効求人倍率は3.77倍です。九州・沖縄地方で最も有効求人倍率が高く、熊本県は介護職に転職しやすい地域だと言えます。全国の有効求人倍率が高い理由は、東京都や愛知県などの人口が多く高齢化が急激に進む地域が、有効求人倍率を底上げしているためです。
また、厚生労働省が発表した「介護分野における特定技能について」によると、全国における全職業の有効求人倍率は1.48倍です。介護職は全国的に人手不足が目立ち、熊本県においても同じ傾向と言えます。
1-2. 熊本県の採用率・離職率
介護職の採用率・離職率・増加率を知ることで、1年間にどのくらいの人が職場に定着したのかが分かります。九州・沖縄地方における介護職の採用率・離職率・増加率は、下記の通りです。
【九州・沖縄地方】介護職の1年間の採用率・離職率・増加率(※2020年10月時点) | |||
---|---|---|---|
採用率(%) | 離職率(%) | 増加率(%) | |
【全国平均】 | 16.0 | 14.9 | 1.1 |
【九州・沖縄地方平均】 | 15.9 | 15.1 | 0.8 |
福岡県 | 18.2 | 15.8 | 2.4 |
佐賀県 | 10.8 | 9.7 | 1.2 |
長崎県 | 15.4 | 15.0 | 0.4 |
熊本県 | 14.8 | 15.3 | -0.5 |
大分県 | 11.7 | 12.3 | -0.5 |
宮崎県 | 15.1 | 19.1 | -4.0 |
鹿児島県 | 16.3 | 16.5 | -0.2 |
沖縄県 | 18.8 | 14.2 | 4.6 |
※備考 ・1年間の採用率=1年間の採用者数÷1年前の在籍者数×100 ・1年間の離職率=1年間の離職者数÷1年前の在籍者数×100 ・介護職3職種(訪問介護職員・介護職員・サービス提供責任者)の統計 |
(出典:公益財団法人介護労働安定センター「―令和2年度 介護労働実態調査結果について―」/http://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html)
熊本県における介護職の増加率は、全国平均と比較して低い結果です。熊本県では離職率が採用率を上回っており、介護の仕事に携わる人は1年間で0.5%減少しています。
熊本県の介護現場で働く人を対象に行った「労働条件等の悩みや不安」についてのアンケートでは、60.4%の人が「人手が足りない」と回答しました。個人にかかる負担の大きさが離職につながっているため、熊本県の介護事業所では業務の負担軽減に努めています。
具体的な取り組みとして「残業を少なくする、有給休暇を取りやすくする等の労働条件の改善に取り組んでいる」と回答した介護事業所は73.8%です。また「本人の希望に応じた勤務体制にする等の労働条件の改善に取り組んでいる」と回答した介護事業所は73.3%でした。
(出典:公益財団法人介護労働安定センター「NEW!!【熊本県抜粋データグラフ集】令和2年度の介護労働実態調査結果の公表について」/http://www.kaigo-center.or.jp/shibu/kumamoto/927f6c5ed1eec61684ca80771540db236377119b.pdf)
熊本県の介護事業所では、早期離職防止や定着促進のための方策を打ち出し、課題に取り組んでいます。そのため、熊本県の介護職の定着率はアップしていくでしょう。
1-3. 熊本県の介護職需要が高い理由
熊本県の介護需要が高い理由は、高齢化の進行に伴い、要支援・要介護者が増えているためです。2021年7月時点で、熊本県の要支援・要介護認定者数は110,393人になります。
(出典:厚生労働省「介護保険事業状況報告(令和3年7月分)」/https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m21/2107.html)
介護の需要が高まる中、熊本県では介護保険内外の多様なサービスを整備・拡充する方針です。そのため、介護に携わる人は今後ますます必要とされるでしょう。
(出典:熊本県「長寿・安心・くまもとプラン」/https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/life/92011_132097_misc.pdf)
2. 【カテゴリー別】熊本県における介護職求人の状況
熊本県で介護の仕事を探す時は、マイナビ介護職の利用がおすすめです。マイナビ介護職は、簡単な操作で希望の職種やサービスを探すことができます。また、求職者様が保有している資格を登録することで、キャリアアドバイザーがぴったりの求人をご案内することも可能です。
ここからは、マイナビ介護職に掲載している熊本県の介護職求人を、職種別・雇用形態別・サービス内容別に紹介します。
2-1. 【職種別】熊本県の求人状況
介護職は職種によって募集されている資格が異なります。同じ職種でも無資格からチャレンジできる求人もあるため、必ず応募条件を確認しましょう。一般的に介護福祉士や社会福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)といった福祉の資格を保有していると、仕事の幅が広がります。
下表は、熊本県における介護職の職種別の求人数です。
【職種別】熊本県における介護職の求人状況(2021年11月時点) | |
---|---|
介護職・ヘルパー | 約452件 |
生活相談員 | 約25件 |
看護助手 | 約38件 |
ケアマネジャー | 約52件 |
サービス提供責任者 | 約5件 |
施設長 | 約0件 |
サービス管理責任者 | 約1件 |
(出典:マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/)
介護職・ヘルパーの求人は熊本県において最も多く、希望の条件で探しやすい職種と言えます。介護職・ヘルパーの求人の中には保育所を完備した職場があり、子育て中の人やブランクのある人も就職しやすい環境です。また、研修制度の充実した職場もあり、働きながらスキルアップが叶います。
