デイサービスは未経験・無資格で働ける?仕事内容・メリットを解説

デイサービスとは、自宅で生活している介護が必要な利用者さんの生活機能の維持・向上を目的に行われる、通常日帰りの介護サービスです。要介護者の方を対象としたサービスで、機能訓練や高齢者同士の交流、レクリエーションが行われています。
この記事では、デイサービスの仕事は、介護未経験・無資格の方であっても行えるのかについて、詳しく解説します。また、デイサービスで働くメリット・デメリットも紹介するので、ぜひご覧ください。
目次
1. デイサービスは介護未経験・無資格でも働ける?
デイサービスは、介護の仕事が未経験の方や、介護に関する資格のない方であっても働くことが可能です。
デイサービスでは、管理者や生活相談員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員など、さまざまな職種の方が働いています。それぞれの職種に対して資格要件が定められていますが、介護職員には必須資格が定められていません。そのため、デイサービスの中でも介護職員であれば無資格・未経験の方でも就業可能となっています。
デイサービスの人員配置基準は、以下の通りです。
【人員基準】
生活相談員(社会福祉士等) | 事業所ごとにサービス提供時間に応じて専従で1以上 (※生活相談員の勤務時間数としてサービス担当者会議、地域ケア会議等も含めることが可能。) |
看護職員(看護師・准看護師) | 単位ごとに専従で1以上 (※通所介護の提供時間帯を通じて専従する必要はなく、訪問看護ステーション等との連携も可能。) |
介護職員 | ①単位ごとにサービス提供時間に応じて専従で次の数以上(常勤換算方式) ア 利用者の数が15人まで 1以上 イ 利用者の数が15人を超す場合 アの数に利用者の数が1増すごとに0.2を加えた数以上 ②単位ごとに常時1名配置されること ③①の数及び②の条件を満たす場合は、当該事業所の他の単位における介護職員として従事することができる |
機能訓練指導員 | 1以上(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師) |
生活相談員又は介護職員のうち1人以上は常勤 |
※定員10名以下の地域密着型通所介護事業所の場合は看護職員又は介護職員のいずれか1名の配置で可
(引用:厚生労働省「参考資料3 参考資料(通所介護・療養通所介護)」
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https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168705.pdf 引用日2023/05/11)
介護職員は無資格者・未経験者の方でも働けますが、デイサービスで接するのは介護・介助が必要な高齢者であるため、注意すべきことがあります。そのため、研修などを実施し、介護業務に関しての理解を深める機会を設けている職場も多い傾向です。
1-1. デイサービスの仕事内容
デイサービスの1日における基本的な仕事内容は、以下の通りです。
送迎 |
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介護職員が利用者さんを自宅まで迎えに行き、帰りも送り届けます。 |
健康チェック |
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利用者さんが施設に着いて最初に行うのが、検温や血圧測定などの健康チェックです。利用者さんの体調に異常がないかを確認した上でサービスの提供を始めます。 |
入浴介助 |
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利用者さんの浴室までの誘導・脱衣・洗身・洗髪の介助を行います。 |
食事介助 |
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利用者さんに食事やおやつが提供される施設では、利用者さんの食事介助を行ったり、誤飲・誤嚥が発生しないよう気を配ったりすることも大切な仕事です。 |
排泄介助 |
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利用者さんに決まった時間に声をかけて、トイレへの誘導や排泄の介助を行います。 |
レクリエーション |
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利用者さんが楽しい時間を過ごせるように、さまざまなレクリエーションを企画・実施します。 |
2. 介護未経験の人がデイサービスで働く場合のポイント3つ
介護未経験の方がデイサービスで働く場合、以下の3つのポイントを押さえることが大切です。
(1)笑顔を心がけて働く
デイサービスで働く際には常に笑顔を心がけましょう。無表情や不機嫌そうな顔で働いていると、利用者さんが不安な気持ちになってしまいます。
初めてデイサービスで働く方は覚えることが多く、余裕がなくなってしまう方もいるでしょう。しかし、利用者さんはデイサービスで働く方の姿をよく見ています。働いている方が硬い表情をしていると、利用者さんは声をかけづらくなり、コミュニケーションがうまくいかなくなる可能性があるため注意が必要です。
(2)報連相を意識して働く
どのような仕事でも報連相は大切ですが、デイサービスでは特に重要となってきます。
