介護・福祉業界の転職事情|仕事の種類・平均給与・おすすめの資格
介護・福祉業界は、「障がいを持つ人や体が不自由な人に対して、活き活きと生活するための手助けをしたい」と考える人が活躍できる業界です。少子高齢化が進む時代において、介護・福祉にまつわる仕事の需要は高く、将来的な見通しも明るい業界に該当します。
今回は、介護・福祉業界の転職事情や、有効求人倍率などを解説します。仕事の種類や平均給与、向いている人の特徴も併せて解説するため、介護・福祉業界に転職を検討している人は参考にしてください。
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目次
1. 介護・福祉業界の転職事情
近年、要介護(要支援)の認定者数は2000年から2018年にかけて急激に増加し、障害福祉サービスの必要性の高まりが示されています。
(出典:厚生労働省「介護分野の現状等について」/https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000489026.pdf)
障害福祉サービスとは、居宅介護や生活介護などの介護給付・自立訓練や就労移行支援などの総称です。障害福祉サービスの関係予算額は、2007年から2020年にかけての13年で約3倍に増加しました。障害福祉サービスなどにおける総費用額も、2012年から2018年にかけて顕著に増加しています。
(出典:障害福祉サービス等報酬改定検討チーム「障害福祉分野の最近の動向/https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000591643.pdf)
1-1. 介護・福祉業界の有効求人倍率
2020年時点における介護・福祉業界の有効求人倍率は3.9倍と非常に高く、全職業の値の2倍以上となっています。特に、介護サービス事業所における人手不足は深刻であり、「採用が困難である」と考える事業所が多く見られる状況です。
(出典:厚生労働省「介護分野の現状等について」/https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000489026.pdf)
厚生労働省の推計によると、高齢者の受療率や要介護認定率などが現状と変わらないと仮定した場合、介護・その他の福祉分野の就業者数は下記のように推移します。
2018年度 | 2025年度 | 2040年度 | |
---|---|---|---|
介護 | 334万人 | 406万人 | 505万人 |
その他の福祉 | 180万人 | 203万人 | 233万人 |
出典:厚生労働省「介護分野の現状等について」/https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000489026.pdf
※2018年5月21日時点のデータをもとに厚生労働省が計算した推計値です。
推計値通りの就業者数を実現するためには、必然的に多くの求人が発生する見込みです。多くの求人が発生するほど、仕事が見つかりやすくなるでしょう。
1-2. 未経験でも介護・福祉業界に転職できる?
介護・福祉職は、実務経験を持たない人でも挑戦しやすい仕事です。マイナビ介護職に掲載されている求人の約3割は「未経験OK(未経験可)」を明記し、実務経験を持たない人からの応募を歓迎しています。
マイナビ介護職に掲載している求人数(2021年3月時点) | |
---|---|
全求人数 | 51,430件 |
未経験OKの求人数 | 14,906件 |
出典:マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/
※「未経験OKの求人数」は、検索条件で「未経験OK」を選択し、調査した結果です。
未経験OKを明記する求人の中には、特別養護老人ホームや障害福祉サービス事業所など、多様な施設・サービス形態の求人が見られます。 「資格不問(無資格者OK)」を明記する求人もあり、無資格からの転職を目指すことも可能です。
2. 介護・福祉業界の主な仕事の種類|おすすめの資格も
介護職は比較的転職しやすい業界とはいえ、「誰でもよいから入社させたい」と考える採用担当者は少数派です。採用担当者の多くは「事業所の将来に貢献する」「求める人物像にマッチする」とみなされる人材を確保したいと考えます。そのため、応募先の求める人物像や歓迎条件を推測し、自分の現状や経験スキル、将来的なキャリアプランと合致するポイントを探すことが大切です。
ケアワーカー | ・心身に障がいのある人に対して、生活全般のケアを担当 ・特別養護老人ホームなどの高齢者施設が主な職場 ・無資格でも挑戦可能 |
ソーシャルワーカー | ・心身の障がいのある人や家族に対するアドバイス・指導を担当 ・高齢者福祉施設や障がい者福祉施設、行政機関などが主な職場 ・職場によっては、社会福祉士・社会福祉主事などの資格が必要 |
