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施設ケアマネの立ち位置とは?役割・仕事内容を紹介

公開日:2023.01.26 更新日:2023.06.05
施設ケアマネの立ち位置とは?役割・仕事内容を紹介

ケアマネジャーの仕事は、介護や支援を必要とする方に、最適な介護サービスを提供するためのケアプランを作成することです。

超高齢社会である日本には、一人暮らしの後期高齢者が多く存在しています。在宅生活が難しくなったタイミングで、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、有料老人ホーム、介護老人保健施設などの施設入居を検討する方もいます。そのため、施設ケアマネは継続して需要が高い職業だと言えるでしょう。

当記事では、施設ケアマネの立ち位置や役割、仕事内容、活躍できる施設を紹介します。施設ケアマネに向いている方の特徴についても言及しますので、ケアマネジャーを目指している方は、ぜひご一読ください。

1. 施設ケアマネとは?立ち位置・役割を解説

施設ケアマネとは、高齢者が利用する特別養護老人ホームや有料老人ホーム、老人保健施設、グループホームなどの「施設」に在籍するケアマネジャーのことです。

ケアマネジャーになるためには、要介護・要支援に該当する方が必要とする援助についての専門的知識や技術を有するものとして「介護支援専門員証の交付」を受ける必要があります。

施設ケアマネの主な役割は、自立した日常生活を送れるようご本人やご家族と面談し、最適なケアプラン(介護保険サービス等の提供についての計画)を作成することです。 面談する中で、ご本人の希望とご家族の理想が異なるケースも少なくありません。面談を重ねることで、潜在的なニーズを見つけ出す面談技術も必要です。

最適な支援を提供できるよう、医師・看護師・セラピスト・栄養士などから専門的な視点での評価を確認する場合もあります。施設ケアマネは、入居者さんが不安を抱えることなく、安心して日常生活を送れるようにサポートする重要な役割を担っています。

(出典:厚生労働省「介護支援専門員(ケアマネジャー)」/ https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000114687.pdf)

1-1. 施設ケアマネと居宅ケアマネの違い

ここからは、施設ケアマネ・居宅ケアマネの違いについて解説します。

施設ケアマネ 居宅ケアマネ
担当件数 100人以内 35人以内
担当する対象 施設入居者 在宅生活を送る高齢者
ケアプランの内容 施設内のサービス中心 制限なし
現場スタッフとの兼務 兼務することがある ほとんどなし
研修の頻度 少ない 多い

ケアマネジャーは、ケアプランを作成する専門職です。施設ケアマネ・居宅ケアマネの基本的業務は同じですが、担当する件数に大きな違いがあります。

居宅ケアマネの場合は、連携機関より「介護サービスが必要そうな方がいる」といった依頼や相談が入ることで介入が始まることがほとんどです。自宅に訪問し、ご本人の様子を確認するところからじっくりと関わりを持つため、ケアプラン作成に時間がかかります。施設ケアマネに比べると担当する件数が少ないことが特徴です。職場は地域包括支援センターや居宅介護支援事業所などが挙げられます。

一方で施設ケアマネは、施設入居者のケアプランをすべて作成します。介入対象が「入居者」と決まっており、入居の際に身体状態や介護度などの基本的な情報収集が終わっているため、多くの入居者さんのケアプラン作成が可能です。大きな施設の場合は1人で100人ほどのケアプラン作成を担当する場合もあります。

2. 施設ケアマネの仕事内容

施設ケアマネの仕事内容は、入居者さんが安全に日常生活を送れるように、必要な介護サービスを調整し、ケアプランを作成することです。施設ケアマネが働く場所は、特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設など、入居できる介護施設などが挙げられます。

ケアプランは、ご本人・ご家族の意向をもとに作成を行うものです。相談や面談の対応は施設ケアマネが行いますが、ご本人の身体面における情報取集は、担当医師・看護師・リハビリスタッフ・栄養士などの意見をもとにして検討します。

ケアプランは、一度作成すればよいというものではありません。入居者さんの身体の変化に応じて、定期的にケアプラン内容の見直しを行います。大きな施設の場合、ケアマネジャー1人あたりが担当する件数が多くなります。適切なケアプランを提供するためにも、面談時間の確保やサービス調整などのスケジュール管理が大切です。

