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社会福祉士の年収はどれくらい?他職種との違いや給料アップの方法も

公開日:2024.09.25 更新日:2024.09.25
社会福祉士の年収はどれくらい?他職種との違いや給料アップの方法も

社会福祉士とは、福祉分野における国家資格の1つで、日常生活に困難を抱える方々を支援する専門職です。社会福祉士として働く際の収入は、勤務先や経験年数によって異なりますが、年間賞与や特別手当を含んだ年収は約426万円と言われています。

当記事では、社会福祉士の月収や年収、初任給、年齢別・勤務年数別の年収データ、他の介護職種との比較、昇給の可能性、年収を上げるポイントについて詳しく解説します。社会福祉士の年収を知りたい方や、社会福祉士としてキャリア形成を考えている方はぜひご覧ください。

1. 社会福祉士とは

社会福祉士とは、社会福祉に関する国家資格の1種です。 ソーシャルワーカーとも呼ばれ、福祉系領域における専門性の高さを示す資格として知られています。

福祉専門職である社会福祉士の主な仕事は、日常生活に困難を抱えている方が、より良い生活が送れるようにサポートすることです。心身や経済面などにおいて、生活上の困難を抱える方の相談に対応し、適切な福祉制度・サービスへとつなげる役割を担います。

社会福祉士は、高齢者や障害者、ひとり親世帯といった幅広い方々を対象に支援を行います。福祉施設だけではなく、医療施設・教育施設など、さまざまなフィールドで活躍できるのも特徴です。福祉関連の専門性を高めて国家試験に合格することで、利用者さんからの信頼を獲得できたり、安心感を持ってもらえたりする効果が期待できます。

2. 社会福祉士の月収や年収はいくら?

「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、社会福祉士を含む「その他の社会福祉専門職業従事者」の月収は約27万7千円、年間賞与や特別手当を含んだ年収は約426万円となります。

(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
/ https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040163745

同じ国家資格の介護福祉士に比べると、やや高いと言えるでしょう。

社会福祉士は、高齢者福祉の分野だけでなく、障害者施設や児童分野など、福祉に関わる現場で幅広く活躍しています。社会福祉協議会や福祉事務所などの公務員としての採用もあり、安定した給料を得ることもできます。ほとんどの職場で資格手当がつきます。

3. 社会福祉士の初任給はどれくらい?

社会福祉士の初任給は、職場や地域による差は大きくありません。介護業界大手の求人例を見てみると、ツクイの場合、大卒の初任給は21万~22万円、専門・短大卒で20万~21万円となっています。

また、セコムの場合は初任給が18万5千~26万5千円です(2024年7月現在、該当企業の新卒採用サイト参照)。社会福祉士の資格がなくても相談員の仕事はできるため、社会福祉士1年目でもそれまで相談員の仕事を行っている場合には、これまでの給料に資格手当がつく場合がほとんどです。

社会福祉士が公務員として働く場合は、福祉職俸給表による給料が支給されます。福祉職俸給表の最低額は約15万3千円と決して高くはありません。ただし、社会福祉士は大卒者がほとんどですので、実際の給料はもう少し高くなるでしょう。

4. 社会福祉士の年齢別の年収

厚生労働省が実施・発表した「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、社会福祉士を含む「その他の社会福祉専門職業従事者」のおおよその年齢別年収は以下の通りです。

年齢 年収
20~24歳 約318万円
25~29歳 約346万円
30~34歳 約385万円
35~39歳 約424万円
40~44歳 約454万円
45~49歳 約480万円
50~54歳 約451万円
55~59歳 約454万円

(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
/ https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040163745

年齢別に見る社会福祉士のおおよその年収は、20代から40代までは多くの職業と同じように、年齢に応じて上昇する傾向があります。年齢は、社会福祉士の年収を左右する要因の1つと言えるでしょう。50代で減少に転じている理由としては、定期昇給がなくなる、役職から離れるなどが考えられます。

