サービス提供責任者は兼務できる?兼務可能な仕事の範囲を解説

公開日:2026.02.23 更新日:2026.02.23
サービス提供責任者は兼務できる?兼務可能な仕事の範囲を解説

訪問介護事業所におけるサービス提供責任者は、介護サービスの質と連携体制を支える中核的な存在です。近年では人員不足や業務の効率化を目的として、サービス提供責任者が他職種と兼務するケースも検討されるようになっています。しかし、制度上すべての職種と自由に兼務できるわけではなく、明確に定められた基準と条件があります。

この記事では、サービス提供責任者が兼務できる仕事と兼務できない仕事、また兼務による負担や業務範囲の広がりなどを解説します。適切な人員配置や働き方を見直す際の参考としてぜひご活用ください。

1. 訪問介護事業所のサービス提供責任者は兼務可能?

訪問介護事業所におけるサービス提供責任者は、原則として専任が求められていますが、一定の条件下で他業務との兼務が認められる場合があります。

厚生労働省令「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」第五条第四項には、「専ら指定訪問介護に従事するもの」との原則がある一方で、「利用者に対する指定訪問介護の提供に支障がない場合」に限り、同一敷地内の定期巡回・随時対応型や夜間対応型の訪問介護事業所との兼務が認められています。つまり、兼務は例外的に認められるものであり、業務に支障が出ないことが前提条件となります。

第二節 人員に関する基準
第五条
(中略)

4 第二項のサービス提供責任者は介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者であって、専ら指定訪問介護に従事するものをもって充てなければならない。ただし、利用者に対する指定訪問介護の提供に支障がない場合は、同一敷地内にある指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十八年厚生労働省令第三十四号。以下「指定地域密着型サービス基準」という。)第三条の四第一項に規定する指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所をいう。以下同じ。)又は指定夜間対応型訪問介護事業所(指定地域密着型サービス基準第六条第一項に規定する指定夜間対応型訪問介護事業所をいう。)に従事することができる。

(出典:e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
/ https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411M50000100037

以下からは、サービス提供責任者が兼務できる役職について解説します。

1-1. 管理者

訪問介護事業所において、管理者とサービス提供責任者は兼務可能な職種とされています。管理者は、事業所全体の運営管理を担い、職員の人事・労務管理やサービス品質の向上、収支管理などを行います。一方でサービス提供責任者は、訪問介護計画書の作成や訪問介護員への指示など、サービス提供の中核を担う役割です。

両者の業務には共通点も多く、兼務することで計画作成から人員調整まで一貫して対応できるため、業務効率の向上が期待できます。ただし、いずれも責任の重い役職であり、事業所の規模によっては業務負担が大きくなることもあるため、兼務する際は十分な体制の確保が求められます。

1-2. ヘルパー(訪問介護員)

訪問介護事業所では、訪問介護員(ホームヘルパー)とサービス提供責任者の兼務が可能です。訪問介護員は、利用者さんの宅を訪問して身体介護や生活援助、通院介助などを行います。

サービス提供責任者が兼務することで、自ら作成した訪問介護計画書に沿ってサービス提供ができ、利用者さんの状態変化をすぐに把握できます。柔軟な対応や速やかな計画変更にもつながり、現場とサ責の連携が取りやすくなるでしょう。ただし、業務量がきわめて多くなりやすいため、個人に負担が集中しないような工夫が必要です。

1-3. 夜間対応型訪問介護

夜間対応型訪問介護では、夜間(22時~6時)において、定期的な訪問や利用者さんからの通報に応じた随時の訪問が実施されます。日中と異なり常時の業務対応が求められないため、サービス提供責任者が夜間対応型訪問介護を兼務することが認められています。

サービス提供責任者が所属する訪問介護事業所と夜間対応型訪問介護の事業所が同一法人による運営で、かつ同一敷地内に設置されていることが兼務の条件です。条件を満たすことで、利用者さんの生活を切れ目なく支援する体制を作れます。

1-4. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間体制で訪問介護・訪問看護を一体的または連携して提供するサービスです。定期的な訪問に加え、緊急の通報などに応じて随時対応を行うため、柔軟な支援が可能です。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護も、常に従事する必要がない業務です。そのため、サービス提供責任者が所属する訪問介護事業所と同一法人が運営しており、かつ同一敷地内にある場合に限り、兼務が認められます。