ここでは、それぞれの仕事の内容や職場などを詳しく解説します。
2-1. ケアワーカー
ケアワーカーとは、心身に障がいを持つ人に対して、身体介護や生活援助などを提供する仕事です。職場によっては、ケアワーカーのことを「介護士」「看護助手」などの名称で呼ぶケースも見られます。
ケアワーカーの主な職場は、特別養護老人ホーム(特養)やグループホームなどの高齢者施設です。訪問介護事業所やデイサービス、デイケアなどもケアワーカーが活躍できる職場に含まれます。
ケアワーカーの主な仕事内容は、職場によって異なることが一般的です。たとえば、要介護度の低い人が入所する高齢者施設では、身体介護が主な仕事内容にあたります。訪問介護事業所では、家事援助や精神面のサポートが主な仕事内容です。
ケアワーカーとして働くうえで重宝される資格の代表例は、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)や介護福祉士資格です。資格保有者に対しては資格手当を支給する職場が多く、給与の上乗せ支給を期待できるうえ、管理職へのキャリアアップも狙うことができます。
2-2. ソーシャルワーカー
ソーシャルワーカーとは、心身の障がいによって日常生活に支障がある人・その保護者や家族に対し、総合的なアドバイスを提供する仕事です。ソーシャルワーカー自身が身体介護・生活援助を提供することはなく、日常生活に支障がある人・その保護者や家族と社会資源・医療制度を結びつける役割を担います。
ソーシャルワーカーの職場は、高齢者福祉施設や障がい者福祉施設などが候補です。病院や児童相談所、教育機関などで活躍するソーシャルワーカーも見られます。
ソーシャルワーカーとして働くための必要資格は、職場によって異なることが一般的です。社会福祉士やケアマネジャー資格が求められることもあるため、応募する前にしっかりと確認しておきましょう。
3. 介護・福祉業界の平均給与
介護・福祉職の給与は改善されつつあり、役職者を除く全産業平均値とのギャップが縮まっています。
出典:内閣官房全世代型社会保障検討室「基礎資料」/https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai6/siryou1.pdf
処遇改善加算(I)〜(V)を取得している事業所の職種別・平均月給(2020年度)は、下記の通りです。
介護従事者などの平均月給(手当込み) | ||
---|---|---|
常勤 | 非常勤 | |
介護職員 | 315,850円 | 196,630円 |
生活相談員・支援相談員 | 315,850円 | 196,630円 |
介護支援専門員 | 315,850円 | 196,630円 |
事務職員 | 315,850円 | 196,630円 |
厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02kekka.pdf
厚生労働省の資料では、「給与等を引き上げた」または「1年以内に引き上げる予定」と回答した事業所の合計が、8割を超えたことも示されました。特に、介護老人福祉施設や介護老人保健施設は、給与等の引き上げに前向きな状態です。その他の施設も給与等の引き上げには前向きな状態であり、今後ますます改善されることが期待できます。
厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02kekka.pdf
なお、介護・福祉業界の平均給与は、賞与額や各種手当の金額にも左右されます。待遇面の不安を払拭するために、求人情報の記載内容をしっかりと把握したうえで、納得できる条件の転職先を探しましょう。
4. 介護・福祉業界が向いている人の特徴
介護・福祉職で働きたい場合は、介護・福祉に向いている人の特徴を理解したうえで、自分に合う仕事かどうかをしっかりと見極めましょう。介護・福祉職に向いている人の特徴は下記の通りです。
・責任感が強く、専門性を養うための努力ができる
・人のために行動できる
・きめ細やかな気配りができる
その他、介護・福祉業界に対する興味関心の高さや、コミュニケーションスキルも重要視される要素です。自分自身の適性をしっかりと見極め、介護・福祉業界に就職・転職するかどうか判断しましょう。
まとめ
今回は、介護・福祉業界の転職事情と主な仕事の種類、平均給与などを解説しました。介護・福祉職は人材不足が顕著であるうえに、ますます需要が高まる可能性もあるため、将来性に期待がもてる仕事といえます。
介護・福祉職は、未経験でも働けるチャンスがある仕事です。人のためになる仕事がしたい場合には、最適な仕事といえるでしょう。
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