5. 社会福祉士とその他の介護職との年収比較

以下は、社会福祉士を含む「その他の社会福祉専門職業従事者」と他の介護職との年収を比較した表です。社会福祉士は約426万円に対して、ケアマネジャーが約422万円、訪問介護従事者が約390万円と続いています。

職種 年収
社会福祉士 約426万円
介護支援専門員
(ケアマネジャー)
約422万円
訪問介護従事者 約390万円

(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
/ https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040163745

いずれも介護福祉の現場で働く職種ですが、社会福祉士は他の職種と比べて年収が高い傾向が見られます。専門性や資格取得の難易度が高い社会福祉士は、他の介護職員よりも、給与がやや高めに設定されている場合が多いためです。同じく国家資格である介護福祉士と比べても、社会福祉士の年収はやや高いと言えるでしょう。

6. 社会福祉士の勤務施設別の年収

社会福祉士の平均年収は、他の介護職種よりも高く設定されているケースが多いものの、具体的な年収額は就職先の施設によって異なります。社会福祉士の勤務施設別平均年収は、以下の通りです。

勤務施設名 平均年収
(平均月収×12か月分)
介護老人福祉施設 約475万円
介護老人保健施設 約413万円
訪問介護事業所 約390万円
通所介護事業所 約381万円
通所リハビリテーション事業所 約398万円
特定施設入居者生活介護事業所 約417万円
小規模多機能型居宅介護事業所 約400万円
認知症対応型共同生活介護事業所 約384万円

(出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」
/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/dl/r04kekka.pdf

介護老人福祉施設や介護老人保健施設、特定施設入居者生活介護事業所において、特に平均年収が高いのが分かります。また、社会福祉士は福祉業界に限らず、医療・教育・司法関係などのさまざまな現場で活躍できるのが特徴です。どのような領域分野で働くかによっても、平均年収が異なります。

7. 社会福祉士の勤務年数別の年収

以下は、社会福祉士を含む「その他の社会福祉専門職業従事者」の勤続年数別年収を男性・女性・男女計に分けて示した表です。

男性 女性 男女計
1~4年 約356万円 約342万円 約348万円
5~9年 約417万円 約370万円 約390万円
10~14年 約436万円 約397万円 約412万円
15年以上 約530万円 約456万円 約494万円

(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
/ https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040163754

※データの関係上、数値は「所定内給与額(残業代や夜勤手当などを含まない給与額)」を利用して算出

男性・女性ともに、勤続年数を重ねるほど年収が高い傾向が見られます。勤続年数も年齢と同様に、社会福祉士の年収を左右する大きな要因の1つと言えるでしょう。

社会福祉士としての勤続年数とともに経験を積むと、管理職や責任が重い仕事に就くケースも少なくありません。ポジションに応じて、昇給や各種手当の加算が期待できるため、年収が上昇すると考えられます。

8. 社会福祉士が昇給する可能性はどれくらい?

公務員の社会福祉士の場合は、毎年昇給するため在籍期間が長くなるほど給料は高くなっていきます。転職しない限りは、長く安定した収入を得ることができるでしょう。

また、民間の介護施設や病院なども、経験を重ねることで少しずつ昇給します。病院では社会福祉士の資格取得者を相談員として採用することが多い傾向にあります。しかし、介護施設や障害者施設などでは社会福祉士の資格を持っていなくても相談員に採用しているケースもあり、介護職からのキャリアアップと位置づけられていることもあります。職場によっては他の福祉関連資格も取得して資格手当をもらい、昇給する可能性も考えられるでしょう。

9. 社会福祉士の年収を上げるポイント

社会福祉士として働きながら年収をアップさせるためには、さまざまな方法があります。具体的なポイントとして次の5つを解説するので、社会福祉士を目指す方や転職を検討している方はぜひ参考にしてください。

9-1. 資格手当を申請する

収入アップが期待できる方法の1つとして、資格手当の申請が挙げられます。日常生活の支援が必要な方に対する相談業務は、社会福祉士の資格を持たない福祉職員でも担当可能です。しかし、社会福祉士資格を取得することでより専門的な業務を担えます。

