【石川県】介護職の求人動向は？有効求人倍率や実際の求人状況も紹介

2020年10月時点の石川県における65歳以上の高齢化率は約30.0%です。2025年には団塊世代の人々が75歳以上の後期高齢者となるため、さらに高齢化が進むことが見込まれています。

（出典：石川県「石川県長寿社会プラン2021」/https://www.pref.ishikawa.lg.jp/ansin/plan/2021.html）

高齢化の進行を受けて、石川県は「石川県長寿社会プラン」を策定し、「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取り組みを進めています。取り組みの中で、介護人材の確保・体制改革に注力している点も石川県の特徴です。

当記事では、石川県における介護職の求人動向から、職種・雇用形態・サービス内容別の求人状況までを解説します。石川県で介護職として働きたい人は、ぜひ参考にしてください。

1.　【石川県】介護職の求人動向

2015年3月時点で、石川県の介護事業所のうち、約54.2%が人材不足を感じています。人材不足を解決するために、石川県は「石川県介護・福祉人材確保・養成基本計画」を策定し、多様化する介護・福祉ニーズに対応した人材の確保を促進しています。

（出典：石川県「石川県介護・福祉人材確保・養成基本計画」/https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kousei/kaigofukushijinzai-keikaku.html）

介護職の転職を検討する上で、需要や求人動向を知ることは大切です。以下では、石川県における介護職の有効求人倍率・採用率・離職率・介護職の需要が高い理由を解説します。

1-1.　全国と石川県の有効求人倍率

2019年11月時点、介護職における有効求人倍率の全国平均は4.45倍です。全職種を含めた有効求人倍率は1.48倍であることと比べると、介護職の有効求人倍率は高い水準と言えます。

以下は、各都道府県における介護職の有効求人倍率を示した表です。

【都道府県別】介護職の有効求人倍率（※2019年11月時点）
【全国平均】	4.45
北海道	3.34
青森県	3.10
岩手県	2.70
宮城県	4.13
秋田県	3.06
山形県	3.28
福島県	3.57
茨城県	5.06
栃木県	3.97
群馬県	4.46
埼玉県	5.62
千葉県	4.67
東京都	7.39
神奈川県	5.36
新潟県	3.58
富山県	4.97
石川県	4.27
福井県	4.34
山梨県	2.71
長野県	3.53
岐阜県	5.80
静岡県	4.50
愛知県	6.77
三重県	4.76
滋賀県	3.58
京都府	4.40
大阪府	5.70
兵庫県	4.56
奈良県	5.87
和歌山県	3.04
鳥取県	2.89
島根県	3.02
岡山県	4.49
広島県	4.37
山口県	3.55
徳島県	3.68
香川県	3.67
愛媛県	4.36
高知県	2.83
福岡県	3.60
佐賀県	3.07
長崎県	2.81
熊本県	3.77
大分県	2.80
宮崎県	2.75
鹿児島県	2.98
沖縄県	2.74

（出典：厚生労働省「介護分野における特定技能について」/https://jicwels.or.jp/wp-content/uploads/2020/01/2.介護分野における特定技能について（厚生労働省）.pdf）

石川県における介護職の有効求人倍率は4.27倍で、全国平均の4.45倍を下回ります。しかし、全国的に見ても上位半数に入る数値であるため、決して低いわけではありません。

2020年10月時点、石川県の65歳以上の高齢者数は約33万人です。2020年10月時点において前期高齢者と後期高齢者の割合は同程度であるものの、今後、後期高齢者の増加が続き、2025年には高齢者の5人に3人が後期高齢者となることが予想されています。

（出典：石川県「石川県長寿社会プラン2021」/https://www.pref.ishikawa.lg.jp/ansin/plan/documents/2bu.pdf）

また、石川県における人口構成の変化からも、介護職の需要が高まることが見込まれます。高齢者人口の増加が進む一方で、働き手の中心となる15～64歳の生産年齢人口は、2010年の約73.3万人から2025年には約63万人まで減少すると予想されている状態です。少子高齢化が高まる中で、安定した介護サービスの提供が重視されています。

