50代未経験でもケアマネジャーを目指せる?資格取得から転職成功までのガイド

公開日:2026.02.26 更新日:2026.03.16
50代未経験でもケアマネジャーを目指せる?資格取得から転職成功までのガイド

【文/織田さとる(ケアマネジャー、介護福祉士、社会福祉士、公認心理師)】

ケアマネジャーとは、介護を必要とする方に寄り添い、最適なサービスを受けられるようケアプランを作成・支援する専門職です。ケアマネジャーは、年齢に関係なく活躍できる職種ですが、「50代から未経験でケアマネジャーを目指す」と聞くと、多くの方が「さすがに難しいのでは?」「50代でも資格は取れるの?」といった不安を感じるのではないでしょうか。

しかし、順を追って実績を積んでいけば、50代未経験からの挑戦は十分に可能です。実際に、豊かな人生経験を背景に、未経験からキャリアをスタートした方も多くいます。

本記事では、50代から未経験で資格を取得するための具体的なルートや、転職成功のポイントを詳しく解説します。ぜひ、次の一歩を踏み出すための参考にしてください。

1. ケアマネジャーは50代未経験でも目指せるのか?

ケアマネジャーは専門性の高い職種ですが、50代の未経験者を採用する事業所も少なくありません。

ここでは、50代からの挑戦がなぜ可能なのかについて、詳しく解説します。

1-1. ケアマネジャーの高い求人倍率

現在、日本では高齢化が急速に進み、介護サービスの需要は年々増え続けています。また、医療ニーズの高い方や認知症の症状のある方、一人暮らしの方が増加したことで、利用者1人ひとりの課題が複雑化しています。そのため、最適なケアプランを作成し、要介護者や要支援者を支援するケアマネジャーの重要性は増す一方です。

しかし、高い需要とは裏腹に、ケアマネジャーの担い手は不足しています。全国社会福祉協議会が運営する「中央福祉人材センター」が毎月実施している調査では、2025年4月時点の求人倍率は9.06倍で、介護職の6.76倍よりも高い水準となっていました。また、公益社団法人介護労働安定センターの調査によると、2023年時点のケアマネジャーの平均年齢は53.6歳となっており、50代が現場の中核を担っているのが実情です。

こうした背景から、多くの事業所では40代・50代のケアマネジャーを積極的に採用しています。さらに「未経験者のほうが教育しやすい」と考える採用担当者もいるため、未経験からでも門戸は開かれているといえるでしょう。

1-2. ケアマネジャーの試験に年齢制限はない

ケアマネジャーになるための「介護支援専門員実務研修受講試験」には、年齢制限がありません。必要なのは、定められた実務経験の要件を満たしたうえで試験に合格し、研修を修了することです。

また、労働施策総合推進法では、事業主に対して募集・採用の際に年齢制限を設けることを原則禁止しています。つまり、50代であることやブランクがあることを理由に、挑戦を諦める必要はないのです。実際、筆者の周囲にも60代で資格を取得して、新たなキャリアをスタートさせた方がいらっしゃいます。

1-3. 50代だからこその強み

50代からの挑戦には、若い世代にはない強みがあります。第一に、これまでの豊かな人生経験は、利用者さんやその家族が抱える複雑な悩みに寄り添い、共感する力になります。

また、前職で培ったスキルも大きな武器です。例えば、営業経験で培った対話力や、管理職として身に付けた調整能力は、多職種と連携するケアマネジャーの業務にそのまま生かせるでしょう。利用者さんと年齢が近いことで、親近感を持たれやすい(あるいは信頼関係を築きやすい)のも、50代ならではのメリットといえます。

2. 50代未経験からケアマネジャーになるには

ケアマネジャーになるには、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があります。この試験を受けるためには、取得している資格や定められた実務経験の要件を満たさなくてはなりません。

ここでは、状況に合わせた具体的なステップを紹介します。

2-1. すでにケアマネジャーの資格を持っている場合

ケアマネジャーの資格を取得済みで実務が未経験の場合、まずは「介護支援専門員証」の有効期限を確認しましょう。ケアマネジャーの資格の有効期限は5年です。有効期限内であればすぐに転職活動を始められますが、期限が切れている場合は「再研修」を受講しなければなりません。

再研修は、54時間のプログラムで、ケアマネジャーとして登録している自治体が実施する研修を受講します。申し込み時期は自治体ごとに異なるため、自身が登録している都道府県のホームページなどを確認してみましょう。

参考:東京都福祉保健財団「介護支援専門員」対象研修確認表

2-2. 介護福祉士やその他の国家資格を取得している場合

介護福祉士や看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士(管理栄養士含む)、社会福祉士などの国家資格を持っている方は、その資格に基づく業務に従事した期間が「通算5年以上かつ900日以上」であれば受験資格を得られます。ただし、この実務経験は資格の登録日以降の期間で計算される点に注意が必要です。

勤務先に「実務経験証明書」を依頼するなどして、自身の経験年数と業務内容が要件を満たしているかを確認しましょう。もし経験が不足しているなら、あと何年必要かを把握し、働きながら試験勉強の計画を立てるといいでしょう。

参考:東京都福祉保健財団「令和8年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験」

2-3. 介護職員として働いているが、必要な国家資格は持っていない場合

国家資格がなくても、特別養護老人ホームの生活相談員や介護老人保健施設の支援相談員といった相談援助業務に「通算5年以上かつ900日以上」従事していれば、受験資格が認められます。

現在、介護職員として働いている方は、自身の業務がこの相談援助業務に該当するかを確認してみましょう。もし該当しない場合は、ケアマネジャーを目指すためのキャリアプランとして、生活相談員や支援相談員といった相談援助職への異動を希望するのも1つの方法です。

