認定社会福祉士の資格とは?制度や仕事内容も解説

社会福祉士として働く方の中には、さまざまなハンディキャップを抱える方に対して提供できる、より専門的な知識・スキルを身につけたいと考えている方もいるでしょう。社会福祉士としてキャリアアップするための主な方法として、認定社会福祉士制度に基づく上級職「認定社会福祉士」「認定上級社会福祉士」を目指すことが挙げられます。
当記事では、認定社会福祉士と認定上級社会福祉士について、それぞれの仕事内容や役割、資格取得のための方法を解説します。社会人として働きながら認定社会福祉士や認定上級社会福祉士を取得するメリットも併せて確認し、社会福祉士としてさらに活躍するためのキャリアパスを考えてみましょう。
目次
1. 認定社会福祉士制度とは?
認定社会福祉制度とは、社会福祉士のキャリアアップを支援し、社会福祉士としての実践力を認定することを目的として、2012年に創設された制度です。
社会福祉士は社会福祉に関する知識をもつことを示す国家資格ですが、社会福祉士試験の受験には実務経験は必須ではないため、実践力の高さを証明する資格とは言えません。個人が自己研鑽のために研修会に参加することで、実践力育成を図ってきましたが、研修制度の種類・内容もさまざまであり、体系的な学びが難しいという問題もありました。
さらに、高齢化の進行や地域社会の環境変化により、支援を必要とする方の社会的援助ニーズが増加・多様化し、問題の解決も困難化・複雑化している傾向です。このような背景から、社会福祉に関する高い知識とともに、高い実践能力をもつと認定される社会福祉士の需要がさらに高まっています。
認定社会福祉士制度では、社会福祉士の上級資格として「認定社会福祉士」と「認定上級社会福祉士」の2種類が存在します。 社会福祉士としてのキャリアアップ・能力開発を図るためにも、これらの資格取得を目指すことを検討してみましょう。
(出典:認定社会福祉士認証・認定機構「認定社会福祉士制度とは」
/
https://www.jacsw.or.jp/ninteikikou/overview/seido/seido.html)
2. 認定社会福祉士とは?
認定社会福祉士とは、所属組織を中心とした分野において、高度な専門知識と熟練したスキルを生かした支援を行える能力があると認定された方を指します。また、認定社会福祉士の資格を取得すれば、他職種との連携や地域福祉の増進を行う能力があると示すこともできます。
ここでは、認定社会福祉士の具体的な役割について詳しく解説します。資格の取得方法も確認し、ステップアップを検討する際の参考にしてください。
2-1. 認定社会福祉士の役割
認定社会福祉士は、所属する組織における相談援助の場でリーダーシップを発揮することが求められます。認定社会福祉士は分野ごとに認定されており、その分野の専門家として的確な相談援助の実践が期待されることも押さえておきましょう。
■認定社会福祉士の認定分野
・高齢分野
・障害分野
・児童・家庭分野
・医療分野
・地域社会・多文化文化
認定社会福祉士が実際に担う仕事内容としては、複数・複雑な課題のあるケースに対応することや、地域・外部機関との窓口となり緊急対応や苦情対応を行うことが挙げられます。職場内でリーダーシップをとり実習指導を行うことや、他職種と連携して職場内のコーディネートを行うことも、認定社会福祉士に期待される重要な役割です。
(出典:認定社会福祉士認証・認定機構「「認定社会福祉士」「認定上級社会福祉士」とは」
/
https://www.jacsw.or.jp/ninteikikou/overview/seido/shigoto.html)
2-2. 認定社会福祉士の取得方法
認定社会福祉士になるには、 次の要件を満たした上で「認定機関での研修」または「認定社会福祉士認証・認定機構が定める認定社会福祉士認定研修」を修了する必要があります。
■認定社会福祉士の資格取得要件
(1)「社会福祉士及び介護福祉士法」で定められている社会福祉士資格を保有している。
(2)日本のソーシャルワーカー職能団体である「日本社会福祉士会」または「日本医療社会福祉協会」の正会員である。
(3)社会福祉士取得後に5年以上の相談援助実務経験がある。そのうち、認定を受ける分野における経験が2年以上ある。
(4)(3)の実務経験期間において、別途定められている「必要な経験」を有する。
なお、認定社会福祉士の取得には「スーパービジョン実績」の単位取得も必要となります。スーパービジョンとは、認定社会福祉士を目指す方(スーパーバイジー)がスーパーバイザー(主に認定上級社会福祉士)と契約して行う研修です。
スーパービジョンを行うことにより、専門職としての職責・機能の遂行力や実践力の開発が期待できます。単位として認定されるためには、1年間に1時間以上のスーパービジョンを6回以上受ける必要があることに留意しましょう。
(出典:認定社会福祉士認証・認定機構「「認定社会福祉士」「認定上級社会福祉士」を取得するには」
/
https://www.jacsw.or.jp/ninteikikou/overview/seido/shutoku.html)
3. 認定上級社会福祉士とは?