デイサービスでは、職員の方がチームとなり、利用者さん一人ひとりのケアを行います。利用者さんは高齢ということもあり、体調が変化しやすく、些細なことが病気やけがにつながる恐れがあるため常に注意が必要です。利用者さんに関して気づいたことや知り得た情報などがあれば、速やかにほかの職員の方に報連相しましょう。
(3)落ち着いて働く
デイサービスの利用者さんは、急に体調を崩すことや、思わぬけがをすることもあります。緊急時には、何よりも落ち着いて対応することが大切です。問題が発生したときにパニックになっては、適切な対応ができなくなる恐れがあります。デイサービスでは、落ち着いて働くことを常に心がけましょう。
3. デイサービスで働くメリット・デメリット
デイサービスで働くことにはメリットだけではなくデメリットもあるため、両方を理解した上でデイサービスで働くことを検討することが大切です。ここからは、デイサービスで働く上での主なメリットとデメリットについて説明します。
3-1. 3つのメリット
デイサービスで働く際の主なメリットは、以下の通りです。
(1)夜勤がない
デイサービスは、利用者さんに対して日中にサービスを提供するのが一般的です。入所施設とは異なり、基本的に日勤のみとなる点がデイサービスの大きな特徴であり、魅力にもなっています。
(2)チームワークを深められる
デイサービスではレクリエーションやイベントを企画・実施する機会が多くあります。1つの目標に向かって意見を出し合い、スタッフ一丸となって取り組む仕事であるため、チームワークを深めやすいことがデイサービスで働くメリットの1つです。
(3)利用者さんに寄り添った仕事ができる
デイサービスでは、利用者さん一人ひとりに寄り添い、相手の立場に立った支援ができる点が大きな魅力となっています。利用者さんやその家族の役に立っていると実感できる場面も多いため、やりがいにもつながるでしょう。
3-2. 3つのデメリット
デイサービスで働く場合の主なデメリットは、以下の通りです。
(1)利用者さんが日によって異なる
毎日同じ利用者さんに対応する入所型の介護施設とは異なり、デイサービスでは利用者さんが日によって変わります。利用者さんの顔や名前、対応の違いなどを覚える機会が多い点がデイサービスで働くデメリットの1つです。しかし、日によって利用者さんが異なることで、常に新鮮な気持ちで仕事に向き合えることを魅力に感じる方もいます。
(2)レクリエーションを考える必要がある
デイサービスでは、利用者さんが毎日楽しく過ごせるよう、バラエティに富んだレクリエーションを実施する必要があります。新しいレクリエーションを考えるために、情報収集や企画の立案が常に必要な点は、人によってはデメリットに感じられるでしょう。ただし、レクリエーションを実施することで、利用者さんに喜んでもらえ、感謝の言葉をもらえることも多いです。利用者さんの笑顔や感謝の言葉をやりがいにして、新しいレクリエーションの立案を意欲的に取り組む介護職の方もいます。
(3)介護技術を高めにくい
一般的に、デイサービスの利用者さんは介護度が低く、難易度が高い身体介護を任されることは多くありません。そのため、介護職としてのスキルを上げたい方にとっては、物足りない仕事内容となりやすい点がデメリットの1つです。しかし、介護の仕事が未経験の方が初めて働く環境として、デイサービスは比較的負担が少ないため、仕事を始めやすいと言えるでしょう。
4. デイサービスで役立つ資格3選
ここからは、デイサービスで役立つ資格を3つ紹介します。資格を取得しておけば将来スキルアップや給料アップにつながる可能性もあるため、参考にしてください。
(1)介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護入門とも言える資格です。介護の業務に必要とされる基礎的な知識やスキル、考え方などを学ぶことを目的としています。受講時間は130時間と比較的受講しやすいため、就職前に受講する方も多い資格です。
(2)実務者研修
実務者研修は、介護職員初任者研修よりもさらに実践的な知識やスキルを学べる研修です。利用者さんに質の高い介護サービスを提供するために、介護技術や認知症への理解を深めます。実務者研修は介護福祉士試験を受験する上で必須となるため、キャリアアップを目指している方は取得しておいて損はない資格と言えるでしょう。
(3)介護福祉士
介護福祉士は、介護業界に関係する国家資格の1つです。介護福祉士の試験を受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。介護未経験の方が働きながら介護福祉士を目指す場合、介護職員初任者研修・実務者研修・介護福祉士の順番で資格取得するのが一般的です。また、一定期間以上、介護職員としての実務経験があることも受験資格に含まれます。
まとめ
デイサービスは、介護の仕事が未経験の方や介護に関する資格を持っていない方であっても、始められる仕事です。未経験・無資格の方が介護の仕事を始める場合は、笑顔を心がけ、報連相を意識して働くことが大切です。また、緊急事態が発生した場合であっても、落ち着いて行動することを心がけましょう。
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※当記事は2023年5月時点の情報をもとに作成しています
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