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介護職を辞めたい・辛いと感じる9つの理由|辛さへの対処法も解説

公開日:2021.06.30 更新日:2024.04.17
介護職を辞めたい・辛いと感じる9つの理由|辛さへの対処法も解説

介護職は利用者さんの感謝の声を聞けるやりがいある仕事で、社会の高齢化が進む中需要も高まっています。しかし、介護職を続ける中で辞めたい・辛いと感じる方はゼロではありません。さまざまな理由から現在の仕事を退職・転職したいと思う方もいるでしょう。

今回は介護職にありがちな、9つの退職理由と対策方法について紹介します。転職するのがおすすめの職場や、よい職場の見分け方も解説しているため、介護職を辞めたい・辛いと感じている方は、ぜひ参考にしてください。

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1. 【あるある編~3大辞めたい理由】

介護職の方が職場を退職される理由は多様です。ただし、介護職そのものが嫌になったのではなく、職場の人間関係や、自分のライフプランの変化、理念の違いなどを感じ、退職される方が多く存在します。自分の介護職の方が施設から退職を決める理由として、特によくあるものは以下の3種類です。

1-1. 人間関係に問題がある

介護施設は24時間・365日営業のため、人間関係も濃密になりがちなことから、その手のトラブルが絶えないと言われています。

公益財団法人介護労働安定センターが実施した調査では、 「介護職を辞めた理由」として「職場の人間関係」の回答が最も多い結果になりました。

(出典:厚生労働省「令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-」
/ https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/1-01.pdf

一口に 人間関係のトラブルといっても、「あのスタッフと同じシフトにしないで欲しい」「苦手なご利用者がいる」などさまざまです。 まずは自身で解決することを前提に、職場の同僚など、理解者に相談するのがポイントです。

1-2. 幸せな結婚・出産・育児がしたい

これから 結婚・出産・育児をしながら働きたいと考えている方は、自身のライフプランをどうしたいかが大前提になります。 結婚後やこどもが生まれた後にどのような生活をしたいのか、よく考えてみましょう。

希望する生活水準を想定して、今の職場の給料制度で満足できるか、育休休暇や時短勤務などにも理解のある職場かどうか、振り返ってみてはいかがでしょうか。

1-3. 運営側と理念が合わない

この理由を挙げる人の多くは、 おそらく入社前に聞いた会社の理念と実際の仕事内容が、「余りにもかけ離れていた」と痛感しているのではないでしょうか。

よく聞く理由として「本来あるべきはずの手厚い介護ができていない」というのが挙げられます。

しかし、不満は課題として捉えることもできます。 課題が明確であれば、介護施設側に改善策とその期限を投げかけてみるのも一手です。 提案後の様子を見て判断しましょう。

2. 【モチベーション編~やる気が維持できない】

モチベーションは、働く上での屋台骨です。たとえ好きで始めた介護の仕事でも、心が折れてしまったら元も子もありません。介護職の方の中には、以下の理由からモチベーションが維持できなくなり、退職を決意してしまう人も多く存在します。

2-1. 給料が低い!

介護業界の低賃金問題は、介護処遇改善手当制度などによって改善傾向を見せているものの、給料が低いと感じる方はゼロではありません。

現状の給与に不満があるなら、まず雇用契約書を確認しましょう。記載されている内容は守られているか、今後昇給する可能性があるのかどうか、残業代や手当はきちんと支給されているのかを確かめ、 「怪しいな」と感じたら施設長や人事といった「給与部門の担当者」に相談してみましょう。

また、即昇給は無理でも、資格手当のために資格を取る、夜勤帯のシフトを増やすなど、自助努力で現状が変えられる場合もあります。

2-2. 将来の見込みが立たない

将来性といっても、「自身の体力・技術で仕事を続けていけるのか」、「今の会社で良いのか」、「介護業界の先行きが不安」など、多くの捉えどころがあります。

自身の働き方に対するビジョンを明確にして考えましょう。

例えば「今の介護施設ではスキルの向上は望めないものの、とりあえず経験を積むことで管理職になれる可能性は高いので、続けてみよう」、あるいは「現状の給与体系は不満だが、国の処遇改善に対しては理解のある会社だから、スキルアップのために続けてみよう」のように、現状とビジョンから判断できるでしょう。

