介護助手の仕事はきつい?仕事内容や働く魅力を解説
介護施設や訪問介護の現場で活躍する職種に、介護助手があります。直接的な介護は行わないものの、利用者さんの見守りや生活援助のためのさまざまなサポートを行う介護助手は、大変な仕事だと言われることもあります。
当記事では、介護助手の仕事が本当にきついのか、仕事内容ややりがいを合わせて解説します。介護助手の仕事に興味がある方は、実際に働き始めたときにギャップを感じないよう、仕事内容についてあらかじめ把握しておきましょう。
目次
1. 介護助手とは?
介護助手とは、介護施設などにおいて、介護職員をサポートする仕事です。施設によっては「介護補助」や「介護サポーター」と呼ばれることもあります。
(出典:福岡県保健医療介護部高齢者地域包括ケア推進課介護人材確保対策室「介護助手の手引き」
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https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/61064.pdf)
介護福祉士などの介護職員は、利用者さんに対して専門性が高い介護サービスを提供するのが仕事です。介護助手は、介護職員が本来の仕事に専念できるように周辺業務を担います。
高齢化が進む今の日本において、介護業界の人手不足は深刻な問題です。そこで、介護人材を確保するため、また高齢者の雇用創出の目的で、比較的単純な作業を担当する介護助手の導入が進められています。
ここでは、介護助手の具体的な仕事内容について解説します。
1-1. 介護助手の仕事内容
介護を行う職員の手助けをすることが、介護助手の主な仕事内容です。例えば、介護職員が利用者さんの食事の介助・見守りをしているときには、介護助手は配茶・配膳やおしぼり配りなどを行います。利用者さんの入浴の際には、入浴・着替えの準備などを行うのも介護助手の役割です。
食事や入浴といった場面だけではなく、部屋の掃除やベッドメイキング、環境整備、備品の補充・交換、利用者さんの送迎など、介護助手の仕事は多岐にわたります。介護に付随する業務や周辺業務はすべて1人で実施するわけではなく、できる仕事を複数の職員で分担するのが一般的です。
(出典:福岡県保健医療介護部高齢者地域包括ケア推進課介護人材確保対策室「介護助手の手引き」
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https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/61064.pdf)
1-2. 介護助手と介護士の違い
介護助手と介護士との主な違いは、利用者さんに直接的な身体介護が行えるかどうかにあります。身体介護とは、利用者さんの入浴・排泄・食事・移動など、利用者さんの体に触れて行う介護業務のことです。利用者さんを身体的に介護することはもちろん、尊厳を重視し、残された生活能力が最後まで生かされるよう自立支援することが求められます。
一方、介護助手の仕事は生活援助などがメインです。加えて、利用者さんへの声かけや話し相手、レクリエーションの手伝い、利用者さんの見守りなども行います。介護の現場を陰ながら支えるのが介護助手の大切な役割と言えるでしょう。
(出典:WAM NET「介護職員」
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https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguidejobtype/jobguide_job04.html)
また、介護助手は直接的な介護業務を行えない分、介護士に比べて給料が低い傾向があります。キャリアアップを目指したい場合、介護職員初任者研修などの専門的な資格を取得し、介護士として働くことも視野に入れるとよいでしょう。
2. 介護助手の仕事がきついのはなぜ?
