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デイサービスに求められる役割とは?職種ごとの役割も紹介

公開日:2023.02.21 更新日:2023.03.10
デイサービスに求められる役割とは?職種ごとの役割も紹介

デイサービス(通所介護)の役割として、利用者さんのQOL向上・社会参加・自立支援を促すことのほか、ご家族の負担軽減などが挙げられます。介護職を目指す方や、介護職として働く方の中には、デイサービスでどのような役割が求められるか気になる方もいるでしょう。

この記事では、デイサービスの種類や仕事内容などの基本情報から、施設の4つの役割、働く職種ごとの役割までを詳しく解説します。デイサービスでの仕事に関心のある方は、ぜひご覧ください。

1. デイサービスとは?

デイサービスとは、自宅に居住している方に対して適切な介護サービスを提供する施設のことを指し、「通所介護」とも呼ばれています。自宅を離れて生活の拠点を変える老人ホームとは異なり、自宅で生活を送る方に対して、入浴や食事、リハビリといった介護面のサポートを中心に行います。

また、趣味や作業、レクリエーションといった余暇の充実によるストレスの解消や社会的孤立感解消という側面を担うという特徴もあります。

(出典:厚生労働省「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000650016.pdf

1-1. デイサービスの種類

デイサービスにはいくつか種類があり、施設の稼働時間帯で見ると、主に「1日型」「半日型」「夜間型」の3タイプに分けられます。

1日型 朝から夕方まで施設で過ごす最も一般的なタイプ。朝自宅に迎えに行き、夕方に自宅へ帰ります。
半日型 午前中または午後のどちらかを施設で過ごすタイプ。自宅への送迎、入浴、レクリエーションなどを行います。
夜間型 「利用時間の延長」や「日中利用を継続した宿泊」など、利用時間の設定は施設によって異なります。在宅介護者の帰宅が遅い日のみを利用したい、夜間に在宅できないなどのケースに対応します。

また、サービスの特化型デイサービスでは、介護予防や生活のサポートだけでなく、趣味や娯楽に特化したサービスが受けられます。他にも機能回復・維持を目的とした「リハビリ特化型デイサービス」、認知症対応の手厚いサポートが受けられる「認知症対応型デイサービス」などもあります。

1-2. デイサービスの仕事内容

デイサービスの主な仕事内容は次の通りです。

送迎
デイサービスの特徴は自宅と施設間の送迎です。事業所によっては、介護士スタッフ自らが送迎車を運転して送迎することもあります。

入浴、排泄等の介助業務
一般的な施設と同様に生活全般の介助業務があります。

食事の提供、食事の介助
配膳から食事介助、誤嚥に気を配ることも必要です。

バイタルチェック
看護師が常駐している施設もありますが、常駐していない場合は血圧測定、検温などの健康管理も介護士が行います。

リハビリや機能訓練のサポート
リハビリスタッフのいる部屋までの送迎サポートや、歩行訓練などの付き添いなどを行います。

服薬管理
自宅から持参した薬の確認、保管、服薬確認を行います。場合によっては家族から直接預かり、保管しておく場合もあります。

レクリエーションの企画・実行
デイサービスでは主に介護士が中心となって、利用者さんの余暇の充実を目的としたレクリエーションの企画と実行を行います。

2. デイサービスに求められる4つの役割

デイサービス(通所介護事業)の役割は、身体介護が必要な高齢者が通い、スタッフが家族に代わり食事や入浴介助などの日常ケアや介護を行うことが中心となります。しかし、デイサービスに求められるのは日常ケアや介護だけではありません。生活機能向上を目的とした活動や高齢者同士のグループ活動を行う等の、利用者さんの孤独感の解消や心身機能維持等を目的としています。

デイサービスに求められる4つの役割について説明します。

2-1. 利用者さんのQOL向上

デイサービスに定期的に通うことで、孤独になりがちな環境の改善や引きこもりを予防することができます。またスタッフや利用者さん同士で会話をすることでストレス解消につながります。趣味や娯楽、レクリエーションへ参加することが楽しみになれば、QOL向上が期待できるでしょう。

2-2. 利用者さんの社会参加

デイサービスは、介護認定を受けた利用者さんにとっての、新たな社会参加の機会となります。レクリエーションに参加することで、周囲に対して積極的に関わる機会が増えます。他者と関わることは意欲につながり、心身の健康維持につながることがデイサービスに行くメリットとして期待できるでしょう。