勤務先によっては、専門知識を活用して幅広い業務に携われる社会福祉士に対して、1万円程度の資格手当が支給されるケースも見られます。職場で資格手当が受け取れる場合は、受給漏れを防ぐためにも忘れずに申請しましょう。

9-2. 役職を目指す

職場で昇進したり役職についたりするのも、年収を上げるために有効な方法です。中には資格取得が昇進の条件の1つになっている職場もあり、社会福祉士の資格を取得することで昇給に近づける可能性があります。

また、主任や施設長などの役職に就くと役職手当の加算が期待できるため、大幅な収入アップが見込めるでしょう。例えば、資格取得後に生活相談員として現場で10年以上の十分な経験年数を積むことで、施設長に就任できる可能性があります。

9-3. 高収入が目指せる勤務先を選ぶ

転職を通じて、現在よりも高収入が見込める勤務先を選ぶのも1つの方法です。高い専門性を有する社会福祉士の需要は増しており、介護施設や医療施設、学校をはじめ多様な現場で活躍できます。新しい職場探しに困る可能性が低いため、転職にも踏み出しやすいでしょう。

ただし、高収入が目指せる勤務先では、給与額に応じた高い専門スキルが求められる場合も少なくありません。長期的な収入の見込みや待遇にも注目しながら、自分に合った職場を選択するのが大切です。

9-4. 副業をする

本業に加えて副業に挑戦することで、年収アップを実現する方法もあります。具体的な副業例としては、成年後見人や研修講師などが挙げられます。 成年後見人は、認知症や精神障害といった要因により判断能力が著しく低下した方に代わって、必要な手続き・財産管理を行う存在です。

また、社会福祉士の中には、日本社会福祉士会で行われる研修で講師を務めて報酬を得ている方もいます。クラウドワークスをはじめとするプラットフォームを通じて、資格を活用した記事作成・監修などを受注するのも1つの方法です。ただし、副業に挑戦する際には本業の勤務先で定められたルールを守る必要があります。特に、公務員として働く場合は副業に厳しい制限が設けられているため注意しましょう。

9-5. 勤続年数を重ねる

社会福祉士は多くの職業と同じように、長く働き続けることで年収が上昇する傾向があります。同じ職場で長期間経験を積むことで、昇進や役職就任を目指せるため、仕事内容・ポジションに応じて年収もアップする可能性が高いでしょう。

勤務年数を重ねる中で、認定社会福祉士などの上位資格や他の福祉系資格を追加で取得し、キャリアアップを目指す方も珍しくありません。ケアマネジャー・精神保健福祉士といった資格と社会福祉士資格を組み合わせ、より専門的で幅広い業務を担うことで、年収アップにつながる場合があります。

10. 独立型社会福祉士という働き方もできる

社会福祉士の働き方は、会社に所属するだけではありません。実は、社会福祉士は独立して事務所を構えることができる資格です。日本社会福祉士会でも養成研修を行うなど、独立型の社会福祉士を後押ししています。とはいえ、独立型社会福祉士として開業し活躍している人の数は少なく、正確なデータはまだ存在していないのが現状です。

独立した場合の主な業務は、成年後見人制度における支援と相談になります。成年後見人制度を活用する人は年々増えてきているものの、身内でも後見人になりたくないという方もいるため、後見人の数は足りていません。

今後、成年後見人制度を利用する人はますます増えることが予想できることから、独立型社会福祉士も増加していくことでしょう。独立型の報酬は、初回の相談料は無料、2回目から料金が発生するケースが多く、収入は年間の相談件数や1件当たりの料金設定によって左右されます。

まとめ

社会福祉士の年収は、資格取得の難易度に見合った報酬が期待できるものの、勤務先や経験年数によって異なります。昇給や年収アップのためには、資格手当の申請や役職の取得、高収入が見込める勤務先の選択、副業の活用など、さまざまな方法があります。独立型社会福祉士として活動することも、将来的には有望な選択肢となるでしょう。

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※当記事は2024年7月時点の情報をもとに作成しています

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