出典:東京都福祉保健財団「相談援助業務として認められる業務」

2-4. 介護業界未経験の場合

介護業界での経験がまったくない方は、受験資格を得るための「実務経験」を積むところからスタートしなければなりません。ルートは大きく分けて2つあります。

1つは、介護の入門資格である「介護職員初任者研修」を取得して介護現場で働き、「介護福祉士」の国家資格取得を目指すルートです。もう1つは、生活相談員や支援相談員など、相談援助業務を担う職種に就いて経験を積むルートです。いずれのルートを選ぶにしても、通算5年かつ900日以上の実務経験が必要になります。

自分に合ったルートを選んで、一歩ずつ進んでいきましょう。

3. 50代未経験でもケアマネジャーに転職できる?

ここまでを読んで、「資格が取れても、実際に働ける場所があるかどうか不安」と思っている人もいるかもしれませんね。

以下では、50代未経験でケアマネジャーへの転職を成功させるためのポイントについて解説しましょう。

3-1. 50代・未経験でも採用されるケースは?

採用担当者は、ケアマネジャーとしての経験の有無だけでなく、次の点にも着目しています。

・どんな強みを持っているか
・事業所にどう貢献してくれるか
・今いるスタッフとうまくやっていけるか

いくら能力があっても、スタッフとうまくコミュニケーションを取れなければ、業務を円滑にこなすことはできません。だからこそ、これまでの社会人経験で培ったコミュニケーション能力や調整力は大きな武器になるはずです。

また、新しい知識を学ぼうとする意欲や誠実な人柄も大切です。そうした点をしっかりアピールできれば、未経験というハンデを補う強みとして高く評価されるでしょう。

3-2. 現場で苦労するポイントと乗り越え方

未経験からスタートすると、遅かれ早かれ壁にぶつかるものです。特に50代の方が不安に感じやすいのは、「覚えることの多さ」と「PCスキル」ではないでしょうか。

介護保険制度は確かに複雑ですが、すべてを一度に記憶する必要はありません。わからないことを放置せず、メモを取りながら1つずつ着実に覚えていけば、必ず身に付きます。PCスキルも、基本的な文字入力ができれば問題ありません。不安な方は、事前にタイピング練習をしておくと自信につながるでしょう。

ちなみに、疑問や不安を1人で抱え込まないことが、「未経験の壁」を乗り越えるいちばんの近道です。わからないことがあれば、随時周囲に質問するようにしましょう。

3-3. 求人の探し方と50代に向いている職場の特徴

ケアマネジャーが複数いる事業所でも、担当する利用者は別々です。そのため、ケアマネジャー間の連携は少なく、1人で仕事をしているかのような状況になりがちです。その点を考慮すると、「50代の未経験者には教育体制が整った職場が向いている」といえるでしょう。

転職活動の対策としては、教育体制がどのようになっているのかを面接で確認するのがおすすめです。特に「特定事業所加算」を取得している事業所は、定期的な研修が義務付けられているため、学ぶ機会が多いのが特徴です。職場選びのポイントとして、ぜひ覚えておいてください。

4. 50代未経験からケアマネジャーとして活躍するためのポイント

無事に転職できた後、職場で信頼され、やりがいを持って働き続けるためには、いくつかの心構えが必要です。ここでは、ケアマネジャーとして活躍するためのポイントを3つ紹介します。

4-1. 資格取得後は実務に早く関わる

新しいことを覚えるには時間が必要です。資格取得後は、できるだけ早く実務を始めましょう。試験で得た知識を忘れないうちに実践で使うことで、本当の意味でのスキルとして定着するはずです。

また、将来的に主任ケアマネジャーを目指す場合も、5年の実務経験が必要になるため、早期のスタートはキャリアアップにもつながります。

4-2. 学ぶ姿勢・柔軟な対応力で信頼を得る

職場では、年齢や前職のキャリアにかかわらず、新人として謙虚に学ぶことが大切です。ときには年下のスタッフから指導を受ける場面もありますが、プライドはいったん横に置き、素直に教えを請う姿勢を持ちましょう。そうすることが周囲の信頼につながり、結果的に自己成長も早まります。

4-3. 職場選びのミスマッチを防ぐため転職支援サービスを活用する

職場選びのミスマッチを防ぐには、転職支援サービスの活用がおすすめです。専門性の高い転職支援サービスであれば、介護業界に精通しているうえに、自分1人では得られない非公開求人情報も多く保有しています。加えて、専門のキャリアアドバイザーがあなたの希望に寄り添い、最適な職場を提案してくれます。面接対策などのサポートも無料で受けられるため、安心して転職活動を進められるでしょう。

まとめ:50代未経験でもケアマネジャーになれる! まず一歩を踏み出そう

50代未経験からケアマネジャーに挑戦するにあたっては、知識の習得や実績などの課題があります。しかし、決して無理な話ではありません。社会的な需要の高さとあなたの人生経験は、きっと強力な武器になるでしょう。

ケアマネジャーになる方法は、実務経験や取得している資格によって異なります。まずはご自身のキャリアを振り返り、最適なルートを探すことから始めてみてはいかがでしょうか。

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プロフィール

織田さとる(Satoru Oda)

ケアマネジャー・介護福祉士・社会福祉士・公認心理師

介護業界で20年以上の実務経験を持つケアマネライター。専門学校卒業後、特別養護老人ホームで介護福祉士、ケアマネジャー、生活相談員として勤務。現在も施設で働きながら、介護・福祉分野の記事を執筆している。

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