施設自体の将来が不安なときは、会社と施設の経常利益について調べるのもおすすめです。 経常利益率5%前後が、介護事業の平均といわれています。これを大幅に下回るようなら、将来性を見込めない施設の可能性があります。

2-3. 他に良い仕事・職場がある

他にやりたい仕事があって悩んでいる場合、まずは転職のきっかけを振り返ることが重要です。 だれもが今の仕事に満足している訳ではなく、どの職場でも多かれ少なかれ辛さは伴うものです。

思い切って新しい環境に飛び込んでみるのも良いですが、自分の適性や、今の職場の辛さは一時的なものかどうか、なども考慮しましょう。

3. 【労働環境編~耐えられない介護業界の現状】

介護業界は社会の高齢化が進み、利用者さんが増加する一方で、人材が不足しているという課題を抱えています。2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、要介護者が急速に増加すると言われており、介護業界や政府はさまざまな手段で職員の待遇を改善し、人材確保に動いています。

しかし、介護業界全体が直面する問題や労働環境などについて辛く感じ、以下のような理由で退職される方が一定存在するのも事実です。

3-1. 人手不足で忙しすぎる

2021年の時点で、介護事業所の63.0%は人材が不足していると感じており、特に訪問介護員人材については80.6%が足りていないという調査結果があります。

(出典:介護労働安定センター「令和3年度「介護労働実態調査」結果の概要について」
/ http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2022r01_chousa_kekka_gaiyou_0822.pdf

現場ではシフト調整や派遣社員のヘルプを依頼する、ICT化を導入するなど、さまざまな取り組みが行われています。職員全体の共有力で離職防止に努めていた介護施設もありました。

まずは今の職場が人員配置の基準を満たしているのかどうか確認しましょう。 また、コミュニケーションを密に取ればイライラが解決することもあります。自分から周囲に働きかけるのがおすすめです。

3-2. 労働条件が悪い

業務内容が負担と感じるのであれば、一度、冷静に問題点を洗い出した上で、施設長や人事に相談しましょう。 実際の介護現場でありがちなのは、

・夜勤契約で採用されたが、実際に働いてみて負担になった
・日勤契約で採用された後、夜勤をしたくなったけどさせてもらえない
・残業なしと聞いて入社したのに、残業だらけ
・会社都合で夜勤の回数を減らされた

といったケースです。

もちろん、すべての要求を飲んでもらえるに越したことはありませんが、相談する際は、事前に期限や条件など「自分が譲歩できる最低ライン」を設定しておいたほうが交渉しやすくなります。

3-3. 体力的にも精神的にも辛い

介護現場の現場では体を使い、利用者さんの生活をサポートします。日々の介助による足腰の負担からぎっくり腰を患ってしまったり、日勤と夜勤の変則勤務や職場の人間関係に悩まされたりして、精神的に辛くなる人も少なくありません。

こうした心身面の負担が退職理由の場合、辛い現状を一刻も早くだれかに伝えることが「自分の心と体を守る」と考えましょう。熟練の先輩スタッフに相談すれば、体の使い方や有効なアフターケアを教えてもらえるはず。

メンタル面のケアは、一概には言えませんが、冷静な判断が難しいときは、環境を一旦リセットする必要があるかもしれません。 ゆっくり回復するために休職を検討するのも良いでしょう。

4. 介護職として働くことが辛い・辞めたいときの対処法

働くことが辛いと感じたときや、辞めたいと思っているときには、まず抱えている悩みを書き出してみましょう。 文字にして視覚的に認識すれば、自分の悩みについて客観的に判断できるようになります。心の中に抱えていた気持ちを吐き出す作業にもなり、ストレスを軽くしつつ解決の糸口を見つけられます。

同じ介護職でも、人によって抱えている辛さや辞めたいと思う原因はさまざまです。自分が今、どのような点で辛い・辞めたいと感じているのか整理した上で、原因に合った対処法を試すことが大切です。

多くの方が直面する3つの悩みについて、対処法を紹介します。

4-1. 人間関係が辛い場合の対処法

職場の人間関係に原因があると感じたときは、まず上司や同僚に相談しましょう。 職場の雰囲気や普段の勤務態度を知っている上司や同僚なら、状況に応じた改善案を提示してもらえます。たとえば特定の人物とどうしても価値観や考え方が合わないのであれば、上司に相談すればシフトや担当する業務を変更してもらえる可能性があります。

