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ショートステイとは

公開日:2023.07.02 更新日:2023.07.02
ショートステイとは

地域包括ケアシステムにより、国は在宅での医療・介護を推進しています。一方で、在宅介護を続ける中で、介護する家族にレスパイトケアが必要な場合や、外出により一時的に介護を提供できない場合があります。そのような状況でも、短期的に要支援や要介護認定を受けている方が必要なケアを受けられるようにするサービスがショートステイです。

この記事ではショートステイの概要・仕事内容・サービス内容から、福利厚生や身につくスキル・キャリアパスまで徹底解説します。

1. ショートステイとは

ショートステイとは、要支援や要介護認定を受けている方の短期利用を目的とした介護サービスです。在宅介護を行っている世帯において、何らかの事情で自宅での介護ができない場合に利用されます。

ショートステイには、介護保険制度が適用できるショートステイと介護保険適用外のショートステイがあります。

【介護保険適用のショートステイ】

・短期入所生活介護(一般型ショートステイ)
入浴や食事などの日常生活における介護・機能訓練を支援するサービスです。
特別養護老人ホームなどの施設が該当します。

・短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
看護・医学的管理の下、日常生活における介護や機能訓練、医療処置を提供するサービスです。介護老人保健施設などの施設が該当します。

【介護保険適用外のショートステイ】

・有料老人ホームなどが提供している独自の「ショートステイ」サービス
公的ではない独自のサービスで、施設によって利用条件やサービス内容が異なります。施設によっては介護認定を受けていない方も利用可能です。

1-1. ショートステイの利用条件

介護保険が適用できる一般型ショートステイと医療型ショートステイの利用をするためには、以下のいずれかに当てはまる必要があります。

40歳から64歳の方
(第2号被保険者)
老化に起因する疾病にかかっている状態
65歳以上の方
(第1号被保険者)
要支援・要介護認定をされている状態

介護保険制度の対象ではない民間施設のショートステイサービスは、施設により利用条件が異なります。

1-2. ショートステイの主な利用者

一般型ショートステイと医療型ショートステイの利用者さんの要支援度・要介護度別の内訳は以下の通りです。どちらも要支援の方よりも要介護の方の利用割合が高いです。

【一般型ショートステイ】

要支援 要介護
要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
0.8% 2.3% 16.3% 24.2% 26.9% 18.9% 10.7%

(出典:厚生労働省「短期入所生活介護及び短期入所療養介護」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000650020.pdf

【医療型ショートステイ】

要支援 要介護
要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
0.5% 1.7% 14.5% 23.5% 24.5% 20.2% 15.1%

(出典:厚生労働省「短期入所生活介護及び短期入所療養介護」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000650020.pdf

1-3. ショートステイの利用料金

介護保険制度の対象となるショートステイの利用料金は「ショートステイの種類(一般型・医療型)」「要支援度・要介護度」「居室の種類」などによって異なります。より具体的な利用料金については、利用する予定の施設や担当ケアマネジャーに問い合わせましょう。

【一般型ショートステイ(併設型・多床室の場合)】

区分 利用者さんの自己負担額(1日につき)
要支援1 437円
要支援2 543円
要介護1 584円
要介護2 652円
要介護3 722円
要介護4 790円
要介護5 856円

(出典:厚生労働省「どんなサービスがあるの? - 短期入所生活介護(ショートステイ) | 公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」」
/ https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group12.html

【医療型ショートステイ】

区分 利用者さんの自己負担額(1日につき)
従来型個室 ユニット型個室
従来型(i) 在宅強化型(ii) 従来型(i) 在宅強化型(ii)
要支援1 575円 613円 618円 660円
要支援2 716円 753円 775円 817円
要介護1 753円 794円 832円 877円
要介護2 798円 865円 877円 951円
要介護3 859円 927円 939円 1,013円
要介護4 911円 983円 992円 1,069円
要介護5 962円 1,038円 1,043円 1,124円

(出典:厚生労働省「どんなサービスがあるの? - 短期入所療養介護 | 公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」」
/ https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group13.html

