【岐阜県】介護職の求人動向は？有効求人倍率や実際の求人状況も紹介

岐阜県は日本国土のほぼ中心にあり、中部地方の各県や関西地方へアクセスしやすい自治体です。都市部の利便性と自然の調和が取れた自治体で、下呂温泉や養老の滝などの観光スポットが多いことでも知られています。

一方で、岐阜県は県外への人口流出や出生率の低下などが原因で、現役世代の人口減少が進んでおり、高齢者の介護を担う人材の需要が高まっています。

（出典：岐阜県環境生活部統計課「岐阜県の 人口減少の現状」/https://www.pref.gifu.lg.jp/page/4033.html）

この記事では、岐阜県における介護職の求人動向・状況を解説するため、転職を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

1.　【岐阜県】介護職の求人動向

岐阜県では人口減少が問題とされており、2020年から2045年までに総人口は約45万人減少すると予測しています。一方で、高齢化率は上昇傾向にあり、岐阜県における2045年の高齢化率は38.5％になる見込みです。また、将来的に介護サービスの供給に対して需要が上回ると推測されているため、岐阜県の介護施設では人材の確保を進めている状況です。

（出典：岐阜県「第8期岐阜県高齢者安心計画（令和3～5年度）の策定について」/https://www.pref.gifu.lg.jp/page/142692.html）

ここからは、岐阜県における介護職の求人動向を有効求人倍率・採用率・介護職需要が高い理由の3つに分けて紹介します。

1-1.　全国と岐阜県の有効求人倍率

介護職の有効求人倍率は全国的に高く、4倍以上の都道府県も少なくありません。下記は、都道府県別に介護職の有効求人倍率をまとめた表です。

【都道府県別】介護職の有効求人倍率（※2019年11月時点）
【全国平均】	4.45
北海道	3.34
青森県	3.10
岩手県	2.70
宮城県	4.13
秋田県	3.06
山形県	3.28
福島県	3.57
茨城県	5.06
栃木県	3.97
群馬県	4.46
埼玉県	5.62
千葉県	4.67
東京都	7.39
神奈川県	5.36
新潟県	3.58
富山県	4.97
石川県	4.27
福井県	4.34
山梨県	2.71
長野県	3.53
岐阜県	5.80
静岡県	4.50
愛知県	6.77
三重県	4.76
滋賀県	3.58
京都府	4.40
大阪府	5.70
兵庫県	4.56
奈良県	5.87
和歌山県	3.04
鳥取県	2.89
島根県	3.02
岡山県	4.49
広島県	4.37
山口県	3.55
徳島県	3.68
香川県	3.67
愛媛県	4.36
高知県	2.83
福岡県	3.60
佐賀県	3.07
長崎県	2.81
熊本県	3.77
大分県	2.80
宮崎県	2.75
鹿児島県	2.98
沖縄県	2.74

（出典：厚生労働省「介護分野における特定技能について」/https://jicwels.or.jp/wp-content/uploads/2020/01/2.介護分野における特定技能について（厚生労働省）.pdf）

岐阜県における介護職の有効求人倍率は、全国で4番目に高くなっています。中部地方で見ると、愛知県の6.77倍に次いで2番目に高い数値です。

上表と同一資料の全業種を含めた岐阜県の有効求人倍率は約1.9倍であるため、岐阜県では介護職を求める施設が多いと言えます。

1-2.　岐阜県の採用率・離職率

採用率・離職率・増加率は、都道府県別の介護職への就職のしやすさや働きやすさを把握するために必要な情報です。

下記は、中部地方の介護職の採用率・離職率・増加率をまとめた表です。

【中部地方】介護職の1年間の採用率・離職率・増加率（※2020年10月時点）
	採用率（％）	離職率（％）	増加率（％）
【全国平均】	16.0	14.9	1.1
【中部地方平均】	15.2	13.4	1.8
新潟県	11.2	9.9	1.3
富山県	11.7	11.3	0.4
石川県	13.5	11.7	1.8
福井県	12.8	11.4	1.4
山梨県	17.1	17.7	-0.6
長野県	13.0	11.9	1.1
岐阜県	15.5	11.7	3.8
静岡県	15.7	13.6	2.1
愛知県	18.7	16.4	2.3
三重県	16.5	15.5	1.0
※備考 ・1年間の採用率＝1年間の採用者数÷1年前の在籍者数×100 ・1年間の離職率＝1年間の離職者数÷1年前の在籍者数×100 ・介護職3職種（訪問介護職員・介護職員・サービス提供責任者）の統計 ※山梨県に関してはサンプル事業所数が30未満のため参考値との位置付け

（出典：公益財団法人介護労働安定センター「―令和2年度 介護労働実態調査結果について―」/http://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html）

岐阜県の各数値を中部地方で比較すると、採用率は静岡県の15.7％に次いで4番目、離職率は中部地方平均よりも低く、増加率は中部地方で最も高くなっています。

「令和2年度介護労働実態調査岐阜県版」によると、「本人の希望に応じた勤務体制にする等の労働条件の改善に取り組んでいる」と回答した岐阜県の施設は69.2％です。全国平均が64.8％であり、岐阜県では介護職の離職防止に力を入れている施設が多いことがうかがえます。また、岐阜県で「今の勤務先で働き続けたい」と回答した職員の割合が全国平均より高いことも、増加率が高水準である理由の1つです。

（出典：介護労働安定ンセンター「令和2年度介護労働実態調査岐阜県版」/http://www.kaigo-center.or.jp/shibu/gifu/ca199997131f4782f51051fd2dd7c85e6b06e572.pdf）