2-3. 利用者さんの自立支援

介護分野における「自立」とは、その人自身の気持ちや生き方を尊重することです。利用者さんが自ら選んだ方法で、本来の生活が認められ、適切な支援を受けられるようにサポートすることが「自立支援」です。デイサービスでは生活機能訓練を取り入れ、利用者さんの生活機能向上や維持を目指し、自立支援に取り組んでいます。

2-4. 利用者さんのご家族の負担軽減

高齢者、特に介護を必要とする方は引きこもりになりがちです。刺激が少なくなると、さらに認知機能や身体機能が低下してしまうデメリットがあります。在宅介護では、介護度が増すと家族の介護負担がより大きくなる傾向にあります。

デイサービスに通えば、筋力や認知機能の維持をしつつ、同時に利用者さん本人やご家族にも息抜きをしてもらえるでしょう。デイサービスでは、ご家族の介護面の負担軽減や悩み解消を目指します。

3. デイサービスは職種ごとに期待される役割が異なる

日本は総人口に対する高齢化の割合が28.9%の超高齢化社会を迎えています。出生率の低下が懸念される中で65歳以上の人口は増加傾向にあります。高齢者の人口は令和24年にはピークを迎え、その後少しずつ減少に転じると推計されています。

(出典:内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)第1節 高齢化の状況」
/ https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/zenbun/pdf/1s1s_01.pdf

超高齢化社会の日本では介護保険サービスに対する需要は増え、介護ニーズに対する介護保険サービスが提供されています。中でも住み慣れた自宅で余生を過ごしたいと思う高齢者にとって、デイサービスは必要な施設のひとつです。

サービスを必要とする対象者のために、施設には必ずおかなければならない職種があります。以下ではデイサービスにおける職種について、仕事内容と併せて詳しく説明します。

3-1. 【管理者】施設全体の管理

デイサービス管理者は施設全体の運営管理を行います。デイサービスを円滑に運営するために、事業計画の策定と実行、職員の採用や指導、保険請求業務、経費や予算の管理などを行います。

仕事内容は多いものの、管理者になるために必要な資格はありません。慢性的な人手不足が指摘される介護現場においては、介護業務を兼任することも珍しくないため、介護業務に関する知識や経験は必須です。

3-2. 【生活相談員】施設や利用者さんとの連携・調整

生活相談員の仕事内容は、利用者さんやご家族の相談窓口として、サービス利用の手続きの案内やサービス利用の調整等を行うことです。利用者やご家族がきちんと理解した上でサービスの利用ができるように丁寧に説明をして、納得してからサービス利用の手続きを進めます。個人情報の取り扱いやケアプラン作成に対する同意を得るのも大切な仕事です。

また利用者さんの生活のサポートや、自身での判断が難しい場合は行政窓口に確認するなど、的確な判断が求められることもあります。

生活相談員になるためには、国が定めた「社会福祉主事任用資格者」か「社会福祉士」「精神保健福祉士」が必要です。自治体によっては「介護支援専門員」「介護福祉士」「老人福祉施設の施設長経験者」「一定期間以上の介護職経験のある者」でも相談員を目指せるケースがあります。ただし有資格者であっても実務経験が概ね2〜3年必要な場合もあります。詳しい要件は自治体ごとに変わるため、確認が必要です。

3-3. 【機能訓練指導員】リハビリの計画作成・実施

機能訓練指導員の仕事内容は、デイサービス利用する方の身体機能やニーズに合わせた機能訓練の計画を立案して実施することです。事業者にはデイサービスや特別養護老人ホームなどで1名以上の配置が介護保険法で義務づけられています。

機能訓練指導員になるためには次のいずれかの資格が必要です。

・看護師または准看護師
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師
・鍼灸師(はり師・きゅう師)

機能訓練員の特徴は自分の知識と経験を生かしながら、利用者さんの生活に沿ったプランの作成を行います。利用者さんの日常生活機能の維持や向上を目的としたサービス提供を行います。

まとめ

デイサービスは、自宅で生活を送る方に対して、入浴・食事・リハビリなどの介護を提供するサービスです。デイサービスでは一般的な介護士に加え、管理職・生活相談員・機能訓練指導員の配置が義務づけられています。それぞれの役割を把握し、連携を取りながら働くことを知っておきましょう。

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※当記事は2022年10月時点の情報をもとに作成しています

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