（出典：国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推定人口（平成30（2018）年推計）/http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson18/3kekka/Municipalities.asp）

1-2.　石川県の採用率・離職率

以下は、中部地方における介護職の採用率・離職率・増加率を示した表です。

【中部地方】介護職の1年間の採用率・離職率・増加率（※2020年10月時点）
	採用率（％）	離職率（％）	増加率（％）
【全国平均】	16.0	14.9	1.1
【中部地方平均】	15.2	13.4	1.8
新潟県	11.2	9.9	1.3
富山県	11.7	11.3	0.4
石川県	13.5	11.7	1.8
福井県	12.8	11.4	1.4
山梨県	17.1	17.7	-0.6
長野県	13.0	11.9	1.1
岐阜県	15.5	11.7	3.8
静岡県	15.7	13.6	2.1
愛知県	18.7	16.4	2.3
三重県	16.5	15.5	1.0
※備考 ・1年間の採用率＝1年間の採用者数÷1年前の在籍者数×100 ・1年間の離職率＝1年間の離職者数÷1年前の在籍者数×100 ・介護職3職種（訪問介護職員・介護職員・サービス提供責任者）の統計 ※山梨県に関してはサンプル事業所数が30未満のため参考値との位置付け

（出典：公益財団法人介護労働安定センター「―令和2年度 介護労働実態調査結果について―」/http://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html）

石川県では、介護職の採用率が平均値を下回るものの、離職率が低く、増加率も高い傾向です。

また、石川県で新規採用された介護スタッフのうち、学卒就職者が24.3%、転職者が75.7%です。石川県では介護・福祉関係養成学校を中心に、学卒就職者の採用割合を高めるために、在学生の県内就業を促進しています。また、資格所持者や就業経験がありながらも現在働いていない潜在人材へのアプローチも重視されており、採用率を高めるためのさまざまな施策が行われています。

離職率を抑えるために、賃金水準の向上や多様な勤務形態の導入が進められている点も特徴です。例えば、2019年10月時点で、定期昇給や資格手当のない事業所が約3割となっていることを受け、勤務環境の整備が行われています。採用拡大・離職防止に関する多様な取り組みを行っていることからも、石川県は、介護スタッフにとって満足度の高い環境づくりに力を入れている地域と言えます。

（出典：石川県「石川県介護・福祉人材確保・養成基本計画」/https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kousei/kaigofukushijinzai-keikaku.html）

1-3.　石川県の介護職需要が高い理由

2018年時点の石川県の平均寿命は、男性が81.04歳、女性が87.28歳です。さらに、健康寿命においても、男性が72.02歳、女性が74.66歳となっており、男女ともに全国平均を上回っています。

（出典：石川県「知事の窓-2018年冬季号-」/https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kousei/kaigofukushijinzai-keikaku.html）

長寿県である一方で、平均寿命と健康寿命には差があるため、病気や衰弱によって介護を必要とする人も多く存在します。平均寿命の高まりに伴う高齢者数の増加によって、介護需要も高まるでしょう。

2.　【カテゴリー別】石川県における介護職求人の状況

2021年11月時点の「マイナビ介護職」では、石川県の介護職求人を446件掲載しており、職場の雰囲気・状況・人間関係などの細やかな情報も収集しています。業界専門のアドバイザーが1対1で面談を行い、ヒアリング内容をもとに希望に沿った求人を提案いたしますので、石川県で介護職求人をお探しの方は、ぜひマイナビ介護職をご利用ください。

ここからは、マイナビ介護職に掲載されている求人情報をもとに、石川県における介護職求人の状況を「職種」「雇用形態」「サービス内容」に分けて解説します。

2-1.　【職種別】石川県の求人状況

以下は、石川県における職種別の介護職の求人状況を示した表です。

【職種別】石川県における介護職の求人状況（2021年11月時点）
介護職・ヘルパー	約310件
生活相談員	約18件
看護助手	約20件
ケアマネジャー	約41件
サービス提供責任者	約5件
施設長	約0件
サービス管理責任者	約3件

