デイサービスで働く場合の給料額はいくら?給料面以外のメリットも

デイサービス(通所介護事業所)とは、利用者さんが「デイサービスセンター」などと呼ばれる介護施設に通いながら介護ケア・機能訓練を受けるための介護保険サービスです。
デイサービスは24時間365日の運営体制をとっておらず、主な運営時間は日中となります。働く介護職員は夜勤や当直業務を行う必要がなく、安定的に働ける職場として人気があります。
では、デイサービスで働く介護職員の給料相場はどれくらいなのでしょうか。今回は、常勤職員・非常勤職員別のデイサービスの給料相場から、デイサービスで働くメリット、デイサービスで働く介護職員が給料を上げるための方法まで詳しく紹介します。
目次
1. デイサービスで働く介護職員の給料相場は?
デイサービスとは、利用者さんが「デイサービスセンター」などと呼ばれる介護施設に通いながら介護ケア・機能訓練を受けるための介護保険サービスのことです。「通所介護事業所」とも呼ばれるように、利用者さんは介護施設に入居せず、施設の送迎車を用いて日中のみ介護サービスを受けることとなります。
厚生労働省では、デイサービスについて下記のように定義付けています。
通所介護とは、利用者(要介護者)を老人デイサービスセンター等に通わせ、当該施設において、入浴・排せつ・食事等の介護、生活等に関する相談及び助言・健康状態の確認その他日常生活上の世話、機能訓練を行うものをいう。
(引用:厚生労働省「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」/ https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000650016.pdf/引用日/2022/09/26)
デイサービスの主な運営時間は日中となるため、介護職員には夜勤がなくライフワークバランスを保ちながら働ける点が魅力です。
しかし、「夜勤がないからこそ、給料は低いのではないか」と考える方も多いでしょう。そこで次に、デイサービスの平均給料を常勤で働く介護職員と非常勤で働く介護職員に分けて紹介します。
1-1. 常勤で働く場合
デイサービスにおいて常勤で働く介護職員の平均月給は、275,670円(※2022年9月時点)でした。なお、当データは厚生労働省が公表した「介護従事者処遇状況等調査結果」から、2021年度に介護職員等特定処遇改善加算を新たに取得した施設の月給を抜粋しています。
また、高齢化社会が進み介護需要が高まる近年、介護職員の給与水準は年々高まっていることも特徴です。デイサービスの常勤職員の平均月給も、前年度と比較して「+約10,000円」の変動がありました。
(1)2020年9月時点の月給 | (2)2021年9月時点の月給 | (3)差額
※(3)=(2)-(1) |
|
---|---|---|---|
デイサービス職員
(常勤) |
264,730円 | 275,670円 | 10,940円 |
(出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03gaiyou.pdf)
1-2. 非常勤で働く場合
デイサービスにおいて非常勤で働く介護職員の平均月給は、175,810円(※2022年9月時点)でした。なお、当データも厚生労働省が公表した「介護従事者処遇状況等調査結果」に記載されている情報ですが、介護職員等特定処遇改善加算の届出状況に変化がない施設の給与情報を抜粋しています。
給与水準の上昇傾向は非常勤の介護職員も同様ですが、非常勤デイサービス職員の平均月給は、前年度と比較してさほど大きな差は見られませんでした。
(1)2020年9月時点の月給 | (2)2021年9月時点の月給 | (3)差額
※(3)=(2)-(1) |
|
---|---|---|---|
デイサービス職員
(非常勤) |
175,710円 | 175,810円 | 100円 |
(出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03gaiyou.pdf)
2. 【給料面以外】デイサービスで働くメリット3つ
デイサービスは、他の介護施設と比較して常勤職員・非常勤職員ともに給料額がやや低い傾向にあります。しかし、働く上で受けられるメリットが幅広くあるため、多くの介護職員に人気の職場となっていることも特徴です。
ここからは、デイサービスで働く給料面以外のメリットを3つ紹介します。
2-1. 体力的な負担が少ない
多くの介護施設では、要介護1以上の認定を受けた方が対象となり、要支援者は利用できなくなっています。しかし、デイサービスは要介護1~5の方はもちろん、要支援1~2の方でも利用できることが特徴です。
要支援の認定を受けた利用者さんは介護度が低く、身の回りのことはある程度自分でできるようになっています。したがって、デイサービスで働く介護職員は身体的な介護・介助の実施頻度が減るため、他の介護施設よりも体力的な負担が少ないと言えるでしょう。負担が少なければ、モチベーションが維持しやすくなるだけでなく、利用者さんに寄り添った支援も提供できます。
2-2. 基本的に夜勤がない
デイサービスの運営時間は基本的に日中のみとなるため、働く介護職員の勤務時間も日勤帯のみとなります。加えて、介護サービスの提供時間も予め決まっていることから、残業や早出といった変則的かつ突発的な勤務が少なく、ライフワークバランスを保ちながら働けます。