介護助手の仕事はきついと感じるケースがあり、転職や退職を選ぶ方も少なくありません。介護助手の仕事がきついと感じる理由として、特に多いのは以下の2つです。
・現場が人手不足の傾向にあるため
・人間関係が大変なため
それぞれの理由について詳しく解説します。
2-1. 現場が人手不足の傾向にあるため
介護業界そのものに人材不足の傾向があり、高齢者の増加に伴って、人材不足はより深刻化しています。厚生労働省老健局が2019年に行った調査によると、介護業界で人手不足だと感じている事業所の割合は全体の66.6%でした。対して、人材の数が適当であると感じている事業所は33%と少ない傾向があります。
人手不足の理由としては、新規採用が困難なことや、職員の離職率が高いことが挙げられます。同業他社も同じく人手不足で人材を欲している上、労働条件がよい他産業に人材が流れやすいことが、採用が難しい理由と言えるでしょう。
(出典:厚生労働省老健局「介護人材の確保・介護現場の革新(参考資料)」
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https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000531297.pdf)
現場が常に人手不足だと、職員1人あたりの仕事の負担が重くなります。職場によっては人材不足が忙しさの大きな原因となり、仕事が大変に感じることがあります。勤務先の事業者が人材確保に意欲的ではない場合、労働環境が改善する可能性は低いため、転職を視野に入れることも手段の1つです。人材確保に積極的な職場に転職すれば、過剰な忙しさから解放され、精神的にも余裕をもって働ける可能性があります。
2-2. 人間関係が大変なため
介護職が離職する理由として特に多いのが、人間関係の問題です。介護職は介護に関する価値観の違いから、職員同士で意見が衝突することがあります。人手不足が深刻な職場では、職員一人ひとりがピリピリしてしまい、スタッフ間で軋轢が生じるケースも少なくありません。
また、介護職は職員だけではなく利用者さんとの関係性にも注意が必要です。介護職は仕事を通して利用者さんに感謝される機会も多いものの、理不尽な対応をされる機会もゼロではありません。相手が認知症や精神的な問題を抱えた利用者さんであれば、なおさらコミュニケーションに問題が生じる可能性が高くなります。
人間関係を改善するためには、対話を重ねることと、相手の立場に立って考えることが大切です。どうしても関係を修復できない場合は、シフトを調整するなどして相性が悪い職員同士を物理的に遠ざけるという手もあります。
3. 介護助手の魅力
介護助手はさまざまな大変さもあるものの、やりがいも多い仕事です。特に、未経験で介護の仕事に興味がある方にとっては非常に魅力が大きい仕事と言えます。介護助手の仕事の主な魅力を3つ紹介するので、仕事選びの参考にしてください。
3-1. 未経験・無資格で始められる
介護助手は未経験・無資格で始められる点が魅力の1つです。介護職員などの資格を必要とする仕事に就く場合、まず資格取得に向けて一定期間勉強する必要があり、働き始めるまでに時間と労力がかかります。一方、介護助手であれば事前の勉強期間は必要なく、すぐに働ける点が大きなメリットです。
介護業界は人手不足を解消するために未経験者を歓迎している場合が多く、未経験・無資格でも採用される可能性は高いと言えます。介護経験が全くない方は、最初は軽作業から始め、徐々に介護職員のサポート業務をしながら実務経験を積んでいくことになるでしょう。
介護助手の仕事は、介護の仕事がどういうものかを知りたい方や、自分が介護の仕事を続けられるかを見極めたい方にもおすすめの仕事です。介護助手として現場で働いた上で、介護系資格の勉強をしてステップアップを目指すこともできます。
3-2. 自由度が高い
介護助手はパートやアルバイト、派遣などが多い傾向があります。時間給の労働形態になるため、短時間勤務など、ワークライフバランスを重視した働き方が可能な点が魅力です。例えば、小さなお子さんがいる方や、持病などによって長時間勤務に不安がある方、学生の方、ダブルワークをしたい方にとっても働きやすい職種と言えます。
介護助手はパート・アルバイトの割合が大きいものの、正社員の求人もあるため、フルタイムで働きながら介護スキルを身に着けることも可能です。また、求人票で「短時間勤務OK」「バイク通勤OK」などの情報を明記している介護施設も多くあります。求人内容をよくチェックし、自分の働きたい形に合った職場や働き方を選ぶとよいでしょう。
3-3. 年齢を気にせず働ける
介護助手は、介護関係に興味がある方なら年代を問わず働ける点が魅力の1つです。20~30代の若手はもちろん、60~70代のシニア世代で介護助手の仕事に従事している方も少なくありません。介護助手は介護職員とは違い、身体介護などの重労働が少ないため、シニア世代でも就業することが可能です。
人手不足が深刻な問題となっている介護業界では、仕事を遂行する能力さえあれば、年齢を問わず採用している職場も多くあります。正社員の場合は定年退職がありますが、非正規雇用であれば定年がないため、年齢を気にせず働くことが可能です。
まとめ
介護助手は、介護職員のサポートとして間接的な介護業務を行う仕事です。職場によっては人員が少なく、忙しいこともありますが、未経験・無資格で始められる介護の仕事であり、介護者の生活の手助けができるやりがいのある仕事です。
マイナビ介護職では、介護助手の非公開求人も多く取り扱っています。キャリアアドバイザーによるキャリア相談も利用可能なので、介護の仕事に興味がある方はぜひお気軽にご相談ください。
※当記事は2024年3月時点の情報をもとに作成しています
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