複数の事業所を運営している法人の場合、人事担当者に相談するのも1つの選択肢です。他事業所への異動で、対処してもらえるケースもあります。

人間関係について相談するときは、自分の言動や勤務態度も振り返ることが大切です。ある日突然、人間関係が悪くなったと感じた場合は、自分の言動が誤解を生んでいるケースも考えられます。

職場の上司や同僚に相談しても具体的な対処法をとってもらえなかったときや、自分自身に何の心当たりもないときは、思い切って転職も視野に入れましょう。

4-2. 待遇や給料面に不満がある場合の対処法

現在の待遇や給料面が仕事に対して見合っていないと感じると、不満が溜まってモチベーションに影響を与えやすくなります。しかし上司や経営層に給料アップを直談判したところで、現状のままでは必ずしも要望が通るとは限りません。

人間関係に問題がなく、待遇や給料面に対してのみ不満を持っている場合は、改善につなげるための行動を起こす必要があります。たとえば業務に関係する資格を取得して、管理職への昇進や手当による給料アップを狙う方法があげられます。

待遇改善や給料アップが期待できる代表的な資格は、介護福祉士です。すでに職場で一定以上の実務経験を積んでいれば、養成施設に通わずとも指定された研修を受講することで受験資格を得られます。

取得している資格の有無によっても、給料は異なります。詳しい給料・年収情報は下記のページをご覧ください。

介護職系の給料・年収について詳しくはこちら

4-3. 業務量が多すぎてきつい場合の対処法

業務量が多いと、経験豊富な方でもきついと感じることがあります。一人ひとりの業務量が多くなる原因の1つは、人手不足です。人材を増やせば緩和が期待できますが、経営状況によっては即座に増員できるとは限りません。

増員が期待できないときは、ルーチンワークを中心にIT化を進めるとそれぞれの業務負担を軽減できます。また、業務量に合わせて道具の整理整頓ルールを変える・機能分化によって連携をスムーズにするなども効果的な対処法です。

業務改善策を上司や経営層に伝えても協力してもらえない場合、見切りをつけることも大切です。転職で自分に合った職場環境を探しましょう。

5. このような職場の場合はすぐ転職するのがおすすめ

どのような職場にも、利点もあれば欠点もあるため、転職活動をすることが常に正解とは言えません。行動によって悩みの原因が改善されるのであれば、無理に転職を考えず、現在の職場で働き続ける選択肢もあります。

一方で、すぐに辞めたほうがよい、以下のような職場も存在します。

5-1. ハラスメントが頻繁に起きている

ハラスメントが繰り返し発生しており、改善する様子が見られない職場からは退職するのがおすすめです。

介護の現場で起きうるパワハラやセクハラといったハラスメントは、加害者・被害者ともにさまざまです。上司や同僚が同じ職場の仲間に対して行う場合もあれば、利用者さんが介護職の方にハラスメントを行うこともあります。

また、ハラスメントは職員が利用者さんに対して行うケースも増えつつあります。厚生労働省の調査によると、令和3年度時点で養介護施設従事者等による虐待の相談・通報件数は2,390件あり、前年比14%増となっています。 通報された案件のうち虐待と判断されたケースは739件あり、前年比24.2%増でした。

(出典:厚生労働省「養介護施設従事者等による高齢者虐待の相談・通報件数と虐待判断件数の推移」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000196989_00024.html

ハラスメントが起きても再発防止策が取られていない職場や、職員が利用者さんを虐待している職場は、自分の身を守るために辞めるべきです。

5-2. サービス残業や休日出勤が常態化している

勤務時間や日数が労働基準法に違反している職場も、働き続けるべきではありません。主な例として、サービス残業や休日出勤、日勤から夜勤への継続勤務などがあげられます。

労働基準法違反が常態化していると、周囲の職員が当然のように長時間労働することから、定時での退勤が悪いように感じます。周囲に感化されて自らも労働基準法に違反した働き方をすると、心身ともに不調になる恐れもあるため、退職しましょう。