また、入居者さんが施設を退所して在宅復帰が目指せる場合は、地域の居宅ケアマネと連携して、施設が持つ情報を引き継ぎます。退所前にはご本人・ご家族・居宅ケアマネ・在宅での介護・医療提供機関を交えたサービス担当者会議などを調整することも大切な業務の1つです。さらに、比較的規模が小さい施設の場合は、施設職員の一員としてケアプランの作成以外にも、入居者さんの身体介護や食事介助などを兼任する場合もあります。

2-1. 1日の仕事の流れ

ここでは、施設ケアマネの1日の流れについて紹介します。

【施設ケアマネの1日の流れ・スケジュール】

時刻 仕事内容
9:00 出勤・朝礼
10:00 事務処理・ケアプランの作成
11:00 入居者さんやご家族との面談対応
12:00 昼休憩
13:00 サービス担当者会議
15:00 医療・介護サービスの利用状況確認・調査
16:00 ケアプラン見直し・情報収集
17:00 ミーティング・引継ぎ
18:00 退勤

上記はあくまでも一例で、施設によっては異なる流れとなるケースもあります。

3. 施設ケアマネが活躍する施設

施設ケアマネは勤務先によって、仕事の内容や求められる役割に違いがあります。施設ケアマネとして活躍したい方は、勤務先によってどのような仕事を任されるか、事前に把握しておくとよいでしょう。

ここでは、施設ケアマネが働く施設ごとに、仕事内容・役割を解説します。

3-1. 特別養護老人ホーム・介護老人保健施設

特別養護老人ホームや介護老人保健施設で働くケアマネジャーの場合、介護士や生活相談員業務を兼務することが多い傾向です。

生活相談の対応をしたり、食事介助・排泄介助・入浴介助を行ったりする場面もあります。幅広い役割が求められますが、入居者さんと関わりを多く持てるため、適切なケアプランが立てやすいというメリットがあります。

特別養護老人ホーム(特養)の介護職一覧ページはこちら

介護老人保健施設(老健)の介護職一覧ページはこちら

3-2. 有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、介護保険法が定める介護施設ではなく、主に民間事業者が運営する入居施設です。運営法人の方針に沿ったサービス提供が中心であり、求められる役割がそれぞれ異なります。

たとえば健康型の有料老人ホームの場合、リハビリやレクリエーション、施設内イベントに注力する傾向があるため、イベント準備などの業務を行うことがあります。また、特別養護老人ホームや介護老人保健施設と同じく、身体介助を行う場面もあります。

有料老人ホームの介護職一覧ページはこちら

3-3. グループホーム

グループホームは、認知症高齢者のための介護施設です。1ユニット(5~9名)で共同生活を送ります。1ユニットに対して1名のケアマネジャー配置義務があり、最大でもケアプラン作成は9名分と少人数であることが特徴です。

また、施設長の役職に就いて施設運営を行うことや、管理者として介護スタッフのマネジメント業務に携わることが多い傾向です。

グループホームの介護職一覧ページはこちら

4. 施設ケアマネに向いている人

以下は施設ケアマネに向いている人の特徴です。

施設ケアマネに向いている人の特徴

・コミュニケーション能力が高い
・協調性がある
・フットワークが軽い
・何でも前向きに取り組める
・視野が広い

施設ケアマネの仕事は、ご本人・ご家族・施設スタッフ・介護サービスのスタッフなど、多くの人と関わるため、コミュニケーション能力が高い方が向いているでしょう。また、入居者さんに最適なサービスを提供するための細やかな配慮や、広い視野で物事を捉える力が求められます。

仕事をする上で、希望通りの調整ができないこともあり、入居者さんや関係機関から厳しい指摘を受けることもあります。落ち込むだけではなく「希望に沿えるようにはどうしたらよかったのか?」と次に生かせるよう前向きに取り組める方も向いているでしょう。

一方で、1つの仕事に集中したいと考えている方は、幅広い業務を兼任する傾向にある施設ケアマネの仕事を負担に感じる恐れがあります。なお、ここで紹介した適性はあくまでも一例であり、当てはまらない場合も目指す過程や働く中で身につく可能性があります。施設ケアマネに関心のある方は前向きに検討しましょう。

ケアマネージャーの介護職一覧ページはこちら

まとめ

施設ケアマネは入居型施設で働くケアマネジャーのことを指します。入居者さんが安心・安全に日常生活が送れるよう介護サービスの調整を行い、ケアプランを作成します。施設入居者が増加傾向である日本では、施設ケアマネは需要が高まる職種と言えるでしょう。

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※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています

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