1-3.　岐阜県の介護職需要が高い理由

岐阜県では、要支援・要介護認定者数が年々増加していることに伴い、介護職需要も高まっています。2021年7月時点における岐阜県の要支援・要介護認定者数は106,569人で、前年の7月と比較すると約2,500人増加しています。

（出典：厚生労働省「介護保険事業状況報告（令和3年7月分）」/https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m21/2107.html）

（出典：厚生労働省「介護保険事業状況報告（令和2年7月分）」/https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m20/2007.html）

岐阜県では介護職需要が高まっていることに伴い、「第8期岐阜県高齢者安心計画」を策定し、潜在介護人材の呼び戻しや、介護職員の離職防止、介護人材の確保・育成などを実施しています。

（出典：岐阜県「第8期岐阜県高齢者安心計画（令和3～5年度）の策定について」/https://www.pref.gifu.lg.jp/page/142692.html）

2.　【カテゴリー別】岐阜県における介護職求人の状況

「マイナビ介護職」では、求職者様1人ひとりに専任のアドバイザーが就き、転職状況のヒアリング・希望条件に合った求人の提案などを実施しています。岐阜県を勤務地とした介護職求人を約850件掲載しており、職種・勤務エリア・希望年収などを絞って求人検索できます。充実したサポートのもと転職活動を進めたい人は、ぜひマイナビ介護職をご利用ください。

以下では、マイナビ介護職に掲載されている求人をもとに、職種・雇用形態・サービス内容に分けて、岐阜県の求人状況を紹介します。

2-1.　【職種別】岐阜県の求人状況

下記は、岐阜県における介護職の求人件数を職種別にまとめた表です。

【職種別】岐阜県における介護職の求人状況（2021年11月時点）
介護職・ヘルパー	約643件
生活相談員	約42件
看護助手	約23件
ケアマネジャー	約114件
サービス提供責任者	約12件
施設長	約1件
サービス管理責任者	約1件

（出典：マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/）

岐阜県では、介護職・ヘルパーの求人数が約643件と最も多い状況です。なお、介護職・ヘルパーの求人数が最も多い都道府県がほとんどであり、全国と同様の傾向が見られます。

介護職・ヘルパーは、施設利用者に日常生活の介助を行う職種です。施設やサービス内容を問わず活躍できるため、求人数が多いことが考えられます。岐阜県は介護職・ヘルパーの求人が豊富にあることから、さまざまな施設の待遇面を比較し、希望に合った施設に転職しやすいと言えます。

2-2.　【雇用形態別】岐阜県の求人状況

下記は、岐阜県における介護職の雇用形態別の求人状況をまとめた表です。

【雇用形態別】岐阜県における介護職の求人状況（2021年11月時点）
正社員（正職員）	約554件
契約社員（職員）	約23件
非常勤・パート	約276件

（出典：マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/）

岐阜県の介護職求人は、約7割が正社員向けとなっています。正社員向けの求人では、経験者優遇だけでなく、資格・経験不問と記載している求人が複数見られます。一方で、契約社員や非常勤・パート向けの求人では、介護職員初任者研修修了者・介護福祉士などの資格保有者を募集する求人が多い傾向です。

正社員向けの求人で資格・経験不問者を募集する施設では、資格取得支援制度を設けていることが多く、仕事を通してスキルアップを図ることが可能です。そのため、キャリアチェンジを考えている人は、スキルアップできる体制が整った施設を中心に探すことをおすすめします。

2-3.　【サービス内容別】岐阜県の求人状況

下記は、岐阜県における介護職の求人数をサービス内容別にまとめた表です。

【サービス内容別】岐阜県における介護職の求人状況（2021年11月時点）
介護老人保健施設	約74件
有料老人ホーム	約73件
サービス付き高齢者向け住宅	約28件
特別養護老人ホーム	約137件
通所介護（デイサービス）	約202件
通所リハ（デイケア）	約9件
グループホーム	約46件
障がい者施設	約7件
訪問入浴	約1件
訪問看護	約10件
訪問診療	約0件

（出典：マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/）

岐阜県の介護職求人をサービス内容別に見ると、通所介護（デイサービス）・特別養護老人ホームの求人数が多くなっています。しかし、介護老人保健施設・有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅などの求人もあるため、岐阜県では携わりたいサービスの求人を探しやすい傾向です。

基本的に24時間体制で利用者の介護を行う施設では夜勤があり、日中に機能訓練などを実施する施設では日勤のみになります。夜勤がある施設に勤めると夜勤手当を得られるため、高収入を得たい人は特別養護老人ホームやグループホームの求人を探すことをおすすめします。一方で、夜勤に抵抗がある人は通所介護（デイサービス）の求人を探すと、理想とする生活を送ることができるでしょう。

また、訪問看護ではケアマネジャー・介護福祉士などの資格保有者を募集しており、月収20万円以上を提示している施設が少なくありません。サービス内容にこだわりがない場合は、複数のサービス内容の求人を比較すると待遇のよい求人を見つけられるでしょう。

まとめ

岐阜県では、人口減少と高齢化が進んでおり、全国的に見ても介護職の有効求人倍率が高い自治体です。「第8期岐阜県高齢者安心計画」を策定し、介護人材の確保・定着促進・育成などを実施している状況です。岐阜県では、資格取得支援制度を設けている施設も見られ、キャリアチェンジをした人でもスキルアップしやすいと言えます。

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※当記事は2021年11月現在の情報をもとに作成しています

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