【沖縄県】介護職の求人動向は?有効求人倍率や実際の求人状況も紹介
沖縄県は九州の南西に位置し、多くの島々から構成される都道府県です。高齢化は全国平均に比べ緩やかに進んでおり、沖縄県の高齢化率は2020年10月1日時点で22.2%となっています。しかし、沖縄県の高齢化率も全国の傾向と同じように、今後も上昇を続けることが予測されています。そのため、沖縄県の介護職の需要はさらに高まっていくと言えるでしょう。
(出典:沖縄県「沖縄県高齢者保健福祉計画(計画期間:令和3年~5年)」/https://www.pref.okinawa.jp/site/kodomo/korei/documents/1souron.pdf)
この記事では、沖縄県の介護職の求人動向を全国や九州地方と比較しながら紹介した後、沖縄県の介護職の求人件数をカテゴリー別に解説します。沖縄県で介護職への転職を考えている人や、これから沖縄県の介護業界で働きたいと思っている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 【沖縄県】介護職の求人動向
沖縄県では少子高齢化が進むものの、高齢化は全国平均よりも低い水準で推移する見込みであり、高齢化の進行ペースは15年程度の差が見られます。
(出典:沖縄県「沖縄県高齢者保健福祉計画(計画期間:令和3年~5年)」/https://www.pref.okinawa.jp/site/kodomo/korei/documents/1souron.pdf)
全国に比べると、介護職に携わる人材が足りているように見えますが、沖縄県でも高齢化は年々上昇しています。そのため、今後も介護業務全般におけるスタッフの需要がますます高まることは間違いないでしょう。
以下では、沖縄県における介護職の有効求人倍率・採用率・介護職の需要が高い理由を紹介します。
1-1. 全国と沖縄県の有効求人倍率
介護職の有効求人倍率は全国平均で4.45倍となっており、日本全国で介護職員が不足しています。
下記は、都道府県別の介護職の有効求人倍率をまとめた表です。
【都道府県別】介護職の有効求人倍率(※2019年11月時点) | |
---|---|
【全国平均】 | 4.45 |
北海道 | 3.34 |
青森県 | 3.10 |
岩手県 | 2.70 |
宮城県 | 4.13 |
秋田県 | 3.06 |
山形県 | 3.28 |
福島県 | 3.57 |
茨城県 | 5.06 |
栃木県 | 3.97 |
群馬県 | 4.46 |
埼玉県 | 5.62 |
千葉県 | 4.67 |
東京都 | 7.39 |
神奈川県 | 5.36 |
新潟県 | 3.58 |
富山県 | 4.97 |
石川県 | 4.27 |
福井県 | 4.34 |
山梨県 | 2.71 |
長野県 | 3.53 |
岐阜県 | 5.80 |
静岡県 | 4.50 |
愛知県 | 6.77 |
三重県 | 4.76 |
滋賀県 | 3.58 |
京都府 | 4.40 |
大阪府 | 5.70 |
兵庫県 | 4.56 |
奈良県 | 5.87 |
和歌山県 | 3.04 |
鳥取県 | 2.89 |
島根県 | 3.02 |
岡山県 | 4.49 |
広島県 | 4.37 |
山口県 | 3.55 |
徳島県 | 3.68 |
香川県 | 3.67 |
愛媛県 | 4.36 |
高知県 | 2.83 |
福岡県 | 3.60 |
佐賀県 | 3.07 |
長崎県 | 2.81 |
熊本県 | 3.77 |
大分県 | 2.80 |
宮崎県 | 2.75 |
鹿児島県 | 2.98 |
沖縄県 | 2.74 |
(出典:厚生労働省「介護分野における特定技能について」/https://jicwels.or.jp/wp-content/uploads/2020/01/2.介護分野における特定技能について(厚生労働省).pdf)
沖縄県における介護職の有効求人倍率は、2019年11月時点で2.74倍です。九州・沖縄地方はいずれの県も全国平均を下回っており、沖縄県は最も低い数値になっています。
沖縄県の65歳以上の高齢者のうち、要介護(支援)認定を受けている人の割合は17.7%です。全国平均が18.5%となっていることから、沖縄県で介護を必要とする高齢者は少ないことが分かります。
また、日本における高齢者の地域活動の参加率は65歳〜74歳で40.2%、75歳以上の後期高齢者は32.0%です。一方、沖縄県における高齢者の地域活動への参加状況は、60〜69歳の28.5%が地域活動に「よく参加している」「どちらかというと参加している」と答えています。さらに、70歳以上では42.4%が同様の回答をしました。
(出典:沖縄県「沖縄県高齢者保健福祉計画(計画期間:令和3年~5年)」/https://www.pref.okinawa.jp/site/kodomo/korei/documents/2kakuron.pdf)
沖縄県では要介護認定を受けている高齢者が少なく、健康的な生活を営む高齢者が多いことが、全国平均に比べて介護職の有効求人倍率が低くなっている要因だと言えるでしょう。
