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新人介護職を放置する職場の特徴|就職してしまった場合の対処法も

公開日:2019.07.25 更新日:2023.10.13
新人介護職を放置する職場の特徴|就職してしまった場合の対処法も

退職者の多い介護施設は何が問題なのか、勤め始めて1か月の新人介護職に聞きました。 職場環境の悪さは既存スタッフの離職を招き、新人スタッフも育たず辞めていくケースは珍しくありません。ベテランが退職し新人が育たないと、介護業界全体が人材難に陥ってしまいます。

そこで今回は、介護現場の教育事情や新人介護職を放置する職場を避ける方法、負のスパイラルを断ち切るための解決策をご紹介します。介護職として就職・転職を考えている方は、ぜひ当記事をお役立てください。

1. 新人が育たない!介護現場の教育事情

介護業界にも他の業界と同様、新人を育てるためのカリキュラムが存在します。しかし、人手不足の介護現場では、理想のカリキュラムとは程遠い、人材育成を十分に行えていない職場もゼロではありません。

1-1. 介護職の人材育成の現状

新人の介護職がシフトの頭数として入れられるには、最短でも3か月かかるといわれています。これは、介護業界でのキャリア組みを対象とした期間であり、新卒のヘルパーになると、1年かけてじっくりと育てる企業も少なくありません。

さらに、育成期間中は新人1名に対して教育係が1日1名、というシフトを組むのが一般的 です。教育係は通常業務と新人教育を同時進行しなければならないため、一定以上のスキルが求められます。施設介護に限っては24時間シフトなので、教育係を固定することが難しく、輪番制で割り振るスタイルが主流です。

新人教育の内容は、段階を踏まえたステップアップ方式を採用する企業や現場が多く、初日から身体介護に入ることはありません。 はじめのうちは主に居室の掃除や片付け、入居者との会話、見守りレベルの誘導介助を任されます。そこから、立位の半介助や食事介助などを経て、オムツ交換、入浴介助など、スタッフが手薄になる夜勤へとステップアップします。

ただ、こうした新人教育の一連の流れは、人手が足りてこそ実現できるものです。離職が後を絶たない負のスパイラルに陥っている環境では、せっかくのカリキュラムも絵に描いた餅で終わる、というケースが実際に多くあります。

1-2. 離職者が多い介護施設の新人の声(入社1か月)

先輩スタッフの離職が続く介護施設に入社したAさんは、現状をこう語ります。

私は2ユニット制のグループホームで働いていますが、介助の基本を教えてもらったことがありません。

初日こそユニット長から施設全体のレクリエーションを受けましたが、2日目からオムツ交換の入居者を介助してほしいと言われました。その日に出勤しているスタッフは、私を含めた3名で、入居者は9名(1ユニットあたり)。2人の先輩スタッフは、入浴や調理でバタバタしていました。

私は戸惑いながら居室に入り、学校で習った通りのオムツ替えをしたのですが、学校のようにはいかず、すぐに調理中の先輩スタッフを呼びました。でも、その先輩スタッフからは、問題点を指摘されたり技術面のアドバイスをされたりすることもなく、"所要時間"だけを伝えられたのです。『ここのオムツ交換は5分が目安だから』と。

最近分かったことですが、先輩スタッフたちの在籍期間は全員、半年前後。1か月に1人が辞めるというペースで、常に求人募集しているとのことでした。

現在、オムツ交換が必要な入居者は3名いますが、それぞれ麻痺や損傷部位、健側が違うので、"所要時間"通りにはできません。入浴や食事介助も同じです。食事に関して言えば、車椅子と聞かされていた入居者が杖で大丈夫だったり、歩行介助したりと、スタッフによってバラつきがある食堂への誘導にも困っています。脱衣所に誘導する際の連携不足も不満です。先輩スタッフは入浴の順番を自分で把握しているらしく、これも人によってバラバラ。『だから順番が違うって言ったでしょ』と怒られるのがストレスです。

まだ私より後に入ってきた新人はいませんが、今の状況では何をどう教えていいのか......。その前に私が続くかどうかが不安です。

2. 新人介護職を放置する職場の特徴4つ

人材不足といわれている介護の現場では、新人介護職は貴重な人材です。しかし、さまざまな理由から新人介護職の教育を放置しているケースがあります。

ここでは、新人介護職を放置する職場の特徴を4つ紹介します。

2-1. スタッフが不足している

新人介護職の教育は、ベテラン介護職員が教育担当となり、研修などを通じて仕事内容を教えるのが一般的です。しかし人手不足の介護現場では、新人介護職に指導できる人材の確保が難しく、入社してから数日間は先輩に同行しながら仕事を教えてもらうことはあっても、その後は1人で仕事を任されることがあります。

新人介護職が1人で仕事ができるようになるまでには、十分な時間が必要です。業務量と新人介護職員を指導する人材に余裕がなければ、十分な新人教育ができず、結果として放置につながります。