熊本県で2番目に求人が多い職種は、ケアマネジャーです。熊本県でケアマネジャーを募集する求人には、年収350万円以上を支給する職場が多数見られます。介護職としての経験を積み、専門資格を取得することでさらなる高収入が見込めるでしょう。
(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html)
2-2. 【雇用形態別】熊本県の求人状況
介護職の雇用形態別の求人は、全国的に正社員が多い傾向です。一般的に正社員のほうが福利厚生が充実し、賞与や退職金といった面で優遇されています。
下表は、熊本県における介護職の雇用形態別の求人数です。
【雇用形態別】熊本県における介護職の求人状況(2021年11月時点) | |
---|---|
正社員(正職員) | 約398件 |
契約社員(職員) | 約108件 |
非常勤・パート | 約94件 |
(出典:マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/)
熊本県の求人状況は7割近くが正社員です。熊本県では契約社員にも賞与を支給する職場があるため、賞与を比較検討することで高年収の職場を見つけることができます。
非常勤・パートの求人数は、半数以上が熊本市の求人です。介護職求人は人口が多いエリアに集中します。希望する雇用形態がある場合は、人口が密集している熊本市・八代市・玉名市などで転職先を探すとよいでしょう。
また、熊本県では正社員登用制度を採用している職場があります。ライフスタイルに合わせて勤務形態を変えたい場合は、正社員登用制度を採用している職場を視野に入れましょう。
2-3. 【サービス内容別】熊本県の求人状況
介護職は、職場によって夜勤があります。夜勤は1回につき手当が支給されるため、給料アップにつながるでしょう。夜勤がある職場では土日も出勤というケースがほとんどですが、中には年間休日110日以上の職場も見られるため、ワークライフバランスのとれた働き方が可能です。
下表は、熊本県における介護職のサービス内容別の求人数です。
【サービス内容別】熊本県における介護職の求人状況(2021年11月時点) | |
---|---|
介護老人保健施設 | 約53件 |
有料老人ホーム | 約9件 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 約9件 |
特別養護老人ホーム | 約105件 |
通所介護(デイサービス) | 約85件 |
通所リハ(デイケア) | 約13件 |
グループホーム | 約56件 |
障がい者施設 | 約3件 |
訪問入浴 | 約0件 |
訪問看護 | 約11件 |
訪問診療 | 約0件 |
(出典:マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/)
熊本県では、特別養護老人ホーム・通所介護(デイサービス)・グループホーム・介護老人保健施設の求人が多くあります。
特別養護老人ホームは要介護3以上の高齢者が入所する施設のため、生活のさまざまな場面で介護が必要です。介護職の仕事内容は身体介護が中心のため、初心者の場合は不安を感じるでしょう。熊本県ではエルダー制度を導入している職場があるため、丁寧に指導してもらえます。
通所介護(デイサービス)における介護職の業務は、食事介助や入浴介助、レクリエーションなどです。利用者の送迎も業務に含まれる場合があるため、自動車運転免許が必要となります。通所介護(デイサービス)の求人に応募する際は、必ず応募要件を確認しましょう。
グループホームは、認知症の高齢者がユニットと呼ばれる小規模な人数で生活する施設で、介護職員は入所者の日常生活をサポートします。また、介護老人保健施設は在宅復帰のための短期入所施設で、医療関係者や理学療法士と協働して生活機能訓練を行います。熊本県におけるグループホームと介護老人保健施設の求人の半数近くが経験不問のため、未経験からでもチャレンジが可能です。
まとめ
熊本県の介護職の有効求人倍率は、九州・沖縄地方において最も高く、熊本県は介護職に転職しやすい地域です。2019年から2020年までの1年間で介護人材が減少していることを受け、熊本県では早期離職防止に取り組む職場が増えています。そのため、今後は介護職員の定着率がアップする見込みです。
マイナビ介護職では、熊本県の求人を約600件掲載しています。さまざまな業種・雇用形態・サービス内容の求人があり、希望条件で職場を探すことが可能です。無料登録をすることで閲覧できる非公開求人も多数取り扱っておりますので、熊本県で介護の仕事を探している人は、ぜひマイナビ介護職にご相談ください。
※当記事は2021年11月現在の情報をもとに作成しています
介護・福祉業界の転職事情|仕事の種類・平均給与・おすすめの資格
【熊本県】介護職員処遇改善加算の取得状況は?介護施策の状況も解説
関連記事
転職市場
| 公開日:2023.12.11 更新日:2023.12.14 |
介護のアルバイトは未経験でもできる?仕事内容や時給を解説
介護業界は人手不足であり、アルバイトを積極採用しています。施設によって...(続きを読む)
転職市場
| 公開日:2023.12.04 更新日:2023.12.14 |
60歳を過ぎた人でも介護職として働ける?メリットや注意点も解説
人生100年時代と言われる中で、高年齢者雇用安定法が改正されるなど働き...(続きを読む)
転職市場
| 公開日:2023.10.03 更新日:2023.10.04 |
ロングショートステイとは|介護職スタッフとして働く魅力も解説
ロングショートステイとは、ショートステイのサービスを例外的に長期間にわ...(続きを読む)
転職市場
| 公開日:2023.09.28 更新日:2023.09.28 |
介護の仕事の実態とは?離職率・大変な点・仕事内容・やりがいを解説
介護の仕事は、「大変な仕事だ」と言われることがあります。体力的な負担が...(続きを読む)