また、食費や滞在費、理美容代などその他の日常生活費は別途必要です。くわえて、 連続した利用期間が30日を超える場合、31日以降の費用は全額自己負担になります。

1-4. ショートステイの活用方法

ショートステイは、介護する家族のレスパイトケアや外出、利用者さん本人のリハビリなどの医療ケアのために活用されるケースが多いです。中でも特に多くの方の活用方法として挙げられるのは「介護する家族のレスパイトケア」です。一定期間介護から解放されることで、介護疲れによる精神的負担は和らぎます。

そのほかにも、 出張や冠婚葬祭などで家族が外出してしまう場合に、ショートステイを利用する方もいます。

2. ショートステイの仕事内容

ショートステイでは、利用者さんに短期間入所してもらい、介護(介助)や機能訓練を行います。ショートステイでは、以下のような方が働いています。

【ショートステイの人員配置基準と仕事内容】

職種 人員配置基準 仕事内容
医師 1人以上 ・利用者さんを診察する
・必要な医療処置を看護師とともに行う
・利用者さんの健康管理・指導を行う
生活相談員 利⽤者100人につき1人以上(常勤換算)
※うち1人は常勤(利⽤定員が20人未満の併設事業所を除く)
・利用者さんの窓口になる
・利用者さんの入退所などの手続きを行う
・施設内外の介護関係者との調整を行う
介護職員 利⽤者3⼈につき1⼈以上(常勤換算)
※うち1人は常勤(利⽤定員が20人未満の併設事業所を除く)
・利用者さんの生活介助やレクリエーションを行う
・見守りや巡回を行う
・利用者さんを送迎する
看護師もしくは准看護師 ・利用者さんの健康管理や服薬管理を行う
・医師の指示のもと医療処置を行う
・介護職員とともに介護業務を行う
栄養士 1人以上
※利⽤定員が40人以下の事業所は、一定の場合は、栄養士を置かないことができる
・利用者さんの栄養状態に合わせて献立を考える
・利用者さんに栄養指導をする
機能訓練指導員 1人以上 ・利用者さんの機能訓練計画を作成・実施する
・介護職員とともに介護業務を行う
調理員その他の従業者 実情に応じた適当数 ・食事の調理などの業務を行う

(出典:厚生労働省「短期入所生活介護の報酬・基準について」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000694878.pdf

ショートステイで働く介護職員の主な仕事内容は身体介助・レクリエーション・見守り・食事の配膳・送迎などです。宿泊型サービスのため、日勤だけでなく夜勤もあります。

自立度の高い利用者さんが多い施設で働く場合、夜勤中は食事の配膳や記録の記入、見守り程度で終わることも少なくありません。

2-1. ショートステイの1日の仕事

ショートステイ施設の多くは、2交代制または3交代制の勤務形態をとっています。2交代制の場合は「日勤」「夜勤」、3交代制の場合は「早番」「遅番」「夜勤」に分かれて勤務することが多いです。

ここでは、2交代制の場合の一般的な1日のタイムスケジュールを紹介します。

【タイムスケジュール例(日勤)】

8:30 出勤、スケジュール確認、夜勤者から引継ぎを受ける
9:00 入浴介助
10:00 利用者さん送迎
12:00 昼食、食事介助
12:30 交代でスタッフ休憩、休憩に入らないスタッフは利用者さんの見守り、コール対応
13:00 利用者さんの送迎
13:30 レクリエーションや野外活動
15:00 おやつ、食事介助
15:30 記録記入などの事務処理、退所者の帰宅準備
16:00 夜勤者への申し送りと引継ぎ、利用者さんの送迎
17:00 夕食の準備
17:30 業務終了

【タイムスケジュール例(夜勤)】

16:00 出勤、スケジュール確認、日勤者から引継ぎを受ける
17:00 排泄介助、夕食の準備
18:00 夕食、食事・服薬介助
19:30 就寝準備(トイレ・歯磨きの介助など)
21:00 消灯、巡回、寝返りや排泄の介助
23:00 記録記入などの事務処理、翌日の準備
2:00 交代でスタッフ休憩
5:00 巡回、寝返りや排泄の介助
6:00 起床の介助、トイレや着替えの介助
7:00 朝食の準備、利用者さんの健康チェック
8:00 朝食、食事介助
8:40 日勤者への申し送りと引継ぎ
9:00 業務終了