上司に訴えても勤務時間が改善されない場合は、転職で健全な職場へ逃げるのが大切です。 労働時間の他にも、賃金が通貨以外の商品で支払われる場合や、一定期間勤務しても年次有給休暇が取得できないときは、労働基準法違反が疑われます。

5-3. 違法行為が行われている

施設によっては、医療行為が必要な利用者さんを受け入れていることがあります。通常は医師・看護師の方が医療行為のみ担当します。しかし、人手不足を理由に介護職の方へ医療行為を代行させようとする施設もあるため、仕事内容は慎重に確認しましょう。

爪切りや歯ブラシ・綿棒による歯磨きの介助といった一部の医療行為は、介護職の方が担当しても違法となりません。中には研修を受けることで介護職の方でも対応できるようになる医療行為もあるため、禁止されている分野と区別するのが大切です。

違法な医療行為を介護職の方へ対応させている実態のある施設は、早急に転職を検討する必要があります。

6. 【介護職向け】よい職場の見分け方

介護職の方が辛い・辞めたいと悩まないようにするために、転職時は働きやすい職場を見つけることが大切です。退職者や現職者の体験談を参考にする他、求人の募集元がどのような職場環境を整えているのかを重視しましょう。

介護職の方が安心して働ける職場の特徴として、下記の3つがあげられます。

介護職員処遇改善加算を取得している
介護職の方の待遇を改善する施策が、「介護職員処遇改善加算」制度です。要件を満たすことで、毎月最大3.7万円相当のベースアップ等支援加算が受けられます。要件は賃金体系の整備・昇給の仕組み化・職場環境改善など働く側にメリットが多いもののため、介護職員処遇改善加算を取得している職場を転職先に選びましょう。

キャリアアップ・教育の制度が整っている
資格取得や業務経験の積み重ねにつながる環境が整っている職場は、待遇改善や給料アップを狙いやすいメリットがあります。キャリアアップ・教育の制度が整っている職場なら、前職での経験が少なくとも安心して長期勤務できます。

教育に力を入れている職場は運営に人材を育てる余裕があり、一人ひとりの業務負担が過剰となりにくいことも特徴の1つです。

労働環境について国から証明を受けている
労働環境が整っていると第三者から証明されている職場なら、より安心して働けます。国からの主な証明方法は、「ユースエール認定制度」「健康経営優良法人制度」「くるみんマーク」の3つです。

ユースエール認定制度とは、若年層の採用や育成に積極的かつ優良な中小企業を認定する制度です。「人材育成方針」や「教育訓練計画」を策定し、さまざまな要件を満たした場合のみ認定されます。

健康経営優良法人制度は、健康経営に取り組んでいる優良な法人を認定するための制度です。要件は複数設けられており、肉体的な健康面のみならずコミュニケーション促進やヘルスリテラシー教育など精神的な部分に関係する取り組みも含まれます。

くるみんマークは子育てサポートに力を入れている優良企業の認定制度です。子育てと仕事を両立しやすい環境作りへの取り組みが評価されます。

各制度や取り組みの実績は、職員が長く働けるように環境を整えていることの客観的な証明となります。求人情報を見るときは待遇や給料に加えて、どのような制度を設けているかも確認しましょう。

まとめ

介護職員が辛いと感じたときの解決策の大前提は、自分で「なぜ辞めたいのか」「なぜ迷っているのか」を洗い出すことです。その上で迷うのであれば、施設長に1対1の時間を作ってもらい直接相談するのをおすすめします。ただし、施設長とは言え、相手も人です。すべてが納得いく答えではない場合もあります。

転職するかどうかは、最終的には自分自身が決めるものです。たとえ回答に納得できなくても、その前に至る自身のモヤモヤを整理して臨めたのであれば、踏ん切りもつきやすいでしょう。

介護職の方が転職される場合、マイナビ介護職の利用をおすすめします。介護業界に精通したキャリアアドバイザーが、一人ひとりの希望やキャリアに合わせて、非公開求人を含む多数の職場を紹介いたします。

※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています

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プロフィール

鹿賀大資

介護福祉士・ライター

施設介護で10年のキャリアを持つ現役介護福祉士。介護系WEBサイトにて、介助にまつわるコラムや記事を執筆。自らの介護エピソードはもちろん、同僚スタッフの体験談など、現場の声なき声を発信している。

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