1-2. 沖縄県の採用率・離職率
採用率から離職率を引くことで、介護職員の増加率を算出できます。増加率は介護職に携わる人材の増加状況を示しており、増加率に着目することで、都道府県別における働きやすさを把握することができます。
下記は、九州・沖縄地方における介護職の採用率・離職率のまとめた表です。
【九州・沖縄地方】介護職の1年間の採用率・離職率・増加率(※2020年10月時点) | |||
---|---|---|---|
採用率(%) | 離職率(%) | 増加率(%) | |
【全国平均】 | 16.0 | 14.9 | 1.1 |
【九州・沖縄地方平均】 | 15.9 | 15.1 | 0.8 |
福岡県 | 18.2 | 15.8 | 2.4 |
佐賀県 | 10.8 | 9.7 | 1.2 |
長崎県 | 15.4 | 15.0 | 0.4 |
熊本県 | 14.8 | 15.3 | -0.5 |
大分県 | 11.7 | 12.3 | -0.5 |
宮崎県 | 15.1 | 19.1 | -4.0 |
鹿児島県 | 16.3 | 16.5 | -0.2 |
沖縄県 | 18.8 | 14.2 | 4.6 |
※備考 ・1年間の採用率=1年間の採用者数÷1年前の在籍者数×100 ・1年間の離職率=1年間の離職者数÷1年前の在籍者数×100 ・介護職3職種(訪問介護職員・介護職員・サービス提供責任者)の統計 |
(出典:公益財団法人介護労働安定センター「―令和2年度 介護労働実態調査結果について―」/http://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html)
沖縄県における介護職の採用率は18.8%です。全国平均の16.0%を上回っており、九州・沖縄地方の中で最も高い数値です。また、沖縄県における介護職の増加率は4.6%となっており、全国平均の1.1%を大きく上回っています。
沖縄県では、文書の削減や介護ロボットの導入により、業務の効率化を図っています。また、労働環境・処遇の改善にも努めており、介護職員として働く上での悩みを聞いたアンケート調査から、有給休暇や休憩に関する不満が少ないことがうかがえます。研修制度を整え、育成に力を入れている点も介護職員の定着につながっていると言えるでしょう。
(出典:公益財団法人介護労働安定センター沖縄支部「令和2年度 介護労働実態調査結果都道府県別」/http://www.kaigo-center.or.jp/shibu/okinawa/5bb56c53d32ac590e36d7b67c9e3b9581435df9d.pdf)
沖縄県では、介護職の負担を軽減することで、働きやすい職場づくりを進めています。働きやすさが向上し、ライフワークバランスがとりやすくなっていることが、沖縄県での介護職の増加につながっていると考えられるでしょう。
1-3. 沖縄県の介護職需要が高い理由
沖縄県における介護職員は増加している一方、高齢化率が高まっていることから今後も介護職の需要が高まるでしょう。
沖縄県では、0〜14歳の年少人口と15歳〜64歳の生産年齢人口が減少しています。一方で2020年時点でいる約33万人の高齢者は、2040年には約43.6万人にまで増加することが予測されています。
沖縄県の高齢化率は、全国平均より低い水準で推移する見込みです。しかし、2020年時点では22.6%だった高齢化率は2040年には30.0%となることが予測されており、介護職は今後も求められるでしょう。
(出典:沖縄県「沖縄県高齢者保健福祉計画(計画期間:令和3年~5年)」/https://www.pref.okinawa.jp/site/kodomo/korei/documents/1souron.pdf)
2. 【カテゴリー別】沖縄県における介護職求人の状況
「マイナビ介護職」では、アドバイザーが一対一で、求職者様の悩みや希望の職場環境についての面談を実施します。その後、ヒアリングをもとに1人ひとりの希望条件に適した求人をご紹介いたします。面接対策など転職活動のサポートも行っているため、1人で転職を進めることに不安を感じる人はぜひマイナビ介護職をご利用ください。
以下では、マイナビ介護職に掲載されている求人情報をもとに、沖縄県の求人情報を職種・雇用形態・サービス内容に分けて紹介します。
2-1. 【職種別】沖縄県の求人状況
介護職の求人は職種別に見ると多岐にわたります。入居者の食事・入浴介助といった生活援助を行う介護職・ヘルパーの求人、看護業務の補助や患者の世話などを行う看護助手の求人、ケアプアンを作成するケアマネジャーなどが主な職種です。
下記は、職種別に見た沖縄県の介護職の求人件数をまとめた表です。
【職種別】沖縄県における介護職の求人状況(2021年11月時点) | |
---|---|
介護職・ヘルパー | 約54件 |
生活相談員 | 約6件 |
看護助手 | 約13件 |
ケアマネジャー | 約13件 |
サービス提供責任者 | 約1件 |
施設長 | 約0件 |