送迎、食事の介助などを中心に1日の業務が進んでいきます。医療型ショートステイの場合は、上記に加えて診察やリハビリの時間があります。

介護職における夜勤の仕事内容・1日の流れ|夜勤専従の働き方

3. ショートステイの福利厚生

ショートステイの施設は法人格を持つところであれば、どこでも設立・運営が可能です。そのため社会福祉法人や医療法人、一般企業などさまざまな法人が運営するショートステイを見つけることができるでしょう。

国からの補助が多い社会福祉法人でも福利厚生が乏しいところがある一方、補助金の面で不利なことが多い一般企業においても手厚い福利厚生を用意していることもあります。

3-1. ショートステイで働く場合の給料

正社員(正職員)としてショートステイで働く場合の給料例を以下に紹介します。

・給料例(1)

月収 約21万円~24万円
年収 250万円~284万円程度
諸手当 通勤手当(上限20,000円)
その他 退職金あり

・給料例(2)

月収 約26万円~
年収 約319万円~
諸手当 通勤手当、残業手当、夜勤手当
その他 退職金あり

・給料例(3)

月収 約25万円~
年収 約350万円~
諸手当 通勤手当、住宅手当、資格手当、夜勤手当
その他 財形貯蓄・退職金あり

・給料例(4)

月収 約21万円~
年収 約360万円~
諸手当 通勤手当、家族手当、資格手当、夜勤手当
その他 退職金あり

※月収は小数点以下を四捨五入して掲載しています

通勤手当のほか、施設によっては資格手当や夜勤手当などの手当が補助される施設もあります。また、経験や資格不問の求人も数多く存在するため、未経験でもショートステイで働くことは十分に可能です。

なお、記載されている給与は初任給であり、経験年数や資格の取得状況次第でさらに伸びる可能性があります。

4. ショートステイのスキル・キャリアパス

ショートステイでは、短期間の入所となる人が多いため、一時的な関わりになりがちです。長期利用の施設と比べ「普段の関わりの中で、ゆっくり情報を集めていく」ということができません。短期間のうちに出会った高齢者の状況を知り、対応するためのスキルとして、情報収集能力が鍛えられていくことでしょう。

また、ショートステイの利用者は直前まで自宅で過ごしていた方が多いため、帰宅要求をされる方もいます。ときには力づくで家に帰ろうとする利用者もいることでしょう。しかし、そのような機会が多いからこそ、帰宅要求に対する上手な接し方を学ぶことができます。

5. ショートステイで働くことの良さや向いている方

ショートステイの職員は、以下のような方におすすめです。

体力的な負担が軽い職場を探している方
ショートステイで同時対応する利用者さんの数は、多くても30名程度、少ないところでは10名以下の施設もあります。また、ショートステイの利用者さんは在宅で生活できる人が多いため、介助量が少ないケースも珍しくありません。

「同時対応をする利用者さんが少ない」「介助量が少ない」といった理由から、ショートステイでの勤務は体力的な負担がかかりにくい環境と言えるでしょう。

多くの利用者さんと関わりたい方
ショートステイは短期間で利用者さんが入れ替わっていくため、ほかの介護施設よりも多くの利用者さんと関われます。また、関わる利用者さんの介助レベルが要支援〜要介護と幅広いのも特徴です。

毎日新しい利用者さんやその家族と接していくことになり、自然とコミュニケーション能力が養われていきます。

臨機応変な対応力を身に着けたい方
利用者さんの入れ替わりが多いため、施設内の状況の移り変わりが早いです。常に最新の施設利用者さんの情報を仕入れた上で、短期間で利用者さんと信頼関係を築いていかなければなりません。

「素早い状況把握力」「数多くの利用者さんそれぞれの状況に合わせて対応を変える力」など、スピード感を持って臨機応変に対応する力を身に着けられます。

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まとめ

ショートステイとは、要支援や要介護認定を受けている方が、自宅での介護ができないときに短期間利用するためのサービスです。介護する家族のレスパイトケアが必要な場合や、利用者さん本人のリハビリなどの医療ケアが必要な場合に利用されるケースが多いです。

ショートステイでは、介護職員は介助やレクリエーション、食事の配膳、見守りなどのサービスを提供します。体力的な負担が軽い職場を探している方や多くの利用者さんと関わりたい方、臨機応変な対応力を身に着けたい方に向いている職場です。

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※当記事は2023年6月時点の情報をもとに作成しています

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