実務者研修(ホームヘルパー1級)とは
目次
1. 介護職員実務者研修修了者の月収や年収はいくら?
介護職員実務者研修修了者の給料は、施設や病院、通所系サービスなど勤務先によって異なります。
厚生労働省が発表した「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」から抜き出した、令和4年の介護職員実務者研修修了者の平均給与(平均勤続6.8年・介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所対象)の平均月収は、一時金を月割りで含んで約30万円です。年収にすると約362万円となります。
(出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」スライド166
/
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/dl/r04kekka.pdf)
介護職員実務者研修修了者は、介護福祉士とほぼ同じ業務内容を担当しますが、初任者研修修了者よりは給料が高く、介護福祉士に比べると低くなります。資格手当が通常つきますが、介護福祉士に比べると手当額は低いです。
ただし勤務先によっては夜勤手当が追加されます。在宅系では、サービス提供責任者としての役職につくことになり、ホームヘルパーや介護職員に比べると少し高めの基本給が設定される傾向にあるでしょう。
2. 介護職員実務者研修修了者の初任給はどのくらい?
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、ホームヘルパーの初任給は約25万円です。
(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」規模計
/
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040163754&fileKind=4)
一般的に、新卒から介護職員実務者研修を修了して入社する人は少なく、資格取得者の多くが、他職種からの転職や既婚女性で、特にホームヘルパー(訪問介護員)は40代女性の採用が目立ちます。資格取得者の年齢が幅広いこともあり、初任時の年齢によって金額が大きく変わることはほとんどないでしょう。
3. 大手介護事業者の月収や年収の一例を見てみよう
ここで、参考までに介護業界大手が公開している介護職員実務者研修修了者の月収や年収の一例を見てみましょう。
業界最大手のニチイでは、施設の種類や地域によって給料や賞与に差はあるものの、おおむね約23万円前後での募集が多いです。
日本一の在宅介護事業数を誇るツクイの場合、モデル月収例として約19万円で資格手当となる1万円を含んだ金額とされています。平均勤続年数が約7年で、平均年収は2024年6月現在約294万 (介護支援専門員・ケアマネジャー) ~712万円(工場内業務)です。こちらも上級資格者を含むため、実際は低くなる可能性があります。
また、ホームセキュリティ会社として有名なセコムは、1991年に在宅医療サービスを開始して以来、訪問介護やシニアレジデンスなどの「介護福祉サービス」を提供し、2024年現在では、介護業界でも売上高およびシェア率は第5位となりました。
セコムは医療や介護に関わる施設を数多く運営するなど、介護業界でも大手として知られています。セコムの場合、給料の一例として公開しているケースでは、訪問系だとサービス提供責任者で月収約23万円、年収は約345万円となり、デイサービスでは月収約18万円、年収は約270万円での求人が行われています。
4. 介護職員実務者研修修了者が昇給する可能性はあるの?
介護職員実務者研修修了者は、介護福祉士と同様に、基本的には経験年数を重ねるほど昇給します。訪問系では、サービス提供責任者になると昇給することが多いでしょう。
しかし、さらなる給与額アップを考えるのであれば、介護福祉士を取得することが一番の近道です。上級資格を目指さずに、昇給の可能性を考えても、限界があります。介護福祉士になると、基本給や資格手当が上がるだけでなく、介護主任などの役職に就くこともできるため、年収アップのチャンスも広がることでしょう。介護職を極めるとともに、昇給を期待するのであれば、介護福祉士の取得を目指すのもおすすめです。
5. 実務者研修修了者はさまざまな働き方ができる
介護職の有効求人倍率は各地域によって差があるものの、他の職種に比べると、まだまだ人材が不足している状況です。介護実務者研修修了者が活躍できる場所は多く、入所施設から訪問介護まで幅広く活躍の場があります。特にサービス提供責任者となる適任者として、訪問介護での募集は多いでしょう。
また、女性が多く活躍しているので、子育て世代にも働きやすいよう、託児所を併設するなどの子育て支援を行うところも増えてきています。パートや派遣の求人も多く、自分のライフスタイルに合わせ、さまざまな働き方ができるでしょう。
まとめ
介護職員実務者研修の初任者研修との違いの1つに、「サービス提供責任者になれる」という点があります。介護福祉士に比べると給料が低くなるものの、サービス提供責任者には手当もつき、無資格者と比較すると高い傾向にあるといえます。しかし、勤務先によってはハードな仕事内容と給料面のバランスに不満を感じる方も多く、将来的な収入アップにも限界があるでしょう。更なるキャリアアップを考えるのであれば、介護福祉士の取得を考えてみましょう。
※当記事は2024年6月時点の情報をもとに作成しています
介護・福祉業界の転職事情|仕事の種類・平均給与・おすすめの資格
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