認定上級社会福祉士とは、認定社会福祉士の上位資格となるものです。認定社会福祉士と同様に、社会福祉に関する高度な専門知識と卓越したスキルを生かして質の高い業務を行うことが期待される資格と言えます。また、他の社会福祉士の指導を行うなど人材育成を担うことも求められます。
ここでは、認定上級社会福祉士の主な役割・仕事内容について詳しく解説します。資格を取得する方法も併せて確認し、社会福祉士としてキャリアアップするための計画を立ててみましょう。
3-1. 認定上級社会福祉士の役割
認定上級社会福祉士に求められる役割としては、所属する組織とともに地域における権利擁護のしくみ作りやサービス開発を行うことが挙げられます。また、体系的な理論や自身の臨床経験に基づいた人材育成・指導の実施も期待されることを押さえておきましょう。
認定上級社会福祉士の代表的な業務には、地域施設・地域サービスの連携システム構築や福祉政策形成への関与、組織のシステム作り(リスクマネジメントなど)があります。科学的根拠に基づく実践の指導・教育やスーパービジョンの実施による人材育成とともに、自身による実践の検証・根拠の蓄積といった研究的な業務も担うこともポイントです。
(出典:認定社会福祉士認証・認定機構「「認定社会福祉士」「認定上級社会福祉士」とは」
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https://www.jacsw.or.jp/ninteikikou/overview/seido/shigoto.html)
3-2. 認定上級社会福祉士の取得方法
認定上級社会福祉士になるには、次の要件をすべて満たす必要があります。
■認定上級社会福祉士資格を取得するための要件
(1)「社会福祉士及び介護福祉士法」で定められている社会福祉士資格を保有している。
(2)日本のソーシャルワーカー職能団体である「日本社会福祉士会」または「日本医療社会福祉協会」の正会員である。
(3)認定社会福祉士の資格を取得している。
(4)認定社会福祉士の資格取得後に5年以上の相談援助実務経験がある。さらに、この期間中に指定施設および職種に準ずる業務などに従事している。
(5)(4)の実務経験期間において、別途定められている「必要な経験」を有する。
(6)認められた機関における研修(スーパービジョン実績を含む)を受講している。
(7)所定の実績を有する。
(8)一定の基準を満たしている論文を発表している、または認められた学会での発表を行っている。
(9)認定上級社会福祉士の認定試験に合格する。
認定上級社会福祉士になるためには、実務経験以外にも研修受講や論文発表・学会発表、試験合格といったさまざまな要件をクリアする必要があります。思い立ったときにすぐチャレンジできる資格ではないため、計画的にキャリア形成を考えることが大切です。
(出典:認定社会福祉士認証・認定機構「「認定社会福祉士」「認定上級社会福祉士」を取得するには」
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https://www.jacsw.or.jp/ninteikikou/overview/seido/shutoku.html)
4. 認定社会福祉士・認定上級社会福祉士を取得するメリット
認定社会福祉士・認定上級社会福祉士になるためには、専門的な知識や熟練したスキルが必要です。社会福祉士として働きながら資格取得のための勉強を進めることは容易ではありませんが、資格を取得すると次のようなメリットがあると考えられます。
■認定社会福祉士・認定上級社会福祉士を取得するメリット
・支援対象者から信頼される
認定社会福祉士や認定上級社会福祉士は、専門性の高い知識・技術をもって利用者さまの環境や状況に応じた適切な社会的支援を行えることを証明する資格です。高齢者など支援の対象となる利用者さまや関係する方々から高く評価されるでしょう。支援対象者から信頼を得られれば、スムーズな支援につなげることも可能です。
・キャリアアップにつながる
認定社会福祉士や認定上級社会福祉士を取得することにより、職員を育成するリーダーなど指導的役割を担うポジションで働けるようになります。また、豊富な知識や経験、熟練したスキルをもって幅広い分野で活躍できるため、結果としてキャリアの向上につなげられるでしょう。
まとめ
認定社会福祉士・認定上級社会福祉士は、社会福祉士のキャリア向上を支援し、実践力を認定するためにできた「認定社会福祉士制度」に基づく社会福祉士の上級資格です。資格を取得するためには、実務経験や研修の受講などさまざまな要件を満たす必要がありますが、取得のメリットも大きいため、計画的に勉強して取得を目指しましょう。
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※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています
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