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社会福祉士と精神保健福祉士はどう違う?仕事内容も解説

公開日:2023.01.17 更新日:2023.09.21
精神保健福祉士 違い

福祉に関わる仕事にはさまざまな職業があります。社会福祉を必要としている対象者の多様化や、ニーズの細分化が進んでいる現代社会において、社会福祉士と精神保健福祉士の需要も高まっています。

社会福祉士と精神保健福祉士は、どちらも福祉分野に携わる仕事ですが、仕事内容や役割はそれぞれ異なります。当記事では、社会福祉士と精神保健福祉士の違いについて解説します。社会福祉士と精神保健福祉士の違いに興味がある方は、ぜひお読みください。

1. 社会福祉士と精神保健福祉士の違いは?

社会福祉士と精神保健福祉士は、生活をする上で困難が生じている方に対して、相談に乗ったり、生活支援を行ったりする国家資格保有者です。

社会福祉士は1987年に成立した「社会福祉士及び介護福祉士法」に、精神保健福祉士は1997年に成立した「精神保健福祉法」に基づいて誕生しました。

(出典:厚生労働省「社会福祉士・介護福祉士等」/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/index.html)

(出典:厚生労働省「精神保健福祉士について」/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/seisinhoken/index.html)

どちらも相談援助の役割を担っている点では同じですが、仕事内容や対象者などが異なります。ここでは、社会福祉士と精神保健福祉士の違いについて紹介します。

1-1. 仕事内容の違い

社会福祉士は、さまざまな理由によって日常生活が困難である方への相談援助が主な仕事です。身体や精神に障害がある方や生活困窮者などの相談窓口となり、日常生活を送るための支援をします。いじめや引きこもりで悩んでいる方の支援も、社会福祉士の職域です。

社会福祉士とは|試験の難易度から資格の取得方法まで

一方、精神保健福祉士の主な支援対象者は精神障害を抱える方です。精神障害がある方からの相談を受け、助言や指導、就労支援などを行います。ストレスの多い現代社会において、ストレスにうまく対応するためのメンタルヘルスケアに関わることもあります。

【関連リンク】精神保健福祉士の仕事内容|向いている人や1日のスケジュールも紹介

社会福祉士と精神保健福祉士は、それぞれの専門的知識を用いて、支援対象者をサポートします。

1-2. 職場の違い

社会福祉士と精神保健福祉士は、どちらも社会福祉に関わる資格のため、業務内容は違えど同じ職場で働いているケースもあります。一方で仕事内容の違いから、それぞれの支援対象者に特化した施設でも勤務します。

社会福祉士と精神保健福祉士が関わることの多い職場について、以下で紹介します。

・福祉事務所
福祉に関わる全般の相談を受けている福祉事務所は、主に社会福祉士の活躍の場所です。
「高齢者」「障害者」「母子家庭」「児童」など、社会福祉を必要としている方が来所した際に、面談を行い相談援助や指導をします。

福祉事業所の支援が必要と判断した場合は、支援対象者と福祉事業所をつなげる役割も担います。

・教育機関
学校などの教育現場でソーシャルワーカーとしてサポートを行います。いじめや不登校、児童虐待など、学校生活を送る上で問題を抱えている生徒の対応には、社会福祉士・精神保健福祉士どちらも関わる機会があります。生徒だけでなく教職員や保護者からの相談援助も担当します。

心理面でケアが必要な場合は、臨床心理士などのスクールカウンセラーと連携しながら、問題解決へと導きます。

・医療機関
病院などの医療機関では、社会福祉士・精神保健福祉士の双方が活躍しています。治療中や治療後の患者さんへの相談援助が主な業務です。特に精神保健福祉士は、精神科での面談やリハビリ中の対応など、精神ケアなどを含め幅広い支援を行います。

・精神保健センター
心の悩みや精神的な問題を抱えた方が利用する精神保健センターでは、主に精神保健福祉士が勤務しています。利用者さんへの対応や、相談援助が主な業務です。

また、啓発活動として学校や地域住民向けに、薬物問題やアルコール依存症についての知識を伝えることも、精神保健福祉士の重要な役割です。

上記以外にも、児童相談所や介護福祉施設など、社会福祉士・精神保健福祉士どちらもさまざまな職場で活躍しています。

1-3. 試験の難易度の違い

社会福祉士と精神保健福祉士の国家試験は、年に1度実施されます。

試験は、共通科目と専門科目の2種類が出題され、社会福祉士は共通11科目・専門7科目、精神保健福祉士は、共通11科目・専門5科目の科目数です。

社会福祉士の国家試験出題問題は以下の通りです。

社会福祉士国家試験18科目

[1] 人体の構造と機能及び疾病
[2] 心理学理論と心理的支援
[3] 社会理論と社会システム
[4] 現代社会と福祉
[5] 地域福祉の理論と方法
[6] 福祉行財政と福祉計画
[7] 社会保障
[8] 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
[9] 低所得者に対する支援と生活保護制度
[10] 保健医療サービス
[11] 権利擁護と成年後見制度
[12] 社会調査の基礎
[13] 相談援助の基盤と専門職
[14] 相談援助の理論と方法
[15] 福祉サービスの組織と経営
[16] 高齢者に対する支援と介護保険制度
[17] 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
[18] 就労支援サービス、更生保護制度