2-2. 新人を当てにしすぎている

本来であれば、新人介護職には教育・指導のサポートが必要ですが、人手不足から新人介護職を即戦力としてみなす職場もあります。介護経験がある人であれば即戦力として対応できる場合もありますが、経験の浅い新人介護職にとっては難しいでしょう。

新人介護職を当てにしすぎている職場は、新人介護職の大きな負担となります。また十分な研修を受けていない新人介護職が1人で業務を担当すると、介護事故の原因につながる可能性があります。

2-3. 教育体制に問題がある

新人介護職を教育・指導する際は「新人教育マニュアル」を使用することが一般的です。新人教育マニュアルがあれば、指導内容が統一できる上に、新人介護職の指導がどこまで進んでいるのかを確認しながら指導を進められることがメリットです。

一方、新人教育マニュアルがない職場では、指導者がどのように教えてよいのか分からない状況に陥るケースがあります。また、指導者によって教える内容に異なる点があると、新人介護職の混乱にもつながります。

2-4. 連携体制に問題がある

介護現場では、周りの職員と連携を取りながら業務を進めることが大切です。日頃からしっかりとコミュニケーションが取れている職場は、人間関係が良好で連携体制も整っており、働きやすい環境だと言えます。

一方で、連携体制に問題がある職場はうまくコミュニケーションが不足していることが多く、特に入社したばかりの新人介護職は萎縮してしまいかねません。聞きたいことが聞きづらい職場環境は、新人介護職の孤立につながります。

3. 新人介護職が放置される職場に就職した場合の対処法

職場によって、新人介護職の指導方針は異なります。しっかりと指導をしてくれる職場もありますが、新人介護職を放置している職場もあります。「この職場は大丈夫」と思っていても、いざ入社したら十分な教育・指導をしてもらえないというケースも少なくありません。

ここでは、新人介護職が放置される現場に就職した場合の対処法について解説します。

3-1. 同僚や上司に相談する

職場で「自分が放置されている」と感じた場合は、同僚や直属の上司、施設長に相談しましょう。

同僚に相談することで気持ちが軽くなったり、解決策が見つかったりすることもあります。同僚が同じことで悩んでいる場合は、放置問題について相談しやすいでしょう。
また、 上司の中には新人職員を放置しているという感覚がないという方もいます。上司に直接相談することで、新人介護職の指導内容などが改善する可能性があります。

1人で悩みを抱え込まず、周囲の人に相談することが大切です。

3-2. 転職を検討する

現在勤めている職場に不安を感じたら、思い切って転職を検討するのも手段の1つです。 介護業界は需要が高く求人も豊富にあるため、教育体制が整っている且つ自分に合った働き方ができる職場が見つかるでしょう。

我慢して働き続けるよりも状況がよくなることもあるため、転職という選択肢も視野に入れて行動しましょう。

4. 【転職希望者向け】新人介護職を放置する職場を避ける方法

新人介護職が気持ちよく働くためには、環境のよい職場選びが重要です。職場選びの注意点やポイントを押さえることで、環境のよい職場を選んで入社できます。

ここでは、新人介護職を放置する職場を避ける方法について解説します。

4-1. 職場の雰囲気が悪い

雰囲気の悪い職場は、業務量が多かったり職員同士の連携が取れていなかったりする可能性があります。それぞれの職員が自分の仕事で精一杯で、新人介護職の指導にまで手が回らないことも少なくありません。

職場の雰囲気は働きやすさに直結するため、就職前に職場の雰囲気を確認するのがおすすめです。 面接などで職場を訪れる際は、職員同士がコミュニケーションを取れているかなども見ておくとよいでしょう。

4-2. 施設が汚れている

施設が汚れている場合、清掃に手が回っていないことが考えられます。清掃が行き届いていない職場は、その他の業務で手いっぱいになっていることが予想されます。このような職場に就職すると入社後は放置される可能性が高いです。
特にトイレや人目につく場所が汚れている職場は、要注意です。

また、事務所の机の上などが整理整頓されていない場合、施設の管理体制に問題があると考えられます。清掃や整理整頓の意識が低い施設は、入社を避けたほうが無難でしょう。

4-3. 契約内容・待遇に問題がある

契約内容や待遇に問題がある場合、労働環境が悪いだけでなく、職場のマネジメントができていないことが考えられます。そのため、入社前は契約内容をよく確認しましょう。

また、 業務内容や勤務形態、勤務時間、年間休日など、他の施設の求人と比べて問題がないかもチェックすることをおすすめします。 ただし、自分の求める待遇をすべて満たす求人があるとは限りません。優先順位をつけるなど、ポイントを押さえて求人情報や職場情報を確認しましょう。

まとめ

新人介護職が育たない理由として、業界の需要は高いにもかかわらず人手が足らず、人材育成に手が回らない状況にあることが考えられます。新人介護職は基本的に入社してから3か月は先輩のサポートを受ける必要があります。

もし育成を放置する職場に入社してしまった場合は、同僚や上司に相談しましょう。
また、転職を検討するのも1つの方法です。新人介護職を放置する職場を避けるには、職場の人間関係や汚れ、契約内容・待遇をチェックした上で就職することが大事です。

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※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています

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