介護職系の給料・年収について

介護福祉士とは

介護福祉士の年収や月収はいくら?

介護事業者は、国からの介護報酬が主な年収の元です。人件費の割合が多いこともあって、介護福祉士の給料は全体的に高いとは言えません。介護福祉士の給料は働く場所によって違いはあるものの、平均月収は賞与も合わせ月で割ると約29万円、賞与別では約18万円、年収にすると約350万円となっており、会社によりますが、全業種平均より低めの年収です。

しかし、夜勤のある病院や介護施設といった入所系の施設では、夜勤手当がつき在宅サービスで働く人に比べると給料が上がります。また、資格手当がつくことが多く、経験を積み、役職がつくようになると基本給も上がっていくでしょう。さらに、国から介護職員処遇改善加算も給付されており、年ベースの給料は増えてきています。ですが、仕事内容に対して満足できる給料とは言い難い場合も多く、介護職を退職した人の多くが収入の少なさを理由に挙げています。そのため保険外サービスを組み入れた混合介護をしやすくするなど、事業者が利益を上げられるように国が対策を始めています。

以下は、厚生労働省が発表した「平成29年賃金構造基本統計調査」から抜き出した、福祉施設介護員の年齢別、性別の平均給与です(事業所規模10人以上例)。

男性女性
20〜29歳211,300円206,200円
30〜39歳245,100円217,100円
40〜49歳246,700円219,800円
50〜59歳240,400円215,700円

介護福祉士の初任給はどれくらい?

介護福祉士の職場には、入所施設や訪問サービスがあり、それぞれの勤務地によって初任給の設定が異なります。福祉系の学校を卒業し、介護福祉士の資格を取得した学生の多くは、施設への入社を希望する傾向にあり、一般的に施設に正社員として就職した場合の初任給は平均16万7千円。資格手当や夜勤手当が加算されて、実際には20万円程度になる企業が一般的です。施設勤務は、訪問サービスに比べて給料がやや高く、身体的介護を行う機会が多いことから、やりがいを感じやすい場所でもあります。

一方で、訪問サービスの正社員の初任給は、男性で平均25万円、女性では平均して18万7千円です。ただし、男性は年代によって差が大きく、20代と50代後半は20万円を切ります。女性は年代による差はあまり大きくありません。訪問サービスでは、40歳以上の女性が多く活躍しており、特にホームヘルパーの採用の多くは女性です。訪問サービスでは、非常勤が多いのも特徴で、施設職員の多くが正社員であるのに対し、ホームヘルパーは正社員数より非常勤で働く人の方が多くなっています。

介護福祉士の採用では、他業種から転職した人の中途採用が多く、新卒での採用は少ない傾向にあります。実際に入社する人の年齢層も幅広いことから、初任給は年齢によって差が出ることはあまりないでしょう。

介護福祉士は多様な働き方が可能

介護業界における有効求人倍率を見てみると、地域によって差はあるものの、他の職種に比べ、人材が不足していることがわかります。資格を持つ介護福祉士は引く手あまたであり、年齢問わず求人先は多く、自分に合った働き方が可能です。

また、女性が多く活躍する職種であり、事業所によっては託児所を併設したり、子育て支援制度を整えたりするところも増えています。今後ますます結婚や出産を経ても働き続けられるような環境整備が進むことでしょう。正社員だけでなく非常勤の募集も多く、日中フルタイムに限らず、夜勤専門での勤務など、条件も幅広いもの。ライフスタイルに合わせた働き方ができるのも、介護福祉士ならではといえるでしょう。

介護福祉士が昇給する可能性はある?

介護福祉士は、基本的に経験(年数)に応じて基本給が上がります。また、介護主任などの役職につくと、役職手当がもらえるため、さらに給料は増えるでしょう。介護福祉士はもともとの基本給が低い傾向にあったことから、条件を満たした事業者に対しては国からの介護職員処遇改善加算が給付されるようになりました。また2019年10月からは、勤続10年以上の介護福祉士の賃上げが確定しており、国をあげて給料アップに取り組んでいることから、今後さらなる給料の底上げが期待できるでしょう。

介護業界大手の給与動向

では、実際に介護業界大手が公開している介護福祉士の月給例を見てみましょう。

業界最大手のニチイ学館は、全国各地に入居系施設から在宅サービスまで約400件の施設を保有しており、多彩なサービスを提供しています。そのため、施設の種類や地域によって給料や賞与に差があるものの、初任給で約17.5万円から。勤続年数によって手当額がアップします。

ツクイも全国展開している介護事業者の1つです。さまざまな施設を展開していますが、その中でも在宅介護事業所数は599件とトップレベルです(2018年3月現在)。ツクイの場合、給与は施設の種類によって異なり、地域による給料の差はあまりないです。介護職員として勤務する場合、高卒での初任給は約17.5万円、四年制大学卒で約19万円です。

ベネッセHDは関東関西圏を中心に介護事業を展開するグループです。なかでも有料老人ホームの運営数はトップクラスであり、地域差はあるものの、新卒入社で首都圏勤務の場合の初任給は四年生大学卒で約25万円。賞与や手当を含め、新卒2年目の年収は約350万円とやや高めの金額を発表しています。

近年めざましい成長を遂げてきたのがSOMPOケアです。関東地方を中心に、関西地方や中部地方、中国地方にも主に有料老人ホームを展開しています。地域によって給料に差があり、初任給としては月収約21万円から、入社1?2年目の年収平均は約285万円と公表しています。

また、各社とも中途採用重視で経験者採用が多いため、新卒の採用規模は数十人程度となっています。

まとめ

介護福祉士といっても、働き方は人それぞれです。同じ介護福祉士でも夜勤のある施設で働くか、生活のリズムが崩れにくい訪問サービスで働くかによっても、給料に差が出ます。十分とはいえない給料の職場もありますが、毎年確実に給料のベースは上がっているのも事実。介護職の給料アップに向けて、国をあげた積極的な政策も立てられており、混合介護の簡便化や、介護職員処遇改善加算や勤続10年以上の介護福祉士を対象にした賃上げなど、具体的な動きが見られます。