介護・福祉の求人・転職なら【マイナビ介護職】

福祉用具専門相談員はケアマネとどう関わる?業務の流れや役割を解説

公開日:2023.02.16 更新日:2023.02.27
福祉用具専門相談員はケアマネとどう関わる?業務の流れや役割を解説

介護が必要な高齢者に対して車椅子や歩行器、移動用リフトなどの福祉用具をレンタルする際には、福祉用具相談員とケアマネジャーの連携が不可欠です。利用者さんの身体状況や福祉用具の選定、提案まで密に情報共有を行うのはもちろん、貸与サービス開始後にもモニタリング結果を共有します。

当記事では、福祉用具専門相談員とケアマネジャーの仕事内容や福祉用具の利用開始までの具体的な流れと関わり方、連携が必要とされる理由について解説します。福祉用具専門相談員やケアマネジャーを目指している方は必見です。

1. 福祉用具専門相談員とケアマネジャー、それぞれの役割は?

福祉用具専門相談員とケアマネジャーは、どちらも利用者さんが自分らしい日常生活を送るためのサポートをする職業です。利用者さんにとって最適な福祉用具を選定するには、福祉用具専門相談員とケアマネジャーの連携が必要となります。

ここでは、福祉用具専門相談員とケアマネジャーのそれぞれの役割について詳しく解説します。

1-1. 福祉用具専門相談員の役割

福祉用具専門相談員とは、 介護が必要な高齢者・障がい者が安心して日常生活を送るために適切な福祉用具を選定する職業です。

福祉用具には、車椅子や体位変換器、歩行器、介護用ベッドなどがあります。福祉用具専門相談員は、福祉用具に関する専門知識を身につけた上で、利用者さんのもつ障がいや要介護の程度、住宅構造などに応じて、利用者さんにあった商品を見極めます。

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「福祉用具専門相談員」
/ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/137

福祉用具選定の際には、ケアマネジャーが立てたケアプランをもとにした「福祉用具サービス計画書」の作成が必要です。福祉用具サービス計画書は、利用者さんへの福祉用具の提案時にも使用されます。提案の同意を得たら、福祉用具の提供がスタートします。

また、サービス提供者会議において福祉用具について説明するのも福祉用具専門相談員の仕事の1つです。

福祉用具専門相談員はどんな仕事?仕事内容や講習の内容は?

1-2. ケアマネジャーの役割

ケアマネジャーとは、 要介護者・要支援者からの相談に応じて、適切な介護サービスを利用できるようサポートする職業です。

ケアマネジャーは、 利用者さん本人の希望や心身の状態を把握した上で、一人ひとりにあわせた介護サービス計画「ケアプラン」を作成します。ケアプランは、利用者さんへの提案や介護サービス事業所への連絡・調整の際に使用されます。

(出典:厚生労働省「介護支援専門員(ケアマネジャー)」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000114687.pdf

また、福祉用具専門相談員が作成した福祉用具サービス計画書を確認し、利用者さんにとって適切な福祉用具であるかどうかを判断するのもケアマネジャーの仕事です。必要があれば福祉用具の提案にも同席し、利用者さんに対してアドバイスを行うことも役割の1つです。

ケアマネジャーとは?仕事内容と資格の取得方法を解説

2. 福祉用具の利用が始まるまでの流れ

福祉用具専門相談員とケアマネジャーは、それぞれ「福祉用具サービス計画書」「ケアプラン」の作成を行う他、利用者さんへの説明の際には同行する場合があります。

ここでは、利用者さんが福祉用具の利用を検討する際、福祉用具専門相談員とケアマネジャーが業務の中でどのように関わるかを解説します。

2-1. 【ケアマネジャー】利用者さんから相談を受ける

福祉用具の提供ができるのは、各自治体で指定を受けた福祉用具貸与専門業者のみです。利用者さんが福祉用具レンタルサービスの利用を希望する際は、まずはケアマネジャーが相談を受けることになります。

利用者さんの自立支援はもちろん、本人の希望する生活はどのような暮らしであるかを丁寧にヒアリングし、実現に向けて働きかけることが重要です。

2-2. 【ケアマネジャー】ケアプランを作成する

利用者さんからの相談・ヒアリングをもとに、ケアプランを作成します。

ケアプランには、利用者さんに必要なサービス内容に加え、どのようにして自立した生活を送っていくか、また今後どのような支援が必要になりそうかも記載します。ケアマネジャーは、利用者さんの将来を見据えたケアプランを作成しましょう。

2-3. 【ケアマネジャー】福祉用具貸与事業者を決める

ケアマネジャーから福祉用具貸与業者へ連絡を取り、担当者となる福祉用具専門相談員が決まります。

福祉用具貸与業者を決める際にポイントとなるのは、ケアマネジャーからの依頼に対してスピーディーに動いてくれるかどうかです。また、事業所スタッフや相談員の人柄・対応力なども重視されます。

2-4. 【福祉用具専門相談員】福祉用具サービス計画書を作成する

福祉用具専門相談員が利用者さんのもとへ訪問するなどして聞き取りを行い、利用者さんの身体状況や生活環境などを調査します。

ヒアリングを通して利用者さんのニーズや理想とする暮らしを把握したら、次は福祉用具サービス計画書を作成します。福祉用具サービス計画書は、ケアマネジャーが作成したケアプランをもとにして作成するのが通常です。