(引用:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験」/ https://www.sssc.or.jp/shakai/kijun/kijun_02.html引用日2022/08/26)

社会福祉士国家試験では150問が出題されます。問題の約60%に正解していること、18科目すべてに得点があることが合格基準です。試験範囲も広いため、社会福祉士合格率は約31%と、福祉系国家資格の中でも難易度は高めと言えます。

(出典:厚生労働省「第34回社会福祉士国家試験合格発表」/ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24089.html)

精神保健福祉士の国家試験出題問題は、以下の通りです。

精神保健福祉士国家試験16科目

[1] 精神疾患とその治療
[2] 精神保健の課題と支援
[3] 精神保健福祉相談援助の基盤
[4] 精神保健福祉の理論と相談援助の展開
[5] 精神保健福祉に関する制度とサービス、精神障害者の生活支援システム
[6] 人体の構造と機能及び疾病
[7] 心理学理論と心理的支援
[8] 社会理論と社会システム
[9] 現代社会と福祉
[10] 地域福祉の理論と方法
[11] 福祉行財政と福祉計画
[12] 社会保障
[13] 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
[14] 低所得者に対する支援と生活保護制度
[15] 保健医療サービス
[16] 権利擁護と成年後見制度

(引用:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉士国家試験」/ https://www.sssc.or.jp/seishin/kijun/kijun_02.html引用日2022/08/26)

精神保健福祉士試験では、163問の問題が出題されます。合格基準は、問題の約60%に正解すること、16科目すべてに得点があることの2点です。精神保健福祉士合格率は約65.6%と、社会福祉士と比べると高い傾向があります。

(出典:厚生労働省「第24回精神保健福祉士国家試験の合格発表を実施します」/ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24393.html)

社会福祉士国家試験・精神保健福祉士のどちらも、科目ごとの得点に0点があれば、60%の正解率であっても不合格となるので注意しましょう。

2. 社会福祉士の主な専門業務

社会福祉士の主な専門業務は、身体上や精神上、環境上の理由で、サポートが必要な方の相談支援です。相談者に合った公的支援や福祉サービスを紹介し、問題解決のためのサポートを行います。

相談内容は、「高齢福祉」「児童・家庭福祉」「就労支援」「更生」「障害者支援」など幅広く、支援対象者もさまざまなため、多くの専門知識が必要です。

(出典:社会福祉法人 全国社会福祉協議会「福祉の資格 介護福祉士」/ https://www.shakyo.or.jp/guide/shikaku/setsumei/01.html)

3. 精神保健福祉士の主な専門業務

精神保健福祉士の主な業務は、精神障害のある方に対しての相談援助です。精神病院などの医療施設などで医療を受けている方に対して、入院中や退院後の日常生活、社会復帰までの支援を行います。

最近では、精神障害のある方だけでなく、メンタルヘルスの問題を抱えている方への支援が見直されており、学校やハローワーク、刑務所、一般企業などへの支援も拡大しています。

(出典:公益社団法人 日本精神保健福祉士協会「精神保健福祉士について」/ https://www.jamhsw.or.jp/mhsw/index.html)

4. 社会福祉士と精神保健福祉士、どちらの資格を取る?

社会福祉士と精神保健福祉士は、どちらも社会福祉の助けが必要な方をサポートする資格です。社会福祉に関わる仕事の中でも社会福祉士は、高齢福祉や児童・家庭福祉、障害者支援など対応分野も幅広く、さまざまな方の相談援助を行います。一方で、精神保健福祉士は、精神障害者のサポートがメインとなるため、社会福祉士に比べると支援対象は狭くなります。

「精神障害のある方のサポートがしたい」と考えている場合は精神保健福祉士資格を、幅広い方の支援をしたい場合は、社会福祉士資格取得を検討するのがよいでしょう。

社会福祉士と精神保健福祉士のどちらか決めきれない場合は、ダブルライセンスを目指すことも可能です。

4-1. ダブルライセンスを目指すメリット

ダブルライセンスを目指すと、以下の2つのメリットがあります。

・就職やキャリアアップに役立つ
社会福祉士と精神保健福祉士、両方の資格を取得すると就職先の選択肢が広がります。また、転職を希望する場合にも、年収アップや福利厚生がよりよい職場の選択も可能です。就職先の選択肢を広げたい方や、キャリアアップを目指している方は、ダブルライセンスも視野に入れておくとよいでしょう。

・共通科目が免除され、資格が取りやすい
社会福祉士・精神保健福祉士の資格のどちらかをすでに取得済みの場合、もう一方の資格を受験する際の共通科目が免除されます。片方の資格を取得することでもう1つの資格がとりやすい点はメリットです。

2つの資格を同時取得することも可能ですが、専門科目の試験対策がそれぞれ必要になるため、難易度はかなり高くなるでしょう。

認定社会福祉士の資格とは?制度や仕事内容も解説

まとめ

社会福祉士と精神保健福祉士は、どちらも福祉系の国家資格取得者ですが、それぞれの支援対象者や支援内容は異なります。国家資格試験の合格率は、社会福祉士が約30%、精神保健福祉士は約60%となっており、社会福祉士のほうが試験難易度は高めです。

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※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています。

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