サービス管理責任者 | 約0件 |
(出典:マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/)
沖縄県では、全国の傾向と同様に介護職・ヘルパーの求人件数が最も多くなっています。介護職・ヘルパーは求人が多い分、資格・経験不問や年齢不問とする求人も多数見受けられます。雇用形態は正社員だけでなく、非常勤・パートも求められていることからも、初めて介護職に携わる人にとって、介護職・ヘルパーの求人は挑戦しやすい職種だと言えるでしょう。また、介護福祉士や社会福祉士の資格保有者や経験者は給与面で優遇されやすく、資格・経験不問の求人に比べて、月収が5万〜6万円高い傾向があります。
看護助手の求人件数は介護職・ヘルパーの求人件数に比べて少ないものの、求人の半数以上が資格不問です。経験者優遇であるものの、介護職・ヘルパーの求人と同様に応募要件を満たしやすい職種であると言えるでしょう。
ケアマネジャーは介護支援専門員の資格が求められる分、月収も相対的に高くなり、経験者歓迎の傾向があります。主任クラスになると最大月収が28万円程度の求人もあり、看護助手の求人に提示されている最大月収よりも5万〜6万円程度高くなっています。
2-2. 【雇用形態別】沖縄県の求人状況
沖縄県では、正社員以外にも契約社員や非常勤・パートとしての従事を求める募集が少なくありません。
下記は、雇用形態別における沖縄県での介護職の求人数をまとめた表です。
【雇用形態別】沖縄県における介護職の求人状況(2021年11月時点) | |
---|---|
正社員(正職員) | 約48件 |
契約社員(職員) | 約21件 |
非常勤・パート | 約23件 |
(出典:マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/)
正社員でも、福利厚生の充実度は求人によって異なります。育児休暇制度だけを設けている施設から財形貯蓄、退職金、社員寮(家族寮)と多様な制度を設けている施設までさまざまです。求人を探す際は、福利厚生を1つひとつ確認して比較検討するとよいでしょう。
契約社員はマネージャーやサービス提供責任者のような職種がなく、正社員に比べて月収が低い傾向にあります。正社員では最大月収が約30万円の求人が多数ある一方、契約社員の最大月収は約20万円が主です。
非常勤・パート向けの求人は、介護支援専門員や介護福祉士などの資格を必要とする求人から資格不問とする求人まであり、希望条件に合った募集を見つけやすいでしょう。
2-3. 【サービス内容別】沖縄県の求人状況
職種は同じでも、サービス内容によっては業務時間や仕事内容、求められる資格は異なります。実際に従事する仕事内容が希望にそぐわないといった転職結果を防ぐためにも、サービス内容を調べて求人に応募することをおすすめします。
下記は、サービス内容別に見た沖縄県の介護職の求人数をまとめた表です。
【サービス内容別】沖縄県における介護職の求人状況(2021年11月時点) | |
---|---|
介護老人保健施設 | 約13件 |
有料老人ホーム | 約5件 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 約15件 |
特別養護老人ホーム | 約3件 |
通所介護(デイサービス) | 約25件 |
通所リハ(デイケア) | 約2件 |
グループホーム | 約3件 |
障がい者施設 | 約0件 |
訪問入浴 | 約0件 |
訪問看護 | 約2件 |
訪問診療 | 約0件 |
(出典:マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/)
沖縄県には、通所介護(デイサービス)の求人が多くあります。
通所介護(デイサービス)はレクレーション活動などを目的として、利用者が自宅から日帰りで通うサービスであるため夜勤がありません。夜勤がない分、夜勤手当がつかないため、高収入を目指している人は資格手当のある求人を探すことをおすすめします。
通所介護(デイサービス)では利用者の送迎業務があるため、普通自動車免許を持つ人を求める求人があります。那覇市では「マイカー通勤可」とする施設も見られます。普通自動車免許を持っている人は、自宅から車での通勤ができるかを求人応募の判断基準にしてもよいでしょう。
まとめ
沖縄県における介護職の有効求人倍率は2.74倍で、全国平均の4.45倍よりも下回っています。しかし、介護職員の増加率は全国平均を大きく上回っており、沖縄県の介護業界は働きやすい環境が整っていると言えるでしょう。沖縄県は全国に比べて人材不足に陥っていないものの、今後も高齢化率は上昇することから、沖縄県の介護職の需要も高まることが予測されます。
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※当記事は2021年11月現在の情報をもとに作成しています
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