2. サービス提供責任者が兼務できない仕事

サービス提供責任者は多くの業務を担う立場ですが、すべての仕事を兼務できるわけではありません。法律や制度上、兼務が禁止されている職種もあるため、業務設計の際には注意が必要です。

以下では、サービス提供責任者が兼務できない代表的な仕事について解説します。

2-1. 専従条件を満たせない事業所の業務全般

サービス提供責任者は、訪問介護事業所において原則「専従」で配置しなければならない職種です。したがって、他の事業所の業務と兼務することはできません。特に有料老人ホームの業務とは明確に区別されます。

たとえば、有料老人ホームに併設された訪問介護事業所であっても、サービス提供責任者が同施設内の介護職員や施設長、生活相談員、看護職員などを兼ねることは認められていません。訪問介護事業に集中し質の高いサービス提供体制を維持するためにも、施設間の職務を混同せず、専従配置のルールを厳守することが求められます。

2-2. 【常勤の場合】訪問型サービスAのサービス提供責任者

訪問介護事業所に常勤で勤務し、サービス提供責任者として従事している職員は、「訪問型サービスA」のサービス提供責任者を兼務することはできません。訪問型サービスAの運営基準では、兼務できるのは非常勤職員に限られており、常勤者には専従性が求められるためです。

一方で、訪問介護のサービス提供責任者が非常勤であり、かつ常勤の勤務時間の1/2以上の時間を勤務している場合は、条件を満たせば訪問型サービスAのサービス提供責任者を兼務できます。制度上の要件は細かく定められているため、兼務の可否は勤務形態と時間数をもとに判断する必要があります。

3. サービス提供責任者の兼務は大変?

職場環境や人員体制によって異なりますが、サービス提供責任者が他業務と兼務する場合、負担が増加しやすい傾向があります。厚生労働省の「訪問介護におけるサービス提供責任者のあり方に関する調査研究事業」では、常勤ヘルパーの不足などにより、サービス提供責任者がヘルパー業務や事務作業に追われ、本来担うべき業務が圧迫されている状況が指摘されています。

(出典:厚生労働省「訪問介護におけるサービス提供責任者のあり方に関する調査研究事業」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000140263.pdf#page=152

利用者さんやヘルパーとの連絡調整、訪問スケジュールの管理、サービス提供計画の作成など、業務範囲は多岐にわたります。さらに現場業務が加わると、心身の負担が大きくなる可能性があります。

ただし、すべてがマイナスに働くわけではなく、多様な業務に関わることで経験値が増し、スキルアップやキャリアアップにつながる側面もあります。事業所によっては、基本給の増額や資格手当を設け、役割に応じた評価体制を整えているケースもあるので、兼務が必ずしもマイナス要素とは言えません。

4. サービス提供責任者の仕事内容

サービス提供責任者の具体的な業務内容は以下の通りです。

訪問介護計画の作成 利用者さんのニーズや状況に応じて個別の訪問介護計画を立案
利用申込みの調整 利用者さんや家族、ケアマネジャーとの連絡・日程調整など
利用者の状態把握 身体・生活状況やサービスに対する希望の定期的な確認
利用者情報の提供 ケアマネジャー等へ服薬状況や口腔機能などの情報提供
居宅介護支援事業者との連携 サービス担当者会議への出席など、連携・協働体制の構築
ヘルパーへの指示 各利用者さんへの具体的な援助方法を明示・指示する
業務状況の把握 訪問介護員の活動状況をモニタリングし、状況を把握
業務管理 ヘルパーの勤務調整やシフト管理、業務調整など
研修・技術指導 ヘルパーの質向上を目的とした研修・指導の実施

(出典:厚生労働省「訪問介護におけるサービス提供責任者の配置等について」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001123917.pdf#page=6

上記の業務は利用者さん一人ひとりに対するケアの質を左右するため、専門性と責任感が求められます。特にヘルパーへの的確な指導や、ケアマネジャーとの連携が重要です。

まとめ

サービス提供責任者は訪問介護計画の作成やヘルパー指導、ケアマネとの連携など多岐にわたる業務を担います。一定条件下で兼務も可能ですが、業務量が多く負担が大きくなるため、体制整備と適切な評価が重要です。

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