（出典：マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/）

石川県の介護職求人のうち、「介護職・ヘルパー」の求人が最も多く見られます。介護職・ヘルパーは、入居者に触れ合う機会が多い職種であり、食事介助・入浴介助・排泄介助などが主な仕事内容です。

また、介護職・ヘルパーの求人のうち、約4割が未経験者可の求人であり、実務経験がない場合も介護職に就くことができます。さらに、「介護福祉士」「初任者研修」「実務者研修」などの有資格者であれば月給が高まる場合もあるため、資格取得支援制度などを生かして資格取得に励むこともおすすめです。

石川県では、ケアマネジャーの求人も多く見られます。ケアマネジャーは、介護を必要とする人が適切な介護サービスを受けられるように、ケアプランの作成や各種サービス事業者との調整を行います。介護職・ヘルパーがキャリアアップを目指す際に取得する資格としても人気です。

加えて、ケアマネジャーは介護職の中で比較的給与の高い職種です。ただし、日勤が中心の勤務形態となるため、夜勤が多い職種と比べると月給が低くなる場合もあります。

2-2.　【雇用形態別】石川県の求人状況

雇用形態によって求人数や応募要件は、大きく異なります。

以下は、石川県における雇用形態別の介護職の求人状況を示した表です。

【雇用形態別】石川県における介護職の求人状況（2021年11月時点）
正社員（正職員）	約318件
契約社員（職員）	約47件
非常勤・パート	約84件

（出典：マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/）

石川県における雇用形態別の求人状況では、正社員の求人が最も多く、約7割を占めています。正社員の月給相場は約25万円、契約社員の月給相場は約22万となっており、正社員の月給相場が約3万円高い傾向にあります。

非常勤・パートの求人も多く見られ、時給相場は約850～1,300円です。施設によっては有給休暇・育児休業の取得実績が豊富にあり、働きやすい環境が整っています。

2-3.　【サービス内容別】石川県の求人状況

同じ職種であっても、サービス内容によって仕事内容や求人状況が異なります。

以下は、石川県におけるサービス内容別の介護職の求人状況を示した表です。

【サービス内容別】石川県における介護職の求人状況（2021年11月時点）
介護老人保健施設	約25件
有料老人ホーム	約27件
サービス付き高齢者向け住宅	約15件
特別養護老人ホーム	約80件
通所介護（デイサービス）	約63件
通所リハ（デイケア）	約4件
グループホーム	約47件
障がい者施設	約9件
訪問入浴	約1件
訪問看護	約4件
訪問診療	約0件

（出典：マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/）

石川県における介護職の求人をサービス内容別に見ると、「特別養護老人ホーム」の求人が最も多く、次いで「通所介護（デイサービス）」「グループホーム」の求人が多くあります。

特別養護老人ホームは公的な介護福祉施設のため、労働環境や研修制度が整っている傾向です。また、通所介護は、自宅から通う利用者の身体介護や、日常生活支援を目的としたレクリエーションなどを行う施設で、仕事内容に送迎業務が含まれる場合もあります。

グループホームは、認知症の入居者が少人数単位でグループ生活を行う施設です。介護職・ヘルパー・ケアマネジャー・看護助手などが介護スタッフとして勤務します。グループホームは夜勤がある勤務形態が中心であるため、夜勤手当も見込めます。

まとめ

石川県は、介護職の増加率が全国平均を上回っており、介護職に携わる人々にとって働きやすい環境であると言えます。また、高齢者人口の増加が予想されているため、ますます介護職の需要が高まるでしょう。

石川県で介護職求人を探す場合は、「マイナビ介護職」がおすすめです。マイナビ介護職では、専任キャリアアドバイザーが応募先の選定から、書類・面接対策、入社後のアフターフォローまでをお手伝いいたします。石川県の介護職求人も多数掲載しているため、ぜひお気軽にご相談ください。

石川県の介護職求人はこちら

※当記事は2021年11月現在の情報をもとに作成しています

介護・福祉業界の転職事情｜仕事の種類・平均給与・おすすめの資格

【石川県】介護職の給料相場を男女別・サービス内容別に解説！

【石川県】介護職員処遇改善加算の取得状況は？介護施策の状況も解説