利用者さんにとって最適な福祉用具を選定するためには、福祉用具専門相談員とケアマネジャーの連携が不可欠です。

2-5. 【福祉用具専門相談員】利用者さんに福祉用具を提案する

作成した福祉用具サービス計画書をもとに、利用者さんに福祉用具を提案します。福祉用具の提案の際には、ケアマネジャーが同行するケースもあるでしょう。

ケアプランと福祉用具の選定理由・目的がずれている場合、利用金額が予算を大幅に上回っている場合、ケアマネジャーは福祉用具専門相談員に指摘やアドバイスを行います。

2-6. 【福祉用具専門相談員】福祉用具を納品し、利用が始まる

福祉用具の納品完了後には、福祉用具専門相談員によるモニタリングが行われます。

モニタリングでは、福祉用具を適切に利用できているか、新たな困りごとがないかなどを調査します。必要があれば、福祉用具の変更も可能です。

モニタリング結果は、ケアマネジャーにも共有されます。

3. 福祉用具専門相談員とケアマネの連携が必要な理由は?

2018年10月に実施された介護報酬改定によって、福祉用具の貸与に関する規定が変更されました。新たに導入された規定は、以下の2つです。

●各福祉用具の全国平均価格を公表する
●各福祉用具について価格の上限値を設定する

(出典:厚生労働省「福祉用具貸与」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168702.pdf

介護報酬改定による規定変更を受け、福祉用具専門相談員とケアマネジャーの連携の必要性はこれまで以上に高まっています。

ケアマネジャーは、福祉用具専門員からの提案内容を精査できるよう、各福祉用具の平均貸与価格と上限値を把握しておく必要があります。価格と上限値は1年に1回見直されるため、最新の情報を取り入れることも重要です。

福祉用具専門相談員には、利用者さんへの提案の際に価格についても説明すること、機能や価格帯の異なる複数の福祉用具を提案することが義務付けられました。これらは、サービス利用の透明化や貸与価格帯の統一を目的としています。

介護報酬改定による新制度の導入を受けて、ケアマネジャーと福祉用具専門相談員は、福祉用具に関するより専門性の高い知識が求められるようになりました。 また、利用者さんにあった福祉用具を適正価格で提案し、よりよい生活をサポートするには、福祉用具専門相談員とケアマネジャーの連携が不可欠です。

まとめ

福祉用具専門相談員とケアマネジャーは、利用者さんが自分らしい生活を送るためのサポートを行う職業ですが、それぞれで役割が異なります。福祉用具専門相談員の役割は、ケアマネジャーが作成するケアプランをもとに、利用者さんに最適な福祉用具を選定することです。また、ケアマネジャーは、利用者さんからの相談に応じて、福祉用具専門相談員をはじめとする介護サービス事業者への連絡・調整が役割となります。

利用者さんの自分らしい暮らしをサポートするには、福祉用具専門相談員とケアマネジャーのそれぞれが専門知識を備えた上で、密な連携を図ることが必要です。

「マイナビ介護職」では、介護専門職の求人情報を多数掲載しています。無料会員登録により、キャリアアドバイザーの転職サポートや非公開求人の紹介といったサービスが利用可能です。介護福祉業界への就職・転職を考えている方は、ぜひご活用ください。

※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています

"マイナビ介護職"では、完全無料で
あなたの転職をお手伝いします。
ぜひお気軽にご相談ください!

未経験でも大丈夫!初めての介護職で転職が不安なあなたへ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

おすすめの求人特集

新しい場所で働きたい!オープニングスタッフ募集

収入をアップさせたい!高収入特集

休みが多い方が良い!年間休日110日以上特集

住宅補助が手厚いから安心!住宅手当付き特集

関連記事

サービス付き高齢者向け住宅の人員基準とは? 必要な資格も解説
働き方
公開日:2023.10.24 更新日:2023.10.24

サービス付き高齢者向け住宅の人員基準とは? 必要な資格も解説

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、比較的要介護度が低い方が利用さ...(続きを読む)

サービス付き高齢者向け住宅の仕事内容や1日のスケジュールを紹介
働き方
公開日:2023.10.23 更新日:2023.10.25

サービス付き高齢者向け住宅の仕事内容や1日のスケジュールを紹介

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、バリアフリー化など高齢者の方...(続きを読む)

介護職も副業は可能?おすすめの副業と注意点を解説
働き方
公開日:2023.10.03 更新日:2023.10.03

介護職も副業は可能?おすすめの副業と注意点を解説

介護職として働きながら、もう少し収入を得たいという理由から副業をしてい...(続きを読む)

介護と仕事の両立のために活用できる制度|両立を図るポイントも
働き方
公開日:2023.09.28 更新日:2023.09.28

介護と仕事の両立のために活用できる制度|両立を図るポイントも

育児と仕事の両立は難しいように、家族の介護と仕事を両立するのは非常に困...(続きを読む)

転職サービスのご紹介