夜勤や突然の残業が基本的にないことから、デイサービスで働く介護職員は比較的生活リズムを整えやすく、結果として体調が安定しやすいという点も大きな魅力です。
2-3. プライベートと仕事を両立させやすい
デイサービスの職場によっては、土日祝日を休みとするところも多くあります。プライベートの時間も大切にしたい・子育てや家族の介護とうまく両立させたいという方にとってはぴったりの職場と言えるでしょう。
しかし、中には完全週休2日制ではなく週休2日制・4週8休制となっている職場や、土曜日と祝日も運営する職場もあるため、プライベートと仕事をしっかり両立させたい方は求人情報をしっかりチェックしておくことがおすすめです。
3. デイサービスで働く介護職員が給料を上げる方法4選
デイサービスで働く介護職員が給料を上げるためにできる方法には、下記の4つが挙げられます。
・役職に就く
・スキルアップにつながる資格を取得する
・経験年数を重ねる
・条件のいい職場に転職する
ここからは、それぞれの方法についてより詳細に説明していきます。
3-1. 役職に就く
デイサービスで働く介護職員が収入アップを目指すためには、役職に就くことがおすすめです。管理職に就くことで基本給がアップするだけでなく、役職手当の支給も期待できます。
デイサービスで目指したい役職は、「管理者」や「介護主任(介護リーダー)」などが挙げられます。特に事業所を取りまとめる責任者であるデイサービス管理者は、毎月の平均給与額が325,020円となっており、一般的な介護職員と比べて約50,000円の差があります。
(出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03kekka.pdf)
【関連リンク】「デイサービス 管理者 給料」役職に就くためには、勤続年数を積み重ねて幅広いスキルを習得したり、資格を取得したりする必要があります。まずは資格取得から目指してみることがおすすめです。また、役職に就いた場合は仕事内容も大きく変わることを覚えておきましょう。
3-2. スキルアップにつながる資格を取得する
デイサービスに限らず、介護業界では介護関連の資格がなければ行えない業務がいくつかあります。介護関連の資格取得は、担える業務を広げるだけでなく、自身のスキルアップにも貢献するでしょう。
デイサービス職員が取得しておきたい資格には、下記が挙げられます。
・介護福祉士実務者研修
・社会福祉士
・介護福祉士
・生活相談員
介護福祉士実務者研修を取得するなら、介護職員初任者研修の取得が必須です。介護職員初任者研修は介護業界で働く方がまず初めに取得する資格でもあり、すでに取得している方も多いでしょう。
生活相談員はソーシャルワーカーとも呼ばれる職種で、取得するためには介護福祉士または社会福祉士の国家資格を取得後、5年以上・900日以上の実務経験が必要となります。段階を踏んで資格を取得することで、より多くの技術・スキルを伸ばすことができるでしょう。
また、保有資格によって資格手当を支給する職場も多くあります。このような職場であれば、より効率的な手取り額のアップが実現できるでしょう。
3-3. 経験年数を重ねる
介護業界に限らずどの業界においても、日々さまざまな業務を担当しながら経験を積み重ねることは、昇給への王道と言えます。
同じ職場で長く働き続ければ、幅広い技術やスキルを身につけたことがしっかり評価され、最初はできなかった業務も任せてもらえるようになるでしょう。その努力と成果は、給料としてきちんと反映されるはずです。
しかし、ただ同じ職場で長く働き続けることが直接的な昇給につながるわけではありません。
スキルアップに役立つ資格を取得しつつ、常に新たな業務に挑戦する姿勢を見せることも重要
です。
3-4. 条件のいい職場に転職する
デイサービスの職場によっては昇給制度が整っておらず、「いくら資格やスキルを身につけて行える業務を増やしてもなかなか給料が上がらない」といったケースも考えられます。経験年数を積み重ねても昇給の期待ができない場合は、思い切って条件のいい職場に転職することもおすすめです。
また、手当や賞与額は年収が大きく異なる要素にもなります。職場によっては支給される手当の種類が豊富なところもあるため、転職の際は「昇給制度が整っているか」「基本給はどれくらいか」だけでなく、
「支給される手当にはどのような種類があるか」「賞与はあるか」「手当・賞与額はどれくらいか」も併せてチェックしておきましょう。
まとめ
「通所介護」とも呼ばれるデイサービスでは、日中にデイサービスセンターに通う利用者さんに対して各介護サービスを提供します。デイサービスの運営時間は基本的に日中のみであり、働く介護職員の勤務時間も日勤帯のみとなります。
デイサービスで働く介護職員の平均月給は、常勤職員で275,670円、非常勤職員で175,810円でした。他の介護施設と比較して給料はやや低いものの、ワークライフバランスを保ちながら働ける点は大きな魅力です。
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※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています。
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